ごく個人的な2017年ベスト

2018年、あけましておめでとうございます。

遅れましたが、恒例の、2017年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2017年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番は適当で意味はありません。

ちなみに2017年に読んだ本はのべ53冊でした。
少なっ。

しかも再読本含むです。読む片端から忘れるのがデフォルトなわたしですが、最近拍車がかかって、何度読んでも初めてみたいに驚けるのに驚きです。アハハ。

そんな感じで母数が少ないので選ぶのもちょっと大変でしたが、これ好きだー、読んでよかったという気持ちが残ってる本は以下の通り。


・小瀬木麻美『レオナール・ヴェイユの香彩ノート』(ポプラ文庫ピュアフル)
 続編も出てます。『レオナール・ヴェイユの優雅な日常』(ポプラ文庫ピュアフル)

 青春バドミントン小説『ラブ・オール・プレー』の作者さんの新シリーズ。香水と美術と料理と、彩り豊かで五感を刺激する、たいそう文化的でおしゃれで、やさしい読後感の残る、ミステリー仕立てのお話でした。
 主役が若い女性で、相手役にミステリアスでやさしい超絶美形(訳アリ)が配されていることからわかるように、たたずまいはキャラ寄りの少女小説ですね。

 たくさんの素材をちりばめつつも、どれも粗末に扱わず、主人公の心の軌跡を縦糸にていねいに編み上げられた物語でした。派手な美形がどれだけ非現実的でも、それがきちんと目の前に地に足を付けて立っていると納得できる設定や描写があって、安心して読めました。
 この、読んでいてきちんと腑に落ちていく感覚、気持ちが良かったです。

 ていうか、こんなに飲み食いしながら日本だけでなく方々歩き回り、なおかつ美術や工芸品を愛でるのに余念がない物語が、他人の人間関係の綾まで描いて、この分量でまとまってるのがすごい。

 最初からシリーズになりそうだなと思ってましたが、続編が出てくれて嬉しいです。
 これからはレオの家族関係も明らかになりそうですね。

(P[こ]4-5)調香師レオナール・ヴェイユの香彩ノート (ポプラ文庫ピュアフル) (P[こ]4-7)調香師レオナール・ヴェイユの優雅な日常 (ポプラ文庫ピュアフル)


・宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』(角川文庫)
 『おそろし 三島屋変調百物語』(角川文庫)

 おととしあたりからまた宮部みゆきを読み出してるんですけど、やっぱりすごいなあ、と思います。
 でも、現代物は今のわたしには重くて痛くてツライ。その点、時代ものだと少し楽になります。同じような題材でも読み手から距離があって、作者が情報量を制限できるせいか、虚構性をより高くしても納得して受け入れられるからかなあ。

 で、この「三島屋変調百物語」シリーズ、最初に読んだのが二作目だったって、読み始めてから気がつく大ボケな読み手でしたが、形式が百物語なので短編連作なことにもあずかって、普通にたいへんに面白く読みました。読み終えてから一作目を読んでも、面白さが目減りするようなこともありませんでした。

 だから、このシリーズは面白いのです。断言。

 とはいえ、まだここまでしか読めてないのですけどね。既刊は四冊。

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫) あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)


・富安陽子『天と地の方程式』全三巻(講談社)

 表紙が好きな漫画家さんだったので読んでみたもの。
 中学生が主役の現代ローファンタジーなのですが、これが思わぬ掘り出し物でした。
 それぞれ普通ではない特技のある人物たちが送る中学生活のリアルが楽しくて。
 とんでもないお告げをするのが猿だったり。現実と背中合わせの異界からの脱出行とか、神様の音楽とか、ああ、だめだ、記憶力がへたりすぎててまだ語りたいのに語れるようなことが思い出せない……!

 とにかく、面白かったです。三冊ですっきりまとまってる点も素晴らしいと思います。

天と地の方程式 1 天と地の方程式 2 天と地の方程式 3


・イラナ・C・マイヤー『吟遊詩人の魔法』上下巻(創元推理文庫)

 年末に滑り込みでようやく本格的な異世界ファンタジーを読めました。
 タイトルからしてこれは絶対面白いだろうと思っていたのですが、店頭でカバー絵を見て確信しました。
 読んでみたらやっぱり!

