ごく個人的な2008年ベスト

2008年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2008年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番はたぶん読んだ順で他に意味はありません。

ちなみに2008年に読んだ本は200冊でした。

今年はえらく語ってしまったので長いです。


・ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の棲む城』上下巻。創元推理文庫。

異世界ファンタジー。『チャリオンの影』の続編ですがネタバレを気にしないなら前作を読んでいなくても大丈夫。前作で登場したお姫様のお母さんのお話です。といっても若いうちに結婚したのだからまだまだ女盛りの未亡人。緻密な設定の上に築かれた重厚な物語世界。そのなかで年かさヒロインが活躍する、波瀾万丈ストーリー。さらに魔法濃度も高いとくればもう言うことなし!
よけいな事を考えずにひたすら物語に没頭して読みました。
三部作の完結編も、いつ出るのかなーと楽しみにしています。

影の棲む城〈上〉 (創元推理文庫) 影の棲む城〈下〉 (創元推理文庫)


・O.R.メリング『夢の書』上下巻。講談社。

これまで講談社から井辻朱美訳、こみねゆら挿画で刊行されてきたカナダ系ケルトファンタジーのシリーズ完結編です。
シリーズで初めてカナダが舞台となり、ケルトのものだけではなくカナダ先住民の精神文化をも取り入れて、もっともスケールの大きな作品となりました。現代と古代、カナダとアイルランド、現実と異界・夢が交錯していってなんともすてきなファンタジー的陶酔感にひたれる作品。感動しました。
ヒロインが前作の『光を運ぶ娘』とおんなじなので、それだけは先に読んだほうがよいかもしれません。

夢の書〈上〉 夢の書〈下〉


・フィリップ・リーヴ『掠奪都市の黄金』。

文明が崩壊し、都市が生き残るために移動するようになった未来のお話。暗くて寒くて寂寥とした雰囲気なんですが、宮崎アニメみたいな緻密な動画が脳裏に浮かぶ、少年少女の冒険活劇です。これも『移動都市』の続編。前作を読んでおいたほうがよいかもしれない。

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)


・パトリシア・A・マキリップ『オドの魔法学校』『ホアズブレスの龍追い人』創元推理文庫。『チェンジリング・シー』小学館ルルル文庫。

ことしはしばらく翻訳されていなかったマキリップがなぜか次々に刊行されました。
大ファンの私は嬉々として集めまくり、耽溺するように読みました。
フフフv
マキリップの本のことが書けるなんて、それだけで嬉しい!
マキリップのファンタジーは、波瀾万丈なストーリーテリングよりも言葉の生み出す夢まぼろしの空気を呼吸することに楽しみがあると思います。
『オドの魔法学校』はまさにその魔法的雰囲気を堪能できる異世界ファンタジー。
『ホアズブレスの龍追い人』は短編集ですが、その魅力はいささかも損なわれずむしろ濃密に感じることができます。
『チェンジリング・シー』は少女向けレーベルから出たので幾分おとなしめですが、海からよせる波の繰り返しが魔法の言葉のように思える佳品。

来年もそうそうからまた新刊が出るらしいので期待に胸を膨らませています。

オドの魔法学校 (創元推理文庫) ホアズブレスの龍追い人 (創元推理文庫) チェンジリング・シー (ルルル文庫)


・粕谷知世『クロニカ 太陽と死者の記録』新潮社、『アマゾニア』中央公論社。

今年の初体験。日本ファンタジー大賞で世に出た作家さんなのにいまだに読んでいなかったのは不覚というしかありません。
どちらも近世のアメリカ大陸を舞台にした魔術的なファンタジーです。『クロニカ』はほろびゆくインカ帝国を内部視点で描いたお話。『アマゾニア』はアマゾン川流域に住む先住民の部族抗争に、侵入してきた白人のエピソードを絡めて描くお話。

史実とともにひとびとの精神世界をもひとつの歴史として描こうとするなら、ファンタジーはその媒体として非常に優れたものになる可能性があるなあと思わされた二作でした。
事実とは異なるかもしれない、というか異なっていても全然かまわない、ムーブメントとしての真実を描くのは小説なんじゃないかなと。
ちょうどマヤ、インカ、アステカなどの中南米あたりの歴史に興味を持っていたため、いろいろと学びながらお話としてもたいへん楽しく読みました。
なかなか寡作な作家さんのようですが、また南米のお話を出してもらえないかなあと期待しています。

