『リリス』

リリス
ジョージ・マクドナルド George MacDonald 荒俣 宏
4480020918

[Amazon][bk1]

やっぱり再読でした……読み終えても「ここは覚えてる!」と断言できるシーンは一個もなかったのが哀しいです。
でも独特の透明感のある読後感はまちがいなく味わったことがありました。
途中のめくるめくような幻想は、まさしく夢の文学というにふさわしい変幻自在の趣です。
読みやすくはないけれど読みにくくもない、読んでいるうちに陶然として眠りにころがりおちてしまいそうな浮遊感のある世界でした。(実際、なんども寝てしまった。)
主人公の行動にはいろいろと文句がありますけど、総じてたいそうしあわせな読書体験でした。
原書タイトルがどこをみても見つからないのが残念です。

ところで、この本を買った時、もしかすると私は「黄金の鍵」を読みたかったのではなかろうか。読み終えてからようやく思いいたるのがまぬけです。
中身を覚えていないから間違えるのだよ……(苦。

黄金の鍵
吉田 新一 ジョージ・マクドナルド
4480022325

『一陽来福/1+1=0』

一陽来福 1+1=0
桑田 乃梨子著
白泉社 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。

[Amazon][bk1]

これ、いつ買ったんだっけと記憶をたどってもまったく思い出せない……。
マンガを積ん読にしてしまうなんて、このころはずいぶん生きる意欲が減退していたのねと遠い目になりました。
とにかく、読了。

シリーズ物をふたつ合わせた一冊です。
ほのぼのとした日常生活が描かれてるのに設定はけっこう突飛なのが著者の作品の特徴ですが、今回もそうでした。

「一陽来福」は高校生男子一児の父とかれに想いを寄せる女子高生という構図でよくぞここまでというほのぼの感がたまりません。
それもメルヘンチックに無理矢理ほのぼのしてるんじゃなくて、地に足が着いてる日常的ほのぼのを感じてしまうのですよね。そしてしみじみとかほろりとかさせられてしまう。リアル感の源泉は台詞かなー。よく考えればこの構図にもちと無理はあるのですけど(ふつー母親の両親がひきとるんじゃないか? とか)、とにかく、台詞とテンポがよくて気が利いている、と思います。
そして絵柄が子供を描くのにとっても向いている!
一歳児の頭でっかちで手足の短い愛らしさが! あああ、あかちゃんに触りたいよう!な気持ちをかき立ててくれます。

「1+1=0」は霊感少年の悲恋物語だけどやっぱりほのぼの日常感がたっぷり。巻末おまけ短篇がさらにせつなくてほんわりなのでした。

『魔法の猫』

魔法の猫
魔法の猫
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.26
ジャック・ダン編 / ガードナー・ドゾワ編 / 深町 真理子ほか訳
扶桑社 (1998.2)
通常1-3週間以内に発送します。

[Amazon][bk1]

読了。
猫が大きな役割を果たしている英米SF・ファンタジーのアンソロジー。
これは面白かったし、楽しかったです。
とくにライバーの「跳躍者の時空」は猫好きにはたまらない傑作。ライバーはやっぱり猫好きだったのね。ガミッチ、かわいい!
猫をたんなる愛らしいペットとしてかわいがっているひとには向かない話もあるかも。キングの「魔性の猫」などは怖い上にエグい。インパクトはこのアンソロジー中最大級でした。私には面白かったけど。
というぐあいに可愛い猫、賢い猫から底知れない猫、怖い猫、魔性の猫まで、バラエティーに富んだ作品集でした。

どれも楽しかったですが、個人的にはほかにコードウェイナー・スミス「鼠と竜のゲーム」、バイロン・リゲットの「猫に憑かれた男」、テリー&キャロル・カー「生まれつきの猫もいる」、マンリー・ウェイド・ウェルマン「魔女と猫」、ジョン・クロウリー「古代の遺物」、シルヴァーバーグとギャレットの「ささやかな知恵」が気に入りました。