 吟遊詩人が歌の魔法を駆使する話だろうと予想は半分あってて、半分外れでした。
 吟遊詩人はたくさん出てくるけれど、魔法はなかなか詩人と仲良くしてくれないのです。でも、世界のそこかしこに魔法の気配が漂っていて、ふとした瞬間に舞台は異界へと切り替わります。

 陰謀がうずまく話でもあります。黒幕がなかなかあらわれないのでぼんやりとしてますが、主役たちは常に追われる身となります。性差別や家庭内暴力がからんでくるのは、現代風かもしれません。

 辛い逃避行(マジで辛かった)の果てにようやく見つけたあるものが、意外な展開を連れてくるのが興味深かったです。魔法ファンタジーの醍醐味を満喫させていただきました。

吟遊詩人の魔法〈上〉 (創元推理文庫) 吟遊詩人の魔法〈下〉 (創元推理文庫)


その他の印象に残った本。
・多崎礼『血と霧』1,2巻
・ミシェル・ペイヴァー『神々と戦士たち』全三巻
・西條奈加『猫の傀儡』『秋葉原先留 ゆうれい付き』
・初野晴『ひとり吹奏楽部』



ごく個人的な年間ベスト一覧

ごく個人的な2016年ベスト

2017年、あけましておめでとうございます。

2016年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2016年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番は適当で意味はありません。

ちなみに2016年に読んだ本はのべ80冊でした。
しかもそのうち八冊は同一シリーズの再読。近所の本屋の相次ぐ閉店にへこみ、すっかり集中力の消えた頭は図書館に出す予約も面倒くさくなって、それでもまだ残ってる読みたい欲を満たすため、移動図書館でほそぼそと本を選んでいた一年でした。

それも読めずに返却したりしてたんですが……情けないですねえ……。

この記事を書くにあたり読了記録をながめてたら、そんなふうにして読んだ数少ない本すらあんまり記憶に残っていないと気がついて、がく然としました。

すべてが埋もれていく恐ろしい忘却の力にあらがって、わたしの記憶にしがみつく力のあった本は以下の通り。


・月村了衛『機龍警察 火宅』(早川書房)

人型装甲兵器が街中で戦う至近未来を舞台にえがかれるSF警察小説シリーズの番外短編集です。
設定を説明しているとすごく荒唐無稽な話のように思われそうなのだけど、その設定を支える膨大な情報と現実との積み重ねと人間ドラマの相乗効果で、読み心地としてはめちゃくちゃリアル。ハードでタフな警察物でありつつ、国際的な組織によるテロや陰謀を追いかけるインテリジェンスものとしての要素もあり、いろんな楽しみ方のできるシリーズですね。

今回は短編集ということで、登場人物個人に焦点を当てた作品がおもしろかったです。

機龍警察 火宅 (ハヤカワ・ミステリワールド)


・マイケル・モーパーゴ『月にハミング』(小学館)

第二次世界大戦時に起きた事実を元にして書かれた小説です。少年少女がメインで児童書として刊行されており、戦場が出てきたりはしないので悲惨な描写はないけれど、そういう状況の冷酷さ、過酷さ、せちがらさはひしひしとつたわってきます。そんな状況下でおきる日常のささやかな事件とそれによりもたらされるひとびとのふれあい
、なによりも月下のシーンがいとおしい。

ノルマンディー上陸作戦が背景にある、と思って読むとなるほどーとなりました。
コニー・ウィリスの『ブラックアウト』『オール・クリア』と重なる部分もあり、興味深かったです。

月にハミング (児童単行本)


・上橋菜穂子『鹿の王』上下巻(角川書店)

異世界ファンタジーの長編。
濃密で熱くて分厚い世界を堪能しました。
ほかになにか書くことはないかと探したけれどもみつからなかった;

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐ 鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐


・妹尾ゆふ子『翼の帰る処 5』上下巻(幻冬舎コミックス)

長年追いかけてきた異世界ファンタジーシリーズがついに完結。
新刊が出る度に既刊をあたまから読み返していたのはこのシリーズくらいですね。
何度読んでも新しい発見があるし、かわいいし、面白いし、ほんとうに楽しい時間をすごさせてもらいました。
異世界の質感や魔法の濃密度では国内作品でもずぬけていると思います。

それだけでなくこのシリーズは、この作者さんとしてはすごく娯楽性を追求した作品だったなーと、思います。登場するキャラクターがみんな立ってて、それぞれにドラマがあり思いがかたむけられる。すばらしい。異世界性とこれを両立させるのって、大変だったのではないかと思います。長い間本当にお疲れさまでした。