アマゾニア クロニカ―太陽と死者の記録


・アーシュラ・K・ル=グウィン「西のはての年代記」三部作。河出書房新社。

今年の大収穫はこれ! と断言できます。
「ゲド戦記」の作者の異世界ファンタジー三部作です。

このシリーズ、「ゲド戦記」がアニメ映画化された年に刊行され始めているので、もしかしたら映画化がなかったら訳されじまいだったのかなと思います。そういう意味では映画化には感謝しなければなりますまい。
とにかく凄いです。圧倒されます。物語世界の厚みと臨場感、ままならぬ運命の苛酷さと人間関係、それをうけとめて生きるひとびとの懸命さに胸うたれ、心が震えます。
一作一作が渾身の作品、といった趣の重厚な話でしたが、それをまとめあげた完結編は三部作をひとまとめにして凝縮したような苛烈で鮮明でおおきなひろがりをもった物語となりました。

やっぱり、ル=グウィンはスゲエ、と思い知りましたです。
重厚な異世界ファンタジー三部作をお好みの方には、ぜひ読んでいただきたく思います。

と書く前に自分がゲドを読み終えろ、ですね。五巻以降を読んでないんですよね。読んだのも忘れてるから、最初から読み返さないとダメであろう。

ギフト (西のはての年代記 (1)) ヴォイス (西のはての年代記) (西のはての年代記 2) パワー (西のはての年代記 3)


・エレン・カシュナー&デリア・シャーマン『王と最後の魔術師』。ハヤカワ文庫FT。

絶版となっていた『剣の輪舞』が増補版として再刊行。つづけてシリーズとして二作が訳出されてあらたに刊行された、その第二部ともいうべきシリーズ真ん中の作品です。
三部作いずれも近世の西欧風の異世界にすむ人びとを、煌びやかで退廃した貴族文化を通して描き出す、繊細な細部の描写が印象に残るお話ですが、私がこの第二作が特に好きなのは、他の二作が幻想要素のほとんどない活劇中心の展開を見せるのに対して、この作品がどっっっぷりと幻想の水底まで浸かっているような強いファンタジー指向をもった作品だからです。

それは登場人物ですらわからない、ひとつの出来事をきっかけとしてひきおこされてゆく異界の大きな波で、全身にしぶきを浴びて冷たいと感じつつも現実しか見えないかれらはなにが起きているのかはわからない。説明はなく、ただひたすら起きてゆく異常な現象に翻弄されてゆくかれらを見つめていく。そしてなにが起きているのか考えつづける。もしかしたら、読んでいてわけがわからないと思われるむきもあるかともいますが、私にとってはこれほど傍観者であることに陶酔感をもたらす作品があったかと、いま思い返してもゾクゾクする読書体験でした。

他の二作も楽しいのですが、そんなわけで『王と最後の魔術師』は別格でした!
あ、BL風味なのでその線が苦手な方はご注意を。

剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3) 王と最後の魔術師 上 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-4) 王と最後の魔術師 下 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-5) 剣の名誉 (ハヤカワ文庫FT)


・酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明』とその第弐部。文藝春秋。

こんなに笑える「三国志」があっていいのか! いいんです!
もうその一言だけで終えてしまいたい、怒濤の勢いで登場人物達に突っ込みまくる奇想天外阿鼻叫喚な歴史小説です。とんでもなくふざけているようできちんと資料は踏まえているところがまた凄い。昔の人間がよろこんだ物語を今の感性で冷静に読んだらどうなるか、という試みであるようにも思えます。が、とにかく、笑ってください。私は笑いころげました。

サブカルチャーのパロディーがてんこ盛りなので真面目な歴史小説読みよりもマンガ『銀魂』などがお好きな方のほうが楽しめるのではと思います。

泣き虫弱虫諸葛孔明 泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部


・妹尾ゆふ子『翼の帰る処』上下巻。幻狼ファンタジアノベルス。

大好きな作家さんの久しぶりのオリジナル小説は期待を大きく上まわる楽しさでした。
厳かで美しい幻想シーンはそのままに、親しみやすいキャラクター達が庶民的な会話を駆使して物語を盛りあげます。出てくる人たちの間に次第に築かれてゆく絆がなんともいえず熱い!
どっぷりと浸って読んだあとは、物語世界が繋がっている既刊を読んで余韻を存分に楽しみました。
続編が出るようなので楽しみに待っております。

翼の帰る処(ところ)〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス) 翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)


