最近のぐるぐる

私はつねに頭の中でなにかの音楽がまわっているひとですが、意識しなければそれほど日常生活に支障を来したりすることはありません。

ただ、なにか強迫観念でもあるかのようにしつようにおんなじ旋律がぐるぐるしだすと、
やだー、もう止めて~。別の世界に行きたいのよ~。
となるのです。

最近その状況にまたはまっておりまして、それは中日ドラゴンズのタイロン・ウッズ選手の応援歌です。
クライマックスシリーズでドラゴンズの試合が始まってからだから、この曲が頭をめぐりだしてそろそろ十日くらいだろうか……。

相手を威嚇しつつ巨体がのしのし進んでくるかのような重々しさが何とも言えない低音リズム。
かなり以前から気になってはいたんですが、このところのヘビーローテーション(笑)ですっかり染みついて離れなくなってしまいました。

こうなったらもうしようがないので(?)、どんな曲なのかを調べてみたところ、この曲には原曲がどうやらあるらしいです。
ふーむ、やっぱり。ぜんぜん応援歌っぽくないもんねえ……。
で、ためしにその原曲とやらをiTunesStoreで試聴してみましたが……最初の何十秒か聴いただけではなんとも。
たしかにこの曲だという確信にはいたりませんでした。

今夜も日本シリーズを見る(あるいは聴く)つもりなので、またこの曲がぐるぐるすることは必至です。
どこまでつづくかなあ……。
シリーズ的にはもうすこしファイターズに頑張って欲しいけども。

『伝説の森 上 ヴァルデマールの風第三部』

伝説の森 上 (1) (創元推理文庫 F ラ 3-10 ヴァルデマールの風 第 3部)
マーセデス・ラッキー 山口 緑
4488577105

[Amazon]

診察待ちのあいだにちびちびと読んでました。読了。

日常的描写の細やかさがたのしい、異世界ファンタジーシリーズ「ヴァルデマールの風」三部作の第三部、の上巻です。
持ち歩きになるべく重量の軽そうな本を選択したらこれになりました。

えーと、この巻でこのシリーズは都合五冊目となるわけですが……なんだか登場人物がどんどん増えてってませんか。鳥頭の私はキャラクターの名前とその背景を思い出すのにさんざん苦労してしまいました。〈暗き風〉とヴリーとかの中心部分はさすがに忘れてないんだが。

それと冒頭のんびりとした雰囲気がかなり長いことつづいたので話がどこに向かっているのかもなかなか思い出せず、どころかそもそもエルスペスがなぜク=シェイイナ族のところにやってきたのかを忘れていたのです(大汗。
一生懸命考えて、そういえばヴァルデマールでは習うことのできない魔法を身につけるために旅に出たのだと思い出しましたが。

ぼうっと読み続けていると楽しいんだけど(グリフォンの子どもたち、かわいい)、ふときづくと話を全然理解していないことに気づいて愕然とするという。

これって私の記憶力もさることながら、描写や展開がかなり冗長だからなんじゃないかとも思う次第。
こういうふうに書きたい気持ちはものすごくよくわかる――しみじみとよくわかりますが、こんなにそれぞれのキャラを丹念に書いていたら、本筋の輪郭がほそくなって薄れてしまうのですよねー。

それに最近キャラクターに対して著者がとても甘いのも気になるなー。
これはシビアーな長編をつづけて読んでいたからかもしれないけども、この上巻では緊張感のないゆるゆるとしたはなしと感じられてしまい、ちょっと残念でした。

そもそもラッキーというひとは大甘の大団円が好きなのかもしれないですね。
勧善懲悪の設定であまり人物関係は込み入ってなくて。
それに大長編にはむいていないような。
先日出たばかりのタリアの物語で緊張感が持続していたのは、量的にそれほど大部というわけではなかったからかも。

とはいいつつも、ヴァルデマールの暮らしが詳しくわかる部分が私は大好きなので、気分が悪い時でなければ冗長も大歓迎なんですけどねー。

とにかく、下巻でヴァルデマールの風は完結です。
借りた本がまだ残っているので、下巻はすこしあいだを置いて読みます。

伝説の森 下 (2) (創元推理文庫 F ラ 3-11 ヴァルデマールの風 第 3部)
マーセデス・ラッキー 山口 緑
4488577113

20071029の購入

七ヶ月ぶりに整形外科へ、術後の定期点検へ行ってきました。

鎖衣カドルト (WINGS COMICS)
吟 鳥子
4403618839

月の出をまって うるわしの英国シリーズ
波津 彬子
4091387810


以上購入。
またらんどりおーるのつづきがなかった……。
いつも私の欲しい巻の次の巻からはあるんだよなあ……ちぇ。

病院は、期間が空いてるあいだに担当の先生がいなくなっちゃってて予約が取れず(それは病院側にもこちらにも要因があることなので痛み分け)、予約なしのほとんど新患として別の先生の診察に突っ込まれたため、延々と待合室で待たされることになりました。
午前十時半に受付してたのに会計が終わったの、午後三時ですよ。はあ。
お腹がすいて十一時におにぎりふたつ食べたあと、なにも食べなかったので、帰りのバスで空腹のあまり気持ち悪くなりそうだった。

でも前回の時まであれほどダメだった病院行きバスに、緊張を孕んではいたもののひとりで乗れたし、体力と気力は着実に回復していると思います。
ちょっと自信。

残念だったのは、時間がなくなったので楽しみにしていたiPod touchやLeopardの見物がお預けとなったこと。
当分買わないからいいんだけどね。わざわざ見なくても。
弟に「いつLeopard入れるの?」と聞かれて「Leopardのつぎが出る直前」と答えた私です……。

『白い盾の少年騎士 上』

白い盾の少年騎士〈上〉 (岩波少年文庫)
トンケ ドラフト Tonke Dragt 西村 由美
4001145774

[Amazon]


