作家・西東行さんのサイト
拍手コメントで、講談社文庫ホワイトハートで活動されていた作家・西東行さんが開設されたサイトを教えていただきました。ありがとうございます。twitterでは昨日流しましたがあらためて記事として残したいと思い、書いておきます。
【架空の東 空想の西】
サイトによると、どうやら事情でしばらく本を出されないようです。
好きな作家さんなのでとても残念ですが、創作は続けておられるようで『大祭の夜に』の続編など短編が公開されています。さっそく読みます。
どうかまた別の場所を得て活躍されることを願ってます。
西東行さんの既刊はこちら。
鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)
西東 行 睦月 ムンク

神々の夢は迷宮 (講談社X文庫―ホワイトハート)
西東 行 睦月 ムンク

大祭の夜に 神々の迷宮 (講談社X文庫―ホワイトハート)
西東 行 睦月 ムンク

【架空の東 空想の西】
サイトによると、どうやら事情でしばらく本を出されないようです。
好きな作家さんなのでとても残念ですが、創作は続けておられるようで『大祭の夜に』の続編など短編が公開されています。さっそく読みます。
どうかまた別の場所を得て活躍されることを願ってます。
西東行さんの既刊はこちら。
鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)
西東 行 睦月 ムンク

神々の夢は迷宮 (講談社X文庫―ホワイトハート)
西東 行 睦月 ムンク

大祭の夜に 神々の迷宮 (講談社X文庫―ホワイトハート)
西東 行 睦月 ムンク

訃報 佐藤史生
マンガ家の佐藤史生さんが亡くなられたそうです。
ついったー経由で知りました。
詳しいことはご友人のマンガ家坂田靖子さんが書いておられます。
【サカタBOX・佐藤史生先生の読者の方へ】
知ってからずっと混乱していて、なにも手につきません。
それほど佐藤史生は私にとって大きな存在だったのだと、これまで自分でも意識していませんでした。
学生時代に読んだ作品の数々に多大な影響を受けてきて、それがあまりにも自分の一部になってしまっていたので、認識することもできない状態になっていたものらしいです。
どうしようもなくて、手元にある作品を読んでいました。
『死せる王女のための孔雀舞(パヴァーヌ)』
『金星樹』
『夢みる惑星』
読み終えては茫然とし、何もできなくてまた読む。
そして、『ワン・ゼロ』以降の作品が手元にないことに気づいてさらに茫然。
なんで私はあれらの本を処分してしまったんでしょうか。
たしか、あまりに痛んでしまったので持っていることが苦痛になったことを記憶していますが、それでもとっておけばよかった。
痛むような状況にほったらかしにしておいた自分と、処分する決断をした自分を呪います。
理性と理知とがまさった描写に、染み渡る叙情性。
世界のひろがりと人間の孤独。
機知に富んだ台詞まわし。
緻密なSFでありながら深くファンタジー。
佐藤史生の作品は佐藤史生にしかかけない。
いまだに混乱から抜け出せません。
ご冥福をお祈りいたします。
ついったー経由で知りました。
詳しいことはご友人のマンガ家坂田靖子さんが書いておられます。
【サカタBOX・佐藤史生先生の読者の方へ】
知ってからずっと混乱していて、なにも手につきません。
それほど佐藤史生は私にとって大きな存在だったのだと、これまで自分でも意識していませんでした。
学生時代に読んだ作品の数々に多大な影響を受けてきて、それがあまりにも自分の一部になってしまっていたので、認識することもできない状態になっていたものらしいです。
どうしようもなくて、手元にある作品を読んでいました。
『死せる王女のための孔雀舞(パヴァーヌ)』
『金星樹』
『夢みる惑星』
読み終えては茫然とし、何もできなくてまた読む。
そして、『ワン・ゼロ』以降の作品が手元にないことに気づいてさらに茫然。
なんで私はあれらの本を処分してしまったんでしょうか。
たしか、あまりに痛んでしまったので持っていることが苦痛になったことを記憶していますが、それでもとっておけばよかった。
痛むような状況にほったらかしにしておいた自分と、処分する決断をした自分を呪います。
理性と理知とがまさった描写に、染み渡る叙情性。
世界のひろがりと人間の孤独。
機知に富んだ台詞まわし。
緻密なSFでありながら深くファンタジー。
佐藤史生の作品は佐藤史生にしかかけない。