・ジョージ・R・R・マーティン『乱鴉の饗宴 氷と炎の歌第四部』上下巻。早川書房。

がっしりとした骨太の設定に豊穣なディテール、峻厳な精神性に熱く血濡れた肉体感覚。鮮烈な光と底知れぬ闇。このシリーズの凄さはとても語り尽くせません、「氷と炎の歌」シリーズの第四部です。上巻で周到にまかれた不吉の種が下巻でどかんと開花したときの圧巻。心のなかで何度悲鳴をあげたかしれません。この作者氏、登場人物に対して容赦なさ過ぎ。どこにも聖域がないので息つく暇がありません。あまりにも不安を煽られつづけたために、そのうち神経が痺れて痛みもわからなくなりそうでした。読み終えた時には息絶えそうだった……。

第四部から翻訳者が代わり大幅に訳語が見直された結果、かなり以前までと雰囲気が変化したように感じましたが、その違和感も読み進むにつれてだいぶん薄れていきました。最後まで残ったのはやはり人名ですね。私としてはタースの乙女はやっぱりブリュエンヌと呼びたいです。ジェイミー・ラニスターの人格イメージがかわったのは、呼び名ばかりでなく弟と判明したせいもあったかな。

ところで、この表紙は上がジェイミー、下がサーセイ、のラニスターの双子なのでしょうか。今となるとこのふたりしかいないというぴったりの表紙でした。

つづきの――ところで壁のむこうがわでは――をはやく読ませていただきたいものです。

乱鴉の饗宴 上 氷と炎の歌 4 (氷と炎の歌 4) (氷と炎の歌 4) 乱鴉の饗宴 下 氷と炎の歌 4 (氷と炎の歌 4) (氷と炎の歌 4)


それからフィクション以外で面白かった本。
もう感想は書けない……(苦笑。

中沢新一『人類最古の哲学 カイエ・ソバージュI』
池澤夏樹『パレオマニア』
西郷信綱『古代人と夢』『古代人と死』
片倉もとこ『イスラームの世界観』

人類最古の哲学―カイエ・ソバージュ〈1〉 (講談社選書メチエ) パレオマニア―大英博物館からの13の旅 (集英社文庫) 古代人と夢 (平凡社ライブラリー) 古代人と死―大地・葬り・魂・王権 (平凡社ライブラリー) イスラームの世界観―「移動文化」を考える (岩波現代文庫)



そうじて、2008年はけっこう濃密な読書ができたかなと感じます。
というのは多分、図書館のネット予約を始めたせいで行きあたりばったりに選んでこなくなったからだと思う。
予約の際にはネットで見かけた感想にずいぶんお世話になりました。

というわけで、最初に抜き出した本が90冊もあったため、ここまで絞り込むのにたいそう苦労した。

もれてしまったのは、『トレマリスの歌術師』『天山の巫女ソニン』『クロニクル千古の闇』「魔使い」シリーズ、オペラシリーズ、『伯爵と妖精』シリーズ、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』、サトクリフの「ローマンブリテン」四部作、『青いチューリップ』『オラクルの光』『獣の奏者』、「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」シリーズなどなどです。

2009年も充実した読書生活が送れたらなあと願っています。



ごく個人的な年間ベスト一覧

た、高い

昨日、ものすごく久しぶりに大規模本屋をフラフラとしてました。
もう今月は予算がないのでなにも買う気はなかったんですが、なんと申しますか目の保養に。

そんななか、この本を見つけました。

妖精学大全
井村 君江
4487791936


ずっと存在は知ってましたが現物を見るのはたしか初めてです。
おもわず手にとって、箱から出して眺めまくりました。

きゃーーー、欲しいーーーーっ!

どうしようどうしよう。
買っちゃおうかな、いや待てお金がもうないのよ、予算オーバーなのよ。
でも今ここでこの本を手放すのはとてつもなく惜しい。

と、ここで本をひっくり返して価格を見たとたん、
無言で箱に入れて陳列棚に戻している私がいた。

た、高すぎる……。
無理です、買えませぬ。

でもこういう本は図書館で借りるものじゃないんだよな~。
手元において、おりおりに眺める本なんだよな~。
でもダメだ。手が出ない。
たぶん一生。

それでも未練がましくぐずぐずと近くをうろついてからしぶしぶと本屋から遠ざかりました。

こういうとき、高価な本をバカバカ買える身分になってみたいと思います。
しくしく。

『恋のドレスと舞踏会の青 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

恋のドレスと舞踏会の青―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫 あ 16-23)
青木 祐子
4086012456


[Amzaon]


読了。

ヴィクトリア朝のロンドン周辺を舞台に、仕立屋の女の子クリスと公爵家の跡取り息子シャーロックの恋のゆくえを繊細に描く、時代ロマンスシリーズ十四冊目。本編としては十二冊目。