翼の帰る処 5 ―蒼穹の果てへ― 上 翼の帰る処 5 ―蒼穹の果てへ― 下


・宮部みゆき『荒神』(朝日新聞社)

時代小説かと読んでいるととんでもないものが現れてくる、恐ろしい話でした。
例によってなんの予備知識もなく読み始めたので、そりゃあ驚いたのなんの。
知らないひとには同じように驚いて欲しいので詳しいことは書きたくないのですが、いちおう、ジャンルとしては伝奇物なのかなーと思います。でも出てくるものが! その強烈な存在感が!

こんなスケールの大きなパニックあんどパニックな伝奇小説は初めて読みました。

こんなになっちゃっていったいどうなるんだよ……久しぶりに読んでて手に汗握りましたが、作者さんは一流の娯楽作家さんなので安心です。

荒神



その他の印象に残った本。
・米澤穂信『王とサーカス』
・西條奈加『刑罰0号』
・辻村深月『ツナグ』『ハケンアニメ!』
・加納朋子『はるひのの、はる』
・養老孟司『身体巡礼 ドイツ・オーストリア・チェコ編』
・アーナルデュル・インドリダソン『湿地』



ごく個人的な年間ベスト一覧

ごく個人的な2015年ベスト

2016年、あけましておめでとうございます。

遅くなりましたが、2015年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2015年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番は適当で意味はありません。

ちなみに2015年に読んだ本はのべ59冊でした。
う わ あ。
減ったなと自覚してはいたけど、まさかここまで減ってたとは。
自分でもびっくりしました。
主な要因は集中力の欠如。そこに足のケガによる図書館本ばなれが拍車をかけていたようです。
しかも、ケガが治ってからも借りに行く気持ちが戻ってこなかったんですね……。

予約本がなかなか届かないのも悪い。というのはいいわけだ。

そういえば、ケガで動けなかった間はネット小説をかなりたくさん読んでました。
そちらのほうもまとめたいと思いつつ、けっきょく手付かずで年が明けてしまいましたが。

……気を取り直していってみましょう。


・原田マハ『ジヴェルニーの食卓』(集英社)『楽園のカンヴァス』(新潮社)

どちらも読んだのは単行本でしたが、書影は文庫のものにはってあります。
とくに『ジヴェルニー』は2015年初の読了本だったので感激しまして、それから作者さんの本をぽつぽつ読んでみたりしました。
わたしは、ふつうの現代物より美術もののほうが好みです。
ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫) 楽園のカンヴァス (新潮文庫)


・村田喜代子『ゆうじょこう』(新潮社)

この本はすごかった。しっとりとした質感ある文章とリアルでシビアな状況、ヒロインのめげなさ、どれをとっても新鮮でした。
そして、話は明治初頭の熊本の遊郭が舞台なんですが、読んだ後で史実が元になってると知りさらにぶったまげました。
もうすぐ文庫化される模様ですが、書影リンクは単行本へ。
ゆうじょこう


・梨木香歩『海うそ』(岩波書店)

作者さんはわたしにとってはあまり当たり外れのないかたなのですが、この本は大ホームラン。
場外へと消える満塁ホームランだったといってもよいと思います。
歩き続ける旅人の視点でつづられる南の島の豊かな自然。伏流のように沈んではあらわれる静謐な哀しみ。
あきらかになる島のつらい歴史。
これまで過去の話は過去で終わっていたことが多かったのに、現代へと話がひきつがれてくるのが新鮮でした。

いいものを読ませていただいたなあ、という感慨にふけった本でした。

海うそ


・ジョージ・R・R・マーティン『竜との舞踏 3 氷と炎の歌5』

2014年からの持ち越し分。ようやく第五部を読み終わりました。
案の定、読んでる間中、こころのなかで悲鳴をあげ続けておりました。
どんな重要人物にも情け容赦なくふりかかる悲劇の嵐に、だれが生き延びるのかまったく予想がたちません。
ドラマもときどきレンタルで見てるのですが、ほんとにものすごく酷くて熱くて血わき肉躍るすごい話だよなあ。
つづきをはやく、はやく読ませてください作者様。←本国でもまだ出版されてないもよう。

竜との舞踏 (3) (氷と炎の歌 5)