読了。
中世ヨーロッパ風異世界を舞台とした、少年たちの冒険と成長物語。
『王への手紙』の続編。おもいっきり、話が連続しています。
というか、これが本編じゃないのかというくらい。
前作での主人公のティウリは本筋の脇を走っていただけだったのね、ということがこれでわかります。ようやく物語の中心に仲間入りできた?(笑。

で、前作の功績で騎士に叙任されたティウリと、旅をともにしてかれの友人兼盾持ちとなったピアックが今回の主人公です。
そして前作でちょこっと出演してかわった存在感を発していたマヌケも今回は旅の仲間です。
旅の仲間って言葉、なんかいいですねえ……。

本書はもう四十年以上も前に執筆された作品なんですが、随所に『指輪物語』の影響かなあ、と思われる部分があります。
指輪よりもかなり健全でマイルドな青少年向けのお話ですが、悪役として噂しかされてこなかったさる御方の登場にはちとわくわくさせられました。
かれはたんなる悪役ではないと思う。

それにしてもリストリディン騎士、どこへ行っちゃったんですかねえ……。

謎めいたイサドーロ姫と男装して軍団にまぎれ込んだラヴィニア姫のその後、その間でゆれ動くティウリのその後が気になりますv。
感想書けたからつづきを読みますよー。

この本を読むならこちらから。
王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574)
トンケ・ドラフト 西村 由美
400114574X

王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575)
トンケ・ドラフト 西村 由美
4001145758

『フレッドウォード氏のアヒル 2』

フレッドウォード氏のアヒル 2 (2) (HMB U 2-2)
牛島 慶子
4834273989

[Amazon]

つづけて読了。

書き忘れましたが、この話は疲れた作家の元にアヒルの家政婦がやってくる、というところから始まります。
いわゆるメルヘンなんですがけっこう書かれていることがシビアなので、アヒルのほんわかした存在感がたいそう救いになっている、というマンガです。

で、第二巻は主役である作家ケビンの生い立ちがあきらかになり、それとともに物語の本筋が見えてくる……というようなところでしょうか。
かつての友人の手紙から思いもよらない事柄へと導かれ、ケビンのこころは大きくゆれ動いていきます。
ドクター・グロリア・デンシャムが登場。
そして鬼のような(苦笑)エスメラルダも再登場します。
ゴールデンレトリーバーのクリフがかわいい。

あすかコミックスでは三巻の二編目から五巻の二編目が収録されています。


見果てぬ夢のむこう
天国に至る門
虹をさがしに
千の謳声
真夜中の目覚め
ぼくはここにいる
聖母マリアの夕べの祈り
総てを支配する

おまけのアヒル
F氏のアヒル
ローズマリーのジャガイモのシチュー
未確認飛行物体



つづきは十二月ですね。
読んだのか不明な完結編をはやく読みたいです。

『フレッドウォード氏のアヒル 1』

photo
フレッドウォード氏のアヒル 1 (1) (HMB U 2-1)
牛島 慶子
ホーム社 2007-10

by G-Tools , 2007/10/27




「文庫版が出たら買います」と宣言したので買いました。
そしてまた読み返す。
やはりこの話好きです。
文庫は画面が小さいのが難だけど、細くて美しい描線も好き。
清水玲子の影響がかなり見えるけど、絵柄的にはすこしクラシックかな。

内容はあすかコミックスの第三巻第一話まで収録。
書き下ろしのあとがきがついてます。


フレッドウォード氏のアヒル
神様ぼくをお守りください
カーニバルの少女
コンパニオン・アニマル
危険な女神
金色の子犬
海の声をききに
Shining Sea

おまけのアヒル
あとがき


『沼地のある森を抜けて』

photo
沼地のある森を抜けて
梨木 香歩
新潮社 2005-08-30

by G-Tools , 2007/10/27



読了。

急逝した叔母から家宝のぬか床を受け継いでしまった独身OLの困惑の記。
あるいは謎めいた家族の歴史と呪いのぬか床の正体を探る旅の記。
あるいは菌類から分化して別れていった別種の生物との膨大な年月の果ての数奇な出会いの記。

なんと書いていいかわからない、妙ちくりんな設定の話ですが、これって作家が変われば立派なホラーの題材になったのではないかと思います。
それがざっくばらんな台詞は珍しいけれど端正で落ち着いていて、乾いた情緒のある梨木さんの筆にかかると、日常的なほんわかした、すこし理屈っぽくてですこしウェットな話として読めました。

常軌を逸した状況に妙に現実的に対処してしまうヒロインが、なんとなくおかしい。
男性であることを拒絶し、しかし女性でありたいと思うわけでもなく、単に個人として存在したいと願いつつ、生物の本能としずかに戦い続ける風野さんとのコンビが楽しかったです。

個人的にこの本の内容はちくちくと心に刺さる部分が多かったけど、今の私にそんなふうに感情移入できる本はかなりめずらしいので、やはり貴重な作家さんだなーと思います。

面白かったですー。

『岸辺の唄』

大作に気力を吸い取られてしまったらしく、なかなか読書が進みません。
マンガで息抜き。

4834273997岸辺の唄 (HMB I 4-1)
今 市子
ホーム社 2007-10

by G-Tools


……しようと思ったのだが、あんまり息抜きにならなかった。
とても緊密な構成の素敵な短編集だったので。

今市子さんのマンガは『百鬼夜行抄』以外はあまり読んでいないんですけど、そのすくない作品もみんなステキで面白かった。
お話を語る人だなあ、と思う。

この本は、中国の西域風な世界を舞台に人と鬼人がまじわる幻想的なおはなしの連作短編集。
水乞いの少女を主人公とした表題作が素晴らしかったです。
てっきりこれでこの話はすっきりと終わり、と思ったので、次の話に登場人物が重複して出てきたのにはちとがっかりしましたが、そこからは別の話として読むのがよいというのが最終的な結論。