シリーズものにつき既刊のネタバレを含みます。


ようやく気持ちを確かめあったクリスとシャーロックだが、お互いへの距離のとり方がわからず不安な日々を送っていた。そんな折、クリスの店『薔薇色(ローズ・カラーズ)』にオルソープ伯爵家主催の晩餐会への招待状が届く。オルソープ家のアディルはクリスのつくったドレスを着てシャーロックをふり向かせたことがある、いわばクリスのライバルである。最近、世間では二人の仲が噂されている。クリスはシャーロックのアディルへの気持ちに対する不安と自分のつくったドレスに対するプライドの間でゆれていたが面には出せないままだ。いっぽう、アディルは今度こそシャーロックの心をつかむために闇のドレスと噂される『夜想』のドレスを注文していた。




うわー、シャーロック、なんて奴ぅ。

というのがこの巻の大まかな感想でございます。

あんたのせいでクリスもアディルもパメラちゃんまでもが振りまわされてるのよ。
そこんとこ、どういうつもり? わかっててやってるの!?
お説教してやりたい気分が満々です(苦笑。

結局欲張りなんですよね、自分の地位は当然守っておきたい、けれどクリスは手放したくない、アディルも傷つけたくない、悪者になりたくない。

若いから仕方がないといえばそれまでですが……ここらでシャーロックにはライバルが必要なのではなかろうかと思われましたよ。何がもっとも自分にとって大切なのかを身にしみて感じるような出来事がないと、この男、いつまでたってもどれかを選べなくてアイスが溶けていってしまいます。

それでも、やけくそのようにパートナーを替えて踊りまくって、パメラちゃんを翻弄する姿は、ちょっとかっこよい&可愛かったです。ちっ(笑。

そういえばいつもはチャキチャキのパメラちゃんが、縄張りから出るとこんなに臆病になってしまうのね。新鮮でしたが、それでも勇敢に行動してくれて嬉しかったです。

あとは、なぜかクリスに近づいてくるジャレッドくん、何か裏があるなと思っていたらやはりそうか。番外編キャラクターがいきなり本編に当然という顔して現れるとちと混乱いたしますね。でもこれくらいの余録がないと雑誌のほうに差し障りがあるかもとも思うし、まあ、そのうち本でも読めるでしょう。

時系列が重なっているという男性陣の番外編が連載中だそうで、そちらも楽しみにしています。

が、やはり一番読みたいのは本編のつづきです。
お待ちしています。


前の巻はこちら。
恋のドレスと約束の手紙―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
青木 祐子
4086012030


『西洋服飾史 図説編』

西洋服飾史 図説編
丹野 郁
4490205058


[Amazon]


読了。

西ヨーロッパの服飾の歴史を、古代から現代へと豊富な図版と写真とともにたどる、「図説編」。

じつは資料として借りました。
なんといっても著者自身が収集、撮影した図と写真がたくさんあるのが素晴らしい。
服飾関係って、いくら言葉を尽くしてみても百聞は一見にしかず、というところが多大なのでこれはとても嬉しいです。
古代はさすがに実物は残っていないけど彫刻や絵画の写真が載ってますし、現代に近づくにつれて遺品として残された服がとても実際的な写真として掲載されていて、おおう、と感動しました。

というわけで、やはりこの本のメインはロココ以降のフランスモードにあるかなあと。
著者が留学した先がパリだし、やはりファッションの中心はフランスだったのでしょう。
用語もほとんどフランス語読みで書かれているような気がしましたが、そもそもファッション用語はフランス語が中心なのかもしれない。

ちょうど「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」を並行読みしていたのでたいそう楽しかったです。
多分、ヴィクトリア朝は後期バッスル調の時代なんじゃないかなーとか思ったり。
クリノリンの実物やら、たたんだところやら、バッスルの絵とか、いろいろと興味深かった。