日本怪奇小説よりずっと読みやすかったのは、私がこの分野を読み慣れているからでしょうか……。
しかし、この本も三分の一くらい読んだあとずーっっっとほったらかしていたんだよね。忘れきっていたので冒頭から読みましたよ。
スミスの「鼠と竜……」なんて三度目か四度目くらいなのに、ぜんぜん読んだ覚えがないんで哀しかったです。『ノーストリリア』や他の短編集も読んだはずなのにい。

『日本怪奇小説傑作集 1』

……生きてます。
体調はかなりよくなってきました。一日中身体を起こしていても平気になった!
ところが、寝ころんで本読む癖がついてしまい、どうも身体を起こしていると本を読む気分になれない。
おまけに術後三ヶ月までは装具がとれず、「うつむいちゃいかん!」と厳命されており、本を掲げて読み続ける体力はまだ無く、というか、健康でもそんな疲れることできるか、という状況のため、一気に読書ペースがスローダウンしました……トホホ。

日本怪奇小説傑作集1
紀田 順一郎 東 雅夫
4488564011

[Amazon][bk1]

ちんたらと読了。
明治から大正にかけて発表された日本の怪奇小説のアンソロジー。
たしか小泉八雲を読んだあとに、「日本語で書かれた小説の香気を味わってみたい」とかおもって買ったのだと思う。
さすがにつぶぞろいなのですが、短篇は読むのに時間がかかる。それにアンソロジーは一作ごとに作風が違うのでさらに時間がかかる。
それに時代が古いので日本語が難しくて……(汗。仮名遣いは新カナに直してあるのですが、句点ばかりでうねうねといつまでも文章がつづく、古文みたいな文体などは頭がこんがらがりそうでした。私って日本文学読んでない人だからなあ……(溜息。

ともあれ、それぞれ持ち味は異なるものの趣深い話ばかりでした。
私の読解力の低さゆえか、物事の輪郭がよくつかめず、あれ、けっきょくなんだったの……と思うものがけっこうありましたが。
それに、これはあくまで怪奇小説集であって、幻想小説集ではないわけで。
私の求めるものとはちとちがうかなあ……。
怪奇物ですが読んでいて怖いーと思ったものはなかったです。
雰囲気としては『百鬼夜行抄』の人間側視点ばかりを読んでいる感じでしょうか。
(↑そういえば新刊が出てるんだった。買わねば)

なかで印象に残ったのは村山槐多「悪魔の舌」と大泉黒石「黄夫人の手」、大佛次郎「銀簪」でした。
なかでも「悪魔の舌」はすんげー気持ち悪かったです(笑。

百鬼夜行抄(15)
今 市子
4257905727

『星ぼしの荒野から』

星ぼしの荒野から
ジェイムズ,ジュニア ティプトリー James,Jr. Tiptree 伊藤 典夫
4150112673

[Amazon][bk1]

読了。
SF短編集。
ひとつひとつに読み応えがあって、いちいちひれ伏したくなるような作品集でした。
ティプトリーってわたしにとってはものすごく比重の重たい高密度の鋼の真球、みたいなイメージがあります。わけわかりませんが(汗。
なんとか追いつこうとして、やっぱりついてゆけないまま、ハードなヴィジョンにショックを受ける。
けして扇情的でもグロでもないんだけど、平然と怖ろしいことが書いてあるんだよね。
ワタクシ的にはホラーよりも読んでいて怖いです(汗。

そんなティプトリーに最初に触れる場合は、やっぱりこの本がおすすめかしら。

たったひとつの冴えたやりかた
ジェイムズ,ジュニア ティプトリー 浅倉 久志
4150107394


お気づきかもしれませんが、このところずーっと積ん読本を消化しています。
この本はいったいいつ購入したのだろうか。覚えてません(大汗。

読みたい!