気になるのは中国っぽい単語が出てくるのと、人びとがけっこう胡服を着用しているのと、畑でジャガイモを作っているのが、なんとなくしっくりこないところですか。
中国にジャガイモが入ったのは、いつ頃のことなんだろうなー。ヨーロッパ経由で入ったのだろうかなー。私はなんでこんな些細なことを気にするのかなー。

やっぱり疲れているからかしら。

ところで、作品の初出がどこにも載っていなかったのが残念です。
それぞれのタイトルの本があるようなので、余計に気になる。

ちなみに収録作品は、


岸辺の唄
予言
氷の爪石の瞳
失われた岸辺
西からきた男
雲を殺した男
あとがき 昔々あるところに…



となっております。

百鬼夜行抄 (1)
今 市子
4257720891

『Landreaall 7』

475805200XLandreaall 7 (7) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
おがき ちか
一迅社 2005-12-24

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先日電車が止まった時に行った本屋でゲットしてきました。
ファンタジー好きにはたまらない設定続出の異世界ファンタジーシリーズの第七巻。

いったいどんな話になるのかはヒーローDXの個性と相まってまだよくわかんな~い、なシリーズなんですが、竜創とか真名とか玉階とか、ファンタジー的なあれこれがきちんとツボを押さえた使い方をされているのがとても嬉しいおはなしです。

話自体もおもしろいんですが……なんかつかみ所がなくて説明しにくいんですよねえ。
いまのところは全寮制の学園ものってことになるのかな。
それにどうやら王位継承に関する陰謀めいたものが絡んできている模様です。

今回はDXが活躍してイオンちゃんの出番が少なかったですが、老師に自分が若ければ(手元に置いて修行させるのに)……と言わしめるシーンが印象深かったです。
しかし、イオンちゃんにそんなに武術をきわめさせてなにをしてもらいたいのだろう(笑。

このあとはなんとかパーティー(舞踏会?)の話になるみたいなので楽しみにしています。
もしかしてどこかで恋が芽生える、かも?

20071024の購入

前日に買えるかと期待していたのですがダメだった本を遠征してゲットしてきました。

〈本の姫〉は謳う 1 (1) (C・NovelsFantasia た 3-2)
多崎 礼
4125010064

伝説の森 上 (1) (創元推理文庫 F ラ 3-10)
マーセデス・ラッキー 山口 緑
4488577105

伝説の森 下 (2) (創元推理文庫 F ラ 3-11)
マーセデス・ラッキー 山口 緑
4488577113


まだ荷解き中のダンボール(解放済み)から二冊ひき抜いてきましたよ(汗。
またしても書影なしか……。

『アイリッシュ・ハープの調べ ケルトの神話集』

4861101247アイリッシュ・ハープの調べ ケルトの神話集
マリー・ヒーニー 河口 和子 河合 利江
春風社 2007-09

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読了。

平易な言葉で簡潔に描かれた、アイルランドケルトの神話集。
よく知られたものを原著者が選択して文章化したものらしいです。

ケルトの神話本はいくつか読んでいるんだけど、あちこち移動があったり展開が違ったり固有名詞の訳し方が異なったりして(これが案外わたしにとっては大きい)、まあ、それが口承されてきた神話伝説としての宿命であるといえばいえるのですが、それでどうも頭の中でこんがらがってしまい私にとってはいまだにすっきりとした形の原型がないのです。

感覚的にはわかっているのだけど、理屈っぽく考えると納得いかんというか。
これは他民族の神話だから致し方ないのかもしれないなー、と思うけども。

この本もそんな私の混乱をすっきりと収めることはできませんでしたが、最初のアイルランドの神話的背景の成り立ち、みたいな部分からは「へーそうなんだー」という感慨をあたえてもらいました。

ちなみに内容は、

第一部 神話ものがたり
 モイテューラの戦い
 リールの子どもたち
第二部 アルスターものがたり
 クーフリンの誕生
 ブリックルーの宴会
 悲しみのディアドラ
第三部 フィニアンものがたり
 フィンと知恵の鮭
 魔法にかけられた鹿
 オシーンと不老不死の楽園


となっております。

春風社のほかの神話本もそうですが、装丁がとてもステキだと思いました。

『ヴィンランド・サガ 5』

図書館帰りによった本屋でみつけたので購入してきました。

4063144739ヴィンランド・サガ 5 (5) (アフタヌーンKC)
幸村 誠
講談社 2007-10-23

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中世北西ヨーロッパ、とくにイングランドを中心に描かれる歴史長編、殺伐風味。
第五巻。

あいかわらず殺伐としてますなー。
この野蛮人たちはまさに野獣です。
戦いは血みどろと決まってる。
血液だの排泄物だの、生命の発する汚臭がふんぷん匂ってきそうです(苦笑。
『氷と炎の歌』の壁を中心とした物語に近いものがあるような。
そして、宮廷陰謀劇のような円熟の末に腐り墜ちたような腐臭はまるでしません。
単純、明解。
とくにトルケルあたりは「戦いたい!」とそれだけの衝動で生きているような……。

しかしアシェラッドはただの野蛮人ではなく、教養とロマンを秘めた野蛮人だった模様。
アルトリウスを夢見るなんて似合わない、なんていっちゃいかんのだろうなあ。

戦闘のリアルな痛みを画面に刻みつつ、スピード感をもって疾走する物語。
おもしろいんだけど、これからどこへ行くのやらとんと不明です。
クヌートのオヤジさんの顔が出てこないのがブキミだ。
はやくつづきを!

『トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons IV ジャッジメント・デイ』

4044184100トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons〈4〉ジャッジメント・デイ (角川スニーカー文庫)
吉田 直
角川書店 2003-03

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前日に寝オチして読み切れず図書館に着いてからも読み続け、ようやく読了。

文明崩壊後の地球で吸血鬼と人類、人類同志が相争う、豪華絢爛SFシリーズ。
短篇でヴァチカン側の抗争をえがくRAMの四巻目。

今回は枢機卿カテリーナさんの絶体絶命をアベルたち特務聖務官が救おうと奔走する話。
あいかわらずトレス・イクス神父の機械的な個性がステキでした(笑。

巻末にはまたソードダンサーのウェットな復讐話がつづいてます。
ソードダンサーってサムライ、なのか……。

読むのを中断しているあいだにイスラーム世界の本を読んでいたわけですが、このトリブラはまさに地中海文明圏を舞台にした話であるなあと気づきました。
地中海文明圏にあっては西ヨーロッパは辺境で、そういうマージナルな地域では宗教は先鋭化するのだそうです。うーむ、気分的にわかるなあ……。

ところで、この世界ではアジアやアメリカはどうなっているのでしょうねえ……。
もしかすると、海に沈んでいるとか(汗。

『剣嵐の大地 3 氷と炎の歌3』

4152087889剣嵐の大地 3 (3) (氷と炎の歌 3)
ジョージ R.R.マーティン 岡部 宏之
早川書房 2007-01

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読了!

悶絶展開の超殺伐的大河異世界SFファンタジー小説(???)。
ハードでシビアでクールで、美しいもの醜いもの新鮮なもの腐ったもの聖なるもの汚れたものといろんなものを煮詰めたような、もはやシチューとも言えないドロドロ濃厚仕上げな第三部完結編でした。

なにしろこれでもか、これでもかとハイテンションなクライマックスが襲いかかります。
それはもう、息つく間もないくらい。読んでる私は青息吐息です。
そんな大きな波がなだれ込むような緊密な描写のなかで、印象的に光る決定的な瞬間がすごい。
うはー、とその一文になんど溜息をついたことでしょう。

そうしてたどりついた巻の半ば、もうこれ以上の盛り上がりはないのでは無かろうかと思うほどの大嵐を乗り越えた後、なんとなく牧歌的な雰囲気(あくまで、この物語の基準で。あとから考えてみるとけっこういろんな事件が起きていた)で進んでいたのですっかり油断していた。

そのシーンで私は、ひえええ、とほんとうに声出して悲鳴をあげてしましました。
まさか、まさか、まさかこんな出来事が……。ぎゃー……悲鳴がこだましそう……。

そうして、震えおののいたあとにやってきた、驚愕のラストシーン………。
ううう。こわい、怖いんですけどお……(涙。

というわけで、ようやく第三部最後まで読み切りました。
今回もたいへんに充実した時間を過ごせました。
あー、すっごくすっごく面白かった。ほんとうに面白かった。
こんな阿呆な言葉でしか言い表せない自分の文才のなさが恨めしやです。
しかも、なに書いてもネタバレになってしまうのでさらにわけがわからない文章に。
とにかく面白いので、長いもの、重たいもの、殺伐としたもの、陰謀もの、込み入ったもの、などがお嫌いでない方にはおすすめです。

ジョンもサムもアリアもサンサもケイトリンもティリオンもダヴォスさんもデーナリスも。どのシーンもどの人物も印象的なんですが、今回とくに印象が変わったのはジェイム・ラニスターですねー。
ブリエンヌとの絡みでかれが視点人物となってから、こいつはキングスレイヤーなのだと思いつつうっかり善人と信じそうになっている。信じていいのかいまいち不安なんで、まだ留保付なんですが。
だから、かすかに繋がっていたティリオンとの兄弟関係が哀しいというか不幸というかなシーンが切なかったです。
あああ、そんなことお兄ちゃんに言っちゃダメだよ、ティリオン! と心の中で叫んでました。
でも言いたくなるよな、あんなことを告白されれば。ひどいんだもん、ラニスターの父ちゃんて(汗。

そういえば、この話に出てくる人たちはほとんどみんな家族関係で不自由してますねえ。
だから他家よりは円満だったスターク家にみんなで襲いかかったのでしょうか。

あと、ひじょうに怖いのはレディ・メリサンドルです。
彼女の登場シーンはとにかく怖い。いつも怖い。美しいけれど怖い。
闇をまといつつ燃えあがる炎のようです。
あなた人間ですか、と不安になります。

ところで、この本をアマゾンで検索していたら原書がおすすめされるようになりました。
読みたいのは山々なれど、私、英語はできません(汗。
はやく翻訳版の続きが刊行されるようにお祈りしております。

何故三巻だけ書影がないのだろうか。

『銃姫 8 ~No Other Way to Love~』

4840117438銃姫〈8〉No Other Way to Live (MF文庫J)
高殿 円
メディアファクトリー 2006-11

by G-Tools



持ち歩きで空き時間にちまちまと読んでいたのでなんだかわからないうちに読了してました(汗。
銃で魔法を撃つ近代的な異世界を舞台にしたファンタジーシリーズ、第八巻。

前巻でエル姉のとんでもないところを見てしまったセドリックはどうなる、と思いながら読んだのですが、状況があまりに切迫錯綜しているせいかせっかくのエル姉爆弾が素通りって感じでした。

その代わり、流星軍とスラファトの戦闘はまさに佳境です。
過去にいだいた感情をひきずりながら、騙したり騙されたり利用したり利用されたり裏切ったり裏切られてみせたり、少年にはまだ理解に遠い大人の事情なども展開されております。
面白いです。
これってラノベとしては相当ハードなお話、なんだろうなー。

