アレルギーの検査

去年、いろいろと症状が出たので前回の診察で血液検査をしてもらってたのですが、結果が出ました。

うーん。
腑に落ちない。
私のアレルゲンはハウスダストでもダニでも花粉でもないと出ました。
唯一でたのは蛾。蛾の鱗粉だって。

私に症状が出るのはスギや檜の花粉がおさまったあと、ほとんど梅雨の間中なんですが。
だからカモガヤかなんかかなーと推測していたのに、カモガヤも反応なしだった。

それに、蛾の鱗粉って季節によってそんなに飛散するものなんでしょうか。
とくに秋に京都駅に降り立った時の惨状は今思い出しても不快なくらいだったんですけども。
京都駅には蛾の住処がたくさんあるとか?
わからん。

20080228の購入

神々のシンフォニー
サラ・ブライトマン フェルナンド・リマ アンドレア・ボチェッリ
B00126LR80


ボーナストラックが欲しくて日本版を買いました。
ところが、アルバムの帯の印刷が間違っているものだった。
レジでお詫びのチラシをもらいました。
連絡すると交換してくれるらしいけど、そこまでしたいと思わない。
だってこの仕様でどうやって帯を保存すればいいのかわからないし。

さっそくiTunesでリッピングしたら、アーティスト名が「様々なアーティスト」になった。
おいおい。

『終わらざりし物語 上』

終わらざりし物語 上
J・R・R・トールキン クリストファ・トールキン 山下なるや
4309203965

[Amazon]

読了。

異世界ファンタジー『指輪物語』のバックボーンとなる世界の神話伝説をまとめた『シルマリルの物語』。そこからもれたさまざまな過程の草稿を息子である編者がまとめたものの上巻。

作者本人としては草稿なんて公に出すのはあんまり嬉しくはないかと思うのですが……。
それでもさまざまなところで言及されている物語や、知っている人物の過去の物語などを読んでみたいと思うのはファンの心理でしょうね。

トールキンはおなじ物語を幾度も書き直していたらしく、エビソードの移動や設定の変更もかなり晩年までやっていたみたいです。
当然それまでの原稿とは齟齬を生じてくるわけですが、話としてしっくり来ない場合いろいろとやってみたくなる気持ちはよくわかります。
これは第三者が読んでもそれほど混乱しないようにまとめるほうがよほど大変だよなあ……。

息子さんのクリストファー氏は父親の創造した世界をとても愛していたんだろうなと思いました。


上巻の目次は以下の通り。


序文

第一部・第一紀
I トゥオルおよびかれがゴンドリンを訪れたこと
II ナルン・イ・ヒーン・フーリン フーリンの子らの物語
 トゥーリンの幼少時代
 フーリンとモルゴスの争論
 トゥーリンの出立
 ドリアスのトゥーリン
 トゥーリンと無法者たち
 ドワーフのミームのこと
 トゥーリンのドル=ローミンへの帰還
 トゥーリンがブレシルを訪れたこと
 モルウェンとニエノールのナルゴスロンドへの旅
 ブレシルのニエノール
 グラウルングの到来
 グラウルングの死
 トゥーリンの死

 補遺

第二部・第二紀
I ヌーメノールの島について
II アルダリオンとエレンディス 船乗りの妻
 物語のその後
III エルロスの家系 ヌーメノールの諸王 アルメネロスの都の創建から没落まで
IV ガラドリエルとケレボルンの歴史 およびローリエンの王アムロスのこと
 ガラドリエルとケレボルンに関して
 アムロスとニムロデル
 エレッサール

 補遺
 A シルヴァン・エルフとその言葉
 B シルヴァン・エルフの中のシンダールの公子たち
 C ローリエンの国境
 D ロンド・ダイアの港
 E ケレボルンとガラドリエルの名前

 ※

 〔地図〕ヌーメノールの島
 〔系図〕エルロスの家系の初期の世代



読んでいていちばん感じるのは北欧神話っぽいなーということ。
冒頭、延々と系図の説明から始めるところや、文章の雰囲気もそうだし、トゥーリンとかれの乙女の話なんて、まるまるとそれですわ。竜とも絡むしねえ。

それから、上古の昔の伝説であるにもかかわらず、いや、だからなおなのかもしれないけど、思ったよりも登場人物が人間っぽくて、性格がかなり問題有りの人物が主役をはってるなあということ。
みんなプライド高すぎだし、意地をはりすぎです。
こんな性格、不幸にしかならないよと思っているとどんどん状況は悪くなる一方、やっぱり最後には悲劇になだれ込むんですよね。
伝説の人物なんてプライド高くないと書く価値がないのかもしれないと思ってしまった。

それとこれはいつものことですが、やっぱり読んでる途中で「あれー、これってだれだっけ?」「ううー、この話は読んだことあるような気がするんだけど、よく思い出せないさー」というところがてんこもりで。

上巻を読み終えた時点で下巻を借りてきてないので、つい『シルマリルの物語 上』に手を出し始めてしまいました。
読んでしみじみと思うこと。やっぱり、ぜんぜん覚えてなかった……(汗。
でも初読の新鮮さが味わえてるのよとひらきなおってます。
たぶん以前読んだ時は意味がよくわからなかったのだろう。
いま読むと、ほとんど陶然とできます。
やっぱり好きだなー、トールキン。

しかし、アマゾンで調べてみたらシルマリルも新版で出ているのですね。上下分冊じゃなくて一冊で、しかも読みやすいという評判が……もしかして活字を変えてあるのかなあ……なんだか非常にこころ惹かれますデス。

終わらざりし物語 下
J・R・R・トールキン クリストファ・トールキン 山下なるや
4309203973

新版 シルマリルの物語
J.R.R. トールキン John Ronald Reuel Tolkien 田中 明子
456602377X

『ぶたぶたのいる場所』

ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)
矢崎 存美
4334740952

[Amazon]

読了。

ほんわかした雰囲気の、読み終えるとちょっと前向きになれる日常ファンタジーのシリーズ。
何作目かはもうわかりません(汗。

このシリーズ、ピンクの豚のぬいぐるみが活躍する以外は異世界でもないし魔法も出てこないしもちろんアクションもないんですが、ぶたぶたの存在感があまりにも強烈……というか独特なんで、やっぱりファンタジーとしか言いようがありません。