中世の旅芸人 奇術師・詩人・楽士
ヴォルフガング ハルトゥング Wolfgang Hartung 井本 〓二
4588008595


asahi.comの書評欄でみつけた本。
中世ヨーロッパの旅芸人とそれを取りまく環境について書かれたものらしい。
こういう本を探していたのよー、と飛びつきたくなったのですが、お値段が……(大汗。
図書館に行けるようになるまで、我慢しよう(涙。

『晴明鬼伝』

晴明鬼伝
五代 ゆう
4043711018

[Amazon][bk1]

読了。

平安朝を舞台にした伝奇物。
陰陽師や坊様や貴族や物の怪がでてきますが、主役は鬼かな。
鬼物といえば基本はヒーローとヒロインの悲恋。それなりに面白かったです。
じゅくじゅくしそうなくらい湿度が充満していて、そのあたりはホラー文庫だからかなあと思いました。それとも日本が舞台だから? 異世界が舞台であるより描写がくどい気がするのはなぜなのだろう。
タイトルからずっと晴明様の登場を待っていたのですが、そ、そうだったのか!
平将門や源純友がでてくるのがめずらしかったような。

『血は異ならず』

血は異ならず
血は異ならず
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.12
ゼナ・ヘンダーソン著 / 宇佐川 晶子訳 / 深町 真理子訳
早川書房 (1982.12)
この本は現在お取り扱いできません。

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読了。

人類にまぎれて暮らす異能を持った異星人〈同胞(ピープル)〉たちをえがく連作短編集。
前作『果しなき旅路』は地球にやってきたときに離ればなれになったかれらがめぐりあう話が基本でしたが、この本ではかれらが〈故郷〉を出ることになったいきさつなど、一族の歴史的なひろがりを感じられました。
発表されたのが1960年代なのでSF的にはちとふるくさいかなあとおもうこともありますが、独特のやわらかな文章での力の描写が魅力的。
つらい状況をことさら強調するようなこともなく、ほのぼのとした読後感が残ります。
キリスト教の聖書がベースにあるようなので、詳しい方はさらに深く受けとめられるのではないかと思いました。

果しなき旅路
ゼナ・ヘンダースン 深町 眞理子
4150103003

『森の小道・二人の姉妹』

森の小道・二人の姉妹
シュティフター 山崎 章甫
4003242246

[Amazon][bk1]

読了。
19世紀のボヘミア生まれのオーストリア作家、シュティフターの中短篇を二編収録。
ヒーロー的な人物や起伏のあるストーリーなどはまったくなく、文章もどちらかというと余剰部分が多いので、気短な人にはむかない地味な作風。
しかし絵を描く人だっただけに精緻な自然・光景描写がたいへんにうつくしい。
お話もほのぼのとしていて読後感はよいです。
昔のアニメの世界名作劇場みたいな世界が好きな人には向くかもしれません。
ちょっと、いま読むと「あれは伏線じゃなかったんかー」と叫びたくなるようなところもあるのですが(苦笑。

私はこのひとの『水晶』がすきでした。
水晶 他三篇 石さまざま
シュティフター 手塚 富雄 藤村 宏
4003242238

『ランクマーの二剣士 ファファード&グレイ・マウザー5』

ランクマーの二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー5>
フリッツ・ライバー 浅倉 久志
4488625126

[Amazon][bk1]

読了。

ヒロイック・ファンタジー「ファファード&グレイ・マウザー」シリーズの完結編……とおもったら、原書ではまだ続きがあるらしい。でも今回の日本語訳ではこれが最後。
シリーズ唯一の長編ですが、ノリはいつもどおり。
やくざで粗野でいいかげんで好色でゆきあたりばったりでグロだけどあっかるい(笑。
教訓話や成長譚とは欠片も関係ありません。そこがよい。
もともとユーモアの多いシリーズですが、今回は思わず吹き出すシーンがたくさんありました。
おもしろかった!
ファファードったら、いくら蛮人とはいえ人間以外の女にまで手を出すなよ……(苦笑。
ちょろちょろ這い回る齧歯類が苦手な方は要注意デス。
でも黒い子猫がかわいいの。ライバーは猫好きだったのに違いない。

ごく個人的な2006年ベスト

遅くなりましたが、2006年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本。
2006年に読んだ本は全部で143冊でした。感想は書かなかったけどノンフィクションが増えたような気がします。
コメントを書いている気力がないので書影を並べておきますね。