それからギャルソンヌやボーイッシュ・スタイルあたりは「名探偵ポアロ」だー、とか。
それとセイヤーズのウィムジー卿シリーズもそうだったなあ、とか。

映像として体験したことのあるものは理解がはやいなーと思います。

ただし、私が本命としていた古代から中世の部分は、やはり資料が少ないためでしょう、かなり物足りなかったですが。

そもそもそんなことを目的に借りる人はあまりいない本だと思われます(汗。

以下、おおまかな内容がわかればと思い、目次を記しておきます。


序――衣服の基本形態

古代
 エジプト
 西アジア
 ギリシア
 クレタ・エトルリア
 ローマ
 ゲルマン民族

中世
 ビザンティン
 サラセンとフランク
 ロマネスク
  甲冑とファッション
 ゴシック
 ルネサンス初期
 ルネサンス最盛期
  ラフ
  ビロード

近世
 バロック
  オランダ様式の台頭

近代
 近代I
  ロココ《18世紀の服飾》
   産業革命の影響
   ワトー・プリーツ ―ロココの粋―
   コルセットとパニエ ―細胴と太腰の下ごしらえ―
   青鞜クラブ ―市民の台頭と簡素化の波―
   芸術美を競う宮廷衣装 ―しのび寄る革命の足音―
   ロココの男装
   ロココの女装
  フランス革命期《1789年~1795年》
  総裁政府時代《1795年~1799年》
  執政政府~第一帝政時代《1799年~1817年》
   男性の服飾
   女性の服飾

 近代II
  王政復古調とロマンティック衣装《1818年~1830年》
   女性の服飾
   男性の服飾
  ルイ・フィリップ時代《1830年~1848年》
   男性の服飾
   女性の服飾

 近代III
  ロマンティック調・クリノリン衣装《1848年~1870年》
   クリノリン衣装の形成と発展
   女性の服飾
   男性の服飾

現代
 近代から現代へ
  末期バッスル調《1871年~1900年》
   半クリノリン衣装
   バッスル衣装
   女性の服飾
   男性の服飾

 現代
  アール・ヌーヴォーとナチュラル・スタイル《1890年~1910年》
  第一次大戦と婦人服の成立《1914年~1920代初期》
   ボーイッシュ・スタイルとギャルソンヌ・スタイル
  大恐慌~第二次世界大戦《1920代後半~1945年》
   フェミニン・スタイルの復活
  戦後のファッション《1947年~ 》
   ファッションの大衆化
   プレタポルテの発展

 あとがき

 索引




蛇足。

西ヨーロッパ史をつづろうとすると必ず古代エジプトとオリエントが基点となるんだけど、途中からそちらとは無関係です、みたいな書き方になっていくあたりになにか作為のようなものを感じてしまいます。ヨーロッパ人は意識してやっていることかもしれないけれど、日本人がそれを無邪気に受け継いでしまうのはいかがなものかと。

ごく個人的な2005年ベスト

いま、今年のベストをつくっているところです。
そこで気づいたのですが、はてなダイアリーに公開していた2005年版が見られなくなってました。申し訳ありません。

はてなダイアリーはプライベートモードにしているので、こちらに移して公開することにしました。
その際、私的感想へのリンクを削除し、アマゾン書影リンクをつけました。そのほうが華やかでよいかなと思いましたので。

今年のベスト作成作業はまだ道半ばです。
おかげで本を読む暇がないという、本末転倒っぷり(汗。




管理人が2005年に読んだ中から選んだお気に入りの本。
「2005年に読んだ」というだけで、出版されたのは大昔の本もあります。順番にとくに意味はありません。
シリーズとして読み続けていて一冊が選べないものは、現時点で最後に読んだ巻をあげてあります。
ちなみに2005年に読んだ本は全部で123冊でした。


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『ケロロ軍曹 6』

ケロロ軍曹 (6) (角川コミックス・エース)
吉崎 観音
4047135321



借りて読了。

地球侵略にやってきたケロロ軍曹率いるカエル型宇宙人たちと、かれらと同居するはめに陥った日向家のドタバタギャグマンガ。シリーズ第六巻。

ずいぶんご無沙汰していたなあ、と読みながら思いました。
ギャグマンガだから伏線など気にしなくてよいのが楽です。
ただ、この巻はパロディの元ネタがわからないことが多くて、それでもけっこう楽しめましたが、より奥深く笑えなかったことが心残り(苦笑。

あと、夏美ちゃんのボディーラインが強調されるシーンが多かったなー。
冬樹くんがしらないあいだに人魚姫の王子様役を果たしていたエピソードには、ちとしんみりしました(笑。

最後のエピソードははじまって以来の(?)続き物です。
ちょっとどっきりな展開のこのつづきはいかに?!