いまだに混乱から抜け出せません。
ご冥福をお祈りいたします。
訃報 栗本薫
作家の栗本薫さんが膵臓癌のために亡くなったそうです。
闘病されているのは知っていましたが、毎月のように新刊棚にグイン・サーガが並んでいるので、まだ大丈夫なのだろうと勝手に思いこんでいました。
中学生の頃からグイン・サーガを読んできたものとして、あの長大で豊かな物語がついに完結に至らなかったという現実がなんともやるせないです。
去年亡くなった氷室冴子さんにつづき、私の読書歴の冒頭において燦然たる輝きを放っていた作家さんがふたりも失われたことになります。そのことを思うと愕然とします。
まだお若かったのに、グインを完結させたかっただろうな。
まだ読んでいないグインの続きを読もうかなと思ったりもしました。
どこまで読んだか思い出せないのが何ですが……。
謹んでご冥福をお祈りします。
闘病されているのは知っていましたが、毎月のように新刊棚にグイン・サーガが並んでいるので、まだ大丈夫なのだろうと勝手に思いこんでいました。
中学生の頃からグイン・サーガを読んできたものとして、あの長大で豊かな物語がついに完結に至らなかったという現実がなんともやるせないです。
去年亡くなった氷室冴子さんにつづき、私の読書歴の冒頭において燦然たる輝きを放っていた作家さんがふたりも失われたことになります。そのことを思うと愕然とします。
まだお若かったのに、グインを完結させたかっただろうな。
まだ読んでいないグインの続きを読もうかなと思ったりもしました。
どこまで読んだか思い出せないのが何ですが……。
謹んでご冥福をお祈りします。
トラックバック企画「2009年 このファンタジーが良さげ・・・」
Leonさんが開催されているTB企画「2009年 このファンタジーが良さげ・・・」に今年も参加してみます。
要項は以下のとおり。
2008年は例年になく懸命に本を読んでいたみたいで、しかも2008年刊のものもけっこう混じっていたらしく、選出に大変悩まされました。候補がありすぎです。
困った困ったとうろうろしていましたが、時間がなくなってきたのでえいや! と選んでみました。ええもう、無理やりなのです。
一位 アーシュラ・K・ル=グウィン『パワー 西のはての年代記3』
運命という名の津波の中でひとりの人間がどのように生きのびるかを、魔法の生きている世界で描き出す、スケールの大きなファンタジー三部作の完結編。
ひとつの世界の運命を丸ごと描こうとするのではなく、あくまでも個人の生を追いながらも、それが世の流れにも大きく関連していることが感じられてくる作品です。
少年達の成長物語でありつつも、魔法が物語に重要な役割を果たしていて、その先に人間社会のあり方といった遠大なテーマが見えてくる。さすがル=グウィン。とてもまっとうで生真面目な面白さを持つ物語です。
主人公は例外なく災難に遭うため読んでいて辛いのですが、この辛いことがとてもリアルだと感じられることも読書の醍醐味のひとつなのですね、私にとってはですが。
そういう系統でいうと歴史小説家ローズマリ・サトクリフも大好きなのですが、ル=グウィンのこの三部作はまるでサトクリフがファンタジー世界を舞台に書いたおはなしのようにも思えました。
物語の終わりにたどり着いた時にはずしんと重たくいつまでも響いてくるような余韻が残って、泣けてきそうな気分になったのをおぼえています。
すごく地味な外見ですが、そういうわけでぜひ読んで欲しい作品です。


二位 妹尾ゆふ子『翼の帰る処』上下巻
魔法の気配の色濃い物語を書かせればいま日本で一番すばらしい、と私の思っている作家さんのオリジナル新作です。
今回は幻想シーンのすばらしさに人間ドラマの面白さも加わって、たいへんフレンドリーかつ躍動的なお話になりました。
巨鳥を駆るひとびとの伝説や、沢山の塔のある都に落ちる絢爛な闇。
南の生温かくまとわりつくような大気と、北方の冷涼とした風の吹く山岳地帯。
広がる情景に歴史の重みが付加されてたいそう深みのある物語世界を歩く嬉しさ。
そこでくり広げられる生き生きとした登場人物たちとの必ずしもいつも幸せとはいえない現実と、主人公の見るこちらはあきらかに不幸な過去の夢とが交錯するさまを、どきどきワクワクしながら楽しみました。
主人公が過去へと縛りつけられていた自分を解き放って、今、このときにおいて自分が大切だと思える物をみつけてたどりつくまでの物語に、生きているという実感がここまで濃密なものになりうるのだと感動させていただきました。
続刊の刊行が待ち遠しいです。



