『バイティング・ザ・サン』

バイティング・ザ・サン
タニス リー Tanith Lee 環 早苗
4916199588

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読了。

たぶん遠未来が舞台のSF。

リーの作品としてはかなり古いほうなんじゃないかと思う。
というのも、かつて早川から頻繁に邦訳が出ていた頃に巻末著作リストに載っていたのを鮮明に覚えているから。
あの頃はリーの作品にどっぷりとはまっていて、それこそ全作品を読みたいと願っていたけれど、当時の私がこの本を手にしても面白いと感じたかどうかはかなり疑問です。

『銀色の恋人』もそうだったけど、私はリーのSFはあんまり好みじゃないようです。
今回はくるくると態度を変え、目的を変えるヒロインの少々エキセントリックな性格についていけなかったこともあるけど、物語の舞台がよくみえないのがどうも話に入り込むのを妨げている模様。
未来ものであればあるほど、私はディテールの書き込みが欲しくなるのかなーと思った。

おかげで話が具体的に脳裏に描けず、読んでいると眠くなってしまいまして、就寝前に読みかけては寝落ち、を何度も繰り返してしまいました。

やっとの思いで読み終えた後、これって楽園追放がテーマな話だったのかと気づきました。
これってキリスト教的なお話なのかな。

考えてみると、一見楽園に見えてじつは抑圧された管理社会に反抗しそこから脱出する、という話はSFでは定番です。
ということは、それらも実は楽園追放がモチーフだったのか……な?
たとえば榎田尤利のフェンリルのシリーズとかも?
うわー、私ってなんて鈍い奴なんだ……。

何で今頃そんなことに気づいたかというと、この話、本当にヒロインが追放されてしまうからです。
じつにシンプル、じつにあからさま。
そして人間性を回復していく。

と考えると宗教的な楽園追放というテーマをすっかり皮肉っていることがわかりますね。
ふーむ、なるほど、おもしろい。
と、こんなことを理屈っぽく考えている時点で、私がこの話にあまりのめり込んでいない事実が発覚するわけですが。

そんなことを考えられるくらいには成長したんだなー私も。

とりあえず、読んでいて面白かったのはヒロインがデザインする新たな体の描写です。
じつにリーらしく、色彩豊かでキラキラしておりました。
ヒロインの好みがどうやら白馬の王子様っぽいところとかも面白かった。ギャグじゃないんだろうけど、なんか笑えてしまう。

『エマ 10』

エマ 10巻 (BEAM COMIX)
森 薫
4757741782


ヴィクトリア朝のイングランドを舞台にしたシリーズ。
短編集もこれで最終巻。名実共に完結編でした。

じつは私、本編が終わってからはじまった外伝風の短篇が本編よりも面白いなーとか思ってました。いろんなひとのその後が味わい深く描かれてて。

たぶん、本編よりも恋愛要素が少なくて、よりヴィクトリア朝の生活感にあふれていたからだと思いますが。

それと、本編のちょっと唐突な終わり方は初読のときこそ「あれ?」と感じましたが、あれはあれでいいのだと思ってました。

だからいまさらエマさんとぼっちゃんのその後は読まなくてもよかった……ような気がする。

そんなことをいいながら、読んだら読んだでおもいきり楽しんでしまったのですけどね。

つまり、
コリンが相変わらずたよりなくてラブリーv
執事のスティーブンス萌えv
ターシャ、がんばれ!

なのですよ。

とにかく、それぞれのキャラクターがほんとに自然に生きていて、時代と場所に馴染んでいるのがよかったなあと思うシリーズでした。

作者さん、ほんとうにこの時代を愛してらっしゃるんですねえ。

「新しい時代」ではみんな着ている服が微妙に変化していて、あー、ほんとうに時が経ったのねえ……と感慨深かったです。

20080427の購入

家族が横浜スタジアムに行くというので途中までくっついていき、本屋に行った。

ともしびをかかげて 上 (1) (岩波少年文庫 581)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145812

ともしびをかかげて 下 (3) (岩波少年文庫 582)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145820

彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく (角川ビーンズ文庫 46-16)
雪乃 紗衣
4044499160

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1)
清家 未森
4044524017

ヴァンパイア・キス (小学館ルルル文庫 マ 1-1)
マリ・マンクーシ 笠井 道子
4094520651



以上、購入。

もう一冊、欲しい本があったのですが、すでにネットで注文したあとだったので現物を指をくわえて眺めてきました。
ルルル文庫のは、翻訳がラッキーの『女王の矢』の旧版を訳された方のようなきがしてつい。

大きな本屋に行くと気が大きくなるのか、気にかけているタイトルがたくさんみつかってしまうからか、つい予想を超えて購入してしまいます。
私にとってのデンジャラスゾーン。

国立民族学博物館

ひそかに念願だった国立民族学博物館に行ってきました。
楽しかったです。

民博



公式サイト【国立民族学博物館

続きを読む »

大阪に行ってきました。

一泊二日で大阪に行ってきました。

目的は、
その一 国立民族学博物館
その二 弟の結婚式。
あいや順序が反対でした。
結婚式に大阪に行くから、せっかくだからついでにみんぱくへ行きたいと思ったのです。
しかし計画を進めるうちに私の心中ではいつのまにか優先順位が逆転していった。

とゆーわけで、朝五時起きをして七時四十九分初ののぞみに乗って、一路大阪めざして出発しました。
車中の人となったとたんに爆睡。

ちなみに昨日の帰路の新幹線の中でも爆睡してきました。
じつは寝坊したのにまだ眠いです。

『神様のメモ帳』

神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)
杉井 光
4840236917

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読了。

ニート探偵アリスとそのニートの仲間たちと出逢った、ニートなりかけの少年の一冬の物語。

読んでいてもうすこし若かったらもんのすごく落ちこんだろうなと思いました。つーか、すでにかなり落ちこんでるし。

生きている意味がわからないという気持ちはわからないでもないけど、人間も人間という生き物なのだということを忘れてはいけないと、今の私は思いますです。
自分でほんとうに体験したことを大切にしたいです。

ネットで作者さんの文章を少し読んで、かなり達者でらっしゃると感じて読んでみたのですが、文章に関しては文句なしですね。
内容がちと暗いしやたら心のあちこちにひっかかるけれど、それは考えさせられる中身があるということの裏返しでもあるし。
しかしものすごく好みのはなしではないよな。むーんと考えて暗くなってしまうんだから。
惹かれるところがあるのは確かですが。

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアがかなり引用されてます。ずいぶんと共感されているみたいです。

たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)
ジェイムズ,ジュニア ティプトリー 浅倉 久志 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
4150107394

20080424の購入

通院日。出先で購入。

エマ 10巻 (BEAM COMIX)
森 薫
4757741782

宿縁の矢
マーセデス・ラッキー
4125010285


おなじ出版社から出てるおなじレーベルなのにみつからないのは売り切れだから?