てことで早々につづきを借りなければ、と思いました。

ところで、夏美ちゃんと冬樹くんのおとーさんって、どういうひとなのかなー?
死別したような雰囲気はないので、離婚したのかなと思うのですが。
そんで春男とかなんとかいう名前なのだろうか。

ケロロ軍曹 (7) (角川コミックス・エース)
吉崎 観音
4047135747


20081226の購入

なんとかゲット。

恋のドレスと舞踏会の青―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫 あ 16-23)
青木 祐子
4086012456



昨日はなんと10294歩も歩きました。
この本を探して本屋を四軒ハシゴした(二軒は売り切れてて三軒めは入荷してなくて四軒目でようやく発見した)こともあるけど、そのほかに突然用事が入って予定外の外出をすることになり、その際、姪っ子の漕ぐ自転車を追いかけていかなければならなくなったりして、ワタクシ的にはもう限界と思うまで必死に歩きました。

つ、疲れた。

普段は多くても四千歩か五千歩なのに。
一万歩歩いたのなんて何年ぶりだろう。

おかげでフィギュアスケートはまったく見られませんでした。
録画はしてあるのでこのあとゆっくりと見ようと思います。

グランプリシリーズのときとおんなじやんか。

20081225の購入

財布がない家族としかたないので一緒におでかけ。
出先でちょっとできた時間に本屋であわてて探してゲット。

イムリ 5 (BEAM COMIX)
三宅 乱丈
4757746113



この表紙絵……何があったのでしょう(汗。


家族の財布がないのは落としたからです、どこかに。
気づいた時には大騒ぎになりましたよ。
カードから何から全部入れっぱなしなんだもの。
運転免許証だけは別だったのが不幸中の幸いでした。

本人は当然へこんでましたが、そのほかは「いつかはこうなるだろう」と思っていた。そんなことは口に出しては誰も言わないけどね。

『仮面祭 夢語りの詩・番外編』

仮面祭―夢語りの詩・番外編 (花丸ノベルズ)
妹尾 ゆふ子
459286056X



読了。

華麗な文章でつづられる幻想小説短編集。「夢語りの詩」シリーズの番外編。

これも再読。
これで既刊の「夢語りの詩」は終わりです。
もっと出ると思っていたんですが、いつのまにやら……しくしくしく。

ともあれ、この本には前二作とおなじ物語世界でおなじ人物のものがたる三編が収録されています。

収録作品は以下の通り。


仮面祭
影なる波の唄
湖に映る月

あとがき



幻想的な上に耽美で残酷。じつにストレートにタニス・リーを彷彿とさせる表題作は、著者のデビュー作だそうです。
文章に酔って読む私はこの展開がぜんぜん予想できませんでした。再読なのでしょうか、ホントに(汗。
こんな冷酷かつ痛い展開はファンタジーだからこそ成立する世界だなあとしみじみと思いました。

二作目の「影なる波の唄」は、語り手と聞き手が幾重にもかさなっていって、夢とうつつの境目も交錯してゆく、めまいがするような構成に凝ったお話。
波の下の王国というのはすなわち異界。
異世界にふくまれる異界には美しく残酷に人の精神世界が投影されています。
重箱形式の話というと「千夜一夜」などは典型ですが、この作品はその形式すら幻想の源としていて、余韻の深い物語になっています。

うーん、すごい。

三作目、「湖に映る月」は玉精というちと中国的なモチーフを扱って、人ならざる存在との恋愛を哀しく美しく描いたお話。

このお話も入れ子構造になってますが、「影なる波の唄」よりはわかりやすい構成。
玉精の王と玉造の妻の悲恋がきわだって印象的でした。

どれも話の筋をたどってしまえばそれほど驚くようなものではないのですが、描き出す文章のちからが物語の陰影を深く華麗に彩っていて、これぞ幻想文学、といいたいような雰囲気をつくりあげています。

いまはより身の詰まった実のある文章にシフトして、幻想のシーンの美しさとともに登場人物に血肉を感じるような文章になってきていますが、それは臨場感あふれる重厚なファンタジーを描くのにふさわしいものだと思いますが、この繊細でより美を意識した文章もこの作品群には似つかわしいものだと思いました。

タニス・リーやマキリップ、ジェイン・ヨーレンなどの欧米の作家の雰囲気と似たところがあるので、これらをお好きな方におすすめです。

――といいたいのですが、これも絶版。
書影はまたも私が作りました。著作権的にちょっと不安なんですが。
アマゾンでつけられている価格がものすごいので、吃驚いたしました。

表題作の「仮面祭」は作者様のサイトで公開されているので、まずはそちらでお読みになることをお薦めいたします。

妹尾ゆふ子【うさぎ屋本舗】内 「仮面祭」

トップページからたどろうと思ったらたどり着けなかったので直リンク(汗。

『鋼の錬金術師 21』

鋼の錬金術師 21 (ガンガンコミックス)
荒川 弘
4757524390



読了。

出先で発見したので読んできました。←どーいう出先。

どうやら、最終章みたいなものがはじまった、とか。
たしかにラストへ向けてみんなが動き始めた、遠くからずんずんずんと地響きが聞こえてきそうな、だけどまだ嵐の前の静けさみたいなものも感じる展開でした。

静けさというわりには、アルが大変なことになってますが!