三位 栗原ちひろ『オペラ・アウローラ 君の見る暁の火』
全八巻のファンタジー「オペラ・シリーズ」の完結編。
ひとつの世界の謎と終焉と再生を、真摯に生きる登場人物達のドラマとともに描く物語。
このシリーズは最初のうちはなかなかなじめずにいたのですが、三巻くらいからそれはもう見事にファンタジーらしさにあふれた、うつくしく儚く哀しくそれでいて熱く強い展開を見せ始めまして、最後の三巻くらいは怒濤の勢いで読み切りました。
これこそがファンタジーの精髄、みたいな純粋に透明な水晶のような雰囲気を持つ話。
私にとってはとにかく文章が美しいのが好みでして、なにげない一言からここは狙ってるなと思われる決めシーンの描写まで、すみずみまで堪能させていただきました。
当然のことですが、美しいものは美しい言葉で表現された方が嬉しいものです。
美しい物語には美しい文章が似つかわしいのです。
ファンタジーらしいスケールの大きさと美しさに魅惑されました。


以上でございます。
残念ながら三位までに入れられなかったのは、ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の棲む城』、エレン・カシュナー&デリア・シャーマン『王と最後の魔術師』、パトリシア・A・マキリップ『オドの魔法学校』『ホアズブレスの龍追い人』あたりです。
とくにマキリップは入れたり出したり何度もしてましたが、短編集と長編どちらにするかに迷ったのと、マキリップの最上とはいえないかなーと思ったのとで今回は泣く泣く……。
それから池上永一『テンペスト』はどうやっても1月中に読み切れないということが判明し、評価をつけられませんでした。
総じて去年の読書は収穫が大きかったなーと思います。
今年もわくわくドキドキ悲鳴をあげながら読むようなファンタジーに出逢いたいものですね。
要項は以下のとおり。
・2008年内に出版されたもの(*)のうち、個人的なベスト3(1~2冊でも可)のタイトルと著者名
・締め切りは1月末まで
・ジャンル特定が難しいものもあると思いますが、「ファンタジーと思ったものがファンタジー」の方向で
・トラックバックに限らず、コメントで寄せられたものも集計の対象に致しますので、blog を利用していない方もお気軽に!
*: 初出タイトルはもちろんのこと、文庫化されるなどして新たに書店に並んだものや新訳、復刊を含みます。(増刷は対象外です。)
2008年は例年になく懸命に本を読んでいたみたいで、しかも2008年刊のものもけっこう混じっていたらしく、選出に大変悩まされました。候補がありすぎです。
困った困ったとうろうろしていましたが、時間がなくなってきたのでえいや! と選んでみました。ええもう、無理やりなのです。
一位 アーシュラ・K・ル=グウィン『パワー 西のはての年代記3』
運命という名の津波の中でひとりの人間がどのように生きのびるかを、魔法の生きている世界で描き出す、スケールの大きなファンタジー三部作の完結編。
ひとつの世界の運命を丸ごと描こうとするのではなく、あくまでも個人の生を追いながらも、それが世の流れにも大きく関連していることが感じられてくる作品です。
少年達の成長物語でありつつも、魔法が物語に重要な役割を果たしていて、その先に人間社会のあり方といった遠大なテーマが見えてくる。さすがル=グウィン。とてもまっとうで生真面目な面白さを持つ物語です。
主人公は例外なく災難に遭うため読んでいて辛いのですが、この辛いことがとてもリアルだと感じられることも読書の醍醐味のひとつなのですね、私にとってはですが。
そういう系統でいうと歴史小説家ローズマリ・サトクリフも大好きなのですが、ル=グウィンのこの三部作はまるでサトクリフがファンタジー世界を舞台に書いたおはなしのようにも思えました。
物語の終わりにたどり着いた時にはずしんと重たくいつまでも響いてくるような余韻が残って、泣けてきそうな気分になったのをおぼえています。
すごく地味な外見ですが、そういうわけでぜひ読んで欲しい作品です。

二位 妹尾ゆふ子『翼の帰る処』上下巻
魔法の気配の色濃い物語を書かせればいま日本で一番すばらしい、と私の思っている作家さんのオリジナル新作です。
今回は幻想シーンのすばらしさに人間ドラマの面白さも加わって、たいへんフレンドリーかつ躍動的なお話になりました。
巨鳥を駆るひとびとの伝説や、沢山の塔のある都に落ちる絢爛な闇。
南の生温かくまとわりつくような大気と、北方の冷涼とした風の吹く山岳地帯。
広がる情景に歴史の重みが付加されてたいそう深みのある物語世界を歩く嬉しさ。
そこでくり広げられる生き生きとした登場人物たちとの必ずしもいつも幸せとはいえない現実と、主人公の見るこちらはあきらかに不幸な過去の夢とが交錯するさまを、どきどきワクワクしながら楽しみました。
主人公が過去へと縛りつけられていた自分を解き放って、今、このときにおいて自分が大切だと思える物をみつけてたどりつくまでの物語に、生きているという実感がここまで濃密なものになりうるのだと感動させていただきました。
続刊の刊行が待ち遠しいです。