・高田大介『図書館の魔女 烏の伝言』

とても面白かった『図書館の魔女』の続編。
といっても前作の主要登場人物はひとまず置いて、前作ではあまり詳しく描かれなかったニザマ近辺の、空白にちかかった付近を舞台に、あらたなひとびとがそれぞれの置かれた状況で懸命に現実を打開していくさまを描く、架空歴史冒険ものとなっています。ぶこつな男達と不遇な少年たちの出会いが熱い! お姫さまを助けようとするかれらの奮闘にどきどきします。舞台設定の妙もあって、とても心躍る読書時間となりました。
読み進むうちにしだいに前作とのかかわりが明らかになるのが楽しかった〜。
ほんと、ラストはニヤニヤさせられどおしでした。

このシリーズ(といってもいいよね)もつづきを早く読みたいです。読みたいのです!(力説

図書館の魔女 烏の伝言


・ロビン・ホブ『白の予言者 道化の使命第三部』全四巻

つづきを読みたいと言ってる間の幸せを、この物語を読み終えた後に思いました。
「道化の使命」三部作ついに完結編。
「ファーシーアの一族」からはじまる大河ファンタジーもついにこれでひとまずの終わりを迎えることになりました。
シリーズを通して大イベント続きの物語ですが、ここにいたってもさらに驚愕の展開が。
うーーーわーーーー。
どこを読んでもいつ読んでも、つねに驚きとともにこころに深い感情を呼び起こす物語でした。
怒りも哀しみも憎しみも嫉みも愛も、このはなしの隅々にまでぎゅっと詰め込まれています。
そして、怒濤の暴風雨のあとにおとずれる、しずかにないだ海辺のようなおわりかた。
シビアなものがたりなので手放しの大団円とはなりませんでしたが、地に足についてるかぎりの最上の終わりかただったと思います。

これで思い残すことはもうないかなあ……などとのんきに読み始めた訳者あとがきにボーゼン。
本国ではシリーズはまだつづいてる。なのに翻訳刊行する予定はない、ですと!

そりゃ、爆発的に売れてるシリーズとは思わなかったけど、まさかつづきが出せないほど売れてなかったとは。

翻訳者様、長大な物語の日本語訳に多大に感謝すると同時に、最後にせつないおしらせを、どうもありがとうございます(しくしく。

白の予言者 (1) (道化の使命) (創元推理文庫) 白の予言者 (2) (道化の使命) (創元推理文庫) 白の予言者 (3)  (道化の使命) (創元推理文庫) 白の予言者 (4)  (道化の使命) (創元推理文庫)


その他の印象に残った本。

・五代ゆう『骨牌使い(フォーチュン・テラー)の鏡』上下巻(ハヤカワ文庫JA)
・ロビン・スローン『ペナンブラ氏の24時間書店』(東京創元社)
・レイニ・テイラー『煙と骨の魔法少女』(ハヤカワ文庫FT)



ごく個人的な年間ベスト一覧

ごく個人的な2014年ベスト

2014年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2014年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番は適当で意味はありません。

ちなみに2014年に読んだ本はのべ104冊でした。

・高田大介『図書館の魔女』上下巻(講談社)
2014年は、個人的にただただ萌え〜のノリで読める本にあんまり出会わなかったような気がします。

一番それに近かったのは『図書館の魔女』でしょうか。物語世界も話のスケールも大きくて骨太なお話でそれでいてディテールまでこまやかに行き届いており、素晴らしいお話でした。そのうえで、わたしは二人の主人公の関係で非常に楽しませていただきました。もうもうもう。かわいいったらありゃしない! 近々続編が出るようなのでとっても期待しています。これを機会に文庫化もされるといいなあ。ぜひ買って読み返したいです。

図書館の魔女(上) 図書館の魔女(下)


・キャサリン・M・ヴァレンテ『孤児の物語』全二巻(東京創元社)
異世界ファンタジーとしては『孤児の物語』が圧倒的でした。
あれよあれよと連れて行かれる壮大な異界の物語。量も質も圧巻。たぶんかなり読み手を選ぶと思いますが、わたしは大好きです。

孤児の物語 I (夜の庭園にて) (海外文学セレクション) 孤児の物語2 (硬貨と香料の都にて) (海外文学セレクション)