雨が降るというので素直に傘持って出かけたのに、一度もさす機会がなかった。
ラッキーといいたいところですが、とんだお荷物ですよ。
腕がだるい、トホホ。

『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 4』

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 4 (4) (電撃文庫 か 10-14)
壁井 ユカコ
4048670131

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読了。

古い幽霊屋敷のような洋館のアパートに住む変人たちのふしぎな短篇連作。シリーズ4冊目。

このシリーズ、いちおうヒロインは十代のキズナちゃんで画家の有生とその従兄弟のユキの三角関係みたいなことになっているようですが、私が読んでいていちばん楽しいのは小学三年生の華乃子ちゃんと着ぐるみパパとか、有生とユキの弟妹たちとかのちびっ子関係だなとつくづく思う今日この頃。

華乃子ちゃんのパパラブ! で一生懸命な姿はみていてホントに愛らしいです。このラブラブ親子が相手では加地くんも加地くんのママも前途多難だ。

有生とユキの弟妹ひよりとこかげは、キズナちゃんが「誘拐したい……」と涎を垂らすほど汚れていない有生とユキらしいです(苦笑。
このふたりもチビのふたりも、双子のママたちに翻弄されきっているなあ……。

アパートのオーナー出現で話はクライマックス間近の予感。
そういえばキズナちゃんの背景もだいぶ謎のままだよね。
有生の決意次第で転がってゆきそうなメインの話よりも、もっと脇役の人たちの出番を読みたいなと思ってしまう私でした。

ひとつだけ不満。
東京ドームでのサヨナラゲームを喜ぶなんてー。
あいてがYBだったら哀しいじゃないのー。

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 3 (3) (電撃文庫 か 10-13)
壁井 ユカコ
4840239355

『GOSICK IV 愚者を代弁せよ』

GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ 富士見ミステリー文庫
桜庭 一樹 武田 日向
4829162880

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読了。

第一次世界大戦後。ヨーロッパの小国ソビュールの学園を舞台に不思議な女の子と日本人留学生の男の子が怪異な事件に出会う、ミステリシリーズ。第四巻。

頸の調子が手術後最悪なので、簡単に。

今回もヴィクトリカはたいそう可愛かったです。
死んだはずの錬金術師の挑戦を受けるという趣向はともかく、事件そのものはあまり面白くなかったけれど、事件の背景にあるソビュールのあれこれに興味津々でした。

しかし、学園が隠された武器庫というのも物騒な……。

つづきはこちらです。
GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)
桜庭 一樹 武田 日向
4829163283

『天山の巫女ソニン 1 黄金の燕』

天山の巫女ソニン 1 金の燕
菅野 雪虫
4062134233

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読了。

朝鮮半島っぽい雰囲気のある異世界を舞台とし、巫女として落ちこぼれた少女の数奇な運命と成長をえがく、ファンタジーシリーズ。開幕編。

ソニンは生後まもなく巫女の住まう天山へ連れてこられた。彼女には巫女として多大な期待がかけられていたのだが、なかなか夢見のすべに上達することができず、次第にその力もうすれてしまう。十二歳になってとうとう巫女としての見切りをつけられたソニンは、死んだと聞かされていた両親と姉の家に戻ることとなった。すべてのことに距離を置き、情に流されてはいけないと教え込まれてきたソニンにとって、ひとびとの日常は驚くことの連続だ。友人もでき、ようやく新しい生活に馴染んできたある日、ソニンを新たな出会いが待ち受けていた。



やさしい語り口でするすると読ませてくれます、たいへん楽しい本でした。
文章にしてもストーリーにしても描写にしても、細かいところまでさりげなくゆきとどいているなあというのが印象です。物語はどこまでもやさしげかつ簡潔なのに、さりげない一言一言に深い背景が感じられるというか。登場人物ひとりひとりの扱い方にもおろそかにされているものはひとりもいなくて、親代わりのノアや友人になったミン、沙維国の末の王子イウォル王子や王の武官イルギと、わずかな描写にそれぞれの人生を思い浮かべられるよう。

著者は大人の書き手だなーと感じながら読みました。
といって、子供を見おろしながら書いたようにところもなくて、じつにニュートラル。
ヒロインの波瀾万丈にもかかわらず安定して穏やかーなかんじで読み進められました。臨場感には乏しい気はしますが、物語であることが前面に出るこういう書き方もいいなと思わされます。読み手の年齢に応じた読み方ができそうなお話だと思いました。

個人的事情からけっこうドキドキするシチュエーションがつづきましたが、ソニンの運命が国の大事に結びついていく様がさらりと描かれているのにたいそう感心致しました。手際がいいなあ、上手いなあ。

たいそう面白かったので、つづきも読みたいと思います。

天山の巫女ソニン 2 海の孔雀
菅野 雪虫
4062138336

『クロニカ 太陽と死者の記録』

クロニカ―太陽と死者の記録
粕谷 知世
410450601X

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読了。

第十三回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作を改題、大幅加筆したもの。

おおー、面白かった!

これはたいそう私にとってタイムリーな小説でした。
それというのも舞台が16世紀スペインによって征服されるインカ帝国なのでして。これがちょうど先日読んだ、『エリザベス女王と寵臣ウォルター・ローリー』と時代的に重なって時代背景への視野をさらにひろげてくれたのと、被征服者側から見た異文化異文明異民族との接触とそれによってもたらされる悲劇というつねに私の興味をひいてやまないテーマであったこと、さらに最近ゆっくりと情報を集めつつある中南米のことだったこと。さらに私がファンタジー的にいつも考えてしまう言葉とか文字とかのことについての考察が盛んになされること。

これだけ重なって、さらに語り手がとんでもないおじいちゃんなのだ。
名古屋弁を話すミイラなのだ。
ばあちゃんもたくさん出てくるのだ。
みんな愛嬌たっぷり。
じじばば萌えの私には堪えられない設定ではありませんか!