今回はとある地方のグランドホテルを舞台にした連作短編集。


人形の夜~春の物語
柔らかな奇跡~夏の物語
不機嫌なデズデモーナ~秋の物語
ありすの迷宮ホテル~冬の物語
小さき者と大きな空~再び、春の物語

あとがき



見物というか読み所は、いつものとおりぶたぶたに初めてあった時のリアクションと、今回はぶたぶたが演劇をするというところ。
演目はなんとオセロー。
なんの役をするのかは読んで確かめて下さい。
舞台のシーンもきちんとあるのですが、これがまたおもしろくて。
それまでの短篇の登場人物のその後を絡ませつつ、みごとに話をまとめあげてあるのにもすごいなーと思いました。

かるい感じのおはなしなんだけど読後感はしみじみとあたたかいのがこのシリーズの美点ですね。

と、つぎは最新刊かと調べたら、まだ未読の本がありました。
うわ、この本より前に出てるんじゃん……。
どこから読んでも支障のないシリーズでよかった~。

その未読の既刊。
ぶたぶたの食卓 (光文社文庫)
矢崎 存美
4334739059


光文社の最新刊。
ぶたぶたと秘密のアップルパイ (光文社文庫 や 24-5)
矢崎 存美
4334743498

20080225の購入

出先でのストレスに負けて、一冊購入。

GA-芸術科アートデザインクラス 2 (2) (まんがタイムKRコミックス)
きゆづき さとこ
4832276751

森の中で迷子になる

といってもその森はインターチェンジのすぐそばにあって、家具でできているのです(汗。

イケア


続きを読む »

『棺担ぎのクロ。 懐中旅話』1,2

どうしてか理由はわからないのですが、最近マンガを読むのが億劫。
読もうと思って買ってきても、触手がうごかないのでしらないうちに未読のマンガが増えてます。
マンガを積ん読するなんて、以前には考えられなかったことだ(汗。

棺担ぎのクロ。~懐中旅話 1 (1) (まんがタイムKRコミックス)
きゆづき さとこ
4832275682


というわけで、このシリーズも買ってきて積んであった。
えーと、たしかうさぎ屋さんのところの記事で見て読みたいと思ったんですね。
一巻を買って少し読んでみて、「うわおこれは好きだ二巻も読もう」と思ってすぐ買ったのになぜこんなに時間が経っているのでしょう……。

頭身のちっちゃくてかわいいキャラクターとクリアーでありながら冷たくはない線がつくりだす、メルヘンな世界。
反対に背後にはたしかに暗い闇がのしかかるような、暗い過去。
旅する人にかかわる、叙情的ですこしせつない読後感。
でも、四コマでかならずオチがあるので雰囲気はほんわか。

と、読んでいてかなり充実感のある二冊でした。

主人公の棺担いだ黒ずくめのクロは冷静な旅人ですが、口達者で大人なコウモリのセン、それになんといっても途中で道連れになるふたりの子供ニジュク、サンジュの無邪気さ愛らしさがかわいくて!

あー、こどもってこんなにカワイイだけじゃないんだけどお、と思いつつも、小さい子供のかわいさを凝縮したようなぷにぷにした顔と体型に視線を落とすたびニマニマしてしまいます。

とっても面白い、というより大好きだ! と叫びたいシリーズです。
四コママンガでこんな話が書けるのねーとかなり感心致しました。

棺担ぎのクロ。~懐中旅話 2 (2) (まんがタイムKRコミックス)
きゆづき さとこ
4832276344

『戦う司書と虚言者の宴』

戦う司書と虚言者の宴 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-7)
山形 石雄
4086303728

[Amazon]

読了。

人が死ぬと〈本〉になる世界を舞台に武装司書と神溺教団の戦いをえがく異世界SF、シリーズ七作目。

ついに武装司書と神溺教団のつながりが天国であることが明らかに。
この天国って何で天国と呼ばれているのかよくわからんのですが。一般人は知らない天国って精神的宗教的にどんな意味があるのでしょうか。うーむ。

ともあれ、なじみの顔がかなり入れ替わって、あらたな抗争への序章といった感じの一冊でした。
前巻もそうだったけどラスト間近から始まるストーリーで、なにゆえこの状況に相成ったのかという謎の解明されていく過程を追うという展開です。

かつてなにかの翻訳SFのあとがきで、「面白い話を書くには終わりから始めることだ」みたいな文章を読んだことがあるのですが、まさにそんな感じ。驚愕の事実を始めに突きつけられると、どうしてなんでと思いっきり興味をかきたてられて、つい話につり込まれてしまいます。またしても一気読みしてしまいました。

前巻の怒濤のスリルはなかったですけど、今回もかなり面白かったです。

しかし短篇ならいざ知らず長篇でこれをするのは結構大変なのではなかろうか。

シリーズはこれがいまのところ最新刊。2007年の8月刊となってますからけっこう間が空いていることになります。
つづき、出るんだろうなあ。
ハミュッツの元気が出たところでおわり、なんてのはイヤですよー。
マットアラスト氏などは気苦労ばかりでやってられるか、てな心持ちでしょうが。

20080223の購入

コランタン号の航海 2―水底の子供 (2) (WINGS COMICS)
山田 睦月 大木 えりか
4403618936



以上購入。

新刊を並べていた店員さんが棚に置いた、その一分後にただ一冊のそれを買ってきてしまいました。
なぜかすこしばかりの罪悪感。
一巻はもう少し入荷していたと思うんですが……。

「風紋 ―風は史書に語られぬものを謳う―」

八仙花さん@【花明かりの庭】作、「風紋 ―風は史書に語られぬものを謳う―」第五夜まで読了。
異世界架空歴史小説長編。

『風の王国 目容の毒』

風の王国―目容の毒 (コバルト文庫 (も2-24))
毛利 志生子
4086007878

[Amazon]