・坂東眞砂子『朱鳥の陵』(集英社)
古代日本を舞台にしたファンタジーホラー。怖かったです。素晴らしく怖かったです。重要なことなので二度書きました。移動図書館で偶然出会い、ご無沙汰していた作者さんの作品を立て続けに読むきっかけになりました。すでに亡くなっておられるのが、残念。まだお若かったのですよね。五十代って人間の寿命としてはひとつの岐路なのかもしれない。遠い眼。

朱鳥の陵


・月村了衛『機龍警察 暗黒市場』『機龍警察 未亡旅団』(早川書房)
『機龍警察』シリーズはわたしにとってはもはや鉄板と化しております。
「至近未来SF警察小説」で、ジャンル的にもっともなじむのは警察小説なのかもしれませんが、国際情勢の変化や軍事的な実情にリアルに沿ったシビアな物語に、暗い過去をもつ個性的な登場人物達が苦悩しながら前進する楽しさは、これもまた私的には萌え小説に近い読み方をしてるかも。なのでラノベに飽き足りなくなったかたにお勧めしておきます。パトレイバーみたいな機甲兵装(つまりロボット)も出ます←タイトルロールなのにこの扱い;

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド) 機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)


・伊坂幸太郎『死神の精度』『死神の浮力』(文芸春秋)
2014年にみつけた作家・伊坂幸太郎。
世間的にメジャーになってるのはうすうす存じておりましたが、自分には関係のない書き手さんかと漠然と思っておりました。移動図書館で手に取らなければきっといまでも無縁のままでいたでしょう。あのとき『アヒルと鴨のコインロッカー』を借りてよかったなあ、と今思います。
当たり外れはほとんどなかったですが、つねにスリリングで結末的にも納得できたのはこのタイトルでした。短編集での先行作『死神の精度』と続編の長編『死神の浮力』という位置づけになっているようですが、どちらを先に読んでも構わないと思います。テイスト的にかなり違います。

死神の精度 (文春文庫) 死神の浮力


・ジョゼフ・ディレイニー『魔使いの盟友 魔女グリマルキン』『魔使いの血』(東京創元社)
「魔使い」シリーズは佳境に入ってる模様ですね。スピンオフ外伝風なのにしっかり本編の一部になってる『魔女グリマルキン』は魔女で暗殺者のグリマルキンの魅力たっぷりの一冊でした。こんなに非道で非情なのにこんなにかっこいいなんて反則だ! ダークヒーローという言葉がありますが、グリマルキンはまさにそれ。ヒロインという言葉のイメージがまったく似つかわしくない女、それがグリマルキンです。キャーwww てことは、これもわたしには萌え小説なのかwww

魔使いの盟友 (魔女グリマルキン) (創元ブックランド) 魔使いの血 (創元ブックランド)


・乾石智子『沈黙の書』(東京創元社)
乾石智子さんの作品は大好きですべて読んでおりまして、とくにオーリエラントのシリーズは何度も読み返しているため、どれが2014年の新刊だったかわからなくなってしまうくらいでした。二作目まで文庫化もされ、それもまた購入しています。まるで出版社に操られているようです。
『沈黙の書』は押し寄せてくる敵の存在がまるで天災のようだなと思った第一印象がいまだに残っています。独特の文章と魔法の体系が、登場人物達の存在と密接に絡み合って織りなす力強い物語世界に魅了されます。

沈黙の書


・ジョージ・R.R.マーティン『竜との舞踏 氷と炎の歌』1、2巻(早川書房)
異世界ファンタジーの大河小説「氷と炎の歌」シリーズはようやく第五部までたどりつきました。
いつもながら物語世界の濃密な空気と血で血を洗うような非道な社会、用意周到にはられた伏線により思わぬところでひっくり返される予測不能・驚天動地の物語に心臓をばくばくいわせながら読んでおります。
全三巻なのに三巻がぬけているのは、まだ手元に届かないからです。2014年内にはせめてと思ったけどかないませんでした。くっ、なんてこった。わたしの記憶力をこれ以上試さないで欲しいです。それでなくともこれまでの話を忘れてネット頼りだというのに、そこで不意にネタバレ食らって悲鳴を上げているというのに。
とにかく間違いなく続きが待ち遠しいシリーズです。
このシリーズもいろいろ萌えを感じるところがあるのですが、ネタバレせずに説明するのはもはや不可能なのでお察しください。

竜との舞踏 1 (氷と炎の歌 5) 竜との舞踏 (2) (氷と炎の歌 5)