それにね。やっぱりマジックリアリスムは南米に似合いすぎです。

このあいだ読んだ『アマゾニア』も面白かったけど、こちらも甲乙つけがたい面白さでした。
できるならば今度はマヤを舞台にしたお話を書いてくださらないかなー。
インカとは違いマヤには文字があって、それも現在ではけっこう解読されてきているみたいなので、時期を待ってるのかもしれないけども。

とにかく、こっけいで楽しくて哀しくて、いろいろと考えさせられるたいそう興味深い本でした。
さすがに日本ファンタジーノベル大賞と思いました。最近のはどうなのかしら。

『聖なる花嫁の反乱 2』

聖なる花嫁の反乱(2) MiChao!KC (KCデラックス)
紫堂 恭子
4063754790


Webコミック誌に連載中のファンタジーマンガ、シリーズ第二巻。

次第に深まる謎が謎を呼ぶ……といったいろいろ布石を打っている段階、でしょうか。
かなり苛酷な運命を背負わされているはずなのに、ヒロインのエリセが超元気&前向きなので悲壮感がまったく漂いません(苦笑。
だから、きっとこの先も大丈夫なんだろうなと、思って興味が減ってしまうのは読み手的にいかがなものかと思うわけですが。

男三人がそろいもそろって美形なのがちとつまらない。
ひとりくらい私好みのおじいちゃんがいてくれてもいいのに(オイ。
このなかで一番面白そうなのはヴァンかなー。じつはウン百歳で怪しげな術で姿を変えているとか、ないかしら……ないだろうな。

『ルーディーボール エピソードI シュタードの伯爵』

ルーディーボール エピソード1 シュタードの伯爵
斉藤 洋 藤田 新策
4062139642

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やっと読了。
時間がかかった主原因はこの本がとてもかさばることでした。重さはそうでもないんですが、総ページ数598ページもあるのでとにかく分厚い。だから持ちにくい。この体裁では読み手となりうる対象(たぶん小学校上級以上の男児)にはかなり引かれてしまうのではと心配になってしまいました。かくいう私も、とりあえずハードカバーは借りて読む派なので借りてみましたが、買って読めといわれたら辞退申し上げたい。中身がわからない状態でそんな冒険できません。

でも、ソフトカバーでもう少し小さめの版で扱い勝手がよかったら……わかりません。

そういえば、この本、リアル本屋で実際に見たことありましたよ。今思い出したけど、やはりこんなことを思って手に取ってみたけど棚に戻したような記憶がありますよ。

というわけで、本の物体としての扱いにくさに苦労しつつ読んだわけですが、これは……!
意外とというと失礼ですが、期待以上に面白い本でした。
作者は児童文学では有名な方と知ってましたが、異世界ものを書くような記憶はなかったし、どんなものかと思ってたんだけど、一直線に突き進んでいくストーリーの面白さが抜群で、ぐいぐい惹きつけられてしまいました。

お話は、ルーディーボールとよばれる星が舞台。ドルフと呼ばれる隔離された土地で暮らしていた少年ラックスが、外界シュタードからドルフを通り抜けていく馬車を襲い、初めて人を殺め、奪った馬車から金貨の山を換金するために兄貴分のインギースクとバーサルとともにシュタードへと旅立つところからはじまります。

そこからはつぎからつぎへと危険と冒険がとなりあわせの何段重ね、という感じ。ほんとに、男の子向けだなあと思わされるストレートで陽性なお話です。
異世界ものといいますが、雰囲気はなんとなく伝奇ものの感じ。その疾走するようなストーリーの中に背景や状況が無理なく織り込まれていて、複雑な事情も過不足なく書き込みながら、一気にラストまで駆けぬけていくのです。

この速度には登場人物の役割分担がはっきりとしていることも関係しているような。
主人公のラックスは「おねむの坊や」と揶揄されることもあるまだほとんど子供で、かれの疑問に冷静な知性派案内役のバーサルが答えるという形で物語の舞台や状況の説明が織り込まれるようになっていて、力持ちでけんかっ早いインギースクがストーリーの推進役と精神面でのフォロー役を兼ねてるんですよね。

ラックスは読み手が自分を重ね合わせていけるようにわりと没個性に書かれてるんですが、猫顔人なので暗くてもよく目が見える、不思議な剣の鞘を持っている、誰にも教えてはいけないといわれて育てられたある秘密がある、という具合に、ある種の主人公の属性はきちんと満たしている。

と、そういえば書きおとしてましたが、この世界の人々はなぜか動物の属性をもっていて、ラックスは猫顔、インギースクは犬顔、バーサルは兎顔とそれぞれに種族が違うらしい。猫顔の人々がとくに集まって暮らしている集落はないようです。物語ではとある顔の人たちがとくに虐げられているというシーンが出てきますが、これは特殊な能力を有するがうえの特別ケースのようです。しかし異種雑婚は存在せず、またそれぞれに共通の個性はあるらしく、たとえば衛兵隊は十人いれば十二人が犬顔だという案配です。

この、猫顔だの犬顔だのいうキャラクターはかなり萌え要素になるのではないかとあとで考えましたが、私がそういうのに鈍感だからか、はたまた児童書らしく清廉潔白だからか、そんな気配はほとんど感じませんでした。

あ、でも衛兵隊の犬たちを思うとなんか笑えますねえ。とくに退役曹長のグッキー・ウォンダおじいさんはすてきなキャラクターでした。フフフ。

というわけで、なんだかんだいいつつもけっこう楽しめた本だったのでした。
エピソード1というのだからきっとつづきもでるのでしょう。
みつけたら読んでみたいと思います。
できたら、今度は女性キャラクターを登場させて欲しいです。
今回、ほとんど出てこなかったからなあ……男の子の生活には女性は必要ないのでしょうか(苦笑。

20080414の購入

七人分の新幹線の前売り券を買いに行って、それだけで疲労困憊。
出ていった金額にもボーゼン。
……これでMacが買えちゃいます(涙。

聖なる花嫁の反乱(2) MiChao!KC (KCデラックス)
紫堂 恭子
4063754790


以上購入。

前回手に入らなかった教訓からネット予約したのに、手に入る前にあちこちの本屋で見かけてしまう。
うう、悔しい。

あれ?