読みながら、あーまた読み返さなくちゃわかんないことだらけだぞと個人的にたいへん悲しい巻でもありました。

約束の日ってなんだったっけ?

そんな基本的なことを忘れつつも、いちおうまだ読めてます。

つづき、どうなるんでしょうねえ。
全然先がわからないアルよ……。

せめてこれくらいは読み返しておくべきだったか↓。

鋼の錬金術師 20 (ガンガンコミックス)
荒川 弘
475752353X


『天山の巫女ソニン 4 夢の白鷺』

天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺
菅野 雪虫
4062150816


[Amazon]


読了。


あっさり風味ながら懐の深さを感じさせる朝鮮半島風異世界ファンタジーシリーズの第四巻。


半島を三分する三つの国、〈巨山(コザン)〉〈沙維(サイ)〉〈江南(カンナム)〉。
三国のいずれにも属さない聖地〈天山〉から巫女失格の烙印を押された少女ソニンは、ひょんなことから〈沙維〉の末の王子イウォルと出逢う。口のきけない王子のかたわらで王子の言葉をつたえられるものとして側仕えを始めたソニン。彼女は否応なしに国の内外を問わない政治という荒波のなかで生きてゆくことになる。



というのが、シリーズの大枠。
基本的に、ソニンはイウォル王子の側仕えとして、王子を補佐しつつ他の二国を訪れ、自分の目で見、確かめ、触れて得た経験から、王子にとって〈沙維〉にとって最善の道を見いだそうとしていく、というお話です。

文章はかなりあっさりめで展開もスピーディー。
とんとんと話が進んでゆくので大変に読みやすいです。
設定的に三国志のような重厚なものを期待していると肩すかしを食らうかもしれません。
けれども、このお話、ただの子ども向けファンタジーとして侮って欲しくはありません。
簡素な描写のなかにふと心に食い込んでくるようなひとことがある。
一見シンプルなお話だけれど、親子の複雑な情や人間の業のこわさまできちんと描いてある。
ストーリーラインを追いかけるだけでなく、登場人物の心のひだを自分で読みとっていくとあらたな局面が見えてくるお話だと思います。

それぞれの読み方によって子どもも大人も楽しめる、すてきな作品です。

この巻では、これまでになかった三国(の代表)が同時に相対するお話です。
〈沙維〉はイウォル王子とソニン。
〈江南〉は花美男のクワン王子。
〈巨山〉は孤高のイェラ王女。

イウォル王子とソニンが地味で堅実なのに比べて、クワン王子とイェラ王女はそれぞれにかなり個性的な御方達。
以前から彼、彼女のキャラクターのつよさは感じていたんだけど、ふたりそろって出てくるとまるでシリーズが一気にキャラクター小説化したような華やぎがありました。

ストーリー的にはいつも通り地に足がついているのに、出てくる人がちがうだけで雰囲気が変わるんですねえ。

それがお話的にいいのか、悪いのかは私にはわかりませんが、読んでいてたいそう楽しいのは確かです。
じつのところ、私はイェラ王女に萌え萌えです(笑。

さあ、このあと三国の関係はどうなっていくんでしょうか。
つづきがとっても楽しみですv


天山の巫女ソニン 1 金の燕
菅野 雪虫
4062134233


天山の巫女ソニン 2 海の孔雀
菅野 雪虫
4062138336


天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星
菅野 雪虫
4062144859


『犬夜叉 17』

犬夜叉 (17) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
4091255876



読了。

戦国時代にトリップした女子中学生日暮かごめが、半妖の少年犬夜叉や仲間達とともに四魂の玉の欠片を求めて旅をする、伝奇冒険アクションロマコメ。シリーズ第十七巻。


十七巻の表紙は犬夜叉と、なにやら拘束具めいたものをつけた見目麗しいお兄さんのツーショットです。といっても、この人自体はけっして麗しい存在ではありませんでしたけどね(苦笑。

この巻に収録されているエピソードは、

刀々斎の破門された弟子・灰刀坊が鍛えた妖刀“闘鬼刀”と犬夜叉との対決。
闘鬼刃をふるう殺生丸と犬夜叉との対決と、刀々斎に鍛え直された鉄砕牙がとっても重たくなってしまった話。
奈落の放った四匹目の妖怪・獣郎丸と、鋼牙くんと犬夜叉の対決の途中まで。