三位 栗原ちひろ『オペラ・アウローラ 君の見る暁の火』
全八巻のファンタジー「オペラ・シリーズ」の完結編。
ひとつの世界の謎と終焉と再生を、真摯に生きる登場人物達のドラマとともに描く物語。
このシリーズは最初のうちはなかなかなじめずにいたのですが、三巻くらいからそれはもう見事にファンタジーらしさにあふれた、うつくしく儚く哀しくそれでいて熱く強い展開を見せ始めまして、最後の三巻くらいは怒濤の勢いで読み切りました。
これこそがファンタジーの精髄、みたいな純粋に透明な水晶のような雰囲気を持つ話。
私にとってはとにかく文章が美しいのが好みでして、なにげない一言からここは狙ってるなと思われる決めシーンの描写まで、すみずみまで堪能させていただきました。
当然のことですが、美しいものは美しい言葉で表現された方が嬉しいものです。
美しい物語には美しい文章が似つかわしいのです。
ファンタジーらしいスケールの大きさと美しさに魅惑されました。

以上でございます。
残念ながら三位までに入れられなかったのは、ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の棲む城』、エレン・カシュナー&デリア・シャーマン『王と最後の魔術師』、パトリシア・A・マキリップ『オドの魔法学校』『ホアズブレスの龍追い人』あたりです。
とくにマキリップは入れたり出したり何度もしてましたが、短編集と長編どちらにするかに迷ったのと、マキリップの最上とはいえないかなーと思ったのとで今回は泣く泣く……。
それから池上永一『テンペスト』はどうやっても1月中に読み切れないということが判明し、評価をつけられませんでした。
総じて去年の読書は収穫が大きかったなーと思います。
今年もわくわくドキドキ悲鳴をあげながら読むようなファンタジーに出逢いたいものですね。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』その2
弟宅に行った時、たまに見せてもらう近未来SF連続アニメシリーズです。
アニメとしてもSFとしてもドラマとしても音楽としてもとても面白いのですが、昨年の夏頃から見始めているのにいまだにDVD二枚分しか終えてません。
ところでその二枚分が実際には単品版だと四枚分だということに、いまさら気づきました。
ということは奴はこれのDVD-BOXを持っているのか。
これは四枚分見たよ記念記事です。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 3 [DVD]
田中敦子, 神山健治


攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 04 [DVD]
下村一 寺岡賢司 士郎正宗


作品は好きなのですが、気になることが。
草薙少佐はカッコイイのに、どーもコスチュームデザインが気になります。
擬体化していると露出度の高い服が着たくなるのか、それとも作者の趣味か。
あんな薄ぺらい服で戦闘したら布が破けるのではとか、いやあれはきっと特殊な強度の布でできているのだろうとか、余計なことばかり考えてしまいます。
見たばかりの話で出てきた看護士の制服がまたいやーんなものだったので、やはり作者の趣味?
あと私の好きなのはタチコマくんたちです!
ハードな本編の後で見るおまけアニメ「タチコマな日々」には和みますねv
アニメとしてもSFとしてもドラマとしても音楽としてもとても面白いのですが、昨年の夏頃から見始めているのにいまだにDVD二枚分しか終えてません。
ところでその二枚分が実際には単品版だと四枚分だということに、いまさら気づきました。
ということは奴はこれのDVD-BOXを持っているのか。
これは四枚分見たよ記念記事です。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 3 [DVD]
田中敦子, 神山健治

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 04 [DVD]
下村一 寺岡賢司 士郎正宗

作品は好きなのですが、気になることが。
草薙少佐はカッコイイのに、どーもコスチュームデザインが気になります。
擬体化していると露出度の高い服が着たくなるのか、それとも作者の趣味か。
あんな薄ぺらい服で戦闘したら布が破けるのではとか、いやあれはきっと特殊な強度の布でできているのだろうとか、余計なことばかり考えてしまいます。
見たばかりの話で出てきた看護士の制服がまたいやーんなものだったので、やはり作者の趣味?
あと私の好きなのはタチコマくんたちです!
ハードな本編の後で見るおまけアニメ「タチコマな日々」には和みますねv