いまハヤカワ文庫の新刊を読んでいるところです。
ちょっと肌に合わない訳文を読んだばかりだったので、さすがの名訳を堪能しています。

ところで、その本に挟まっていた「早川書房の新刊案内」なる広告を裏返して、アレ?
それは某超大作作家の新刊の広告なのですが早川で出しているシリーズではなくて、既刊の案内が角川ルビー文庫。ええっ?

と、広告の下部を見ると角川書店の案内が。
上部を見ると「角川書店の単行本」の文字が。

でもこれは確かに「早川書房の新刊案内」です。

これはいったい、どうしたことだ。

出版社同士で広告提携なんてしているのでしょうか。
にしても、刊行物に他社の広告入れるなんて見たことありませんです。
自社刊行物に関連あるものならともかくも。

ちょっとびっくりした出来事でした。

「銀のムテ人」第四幕

わたなべ りえさん@【姫様御殿】作、「銀のムテ人」第四幕、「帰郷」まで読了。
異世界恋愛ファンタジー、連作短篇。

うーむ、かなりドロ沼になってるなあ。

『女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー 下 断頭台に消えた夢』

女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー 下
ローズマリ・サトクリフ 山本史郎
4562041315

[Amazon]


読了。

イングランドの女王エリザベスの寵臣だったウォルター・ローリーとその妻ベスの生涯を描く歴史小説。『女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー 上』のつづき。

イングランドを栄光に導いた女王エリザベスの崩御により、ローリーの権力も財もすべてが失われた。新王ジェイムズへの謀反の罪を着せられた彼は死刑判決を受けるが、王は民衆感情に逆らってまで刑の執行をすることができなかった。ローリーはふたたびロンドン塔に幽閉される。牢内での自由をある程度認められた彼はベスと子どもたちもともに住まい、そのもとにはかずかずの友人や著名人、果ては外国の外交官までが訪れるようになる。生きながらにして伝説の人となってゆくローリーだが、胸のうちに生きつづける新大陸への夢はかれを平穏な日常に止めておくことができなかった。



うーーーん。
なんという精力的で行動的で情熱的で魅力的で、はた迷惑な人なんだろう。
というのがウォルター・ローリーに対する読後の感想です。

女王の寵臣であった時は民衆の敵だったのに、凋落するととたんに愛されるようになって、国王が扱いに困るようになったり。
牢の中で自由気ままに本を書いたり仲間と集まったり実験をしたり外交官に尋ねられるようになったり、果ては皇太子の親友となってしまったり。
それでも新大陸にイングランドの植民地を築く夢をあきらめきれずに、健康も危険も顧みずに計画を実行しようとするし。
結果、熱病のために自分で指揮を執れなくなって、計画はすっかり台無しになって、息子まで失ってしまったり。

乱高下のすさまじい、ジェット・コースターみたいな人生ってほんとにあるんだなあと思わされる生涯でした。

ウォルター・ローリーというひとの成分分析をすると、夢への情熱九十パーセント、美しく粋に生きること五パーセント、ベスへの愛情三パーセント、長男への愛情一パーセント、その他の人々への愛情一パーセント、てことになりそうだ。

夢への情熱、エネルギーが洗練された容姿と態度を通してあまりにもつよくあたりに発散されるから、魅了されるにしても嫌悪を抱くにしても両極端で。

そんなローリーに魅了された奥方は、この落ち着かず他人に関心のない男から向けられる愛情のために、さんざん振りまわされることになり、つねに彼の帰りを待ちつづけることになるわけですが。

きっとこの男の三パーセントは他の男の百パーセントより濃厚で熱い麻薬のような三パーセントなんだろうなあ。
ベスは自分勝手な夫にほとんど文句をつけません。
だからといって言いなりというわけではないのだけど(そもそもローリーは妻に命令をするような人ではないのですが)、もともととてつもなく包容力のおおきなひとだったのが、ローリーを愛したことにより精神的にも肉体的にもどんどん忍耐強くなってゆくようです。
苛立ちや不安がないわけではないけれど、このひとを選んだのは自分なのだという思いが一貫していて、その潔さが彼女の魅力だなと感じました。

しかし私がその役割をせよといわれたら裸足に逃げ出しますな。
病を患いながら牢屋に十何年も暮らし続けるなんて!
ウォルター・ローリーは魂も精神も肉体も特別製の人間だったのに違いない。

と、いろいろと考えさせられる興味深い読み物でした。
十六~十七世紀にかけての世界情勢にも興味がわいてきたし。
アメリカ大陸に地歩を築く競争をしていたスペインと、こんなことやあんなことがあったとは、初めて知りました。
面白かったです。

文章の印象は上巻とかわらず、原文がどうかはしらないけれどちょっと野暮ったく、サトクリフにしては心理描写も説明文もこまかいかなと感じました。

かなり細々と描かれているラストシーンは、いつものサトクリフなら省略したのではないかと思う。
でも、この去り際の仰々しさもローリーの個性だろうからなー。

訳者あとがきを読んでいて映画の『エリザベス』を見たくなりました。

20080412の購入

晴れのち曇りの予報はどこへやら。
一日曇ってばかりの関東南部です。

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 4 (4) (電撃文庫 か 10-14)
壁井 ユカコ
4048670131


以上、e-honで購入。

このところ、どこの本屋でも欲しい本がなかなか見つからなくなってきた。
見つからないとすぐにネットで頼むのがいけないのだろうか。

『女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー 上 黄金郷を求めて』

女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー 上
ローズマリ・サトクリフ 山本史郎
4562041307

[Amazon]


読了。

十六世紀、エリザベス女王の寵臣だったウォルター・ローリーの生涯をその妻、ベス・スロックモートンの視点で描いた歴史小説、上巻。

親しい貴族夫人の家で行儀見習いをしていた幼いベス・スロックモートンは、そこで運命的な出会いをする。ひとりは生まれながらの障害から容姿とこころとを傷つけられた少年ロビン・セシル。そしてもうひとりがつねに異彩を放ちながら我が道を進まんとする青年ウォルター・ローリーだった。
長じて女王の侍女となったベスは、王宮から離れた庭園の外れで植物に絡めとられて身動きができなくなったところを、近衛隊長となったウォルター・ローリーに助けられる。
新大陸への憧れを胸に育ったウォルター・ローリーは、夢を現実とするためにイングランド女王エリザベスの近衛隊長となったが、女王はお気に入りのかれを側から離そうとせず、政治的な敵も多い。かれは女王の寵愛を一身に浴びていてもけして幸福ではなかった。
二度目の出会いで衝撃的な恋におちたふたりは極秘に婚礼をあげるが、即座に女王の知るところとなって拘束され、ロンドン塔に幽閉されることとなる。