読了。

唐王朝からチベットへ嫁いだ公主翠蘭の波瀾万丈ととその周辺の勢力争いをメインにした、少女向け歴史小説。だんだんロマンス味が少なくなってきた、のシリーズ八冊目。

固有名詞とこれまでの展開がよく思い出せなくて、読み出してからしばらく唸りつづけてました。
考えてみれば、この前の巻を読んだのは比較的最近だったけどそれはマンガと短篇で構成されていて、その前の巻は手術をする前でしかもその巻も外伝風味の短編集だったのだった……。本編を思い出せなくても無理はない、と自分で納得。

今回は翠蘭とリジムはほとんど別行動。代わりにいままでは敬して遠ざけていた宰相ガルとの行動が大半を占めるようになってます。おかげでガルとリジムとかれの前妻との過去が読み手にはよりリジムに有利なかたちで明らかに。

お話は歴史的ないろいろをミステリのような展開で事件に仕立てる手際が上手くて、するするっとさいごまで読めました。

ちやほやされたくて嘘をつくひとってやっぱりどこか不幸なんだろうなあと思います。

この巻ではソンツェン・ガムポ王の風格が図抜けていて圧倒的な存在感を放ってますね。
かれの三人の妻の長い年月によって育まれた連帯感というか共感というか役割分担みたいなものも、王様の懐の深さあってこそと思われます。
古い家臣との絆の深さもすばらしい。しみじみと過去をふりかえる老将の感慨に胸をうたれました。

リジムの出番が少なかったのはかえってよかったのでは(苦笑。

翠蘭は相変わらず無茶してますが、それをソンツェン・ガムポ王も認めているように思えますが、これからはすこしは自重してくれるんだろうか……。

というわけで、つづきはこれ。
また書架にあったら借りてきます。
風の王国―臥虎の森 (コバルト文庫)
毛利 志生子
4086008351

『せまるニック・オブ・タイム フルメタル・パニック!』

せまるニック・オブ・タイム (富士見ファンタジア文庫 92-20 フルメタル・パニック)
賀東 招二
4829132663

[Amazon]


読了。

並行世界を舞台にしたSFミリタリー(ロボット)アクションシリーズ「フルメタル・パニック!」長編の十冊目。全体だと二十冊目。

前作『つどうメイク・マイ・デイ』からたいそう待たされた感があるのですが、この巻の終わりも「ええっ、またこんなとこで終わりですかっ。そんな殺生な~」てことになってます。
あと一冊で本編完結らしいので当然なのだけれど、緊張感と不意をつくような展開の連続。でも確実にストーリーは終わりに近づいていってるなあ……と感慨深さもひたひたとおしよせてくる読後感でした。

戦記物って、脇役の活躍シーンが来るとその人が危ないのよねえ……と独り言。

今回は風呂敷たたみの一環としてウィスパードとブラック・テクノロジー関連の説明がかなり詳しくなされています。ありがとうテッサとレナード。
この説明に至るまでに萩尾望都の『銀の三角』みたいんかなーとかいろいろと推理してみたけれど、わかるってみると今度はどうやってハッピーエンドに持って行くのだろうとちと不安というか。このレーベルでハッピーエンドじゃないということはないですよね?
宗介はチグリスとユーフラテスの岸辺に置いてかれたりはしないと思いたい……(汗。

あとは狙撃手同士の戦いが上質な冒険小説のようで非常にスリルがありました。ううう、カッコイイよ! ○○○!

たぶんこの次は宗介とK氏の対決があるのでしょうな……。

すれ違って会えなかったり会えたのにすれ違ったりの宗介とかなめは、はたしておしまいには同じ方向を見てともに歩いてゆけるようになるのでしょうか。

あー、面白かったけど、面白かったけど、このつづきをはやく読ませてくれ~~というのが本音です。
続刊を切にお待ちしています。お願い。

20080220の購入

せまるニック・オブ・タイム (富士見ファンタジア文庫 92-20 フルメタル・パニック)
賀東 招二
4829132663


あとはネスカフェゴールドブレンド。

病院が思ったより長びいて、あとのスケジュールにいろいろとしわ寄せが。
お一人様一点限りの安売りコーヒーをゲットするために坂道を必死で歩いたら腰から下が筋肉痛。
なのに目の前でバスが行ってしまったり。

ようやくたどりついた駅前の店舗で残り三点のうちの一点購入後、とって返して近所の店舗でもう一点。
しゃがみ込んで空になりかけの棚の奥から商品を取り出そうとしていたら、背後から妹に声をかけられた。
「私も買ったからあとであげるね」
ふたりでにこり。
これで当分、インスタントコーヒーは買わなくてもすみそうです。

『ボルボロスの追跡 グイン・サーガ106』

ボルボロスの追跡―グイン・サーガ〈106〉 (ハヤカワ文庫JA)
栗本 薫
4150308349

[Amazon]


読了。

2006年始めの一冊、なのだそうですが、すでに世間では119巻が店頭に……スゲエ。

今回はグインがリギアさんと連携してお荷物三人組を逃がしたり、救出したり、お守りをしたりと、大わらわな話。

意外というか、都合がいいというかだったのは、ン十数巻ぶりに登場して復讐の鬼と化しているかにも見えた某氏が、なんだ全然変わってないんじゃないかあ、てなあたりでしょうか。

リギアさんがフロリーにイライラするのはほんとうによくわかる。
でも彼女はそれをこんなふうにストレートにいっちゃう人だったっけ。他にいるのが弟分のマリウスだけという環境がよろしくないのかも。

私としてはこの緊迫の場面で延々と台詞劇をくり広げている展開のほうがイライラしたなあ……。
リギアさんもいちいち反応してるから同罪です。

グインの記憶喪失は二度目のほうが悩みが深そうだ。
一度目は自分も知らないけど世間的に無名状態だったのが、今度は自分は知らないけど世間はみんな知ってる状態なのがよけいに不安を煽るのか。

面白いのか面白くないのか、だんだんよくわからなくなってきたシリーズですが、またそのうち続きを借りてくると思います。

『つるばら村の三日月屋さん』

つるばら村の三日月屋さん (わくわくライブラリー)
茂市 久美子
4061957015

[Amazon]

読了。

つるばら村にあたらしくパン屋さんをひらいたくるみさん。
飼い猫でパートナーのニボシといっしょにお店を切り回しています。
けれどお店には人間以外のお客さんがときどきやってきて……。