でもなんだろう、これだけ相手を利用しあう、せちがらくも汲々とした話をなぜか風通しがよいように感じてしまうのは。
やはり少年少女向けにはまだ希望があるなあ、と読んでいて思いました。
というか、登場人物の立ち位置がそれほどぶれなくて、たとえばあるスラファト陣営の人がいきなり別陣営に鞍替えしたりはしないだろうと、あるていど安心できるからでしょうか。
登場人物のこころをいちいち疑わなくていい、からかも。

同時に読んでいた空前絶後の裏切り大作のせいですっかり裏切り慣れしてしまった私は、この本を読んでいて「ああ、ホッとできるなあ」と思ったのでした。

ところで、ずいぶん長く離れていたわりに、つづきがまだ出ていないらしいですね。
なんだかわからないけど追いついた喜びにひたりつつ、つづきをお待ちしています。
できれば、アガート・クレイサス様をもう少し登場させてください(笑。

20071021の購入

子守り外出、ふたたび。
「ママと一緒にいくー」と泣いていた姪をなだめすかしてケーキを食べさせ、ハロウィンパーティーへ放り込みました。私もだいぶ疲れてきました。ママ、はやく元気になってくれ……。

姪がかわいそうだったので、購入。

しゅごキャラ! 2 (2)
PEACH-PIT
4063641295


一巻はレンタルで読んだので無いけどいいの?
と尋ねたら「うん!」と元気なお返事。
この子はものに執着しない子だ。

というわけであとで借りて読む予定(笑。

おかげで『剣嵐の大地』はなかなか進みません。
持ち歩いていた文庫のほうを読み終えちゃったよ……。

20071020の購入

子守り外出をすることになったので、『剣嵐の大地』はおあずけ。
そのかわりいろいろとゲットしてきました。

銀の枝 (岩波少年文庫 580)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145804

ローマンブリテン四部作の二冊目。

岸辺の唄 (HMB I 4-1)
今 市子
4834273997

フレッドウォード氏のアヒル 1 (1) (HMB U 2-1)
牛島 慶子
4834273970

フレッドウォード氏のアヒル 2 (2) (HMB U 2-2)
牛島 慶子
4834273989

全四巻で、三、四巻は12月発売予定。

なんだかたくさん買ってしまったのに、書影が出ないのが哀しいです。

さらにこんなのも。
ちゃお 2007年 11月号 [雑誌]
B000VZD6DW


姪っ子が買ってくれと言うので(オババカ;)。
マンガ雑誌なんて買うの何年ぶりだろか~と、ちと感慨にふける。
姪っ子は『なかよし』とどちらを買おうか迷ってましたが決め手は付録だった模様です。

それにしても残りあと二日で読み切れるのだろうか。
ぜんぜん手をつけてない本がまだ一冊残ってるのだが(汗。

『剣嵐の大地 2 氷と炎の歌3』

必死になって読んでいたら本の重みと緊張度に腕と肩から派生して身体中が凝りまくりです。

415208782X剣嵐の大地〈2〉氷と炎の歌〈3〉 (氷と炎の歌 (3))
ジョージ・R.R. マーティン George R.R. Martin 岡部 宏之
早川書房 2006-12

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[Amazon]

寝る前に湿布薬が必需品となる怒濤の異世界SFファンタジー戦記、第二巻。

うわー、うわー。
なんて凄すぎる情け容赦のない展開!
すでにどん底に墜ちているはずのスターク家をこれでもかこれでもかと踏みにじり続ける災難の数々に言葉を失います。
たしかにかれらにも落ち度はあるんだけれども、それにしてもこれは酷い。といいつつそれがこの話の面白いところもあるので酷いと叫びつつも「もっとすごいことが……」と期待してしまう私がいるわけですが。

しかし、とくにあの家とあの家ときたら!
よくもこれだけ利己的な性格が集ったものだとあきれてしまいます。
というより、君主ってみんなそんなものなのだろうか……。
どのひとたちもキャラクターや登場人物といった薄っぺらな存在ではなく、まさにそこで心臓の鼓動とともに息をして憎んだり愛したり恨んだり怒ったりして、生きている。
そうした濃厚な感情がさらに複雑かつ苛酷な世界を熱く歪ませているようです。
おお怖。

この世界では善良なだけでは生き抜いてゆけないみたいです。
甘っちょろいヒロイズムや感傷は命取り。
どんな手段をとっても自分を表現して生き抜こうとする鉄の意志がなんとしても必要なようです。
たぶん私は虫けらとして最初に脱落していることでしょう。

あああ、サンサもあわれだけど彼女は自業自得、しかしアリアはアリアは……。
夜警団と壁の行く末も気になるし、身体も心も痛いけど、つづきいきます。

ところで、このところの私のささやかな息抜きは、ジェイム・ラニスターとブリエンヌの道行き(?)です。
美女と野獣ならぬ美男と野獣(ごめんブリエンヌ)の二人連れ。
敵対する立場で性格的にも嫌い合っている、殺気だったやりとりのつづくこの取り合わせで憩いを感じてしまう物語って……(苦笑。

剣嵐の大地 3 (3) (氷と炎の歌 3)
ジョージ R.R.マーティン 岡部 宏之
4152087889



弟が文庫で読んでいるので記憶に埋没した固有名詞の字引に使えるかと思ったのに、まだ第一部までしか進んでなかった。自分でするにはとうてい時間が足りません……。
七王国の玉座〈1〉氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
ジョージ・R.R. マーティン George R.R. Martin 岡部 宏之
4150115648

王狼たちの戦旗 (1)
ジョージ・R.R.マーティン 岡部 宏之
4150116040

『剣嵐の大地 1 氷と炎の歌3』

4152087722剣嵐の大地〈1〉氷と炎の歌〈3〉 (氷と炎の歌 (3))
ジョージ・R.R. マーティン George R.R. Martin 岡部 宏之
早川書房 2006-11

by G-Tools

[Amazon]