おもしろいのだけど、なんとなく違和感がぬぐえない読み心地の小説です。
理由はたぶん、私がエリザベス朝のことをほとんど知らないことだと思うけど、もうひとつ、訳文がなんとなく野暮ったい気がするのも原因かと。もっとすっきりとした的確な言葉遣いがあるはずなのにともどかしい気分で読んでいるので、疲れてしまうのです。かといって自分で即座に脳内変換をしたりもできないし、ストレスたまるなあ。

とはいえ、内容はサトクリフらしく、しみじみとした情景描写の印象的なお話です。
とりあつかっている人物や事柄があまりにも派手なので、その分いつもよりうわついた感じがしますが、みれば1956年の作。まだ若かった作家がドラマティックな男女ふたりをえがくにしては冷静で距離を置いた筆致にさすがーと思わされました。

ただし、タイトルだと、女王とローリーの関係に焦点を当てたもののように思えるのに、実際はベスとローリーのほうに焦点があるので、なにかはぐらかされたような気分になることは確か。
たしかに、原題“LADY IN WAITING”は当を得ているけれどどう訳しても地味すぎだもんな。
でも、下巻にはいると内容的にさらに邦題とかけはなれていくので、やっぱり人目を惹く以外に何の意味もないタイトルだなと思わざるを得ません。

ベス視点でのローリーをその特異なキャラクターを含めて言い表すような、印象的なタイトルがなにかないかしらん。と、余計なお世話を考えてしばし時間を費やしてしまう私でした。

とにかく、ウォルター・ローリーの夢とエネルギーのかたまり!というキャラクターがこの話の核心です。
すごく魅力的だけど、奥さんは苦労のし通しですよ。
というわけで、下巻につづく。

女王エリザベスと寵臣ウォルター・ローリー 下
ローズマリ・サトクリフ 山本史郎
4562041315

20080411の購入

先日本屋に行った時は玉砕しましたが、今回はなんとか一冊ゲット。

剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3) (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3)
エレン・カシュナー Ellen Kushner 駒田絹
4150204659



以前出ていた本の、改訳増補版。
短篇がみっつ、加わっている模様です。
装画も変わってて、以前の物と比べてみようと思ったのだけど、見つからない。いつものことだが。

訳者あとがきに『王と最後の魔術師』なる続編、さらに第三作についての言及があった。この口ぶり、つづきも邦訳が出るみたいだなあと。出るとは断言されてないのだけど、期待してしまいます。

『どーする!?わんこ 2』

どーする!?わんこ(2) (バンブー・コミックス)
那州 雪絵
4812468116



ほのぼの動物四コママンガの第二巻。
うーん、これも楽しかったです。
武田さん一家のキャラがしっかり立ってるし、少しずつ増えていく脇キャラもいい味出してます。
とくにチワワの“はな”ちゃん。……は脇じゃないけど、主役だけど。
かわいー顔してオジサン好みとおいも好きという意外な取り合わせがグー。
それと近所の方たち、みんな姓が○田なのは意図してのことなのでしょうか。
ネコカイくんはちがったけど、あ、竹史くんの担任の先生もちがうか!
武田竹史って名前もなんか手抜きというか遊んでいるというか。
そういえば、犬好きだけど人として間違ってる隣のマンガ家は、名前すら出てきませんね~。

いい意味で力の抜けたほんわか世界を遊ぶのが楽しいです。
思わず二度読み、三度読みをして癒されている私がいます。
なんでそんなに傷心なんでしょう。どこかのチームがとうとう単独最下位になったからでしょうか。

四コママンガってすぐ読めるようで案外時間がかかるので、寝る前に読み始めてつい夜更かし……というパターンがつづいてます。
おかげでなんだか体調悪い→気分が落ちこむ→さらに野球を見て落ちこむ→わんこマンガを読む。
さあ、このエンドレスゲームはどこまでつづくのか。

今夜の相手はタイガースか……とりあえず今夜もつづきそうです。

『ヒーラーズ・キープ 下 たましいの砦』

ヒーラーズ・キープ (下) たましいの砦
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人
4251062922

[Amazon]


読了。

少女向け波瀾万丈冒険異世界ファンタジーの下巻。
『ヒーラーズ・キープ 上 守りたいもの』のつづき。

ようやくタイトルに迫ってきた下巻。
大団円の結末に、よかったねー、おもしろかったねーと思う反面、ちと物足りないような気分で読み終えたお話でした。

物語の焦点は次第にタイトルに近づいて、ヒーラーズ・キープが守ってきた銀の境界線を守る戦いに絞られます。
とはいえ、登場人物たちは長い間そのことを知らないまま、自分たちの危機にその場その場で対応しているだけなんですけども。

とにかく、ミーヴたちの逃避行は苦難の連続。
さらにヒーラーズ・キープから脱出してきたサラとドージャンの道行きも、半端じゃない災難の連続です。

それでもそんなに痛みや苦しさを感じないのは、このあっさりとした描写と深いところまで踏み込まない流れ重視の展開に寄るところが大きいと思う。
はらはらどきどきに水を差さず、スムーズに物語を追っていけるのは心地よいことですが、決死の技を連発するドージャンが命を削るほどがんばっているのになぜかその深刻さがあまり伝わってこないのはいかがなものかと、個人的には思います。

つまり全体的に展開の速さが物語の起伏を大きくすることに貢献しているけれど、物語の深みを増す方向には働いていないんじゃないかなあ、というのが私の感想。
登場人物たちの行動に重心を置いた物語展開と描写が、重大であるはずの銀の境界線に関する影の王の暗躍をいささか底の浅いもののように見せている嫌いもあるような。

ようするに物語の上澄みをすくったような書き方に、物足りなさを感じてしまうのですよね。
しきさんもおっしゃってますが、私はヒーラーズ・キープの周囲や内部の細々としたことをもっと知りたいし、いやし人の修練の過程ももっと知りたいし、いやし人の力のありかたも、境界の家の見た目や雰囲気も、バーンの悪意やかれのせいでしらぬまに犯されていくいやし人たちの苦悩も、もっとこってりと読みたかった。