ほんわりとあたたかく香ばしい焼きたてパンのにおいにつつまれる、やさしい雰囲気の連作童話集。

姪っ子が「カタカナ名前」のキャラクターの出てくる本が苦手だというので、「ひらがな名前」がおもで、集中力のつづかない子でもさくっと読める短めな児童書を探していて、これはどうかなーと思って借りてきました。

うん、これはいいかも。
私が読んでもかなり楽しめましたので、ついでに妹にも勧めてみようかと思います。

ただ、どうやらくるみさんのシリーズはこれが最初の一冊ではなかったようです。不覚。
といっても、全部一話完結なので読むのに支障はないのですけどね。

そういえば茂市さんの本は『こもれび村のあんぺい先生』というのを前に読んでいたなー。
あの本もなかなか読み心地のよい本でした。


収録作品は以下の通り。


キツネのパン
カッパのパン
カエルのパン
魔術師のパン
十五夜のパン
はちみつのパン
木枯らしのパン
クリスマスのパン
ウサギのパン
バレンタインデーのパン
春風のパン
結婚式のパン

あとがき



どのタイトルもシンプルですが、中身はこまやかな気配りの効いたこころあたたまるお話です。
お客さんがくれるパンのお代がすてきなのと、なんといってもくるみさんの焼くパンがとってもとってもおいしそうで、お腹がすいてる時に読むのは禁物だと思いました。

つるばら村のパン屋さん (わくわくライブラリー)
茂市 久美子
4061956922

つるばら村のくるみさん (わくわくライブラリー)
茂市 久美子
4061957023


『オドの魔法学校』

オドの魔法学校 (創元推理文庫 F マ 9-1)
パトリシア A.マキリップ 原島 文世
4488520073

[Amazon]

読了。

異世界ファンタジー。
二日かけて熟読。ねぶねぶと堪能しました。
それでもすぐにまた読み返したい気分です。
やはりマキリップは最高に私の趣味に合ってます。
スバラシイ!

追記。

読み返したら、あまりにも出がけに叫んで逃げたという感じがありありであんまりだと思ったので追記。

魔法の幻想と神秘と不可思議さに満ち満ちた、ときに皮肉っぽいけれど全体的にはやさしい雰囲気のお話です。
ストーリーは『影のオンブリア』などとくらべるとシンプルだけど、そのぶんお話の世界にどっぷりとひたれる余裕がありました。
ひとつひとつのシーンが月の糸で紡ぎ出されたような光で織りあげられているような。
宵闇にうかびあがる月のうつくしい描写にはうっっとりいたしました。

個人的にはかつての夢と希望を思い出してかっとうする魔法学校の先生ヤールにたいへん共感して読みました。

知識に枠をかけようとしたり、ひとを型に押し込めようとしたりするのがいかに理不尽で不自然なものか。

そんな不自由な世の中につい思いを馳せてしまったり。

妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1)
パトリシア A.マキリップ 佐藤 高子
4150200017

影のオンブリア (ハヤカワFT)
パトリシア・A・マキリップ 井辻 朱美
4150203822

『かくて背信の旅はおわる トワイライト・トパァズ4』

かくて背信の旅はおわる トワイライト・トパァズ4 (ファミ通文庫)
佐々原 史緒 瑚澄 遊智
4757724306

[Amazon]

読了。

近代風異世界を舞台に、魔宝士見習いの少女が師匠を助けるために頑張る冒険ファンタジーシリーズの完結編。

うわあ。
津波のように襲いかかる怒濤の展開。
あんなに平和というか日常的に始まった話がここまでスケールが大きくなってさらにスペクタクルに収束していくなんて、快感のひとことです。

面白かったあ。

ストーリーもじつにファンタジーで感動しましたが、魔法の描写やなにやらがとっても幻想的で触感的で美しいのもすてきでした。

なにかを得ようとするとなにかが失われる。
というファンタジーの鉄則が、『夢の書』の結末よりこちらのほうがソフトで、しかも納得がいく感じでさらに未来的に明るい雰囲気で実現されたのもグーだった。

しかしあれですね、必死だったトパァズちゃんには気の毒ですが、わたしゃ、師匠が動物のときのほうがラブリーで楽しかったデス。あ、ちびっこもたのしいんたけどね……性格が……(苦笑。

怪力エルフまたの名を千年賢者アダマスちゃんの昔の話も読んでみたいなあと思うのだけど、こちらも図書館にはないのですよね……。あうー。

『かくて宿命の扉はひらく トワイライト・トパァズ3』

かくて宿命の扉はひらくトワイライト・トパァズ3 (ファミ通文庫)
佐々原史緒 瑚澄遊智
4757722524

[Amazon]

読了。

見習い魔導士トパァズが動物に変えられた師匠を元に戻すために旅をする、異世界ファンタジーシリーズの三冊目。

かつての教訓から属性魔導を封印し、魔宝石をつかった魔導のみを扱うことになった異世界。
という設定がこんなふうに生きてくるんだとは思いも寄りませんでした。
前巻を読んでから一年以上経ってるんでいまいちディテールが思い出せないんですが、前二作と比べると格段に物語のスピードがアップ。いままで一見たらたらと展開していた部分にもいろいろと仕掛けが施してあったことがぞくぞくと判明してゆきます。

あいかわらず元気な文章ですが、最初の頃よりずいぶん落ち着いてきたような。
ただの能天気な怪力エルフかと思っていたアダマスちゃんがそうではない、ちゃんとさまざまな経験を積んだ能天気な怪力なのだとわかってきて、だんだん可愛くなってきました。オカメインコ(というと怒られる)琥珀とのコンビも楽しい。

それに、弟子のトパァズに貧乏暮らしを強いていた師匠のルキウス君は、じつはツンデレ君だったみたいだし。

いやー、面白いじゃないデスか!

ネット書店で在庫を発見して衝動的に買ってしまったのだけど、後悔しないですみそうですv

『略奪都市の黄金』

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫 リ 1-2)
フィリップ・リーヴ 安野 玲
4488723020

[Amazon]

読了。

文明崩壊後。都市淘汰主義の台頭でほとんどの都市が移動し、互いに食い合うようになった遠未来を舞台に少年少女の冒険を描くSFシリーズの第二作目。

あー面白かった!