その他の印象に残った本を以下にあげておきます。
マサト真希『アヤンナの美しい鳥』
キャサリン・M・ヴァレンテ『宝石の筏で妖精国を旅した少女』
紅玉いづき『青春離婚』
遠藤文子『星の羅針盤 サラファーンの星』
上田早夕里『深紅の碑文』上下巻
ローラン・ビネ『HHhH』
スティーグ・ラーソン『ミレニアム 2 火と戯れる女』上下巻、『ミレニアム 3 眠れる女と狂卓の騎士』上下巻
坂東眞砂子『瓜子姫の艶文』
伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』



ごく個人的な年間ベスト一覧

ごく個人的な2013年ベスト

2013年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2013年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番はたぶん読んだ順で他に意味はありません。

ちなみに2013年に読んだ本はのべ115冊でした。

・N.K.ジェミシン『空の都の神々は』『世界樹の影の都』(ハヤカワ文庫FT)
空の都の神々は (ハヤカワ文庫FT) 世界樹の影の都 (ハヤカワ文庫FT)

・乾石智子『魔道師の月』(東京創元社)
魔道師の月

・ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の王国』上下巻(創元推理文庫)
影の王国 上 (創元推理文庫) 影の王国 下 (創元推理文庫)

・月村了衛『機龍警察 自爆条項』(早川書房)
機龍警察 自爆条項 (上) (ハヤカワ文庫JA) 機龍警察 自爆条項 (下) (ハヤカワ文庫JA)

・小瀬木麻美『ラブオールプレー』『風の生まれる場所』『夢をつなぐ風になれ』(ポプラ社)
ラブオールプレー (ポプラ文庫ピュアフル) (P[こ]4-2)ラブオールプレー 風の生まれる場所 (ポプラ文庫ピュアフル) (P[こ]4-3)ラブオールプレー 夢をつなぐ風になれ (ポプラ文庫ピュアフル)

・小野不由美『丕緒の鳥 十二国記』(新潮社)
丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫)

・タニス・リー『薔薇の血潮』上下巻(創元推理文庫)
薔薇の血潮 上 (創元推理文庫) 薔薇の血潮 下 (創元推理文庫)

・辻村深月『スロウハイツの神様』上下巻(講談社ノベルス)
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

・森晶麿「黒猫」シリーズ(早川書房)
黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA) 黒猫の接吻あるいは最終講義 黒猫の薔薇あるいは時間飛行 黒猫の刹那あるいは卒論指導 (ハヤカワ文庫JA)

・皆川博子『開かせていただき光栄です』(早川書房)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)

読了数が年々落ちてますね〜。集中力の欠如に寄る年波を感じてしまいます。
そんなこんなで感想の方も滞りがちでしたが、これは書かなきゃあかんかったと後悔しきりなのが『薔薇の血潮』でございます。

読み終えたことすらあまり公言しなかった気がしますが、珍しく断言します。
『薔薇の血潮』がわたしの今年の、じゃないや去年のベストワンです。
ずっと記事にしなくてはとおもいつつ、思い入れの大きさゆえに文章にすることが出来ずにいるうちに年が明けてしまいましたよ……とほほ。

夢とうつつのはざまを描くようにつむがれるどっぷり濃厚なファンタジーで、冒頭は状況がつかみにくく、ラノベ読みにはわけわからんと匙を投げられそうな読みにくさなのですが、金枝篇を好んで読むようなひとなら大興奮すると思います。すくなくともわたしは上巻の終わりくらいからびっくりしどおしで息が止まるかと思うような濃密な時間を過ごしました。

ちょっとでも内容に触れようとするとすぐにネタバレしてしまいそうなんで(そのせいで感想が書けなかった)、このへんで切りあげときますね。


その他の印象に残った本を以下にあげておきます。
嬉野君『金星特急 外伝』
宮内悠介『盤上の夜』
本村凌二『馬の世界史』
上田早夕里『リリエンタールの末裔』
梨木香歩『雪と珊瑚と』
多崎礼『八百万の神に問う』1〜2
籐真千歳『スワロウテイル人工少女販売処』
壁井ユカコ『五龍世界 WOOLONG WORLD III 天鏡に映る龍』
スティーグ・ラーソン『ミレニアム 1 ドラゴン・タトゥーの女』上下巻
ジョゼフ・ディレイニー『魔使いの運命』




ごく個人的な年間ベスト一覧