サラの生い立ちや、ベランドラ国の現状や国王ランドンと王妃トリーナのエピソードや、ドージャンの受け継いだドリームウェンの血の伝説や、かれの生い立ちももっとしりたかった。

そんなに細々と描いたら、とうていこの分量で話が終わるはずはないとわかってはいるのですけどね。

うーん、なんとなくこの話は『水晶玉~』の続編を書こうとしてなかなかまとまらないのをミーヴたちの設定を持ち込んで力業でまとめた、ような気がするのですが、うがちすぎか。

ミーヴに関してはそれなりに書き込んであったので、それで私は彼女に一番感情移入しやすかったのだと思われます。それに身の危険を知りつつも金貨を手放そうとしない、しみったれなところにも共感(笑。ミーヴを救うために献身的な活躍をするジャスパーがほほえましくも頼もしかったです。

それに、ミーヴの歌うシーンは圧巻。
全体的にあっさりめの文章ながらも、ここだけはと力入れて描いてあるのがよくわかる美しく神秘的なシーンでした。
ヒーラーズ・キープなんか絡めないで、純粋にミーヴのお話にすればよかったのにいと個人的に感じた瞬間……。

かくして、不満と喜びがまじりあう、複雑ーな読後感が残ったのでした。
物語としての完成度は『オラクルの光』のほうが上かもしれません。
とはいえ、面白かったことは確かなので、ディテールよりもストーリー重視のファンタジー初心者にはちょうどよい濃さのお話かなと思います。


ところで、巻末に用語集があることに読了後気づいてがっかりしました。
こういうのがあるなら上巻にも、いや上巻にこそつけてほしかった。
けっこう意味不明の固有名詞を読み流して進んでたのですよ。
最後にだけ出てきてもめんどくさくて、読む気になれません……のは私だけだろうけども。

あ、ドレイデン・ヘスターの反応は私をちと失望させました。
なんでこんなに鈍いのかな(苦笑。


「ヒーラーズ・キープ」の名が一瞬出てくる、同世界を舞台にしたファンタジー。
オラクルの光―風に選ばれし娘 (小学館ルルル文庫 (ルハ1-1))
ヴィクトリア・ハンリー
4094520538

オラクルの光~預言に隠されし陰謀 (小学館ルルル文庫 ハ 1-2)
ヴィクトリア・ハンリー 杉田 七重
4094520570

『恋のドレスと黄昏に見る夢 ヴィクトリアン・ローズ・テイラー』

恋のドレスと黄昏に見る夢 (コバルト文庫 あ 16-19 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)
青木 祐子
4086011484

[Amazon]


読了。

ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に仕立屋の娘と貴族の御曹司の恋を繊細な心理描写でつづる、少女向けロマンス小説。シリーズ十一冊目。

オルソープ家のアディル嬢みたび登場し、仕立屋の娘クリス、想い人公爵家のシャーロックの変心を恐れて恋の不安におののきたり。
アディル嬢の向かう仕立屋コルベールは、クリスに忍び寄る“夜想(ノア)”の影。
はたしてミセス・コルベールはクリスの母御リンダ・パレスか。彼女と母親の過去によこたわるはいかなる悲劇か犯罪か。
複雑に絡み合う若者たちの感情が、闇のドレスとこころの影をひきよせるのか。
ああ、まさに青春、まさに階級社会のなせる悲劇とはこのことよ!



……なーにやってんですかね。いや、ちょっと最初は騎士物語の小タイトルふうに、そのうち無声映画の活弁士みたいなノリをしてみたかっただけなのでして。そういう雰囲気なんだもの……(なにを言い訳している)。

今回はアディル嬢がほんとうにシャーロックを好きだと自覚してからの葛藤と、シャーロックが“夜想”とミセス・コルベールを追跡しつつ、クリスからのアプローチを待ちつづけている葛藤と、クリスが母親の存在を感じつつ、やはりシャーロックからのアプローチを待ちつづけている葛藤が、くんずほぐれつ絡み合う展開でした。

ようするに、みんな臆病なんですねえ。
階級社会からはみ出すことと、自分のいつもの行動範囲から飛び出すことと、両方への不安にがんじからめで、どうにも身動きとれません、という三人です。

それでもアディルはみずから求めて“夜想”へ行った。彼女には捨て身の覚悟ができたわけです。シャーロックのふんぎりはアディルのおかげでついたものかなあと思います。これでアディルはまた一段と魅力的なお嬢様になったことでしょう。私は彼女がけっこう好きでした。彼女のためにも、シャーロックはクリスと頑張らねばならないのです、うむ。

あと気になるのはミセス・コルベールと“夜想”の謎ですかね。

それと、クリスのことをさりげなくフォローするちゃきちゃきのパメラちゃんに対するシャーロックの観察は、なかなか親しみがあってよろしかったです。
このふたりと知り合ったことは、社会の見方の幅を広げるという点で将来の政治家さんにとってもよい経験になってるんじゃないでしょうか。

ほんと、パメラちゃんがいないとクリスには安心して憩える我が家がなくなっちゃいますからねえ。
この“薔薇色”の設定は根本的にへんだといまだに私は思っているのですが、こういうあたたかな空間が描かれること自体は大好きなので、ちょっと悩みます。いや、私が悩んでもしようがないんだけれども。

ドレスの描写が少なかったのがちと残念でした。

つづきをお待ちしています。

『どーする!?わんこ 1』

どーする!?わんこ 1 (1) (バンブー・コミックス)
那州 雪絵
4812464234


アマゾンでオススメされて、ついネットで購入。
まだ届かぬうちにリアル書店で一、二巻ともみつけて、歯ぎしりしながら二巻のみ買って帰ってきたものの、やはり一巻から読みたくて二巻を妹に無理矢理貸してやったという経緯のあるマンガです(苦笑。

ようやく一巻が届いたので、読みました。
おもしろかったです、よかった~。

新築の家に越してきたばかりの武田さん一家が主人公。
小学校低学年の男の子竹史くんは、学校帰りに不審なおんなのひと(隣人のマンガ家)から「引越祝いよ、持って帰って大事にしなさい、いいわね」と怨念めいた言葉とともに箱をもらいます。
帰宅して箱を開けると中にはチワワの子犬が!