サソリの神〈3〉スカラベ?最後の戦いと大いなる秘密の力フルメタル・パニック! 燃えるワン・マン・フォースすべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた帝王(リーガル)の陰謀 上 <ファーシーアの一族2>帝王(リーガル)の陰謀 下 <ファーシーアの一族2>かなしき女王?ケルト幻想作品集さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション真実(ヴェリティ)の帰還 上<ファーシーアの一族>真実(ヴェリティ)の帰還 下<ファーシーアの一族>聖杯の王?アーサー王宮廷物語〈2〉あの花に手が届けば?バンダル・アード=ケナードストラヴァガンザ?星の都時と神々の物語煌夜祭風の影〈上〉風の影〈下〉

もうひとつ、書影がないけど宮城谷昌光『王家の風日』も面白かったです。

おまけ。
Maid in Bedlam
John Renbourn
B0002HUXYO

入院時にiPod(弟からもらった初期型。接続がFireWireでうざったい)に入れてもっていき、それから今に至るまで「寝る前音楽」として親しんでいるアルバム。けれどいまだに歌詞がほとんど聞き取れない私は英語力がかぎりなくゼロです。

テルーと猫とベートーヴェン
谷山浩子
B000GPII0S

2006年に買った中で一番たくさん聴いているCD。いまだに一日に三回くらい聴いてます(汗。

『かくて流転の定めはつづく トワイライト・トパァズ2』

かくて流転の定めはつづく トワイライト・トパァズ 2
佐々原 史緒
4757720971

[Amazon][bk1]

読了。
異世界ファンタジーの二冊目。
飛び跳ねるような文章も二冊目になると慣れてきます。
だんだん背景がわかってきて物語が深化してかなり面白くなってきました。
変身続きのルキウス君がおかしいです。
つづき、読みたいかもー。
でも手元にはない……。

『中世ヨーロッパの都市の生活』

中世ヨーロッパの都市の生活
J. ギース F. ギース 青島 淑子
4061597760

[Amazon][bk1]

読了。
1250年のフランス、トロワを例に北西ヨーロッパの都市の生活を描く、歴史風物読み物?
項目別にひとびとの生活が具体的に書かれていて、ヨーロッパ風ファンタジーの生活感が好きな人には面白いのではないかと思われます。
私は大変に楽しみました。
都市生活の背後にある歴史の変遷などもわかりやすく書かれていますし、経済や裁判の話などは目から鱗でした。

難なのはこのレーベル、めっちゃ高いことですね。
学生時代に買ったものよりもさらに単価が上がってる模様。
ハードカバーを買うことを思えばお安いのだろうけども(汗。

『パレドゥレーヌ ~薔薇の守護~』

パレドゥレーヌ~薔薇の守護~
妹尾 ゆふ子 皇なつき
4861558336

[Amazon][bk1]

読了。
2007年の一冊目はPCゲームのノベライズ。
妹尾ゆふ子さんの新刊という事でなにはさておきゲット致しました。
ゲーム本編の前日譚みたいです。著者の作品としてはファンタジー色は薄めでキャラクターノベル風味のかんじでした。
この後どうなるのかとおもったけど、Win用なのでMacユーザーの私にはプレイできないのだった。

パレドゥレーヌ 通常版
B000IFS1JE

あけましておめでとうございます

今年のわたくしはいつもにも増して寝正月でした。二時間もするとバッテリーが切れるみたいにバテてしまう(それでも時間は少し延びた・汗。おかげで年末年始の番組はほとんど中途半端にしか見られませんでした(フィギュアですら、最後までみられなかった)。
寝てばかりなのに風邪をひきかけるし……いったいこのありさまは何?
はやくまともな生活を送れるようになりたいです。

出さなかった年賀状の返事をどうにかしなくちゃと思うのですが、何をする気力もわいてきません。
パソコンを立ち上げるのも億劫な自分をどうにもこうにももてあましております。
年始から景気が悪くてスミマセン。

こんな私ですが、よろしければ今年もおつきあい下さいませ。