まるで上質のアニメのようにこまやかに描写され動いてゆく移動都市や自然の光景にドキドキわくわくする、冒険ものです。
画面の質のテイストとしては宮崎アニメに近いかなと思います。
が、雰囲気がかなり暗いのと物語自体もかなり殺伐としているので、ハッピーなお話が好きな人におすすめするのはいかがなものかとちと悩む。
私は大好きですけどね。

今回は移動都市アンカレジに不時着したトムとへスターがいろんな事に巻き込まれて、トムはアンカレジの少女伯爵によろめいて、へスターは嫉妬の嵐に襲われ、その後なんやかんやで文字通り半死半生の境を行ったり来たりするお話です。
アンカレジ自体はごく穏やかなところなんですが疫病のせいで崩壊寸前になってるんですね。
そこに盗賊都市アルハンゲリスクの影が迫る!

いつものことながら反移動都市同盟という組織を丸ごと忘れきっていたので、そのあたりを理解するのにえらい時間を食ってしまいました。

が、今回はなんとなくヴァイキングの冒険行に似た雰囲気があって、かつてヴァイキング好きだった血が騒ぎました。
ニムロッド・ペニーロイヤル教授は最初から無責任な大法螺吹きぽかったけど、スノリなんたらかんたらの航海だのなんだのって史実にありますからねえ……アレを下敷きにしたんじゃないかなあと思うじゃないですか。ついこの間読んだ『夢の書』に聖ブレンダンの航海が出てきたこともあるし……。訳者あとがき読んだらこの本とはぜんぜん関係ないところでぶったまげましたけど。えーそうだったんだ。ヴィンランドに移住に出かけた人たちの名前なんてすっかり忘れてましたよ……へえ、そうなるんだ……。『ヴィンランド・サガ』のつづきがはやく読みたいなあ……。

そのほかにもいろいろあちこちにこまかい仕掛けがあるらしくて、作者の人すごく楽しんで書いてるんだろうなあという雰囲気がひしひしと伝わってきました。

ストーリーにまるで触れないのも何なので、ちと書いてみようと思ったら
「トムのばかものーっ」
の一言しか浮かんでこなかったよ(苦笑。

へスターが成長してどんどんすごくなっていくのがちと怖い、ような。

このふたり、かなり肉体的にひどいめにあってるんだけど、かならず復活しますね。
そんな不死身なところもアニメっぽいと感じるところかな。

このシリーズは全四部作だそうで、第三部は二部の十六年後が舞台だそうです。
邦訳はいつ出るのかなあ……。待ち遠しいです。

シリーズ開幕編はこちら。
移動都市 (創元SF文庫)
フィリップ・リーヴ 安野 玲
4488723012

20080213の購入

数少ないスキンケア化粧品が残り少なくなっていたので駅前に突撃。そのままタッチアンドゴーでリターンしようと思っていたのですが……やっぱり本屋に吸い寄せられてしまいました。

棺担ぎのクロ。~懐中旅話 2 (2) (まんがタイムKRコミックス)
きゆづき さとこ
4832276344

優しいオオカミの雪原 上 (1) (ハヤカワ文庫 NV ヘ 14-1)
ステフ・ペニー 栗原 百代
4150411638

優しいオオカミの雪原 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV ヘ 14-2)
ステフ・ペニー 栗原 百代
4150411646

オドの魔法学校 (創元推理文庫 F マ 9-1)
パトリシア A.マキリップ 原島 文世
4488520073


『優しいオオカミの雪原』はエリス・ピーターズ賞の候補になったというカバー裏のあおりと、舞台が19世紀のカナダでオオカミが出てくる、というあらすじについひきずられました。
面白いといいのですが……。

『付喪堂骨董店 “不思議”取り扱います』

付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)
御堂 彰彦
4840235945

[Amazon]


読了。


 この世界には『アンティーク』と呼ばれるものがある。
 年代物の骨董品や古美術品のことではない。
 力ある古人や魔術師が作ったとされる特殊な能力を有した道具や、人間の怨念や自然の霊力が長い時間をかけて宿り力を持ったもののことだ。



そんなアイテムを取り扱うあやしげな店、付喪堂骨董店に事件が次々と持ち込まれるという、幻想ミステリ連作短編集。
店主『アンティーク』ハンター(?)摂津都和子とふたりの青少年アルバイト来栖刻也、舞野咲が主な登場人物です。

収録作品は以下の通り。


第一章 偶然
第二章 像
第三章 記憶と記録
第四章 プレゼント



味も素っ気もないタイトルですな。
あやしのブツを扱っているというわりに文中の雰囲気もかなりあっさりとしておりまして、おどろおどろしさのかけらもありません。
むしろミステリよりで仕掛けとネタで勝負するというかんじのお話が多かったです。だから恐がりの人でも大丈夫。

最後の話なんて、ドラえもんかと思ったよ。
いや、刻也くんのぬけさくっぷりとオチのほほえましさでさ(苦笑。

登場人物の中では咲ちゃんの個性がいちばん立っているかな。黒ずくめの身なりで表情は硬く、かなり世間からずれているという。
はじめからこれはかなり確率高いかなあ、とおもっていたわけですが、やっぱりワタクシ好みのツンデレちゃんでした。

けっこう面白かったのでつづきも借りてみようと思います。
つぎはこれですな。

付喪堂骨董店 2―“不思議”取り扱います (2) (電撃文庫 お 9-5)
御堂 彰彦
4840238863

『戦う司書と荒縄の姫君』

戦う司書と荒縄の姫君 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-6)
山形 石雄
4086303523

[Amazon]


読了。

人が死ぬと〈本〉になる世界。世界最強の武装組織・武装司書と異端の神溺教団のたたかいをえがく、異世界SFファンタジーシリーズの第六作。

すっげー面白かった!!

品のない褒め言葉で申し訳ありません。でもほんとにほんとに面白かったので。
今回のヒロイン、武装司書見習いのノロティちゃんのエピソードで始まる冒頭から「ええっ!」と驚かせておいて、さらにはバントーラ図書館が意外な敵の意外な攻撃に晒されて、予想外の窮地に陥っていくようすがもう息をつかせぬ、目を逸らさせない、巻を置くをあたわぬ展開の連続!