お姉ちゃんとお父さんはかわいいーと大感激。「新築の家が汚れる」と反対していたお母さんも結局そのかわいさにほだされてチワワは家族の一員となることになったのでした。
名前は“はな”ちゃん!

という日常ほのぼの系犬マンガです。
犬の生態だけでなく、家族の生態も「あるある、こんなことー」という楽しさに満ちています。

個人的に、武田家の年齢構成が某妹家のものとほぼおんなじなので、重ね合わせて大笑いできました。
キャラクター的にはかなり違うのですが(とくにいちおう主人公の竹史くん。いやし系の可愛い男の子です)その違いがまた笑いの元となるというか。

あー楽しかった。

那州雪絵を読むのは『フラワー・デストロイヤー』以来。ずいぶん遠ざかってたような気がしますが、絵柄にはあんまり変化ないようで。でも、いつのまにか四コママンガなんか書いてたんですねえ。笑わせておいてときどきしんみりできるところも以前とかわりなく、安定感のある読み心地でした。

さて、妹宅に置いてきた二巻を一巻と取り換えてもらわねば。

どーする!?わんこ(2) (バンブー・コミックス)
那州 雪絵
4812468116

『ヒーラーズ・キープ 上 守りたいもの』

ヒーラーズ・キープ(上)守りたいもの
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人
4251062914

[Amazon]


読了。

『オラクルの光』の著者による、児童向け異世界ファンタジーの上巻。
同著者による『水晶玉と伝説の剣』の後日譚ともなっており、登場人物に前作のヒロインとヒーローの子供が出てきますが、読んでなくとも話はわかるかと。

じつは、この話は前作とは違う出版社から刊行されてるんですよね。
なのに巻頭に「これまでの物語」がくっついてるのです。
親切だなあ……。

しかし、登場人物はまったく違うけれどもおなじ世界のおなじ時代の違う国を舞台にした話も(『オラクルの光』)、またべつの出版社から出ているしなー。
邦訳でつづきものが読めるのは嬉しいけど、気づかないで通りすぎてしまうひともいるのではなかろうか。その点ではあんまり親切ではないよなあ。
なんでこんなことになったのかしらん。

という裏事情への苦情はさておいて。

『オラクルの光』とおなじ世界のおなじ時代を舞台にしているということですが、どうやら地理的には幾分離れたところをあつかっているようで、登場人物が重複している気配はありません。『オラクル~』の中でヒーラーズ・キープという固有名詞に言及されている部分があるというところが唯一の証拠かな、いまのところは。あとは『オラクル~』下巻の訳者あとがきの記述ですか。

ダブルヒロイン、ダブルプロットのお話です。

始めに登場するヒロインのひとりミーヴは奴隷としてヨーロッパ的ではない社会に住んでいて、そこで評判の芳しくない貴族モーレン候との出会いから逃亡生活を送ることになります。彼女は行方不明の父親から夢に関する不思議な力を受け継いでいて、それが目をつけられる原因ともなってます。この逃亡生活がハラハラの連続で、なかなか楽しいです。

いっぽう、もうひとりのヒロインは、『水晶玉』の登場人物たちの娘であり、王女でもあるサラヴェルダ(サラ)。こちらはいやし人の訓練を受けるために身分を隠していやしの塔(ヒーラーズ・キープ)に入るのですが、そこで同級生のとんでもない少年バーンにとんでもないことをさせられる羽目に陥ります。

私はというと、断然ミーヴ派。
サラについては、あまりその境遇や育ちについて触れられていないうえに、仕方ないとはいえ相当腹が立つふるまいをしてくれるのでどうにも感情移入がしにくい。バーンなんかに魅惑されてからに、おなじ同級生で善良で賢い少年ドージャンが隣にいるのに! お馬鹿!

……個人的な腹立ちはおいておくとして、この話で重要な位置を占めるのは夢の存在らしいです。
夢と現実のあいだでさまざまな不思議との出会いがあり、また敵との戦いがくりひろげられることになる。このあたりの描写がとてもファンタジーぽくて好きだなーと思います。

そうして、物語はスピーディーに起伏に富んだ展開をし、うわ、このあとどうなる、というところで上巻は終わりです。
やはり描写はあっさりとしていてもっといろいろ書き込めるのにと少し不満なのですが、このストーリーテリングは罪だわ……。

余談。
ヒーラーズ・キープの実務役ドレイデン・ヘスターの飛び抜けた石頭っぷりに思わず感嘆。
すべてが終わったあと、彼女がどういう顔をするのかが今から楽しみです(悪趣味)。

本作のつづき。
ヒーラーズ・キープ (下) たましいの砦
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 金原 瑞人
4251062922


本作の前日譚。
水晶玉と伝説の剣
ヴィクトリア ハンリー Victoria Hanley 多賀 京子
4198615500

『銀の枝』

銀の枝 (岩波少年文庫 580)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145804

[Amazon]


読了。

イギリスの作家ローズマリ・サトクリフの、大人も楽しめる質の高い児童歴史小説です。
ローマ支配時代のブリテン島を舞台にした「ローマン・ブリテン四部作」の二冊目。
ずっとハードカバーで出ていた本ですが、岩波少年文庫に入ったのを機会に購入し、もういちどじっくりと読みました。

……つーか、時間かかりすぎ。ゆっくり読もうともったいつけたあげくに、本と本のあいだにつまみ読みしたことが多かったので、ちょっとバカなことをしたなと後悔しております。
この本は物語世界に入り込んだらそこから絶対出てこないつもりで浸りながら読むべきだと思う。

物語は四部作の前巻『第九軍団のワシ』から時代が下り、ローマ帝国は衰退期を迎え始めてます。帝国内に皇帝が複数存在し、さらにブリテンでは勝手に皇帝を名乗る軍団の司令官カロウシウスなる人物も現れます。そのブリテン駐屯軍に派遣された軍医であるジャスティンが今回の主人公。

噂のカロウシウスを目の当たりしてかれがブリテンの安定をねがう信頼に足る人物であることを知ったジャスティンは、側近でありながらカロウシウスを裏切ろうとしているアレクトスの陰謀を知り、ブリテンを揺るがす大事件に巻き込まれていく――