残り70ページ残して泣く泣く旅に出た、中世ヨーロッパ風異世界ファンタジー戦記「氷と炎の歌 第三部」第一巻。
やっと読み終えました。

相変わらず重厚かつ重層的で、複雑に絡み合う登場人物の人生と、人間たちが知らぬうちに進行する未曾有の災厄に、あああ、ううう、ひいいと悲鳴をあげながらも深く魅了されてしまうシリーズです。

バラバラになってしまったスターク家の面々のたどる、それぞれの困難に目が離せないのはもちろん。
ラニスターの双子の、考えようによっては純粋な愛を成就せんがための画策が、父親によって一蹴されてしまうシーンでは、これまでどこまでも憎たらしかったサーセイ王妃が無力な少女に見えてしまったり。
ひきかえせない運命に身を投じるデーナリスや、罠にはまったかのように身動きのとれなくなってしまったダヴォスさん。
アリアが十歳だと思うと泣けてきてしまいますし。彼女の大狼はどこへ行ってしまったのだろう。
裏切り者になってしまったジョンからとうとう大狼ゴーストが離れていく場面はとても不安で哀しくなりました。

今回はサンサが少しはマシになってきたような気がしましたが、でもやっぱり彼女はどこまで行ってもサンサなのかしら(苦笑。

すこし間が空いてしまいましたが、いそいで二巻目を読み始めたいと思います。
タイムリミットまであと一週間弱……。

剣嵐の大地〈2〉氷と炎の歌〈3〉 (氷と炎の歌 (3))
ジョージ・R.R. マーティン George R.R. Martin 岡部 宏之
415208782X

『終の神話・人祇の章 封殺鬼シリーズ28』

終の神話・人祇の章 封殺鬼シリーズ〈28〉 (小学館キャンバス文庫)
霜島 ケイ
4094305785

[Amazon]

読了ー。
分厚い本を持って行けない代わりにせめてと、持参した文庫本。
帰りの新幹線でようやく読み終えました。

千年の時を越えて生きる孤独な鬼二人の妖魔退治シリーズ、全28巻の完結編です。

淡々としたなかにもしっとりとした、日本的な雰囲気を感じさせてくれる著者の文章には、もうすこし短めの話が合っているのではと読みながら思っていましたが、これだけのスケールの話を破綻させずにまとめきったことには素直にすごいと思いました。
前の巻が説明だらけだったので不安だったところは、あれは最終巻と合わせて読むものだったのねーと納得。
クライマックスは幻想と脅威の力とがたくましい想像力によって遺憾なく描写された、迫力あるものとなりました。

悲愴な弓生の創り出す雰囲気をかろやかに破壊する、能天気聖とのコンビはやはりサイコーです。

ラストもめでたく大団円という趣で、それでいてしんみりと余韻が残り、大変後味のよいものだったと思います。

ところでワタクシ、このシリーズが完結していたことをまったく気づいてなくて、先日同一世界を舞台にした新シリーズが開始されたことをあちこちのブログで拝見し、ようやく「あれ?」と知りました。

弓生と聖の話を好んで読んでいるお仲間がまだこれだけ存在したのだなーと、それでちょっと元気になったりしたのでした。

その新シリーズがコレ↓。
レーベルがキャンバス文庫からルルル文庫に変わってます。
封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 1 (1) (小学館ルルル文庫 し 2-1)
霜島 ケイ
4094520082

二巻目も発売中(汗。
封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 2 (小学館ルルル文庫 (ルし2-2))
霜島 ケイ
4094520279

20071015の購入

最後の乗り換え前に私鉄が止まってしまったとき、「あの本屋が側だわ!」と気づいて買いに走りました。
その後、電車は一時間くらいで動きだしてくれたのでそれほど待たなくて済みました

Landreaall 7 (7) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
おがき ちか
475805200X

『フルメタル・パニック? ふもっふ 第1発』

フルメタル・パニック?ふもっふ 第1発<通常版>
関智一 雪乃五月 木村郁絵
B0000CBCCI


前述のレンタル屋で最初は『アルカサル』の既刊を読みたいと思ったのですがすべて出払っていたので、不覚にも放送時に気づかないで見逃したこちらを借りてみました。

これは、すんごく! おもしろかったです。
短篇ばかりなのですが、コメディのテンポに違和感なくて、アクションもスピード感あって、なおかつかなめと宗介の呼吸もしっかりと合っていて、見ていて大変楽しめました。

あと五枚あるのかー。
つづきも見たいなー、見たいなー、見たいなー。

レンタル屋が近くにある環境が心底うらやましく感じられた時間でした(涙。
ツタヤディスカスに入りたい……とこういうときに一瞬だけ思います。

次回予告だけ見た次の巻↓
フルメタル・パニック?ふもっふ 第2発<通常版>
関智一 雪乃五月 木村郁絵
B0000QX1M8

『しゅごキャラ! 1』

しゅごキャラ! 1 (1)
PEACH-PIT
4063641139

[Amazon]

滞在先のレンタルコミックで姪っ子(小四。秋休み中でくっついてきた)が借りたもの。
姪っ子によるとテレビアニメ化されたそうで、それを見て読んでみたいと思ったそうな。
私は全然存在を知りませんでしたが、暇だったので読んでみました。

内容は、「なりたい自分」への望みを叶えてくれる守護キャラ(ミニ妖精みたいな)を持った少年少女がなにかを求めてなにかと戦うお話。なにかなにかと対象が不明なのは私が覚えてられなかったのと一巻ではその正体がよくわからんかったためです。

キャラクターの絵柄がえらく可愛い系で低年齢(小学生)。どこで連載しているのかと思ったら『なかよし』でした。
それで他にどんな話を書いている人たち(複数一ペンネームらしい)なのかと思ったら、『ローゼンメイデン』でした……読んだことないんですが。
このパターンってなんか『カードキャプターさくら』に似ているかなあと思いました。