これはあれだな、理不尽な状況に追い込まれながらその理由を危機にさらされながら推理していく、サスペンス推理小説のやり方ですね。
しかも、その推理の対象が……おおっと、これ以上はネタバレです。

話の肝はノロティちゃんの性格。
彼女のキャラクターはそれだけでSFなのではなかろうか。


「思い出してもけっさくよ。どうして武装司書になれると思ったのか、聞いたときのこと。村では一度もケンカに負けたことがないから、だって」
 さすがに、エンリケも唖然とした。
「よく武装司書にしようと思ったな」
「とんでもないわ。絶対に無理だと思ったわ。悪いことは言わないから、やめなさいとも言ったのよ」
「……でも、やめなかったのか」
 イレイアは苦笑した。
「私の言うことを聞かなかった子はここ十年であの子だけよ。本当に困らされたわ」
 イレイアが困る理由も、理解できる。ノロティは素直に見えて、実は人の言うことをほとんどきかない。



こんな調子でノロティちゃんはめためたに言われ続けるのです。
話の最後まで。
愛されてるんだけど、どうにも信用のないキャラクターなんですね。

このシリーズって、昔のストーリーマンガっぽい感じがします。
余計な枝葉はきりとって、ストーリー展開だけに徹している。
ほんとうに面白かったなあ。
……ちょっと寂しいけど。

で、ラストではつぎへの驚愕の伏線がはられることに。
もうクライマックスなのかと思っていたけど、これで折り返しなんですね。
あとがきによると、いよいよ武装司書と神溺教団の関係が明らかになっていくらしいです。

次巻はこれ。
戦う司書と虚言者の宴 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-7)
山形 石雄
4086303728

『始まりのエデン 新たなる神話へ』

始まりのエデン 新たなる神話へ (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
4062559366

[Amazon]


読了。

『神を喰らう狼』からはじまる一連のシリーズの完結編。
『銀の騎士 金の狼』のつづきです。
ファンタジーと銘打ってありましたけど、これはやはりSFなのではないかなーというのが私の最終的な結論でした。

シリーズ名がころころ変わったり、自分の事情で読む間隔がやたらめったらはなれていたりと、環境的に不幸な読み方をしてしまいましたが、このシリーズ、まとめて読めたらよかったのになあと思う。こんな細切れじゃなくて、あるていどまとまった量で出すことができていたら、一冊ごとに出す制約なんかがなかったら、もっと突っ込んだところまで描けたんじゃないかと思ったので。とくに最後のほう、「新たなる神話へ」と銘打たれた部分に駆け足の感が否めません。
もったいないなーというか。ちょっと悔しいというか。
珍しく前巻からあいだをおかずに読めたから余計にそう思うのかもしれないけれど。

それでもラストはシリーズの始まりの叙情性が思い出される、すこし哀しくけれど希望があって、未来への期待ができる終わり方でよかったなーと思いますが。

個人的にはフェンリルへの仕打ちはあんまりだーと思うけどね。

それと、これをもう二十年も前に読んでいたら、ほんとうに希望を持って読み終えられたと思うのですけど、いまとなっては破滅への過程が身近すぎて、多分自分は生きのびられないなーとおもうこともあり、どうしてもゆううつな気分となって残ってしまうということもあります。
破滅後をえがく近未来SFを架空のものとして読めなくなってしまうなんて、不幸だ……。

『魂食らい クロニクル千古の闇3』

魂食らい
ミシェル・ペイヴァー 酒井 駒子 さくま ゆみこ
456602413X

[Amazon]


読了。

紀元前四千年の北西ヨーロッパ地方を舞台にオオカミ族の少年の冒険をえがく、ファンタジーシリーズ「クロニクル千古の闇」の第三巻です。

ああ、このシリーズ大好き!
少年トラクの災難はまだまだつづきますよ~。

このシリーズ、とにかく寒い描写が多いのですが、今回は北極圏へむかったこともあり、もう今にも垂れた鼻水から凍りそうな極寒エピソードのオンパレード。
じつは、私こういうのが大好きなんですよね(笑。
雪と氷の世界で雪の家に住むシロギツネ族のくらしの知恵やいろいろなディテールが興味深いし、冴えた夜空にひろがる始めの木のうつくしさは印象深いです。

けれども現実は寒いし痛いしひもじいし、ウルフは行方不明になっちゃうし、レンと二人きりで追いかけることになっちゃうし、とトラクに降りかかる災いは限度がない模様。

思うんですけども、ここの人たちってかなり寒さに耐性がありますよね。
いまの時代の人間にはとてもこんな生活、できないと思う。
この時代の生活ができたら地球温暖化にはかーなーり貢献できると思うけど、人間はすでに軟弱になってるからなあ。
なにをかくそう極寒エピソードが大好きなくせに私も結構な寒がりです。
温室効果ガスを出す量は極力へらそうとしてますが、暖房設定は十六度ですが、風呂は何度も追い炊きしてるし、いくらあたたかな毛皮があったって(もってないけど)、冷え切った足先指先はなかなか血が通ってこないもの。

閑話休題。
そしてとうとう魂食らいたちの本体との対決です。
魂食らいたちにもいちおう追い求める理想というものがあるんですね。
思いこみの激しい自分勝手な理屈に立った理想なきがするけれど。

トラクとレンが厳しい状況でぶつかり合いながらも力を合わせていくさまが、とても心強いお話でした。
背高尻尾なしの兄貴を気づかうウルフの姿が涙を誘います。

あー、面白かった。今回も満足満足……で終わらないのがこのシリーズの憎いところ。
前作の終わりには衝撃の事実があきらかになりましたが、今作もラストに驚愕の事態がひろうされます。
うへえ、なんてこったい。このあといったいどうなるの。
というところでまた次巻へつづくです。

幸い、邦訳第四巻は今年四月の発売予定の模様。
原書タイトルは「Outcast」。
現在【評論社のサイト】で冒頭が試読できます。

うーーーん、トラク、あなたの人生ってどこまで不運続き?