というのがメインの物語。

ジャスティンと行動を共にする従兄弟で一作目の主役だったアクイラの子孫フラビウスにより、話は前作と繋がるようになっています。

ジャスティンはフラビウスとともに、アレクトス打倒のために奔走することになるのですが、かれらの動機が侵略者サクソン人を傭兵として引き入れるアレクトスを敵視する地元の人びとの気持ちを代弁しているもので、ローマ帝国のためというよりブリテンの平和のためといったほうが近いので、軍団の中での名誉回復を願ったアクイラとはかなり立ち位置が変わっているなーと思いました。

ローマ軍団の兵士たちは土地で暮らすうちにどんどん地元になじんで一体化していったということなのか。
ローマは支配をしているつもりで吸収されていったのかもしれないと思いました。

あと、舞台となっているのはどちらかというと南ブリテンですが、それだけでなくスコットランドやアイルランドの氏族のひとびとの情勢まで視野に入っているのに気がついて、おおうと思ったり。

初読のときには気づかなかったことにけっこういろいろとひろいものがあり、あらためて物語の深みに感動しました。

ブリテンはサクソンのあとはノルマンがやってきてとどんどん支配者が被支配者にかわっていく歴史を重ねていくわけだけど、もしかしてこれが今もつづく階級社会の礎なのかしらん。でもって、支配者はいつの間にか被支配者の文化に馴染んで同化してゆくと。

それとは関係ないですが、長年の疑問がひとつ解けたことが。
解説によると、ルネサンス以降、西ヨーロッパではギリシャ・ローマ古典文化礼賛の気風がひろがったらしいです。
だから、イギリスの上流階級はあんなにイタリアに憧れて、イタリアに行くことにロマンを見いだしているのですねえ!

ローマンブリテン四部作の三作目は『ともしびをかかげて』。
こちらもすでにハードカバーで発売済みですが、岩波少年文庫版は4月16日に上下巻で発売予定だそうです。


四部作の一作目はこちら。
第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)
ローズマリ・サトクリフ 猪熊 葉子
4001145790


20080404の購入

映画鑑賞のあと、あきらかに気のすすまない甥をひきずって本屋に行った。

どーする!?わんこ(2) (バンブー・コミックス)
那州 雪絵
4812468116


以上、購入。

甥っ子に何度も「まだ~」とせっつかれて慌ててて、他にも何かあったはずだけど……と思っていたら、やっぱり買い逃しがありました。
うー、せっかく大きな本屋に行ったのにー。

ホントに甥っ子ときたらマイワールドのたったひとりの住人で。
自分の好きじゃないことに関わるのをとことん嫌がるんですよね。
本屋にたどり着く前にかれが発見したおもちゃ屋にはむりやり立ち寄らされて、「買ってあげるから本屋にも行くんだよ」と念押しした時には「うん!」とうなずいてたのに。

なのにその後『テレビマガジン』まで買わされたんだよ、くー。

可愛いのは罪……。
結局オババカなわたしがわるいのか。

映画ドラえもん

ひさーしぶりの映画館遠征(おそらく二年ぶり以上?)がなにゆえドラえもん映画なのかの理由はいろいろと複雑にありますが、結論から言うと甥っ子が見たいとごねたから、に尽きます。

タイトルは『映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝』。
(公式サイトを開くと突然ウィンドウがモニタいっぱいに広がりFlash映像が始まるのでご注意。)

私は車が運転できないので繁華街の映画館に連れていったんですが、予想外にガラガラでした。混雑を予想して早めにつくように出る必要はまったくなかったです。
郊外のシネコンだともっと混んでいるのかもしれないですが。

結局必要もないのにえらい待つことになったけど、待ち時間対策としてDSを持たせていたのは先見の明と言えましょうか。

映画そのものは、

あー、映像が凝ってるなあー
動きがとっても細かいなー
背景もとっても緻密だなー
CGもずいぶん練れてきてるんだなー
ものすごく予算があるんだろうなあー

という感じでした。

線がやけにふわっと描いてあるのが印象的でしたが、この描線、私のドラえもんのイメージとはぜんぜん違うんですけども。まあ、いいや。

ストーリー的には大人にはちょっと、いやかなり、物足りないかなーと思う。
子供向けのわかりやすいストーリーだなー
これなら甥っ子にも理解できるだろうなー
とは思ったが。

そんな私の個人的おもしろポイントは、
ドラえもんの顔の気球でした。
空気がぬけたり、ひしゃげたりするたびにドラえもんの顔が歪むのが面白すぎ~
しかもなにこれ、スネオひとりで膨らませてるよ、可哀想に~
でした。

その後の観察ポイントは全面的にスネオに移行しました。
そしたらおかしいことたのしいこと。
最初からスネオ視点で見ればよかったなあ(笑。

植物の国のヒロインは誰がやってるのかと思ったら、堀北真希だったんですね。
のび太のともだちキー坊は子役の子が演じてるのか……あんまり甲高い声なので耳が辛かったです。

これで甥姪につきあってアンパンマン映画とドラえもん映画を見たことになります。
つぎはポケモン映画かな?

「ヘタリア」

コミックの新刊レビューを見ていて出逢ったサイト様【キタユメ。】。

擬人化された国家によるギャグマンガを読み出したら止まらなくなって、身体中がこわばるまでパソコンに張りついてしまいました。
うわー、おもしろーい。

ここのヘタリアが幻冬舎から本になったそうです。

ヘタリア Axis Powers
日丸屋 秀和
4344812751


私はこの本からこちらにたどり着いた。

あ、ヘタリアというのはヘタレなイタリアのことです。
あまりにヘタレ過ぎて、周辺国にいじり回されっぱなしなのにまったく進歩しないのがおかしい。
私がおもに目を通したのは第二次大戦の敗戦組の話でしたが、本にはほかにもあるのかしら。
絵柄がほんわかというよりほよほよ~て感じなのも親しみやすいです。
国家をあつかってるから内容はかなりきわどくなるのですが、そのきわどさがほよほよ~で流されていくような。

ところで、国の擬人化というと、私は青池保子の『エロイカより愛をこめて』もそういう要素があるような気がする。CIAの“ごり押しディック”が出てきた特にそう感じました。

あー、おもしろかった。
ですが、おもしろかったおかげで身体中痛いー。背中バリバリー。
はやく体に優しいパソコン環境を整えなければ……。

「レンシェの鳩」

汐崎雪野さん@【viscaria】作「レンシェの鳩」読了。

異世界ファンタジー短篇。
「塔とお姫様・作品集」参加作品。