結構おもしろかったので、機会があればつづきも読んでみようかと思います。

ローゼンメイデン 1 (1) (バーズコミックス)
PEACH-PIT
4344802128

帰宅しました。

出発当日自動改札が動かなくなったとか、帰宅間近で私鉄が人身事故で運転停止とか、そのほかいろいろと事件のある旅でしたがなんとか終了しました。
サイトも(?)ブログも、通常業務に復帰します。

ところで、

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ちょっと留守にします

ちょっと西の方にお出かけすることになったので、週末留守にいたします。
メールやコメントの返事は帰宅してからいたしますね。

なにかご報告できるようなことがあればよいのですが、観光じゃないからなー。

しかし私はいま『剣嵐の大地』の続きが気になって気になって……後ろ髪引かれるような思いです。

ただいま読書中

現在、私は窮地に陥っています。
予約した「氷と炎の歌 第三部」が全三巻、一度に図書館に到着していたから。
どうせ一冊ずつしか届かないさと高をくくっていた私は泡を食いましたが、けっきょく一度に借りてきました。

しかし、この分厚くて二段組みの三冊を期限内にすべて読み切ることができるのでしょうか。
とても不安です。

しかも、今週末は超珍しく泊まりがけで出かける予定なんですよー。
この大きさ、重さではまさか持参するわけにも行かないし。
困った、困った。

困ったと嘆いてばかりいても仕方ないので、とりあえず読み始めました。

剣嵐の大地〈1〉 氷と炎の歌〈3〉 (氷と炎の歌 (3))
ジョージ・R.R. マーティン George R.R. Martin 岡部 宏之
4152087722


いまさらですが、装画のイラストレーターが変わったような気がする。
描かれている彼女はいったいどなたなのでしょうか(汗。

最初は一日100ページくらい読んでおけばと考えたが、その当日に疲れて読めなかったのでノルマは120ページに……。

読んでいる途中も第二部の状況をかなり忘れているのでとくに固有名詞に悪戦苦闘しています。
たとえば、アリアの呪文の言葉の意味がはっきり思い出せないです……(汗。

『新訳 女王の矢 ヴァルデマールの使者』

photo
女王の矢 新訳 (C・NovelsFantasia ら 1-1 ヴァルデマールの使者)
マーセデス・ラッキー 澤田 澄江
中央公論新社 2007-09

by G-Tools , 2007/10/10



読了ー。

中世ヨーロッパ風の異世界ヴァルデマールを舞台にしたファンタジーシリーズの一冊。

かつて社会思想社の現代教養文庫から出ていた幻のシリーズがようやく復活。
新訳で登場です。

このシリーズは私が初めてラッキーと彼女の創造するヴァルデマールの世界と出逢った記念すべきタイトルでした。

読んだときに即刻気に入って続きを首を長くして待ちわびていたのですがなかなか刊行されず、けつきょく第一部が刊行されたのみでそのあとなかなか続きが出ないと思ったら版元が倒産してしまったという、いわくつきの三部作です。

今回、なぜかC★NOVELSからの刊行で新訳として出ることになった時には嬉しかったですが、正直とまどいもありました。
ヴァルデマールの他のシリーズは東京創元社から出ているし、レーベルのイメージがなんとなく違うような気がしたからです。

でも、読んでみれば違和感はなくなり、淡い影だけとなった以前の想い出がふたたび鮮明に映し出されて、ああ、これはこんな話だったのか……とちと感慨にふけってしまいました。

以前の版を読んだのが1991年だからなー。
女王補佐となるタリアのこの話って、他のシリーズよりも若い人向けに書いてあるような気がします。
それは私の読む時の視点が確実に老けてきているから気づいた気もしますが、それでもこの話の私にとっての読み所はそれまでさんざん虐げられてきたタリアが〈使者〉として選ばれてからの、人びとの親身な態度だったり、初めての個室を与えられたことだったり、あたたかなお湯でお風呂を使えることだったり、機能的な設備をみて感心することだったりするところなんですよね(笑。

そして、人間不信のタリアがそれを克服するのがテーマのこの話で、この問題は比較的簡単にクリアされていったような気もするので。

あまり根深く深刻にならないのがラッキーの持ち味ですが、このあたり、ストーリーテリングのうまさもそうですが、マキャフリイと資質が似ているのかなーと思いました。

ともあれ、タリアがこれからエルスペスをどんなふうに躾けていくのかとても楽しみです。
おなじみのメンバーの若かりし頃の姿がつぎつぎにあらわれるのも嬉しいですね。

今回はあとがきでその後の二作もきちんと出してくれると明言されているので安心しています。

今月は「ヴァルデマールの風」シリーズの完結編も出る予定。
こちらでは成長したエルスペスの姿とその後のスキッフの姿が読めます。

『イスラム世界の人びと 5 都市民』

イスラム世界の人びと (5)
三木 亘 山形 孝夫

4492812652
東洋経済新報社 1984-10

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


読了。
シリーズ最終巻です。ようやくようやく読み終えたー。

感想を書こうとしたのですがちょっと挫折。
そのときどきにいろいろと感銘を受けたことがあるのに、いまとなっては思い出せない(汗。
自分の脳内メモリの性能の悪さに泣きが入りそうです。いつものことなんだが。

というわけですこしでも中身がつたわるように、この巻の内容はこんな感じです。


「交わりの場」に生きる――クアラルンプルにみる相互依存と対立のバランス(田村愛理)
近代イスラム都市とイラン人(坂本勉)
トルコ・ゲジェコンドゥに住む人びと(鴨澤巌)
カイロのくすり問屋たち(三木亘)
ワディ・ナトルンの修道院――コプト修道士の生活誌から(山形孝夫)
自由都市メッカの人びと(後藤晃)
スワヒリの町ウジジの人びと――東アフリカのイスラム都市(日野舜也)
モロッコの都市と農村の比較生活誌――人の一生と年のめぐり(中野暁雄)
座談会 イスラム世界の都市民 鴨沢巌 後藤晃 坂本勉 田村愛理 中野暁雄 三木亘 山形孝夫