『銀の騎士 金の狼 新たなる神話へ』

銀の騎士 金の狼 新たなる神話へ (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
406255917X

[Amazon]

読了。
文明崩壊後の地球を舞台に、旧文明にしがみつくひとびとを管理するエリートと汚染された大地でいきぬくひとびとの抗争をえがく、近未来SFシリーズ。

「神話の子どもたち」シリーズとして四冊、「金の髪のフェンリル」シリーズとして二冊、そしてこんどは「新たなる神話へ」シリーズとなった、一連のシリーズの最後から二番目の巻となります。

この本、予約してから到着するまでものすごく待たされました。途中何度もキャンセルしてやると思いましたが、けっきょくここまでは待ちました。でも最終巻はこの本を受けとってから注文しちゃいました。また半年も待たされたらかなわんと。

とそんなこんなでようやく読めました。
あいかわらず、すごく読みやすい文章。意識せずにすうっと空気のように脳裏に染みこんでくる心地よさです。この相性の良さはなんなのだろう……謎だ。

お話はかなりクライマックスにさしかかってるなあ。あと一冊しかないんだから当然とはいえ、正直言ってもうすこしサラが入ったあとのレジスタンス内のあれこれが書かれるかと思っていたので、ちと物足りないのですが、これが大人の事情というものでしょうか。いきなり核心に入ってきます。

レジスタンスはとうとうメディカルセンターと真っ向から対決する作戦の実行に取りかかっています。
レジスタンスの象徴となったフェンリルとサラのふたりは葛藤を残しながらもみずからの信念にしたがう決意を定めていますが……。
やっぱりメディカルセンターのボス、ユージン・キーツはあなどれねえ、といったところでしょうか。

ユージンの息子エリアスがあっちこっちで悩んでますが、かれはすべてをサラに預けきっているのでむしろ幸せな方じゃないかなあと思うです。

サラが心の故郷とするラコタのひとびとのキャンプが私にも憩いとなりました。『夢の書』にもちょっとだけだけどラコタが出てきたので嬉しかった。わたしの読むものってジャンル違いでもどこかで繋がっているんだなあ(苦笑。

最終巻はどうやら日本が舞台になりそう?
どんなふうにまとまるのか、ちょっとドキドキしています。

「神話の子どもたち」シリーズ
神を喰らう狼 (講談社文庫X文庫ホワイトハート)
榎田 尤利
4062557274

隻腕のサスラ―神話の子供たち (講談社X文庫―ホワイトハート)
榎田 尤利
4062557592

片翼で飛ぶ鳥 -神話の子供たち-
榎田 尤利 北畠 あけ乃
4062557762

おまえが世界を変えたいならば-神話の子供たち- (X文庫ホワイトハート)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
406255819X

「金の髪のフェンリル」シリーズ
砂漠の王 金の髪のフェンリル X文庫ホワイトハート
榎田 尤利 北畠 あけ乃
4062558378

生まれいずる者よ 金の髪のフェンリル (X文庫ホワイトハート)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
4062558629


「新たなる神話へ」シリーズ
銀の騎士 金の狼 新たなる神話へ (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
406255917X

始まりのエデン 新たなる神話へ (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
4062559366

20080208の購入

本屋に行くと買ってしまうので出かけないようにしよう~~と思っていても、ネットで買ってしまうのではおんなじです。くすん。

棺担ぎのクロ。~懐中旅話 1 (1) (まんがタイムKRコミックス)
きゆづき さとこ
4832275682

始まりのエデン 新たなる神話へ (講談社X文庫ホワイトハ-ト)
榎田 尤利 北畠 あけ乃
4062559366


『夢の書 下』

夢の書 (下)
O.R.メリング 井辻 朱美
4062138352

[Amazon]


読了。

アイルランド系カナダ人で半妖精の少女の冒険と成長を描きながら、現実と精神の地理歴史を織り交ぜた壮大かつ神秘的なたたかいをつづる、シリーズ完結編。

故郷からあらたな定住の地へ。望郷の哀愁とすまいと定めた土地への愛着から生まれるしぜんな気持ち、ひとのこころはそれぞれのものだけれども分かり合うことはできる。人種や文化がことなっていても。

そんな読後感にみたされた物語でした。

古いアイルランドの幻想譚も絡めながら北アメリカ大陸を縦横に駆けめぐるダーナの通過儀礼のすごいこと。
聖ブランダンの航海がこんなところにでてくるとはーと興奮したし、植民地時代のカナダの歴史にも好奇心を刺激されました。

途中で、大好きなロリーナ・マッケニットの音楽や、チャールズ・デ・リントの本が引用されるのにほくそ笑みました。そういえば、ロリーナもアイルランド系のカナダ人でしたね。

たしかにアイルランドの妖精がアイルランド人たちとともにカナダに移住していたら、中国の龍たちが中国人とともに移動していてもおかしくはない。そしてフランスのルー=ガルーも、ネイティヴの精霊たちとともに駆けつけるところは大興奮です。

けっきょく敵はやはり例のやつだったですが、そのありようはまたたんなる敵ではなかったし、些細なことにケチをつけようもないほどあふれでてくる圧倒的な幻視の力にただただ押し流されて読みました。

幾度も出てくる、


「われらはみな、ひとつの家族だ」



という台詞は、グローバル化した現在、つよくこころに留め置くべき言葉かと思います。

後日譚はいらないかなーと思いましたが、ここを読むとホッとできることは確か。

個人的には、人間なのに異様に妖精的なダーナの叔母さん二人組、ディアドレとイヴォンヌがお気に入りでした。
あと、ネイティヴのメディシンマンのおじい。カッコイイ~。

作中ながれる曲は英語がダメな私には特定できないので、とりあえずおすすめの一枚。
The Book of Secrets
Loreena McKennitt
B000J233SK


こちらはカナダの大都会を舞台にした、素敵なアイリッシュ・ローファンタジー。二部作。
ジャッキー、巨人を退治する!
チャールズ デ・リント Charles de Lint 森下 弓子
4488557031

月のしずくと、ジャッキーと
チャールズ デ・リント Charles de Lint 森下 弓子
448855704X

『夢の書 上』

夢の書 上 (1)
O.R.メリング 井辻 朱美
4062138344

[Amazon]

読了。

現代のアイルランドとカナダ、そこにかさなりあう妖精国を舞台に、妖精の血をひく少女の成長と冒険、恋をえがく、ロマンティックなローファンタジー。
シリーズ完結編の上巻。

魔法魔法と騒いだあとにこんな雰囲気たっぷりのファンタジーを読めるなんて、巡り合わせの不思議を思います。大地のかおり、風の音、鳥たちのうた、生き物たちのうた、それらを照らしだす純粋な光。そんなすてきな世界をたっぷりの味わわせてくれるお話です。

この話は『光を運ぶ娘』の直接の続編となっていて、『妖精王の月』、『夏の王』の姉妹編でもあり、シリーズ全体の完結編となっている模様。
つーか、これらの話がひとつにまとまるなんてぜんぜん考えてなかったので、読み始めてびっくり、というのが本音。

しらないひとにも関係がわかるようになってるのでこれが初読というかたもわけがわからないということはないと思いますが、前作までのネタバレは嫌というかたは先に前述の三作を読むことをおすすめします。とくに『光を運ぶ娘』は読んでおいて損はないかと。でも私は『妖精王の月』がいちばん好きなんです、余計なお世話ですが。

というわけで、今回のヒロインは『光を運ぶ~』とおなじ少女ダーナ。前作から二年後という設定で、十三歳になってますが、その後移住した父親の故郷カナダになじめず、酷く頑なな性格になってます。妖精国を逃避場所にしているダーナは、危機を示唆するいろいろな兆候に気づきません。『妖精王の月』のヒロインだったカナダ在住のグウェンはアイルランドからダーナを守るようにと警告を受け、『夏の王』のヒロイン、ローレルとともに動きだしますが、ダーナはいち早く動いた敵からの攻撃を受け、人間界から妖精国と開かれていた扉がすべて破壊されてしまいます。ダーナは謎めいた少年ジャンに間一髪たすけられるが、彼女への攻撃は次第にエスカレート。妖精国への連絡手段も失ったダーナは酷い疑心暗鬼に駆られることになるが……。

というふうな感じで話が展開します。

これまでのシリーズではヒロインはアイルランド系カナダ人で舞台はアイルランドというパターンだったのですが、初めてカナダが主要な舞台に設定されて、精神的な異世界もアイルランド系だけでなく、アメリカ大陸ネイティヴのもの、フランス移民の持ち込んだフランス系もの、と新大陸のたどった歴史とともに大きな広がりを見せていくのが読み所だとおもいます。

ケイジャンなんてことば、ものすごく久しぶりに読んだなー。あれはフロリダかなんかが舞台のハードボイルドだったけど。

妖精博士がメディシン・マンとおなじ役割であるという記述に、考えてみれば当然なんだけど、ほえーそうだったんだーと目から鱗が落ちました。
人間の原始的な精神世界というものには、気候や地形による差は多少あれど基本的には変わらないものなのかもしれませんねえ。

それと今回のヒーローはオオカミです。
また、オオカミというべきか。
このところ自分でファンタジーだーと感じる話にはたいていオオカミがでてきて、その気高く力強い姿で魅力たっぷりの存在感を発揮してくれてる気がするんですけど。気のせいか。
今度のオオカミは純粋なオオカミじゃないけれど、やっぱりふさふさとした毛並みに鋭い眼光はカッコイイです。

敵の正体がいまいちはっきりしないけど(あるていどお約束という感じがほのめかされてはいるが)、それはこれから明らかになるのかな。
オオカミと妖精少女の冒険の行方を知るために、下巻へ突入します。

夢の書 (下)
O.R.メリング 井辻 朱美
4062138352



シリーズの既刊。
妖精王の月
O.R. メリング O.R. Melling 井辻 朱美
406207463X

夏の王
O.R. メリング O.R. Melling 井辻 朱美
4062108291

光をはこぶ娘
O.R. メリング O.R. Melling 井辻 朱美
4062116340

『火の国、風の国物語 2 風焔相撃』

このところちと忙しくて体力的に落ちこんでおります。
自分の用と他人の用が入り交じって、へこたれ寸前。
そして貼り薬ふっかーつ。肩と足首を重点的にべたべたと貼っています。

火の国、風の国物語 (2) (富士見ファンタジア文庫 (182-2))
師走 トオル
4829132531

[Amazon]

読了。

中世西洋風異世界戦乱ファンタジー。
一巻を結構面白く読んでいる最中に二巻をみつけたのでつい購入したもの。

相変わらず魔法の気配は皆無ですが、魔法自体はばんばん飛びかっている模様です。
今回は国王側アレスだけでなく、反乱側のジェレイド側からの視点も入り、国の行方をめぐって二つの主張が激突、といった案配。

どことなく図式が『銀英伝』ぽいかなーと思うのですが、どこからどこまでも己の知力と組織を頼みにして戦い合ったSF戦記と、魔法の力にかなりおんぶされているファンタジー戦記とではおのずと雰囲気が違います。
とくに反乱軍。奇をてらった戦法みたいに見えるけど、女の子と魔法にばかり頼っての作戦はいただけません。

魔法はね、絶体絶命の場面で奇跡的に発動するから感動的なのよ!
それにたよって作戦を立てるものではないのよ!
当たったら儲けもの、というくらいの気休めの護符的なものなのよ!
というのは、まあ私の完全なる偏見でしょうが。
こういうシステム的な、通常兵器のように効果を発揮する魔法の背景は、やっぱりゲームなのかなあ。

アレスとパンドラの騙しだまされだしぬかれのほうが、先が見えないぶん面白いと思う。

それと、私的にはキャラクターの形式的に作ってる度がかなり高いのが気になりだしました。
アレス君とパンドラのやりとりはまあ、自然。でも他の人たちのすることなすことがなー。なんていうんですか、こういうの。あまりにも典型的。

読んでいるとそれなりに面白いんですが、三巻以降を買うのはすこし考えようかなーと。

被写体がみつからないので

ひさびさにデジカメを新調したのに、だれも被写体になってくれません。
以前買った時は姪っ子が無邪気に何度もとらせてくれたのに……。
まだ一歳だったからわけがわかってなかったんだろうけどさ。

仕方ないので人間ではない被写体を探してうろちょろしています。
最初にとったのはこんなんでした。



続きを読む »