そのほか参考図書などの紹介、索引も。

イスラムが都市の宗教であることは幾度もくり返されることですが、ムハンマド生存当時のメッカの状況には正直おどろきました。
全然周囲に耕作地がないのに、オアシスもないのに、都市が成立してるんですよ。水は忘れたけど食べ物はエジプトから運んできていたらしいです。

しかも支配者がいない。自分が有力者だと思っている人たちが寄り合いを開いて話し合いをしていた模様。
かんぜんに商人による交易地点で一次生産者はまったくいない。
人口は一万人くらいだったらしいけど、こんなところ世界の他のどこかにもあるだろうか。
これは都市以外の何物でもないよなあ。

あいだに聖職者が挟まるキリスト教よりも完璧な、神との一対一の宗教イスラーム。
僧とか聖職者とか訳されるウラマーはたんなる権威であり、相談役、折衝係なんですよね。
尊重はされるけど権力は持ってないのだ。
だからウラマーに働きかけるだけではひとびとは動かないのだなと、たいへん納得致しました。

個人のつながりで商売をするイスラムの大商人たちのように、共同体を構成するひとびと、ひとりひとりのこころにうったえて、つながりをもつのが一番の得策なのかも……。

『恋のドレスと大いなる賭け ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

恋のドレスと大いなる賭け (コバルト文庫 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (あ16-17))
青木 祐子
4086010801

[Amazon]


ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に仕立屋の女の子と公爵家の御曹司の恋を、女の子の仕立てるドレスに絡めて描く、少女向けロマンスシリーズの九冊目。

今回はクリスに強力なライバル現る、の巻。
シリーズ的には今までで最高に盛りあがったのではと思われます。

諸事情により細切れに、しかも途中とばして読んでしまって後戻りしたりと、なんだか不幸な読み方をしてしまいました。

だからシャーロックがどんな所業におよぶかをちっとばかり先に知ってしまいましたが、そのときの「おーぬーし、なあにやっとるかー!」という絶体絶命のピンチで特大エラーを見た時のような憤りは、きちんと順番通りに読んだ時には「ああ、あんたもふつうの野心家の打算的な世間体に流されるずるい男だったのね」というところにおさまりました(苦笑。

ずるいというのは、とくにクリスにはっきりと答えを強要しておきながら自分はなんら確定的ことをいわずになんとなくわかるだろーてな雰囲気のみでお茶を濁しているところとか。
確実なことしか言いたくないと本人は言ってますが、はたからみれば逃げ場を残すために言質を取られまいとしているように思えますな。

というわけで、かれは「特別な男」ではなくて、ふつーの優柔不断なヘタレ男なのだ、とはっきりとわかりました。

ああ、シャーロック、汝は哀れな男。

いっぽう、今回のお客様アディル・オルソープ嬢。
まさに上流階級の純粋培養、プライドの高いお姫様。
育った環境になんの疑問も持たず、他に興味もなく、ただ自分の置かれている立場ははっきりとわきまえていて、周囲に対する影響力を最大限に行使しようとし、その度胸も意志のつよさも並々ならぬものをもっている。

恋も勝負事と捕らえるこの方はそうとうな強敵です。

うーむ、このあとどうなるのでしょうか。

つーか、このシリーズ、シリアスに考えると絶対にハッピーエンドにはならないよな、
と、読み終えるといつも思ってしまう。

でも少女小説なのに、ふたりとも想い出を胸にそれぞれ別のひとをみつけ、別の人生をあゆみます、てな終わりだと凄いブーイングだろうし。

というわけで、どんなどんでん返しが用意されているのか、それがとっても楽しみなのでした。

想定外

きのうは久々に服の買い物にいくはずだったのですが、いつのまにやらいちんちじゅう子守りをすることになりました。
はううう、疲れた。

とくに一日に三回商店街に行ったのは想定外だった。
なにが哀しくて連休で閑散とした地元商店街になんども出かけなくてはならないのでしょう。しかも足の短い甥っ子連れで……。

自分のペースで歩けないともの凄く疲れるのね、ということをしみじみと感じました。

夕飯まで一緒にいた甥っ子のおかげで某人気ロボットアニメの新シリーズの初回なども見てしまいました。
「あ、ガンダム見る! 見る!! 見る!!!」と主張するのでうるさくて(汗。
国語△のあんたにこんなに複雑な話を理解できるのかよ、と思いつつ終わったあとで尋ねたら「面白かった!」ゆうてました。
そうですか(溜息)。

私の評価はノーコメントで。
ファーストにははまり倒した年代ですが、キャラクターがみんな平等にキラキラしくなってからどうもひとりひとり区別がつかなくてね(遠い目。

でもそのあとに自主的に見ている『電脳コイル』はすばらしく面白かったです。
やっぱりこれはコワイ系ファンタジーですよ!!
子供向けだからロマンスはないけど、その分ストレートにテーマに迫ってる。と思う。
今回は怪談みたいですてきに怖かったですよ~。
でも周りに見てるひと少ないような……子供向けだからか?

あと、ベイスターズは五割挑戦にまた失敗しました。
なのにカープ佐々岡投手の引退登板にいらんことをした模様(汗。
村田くんのホームラン王は今現在のチームただひとつの希望の星ですが、なんだか複雑です。

今日はスタジアムでドラゴンズ戦か~。広島からとんぼ返りで選手たちも大変でしょうが。
この時期に休日なのにナイターなんて……寒そう。