でございます。

羅列していくとバトルばかりみたいですが、ストーリーとしては殺生丸が妖怪そのものに変化してしまうらしき犬夜叉に対して認識を新たにするという点と、鉄砕牙は妖怪の血に呑みこまれる危険のある犬夜叉を半妖に止めておく守り刀であるという点と、犬夜叉自身の牙をつなぎに使った鉄砕牙が重たいのは、犬夜叉が父親から自立しなければならないという命題をあらわしている、という点あたりが肝なのかなーと思われました。

というわけでテーマは犬夜叉の成長。

あと印象に残ったのは、奈落の分身であり奈落に縛られてしか生きてゆけない自分にもどかしさを感じている風使い・神楽の存在と、殺生丸とりんちゃんの関係です。

りんちゃんったら、殺生丸がもう動いていいと言うまでじーっと片足あげたままで立ってるの。かわいい!

犬夜叉の成長はかごめちゃん含みで展開しそうですが、殺生丸のほうはりんちゃんがらみでなのかなあと想像いたしました。

……かごめちゃんの出番が少ない巻だったなあ……。

しかし次巻ではどうやら! 泥沼の三角関係が再燃しそうです。
アオリ文句が

かごめ、
15歳の初恋は
せつなく、つらく!!


ですよ!
これは期待してしまいますね。

つづき、年内に読めるといいなあ……無理っぽいけど。

犬夜叉 (18) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
4091255884


また聴いてみたいけど

最近、初めて聞いたものでもう一度聴きたいなあとおもう曲ふたつ。

めずらしくNHK-BSのクラシック倶楽部を見ていた時に知ったハーピストの吉野直子さん。
どうやら有名な方みたいなのですが、私はこの番組で演奏されたピエルネ作品をもう一度聴きたい! と思いました。

だけどCDには収録されていないみたいです。
ドビュッシーも素敵だったので、これでもいいかなあと思ったのですが、やはりレンタル屋にはなかった。

ベスト・オブ・ベスト
吉野直子 パラディージ トゥルニエ
B00008PT1K



もうひとつはFMの「ベスト・オブ・クラシック」で聴いた、延々と短い旋律を繰り返してゆくミニマリスムとかいうジャンルの作曲家スティーヴ・ライヒの作品。

光の迷路のなかを迷いつづけているような、不思議な感覚の印象の曲で、これ、文章書いてる時の恍惚感に似ているなあと感じました。

実際には風呂場で頭を洗いながら聴いていたんですけどね(苦笑。

そういえば、ミニマリスムというと文学界にもあったよなーそういうムーヴメントが。たしか村上春樹がよく訳していた気がする。関係があるのかもしれない。ないのかもしれない。

しかしこれも当然、レンタル屋には皆無でした。

18人の音楽家のための音楽
ライヒ(スティーヴ) ライヒ
B00005HHGS


ライヒはiTunesStoreにありましたが、吉野さんは現物を買うしかない模様。
つーことはまたお金がかかるということで……。

もう今月は無理だなあ。
すでに予算をオーバーしてる。
……我慢しよう、しばらくの間は。

20081220の購入

ひとりでお買い物してきました。
期待してなかったのに創元推理文庫の新刊が本屋にあったので購入。

死者の短剣惑わし (創元推理文庫 F ヒ 5-8)
ロイス・マクマスター・ビジョルド 小木曽 絢子
4488587089



訳者あとがき見たら、まれに見るロマンスファンタジー小説と解説が。
ビジョルドでロマンス物? なんだか怖いもの見たさの好奇心がうずいてしまう。

ほかには服とプレゼントとプレゼント包装用アイテムとファイルケースを買ってきました。

あとはきちんとプレゼント包装をしなくちゃだ。
カードもつくってみるかなー、久々に。

『おまけのこ』

おまけのこ (新潮文庫)
畠中 恵
4101461244


[Amazon]


読了。

江戸の廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋の病弱な若だんなとお守り役の兄や他あやかし達の活躍する、ほのぼの時代ミステリ連作短篇。シリーズ第四弾。

ハードカバーで楽しく読んでいたシリーズ。人気がどんどん上昇してついに予約数が私の手に余るところまで到達したため、しばらく遠ざかっておりました。
そしていつのまにか文庫になっていた。

今回手にすることができたのはまたまた義妹のおかげですv

収録作品は以下の通り。


こわい
畳紙
動く影
ありんすこく
おまけのこ

解説 谷原章介



とにかく常に病をわずらっている若だんなと、両親にふたりの兄やたちの超絶な過保護状態を楽しむお話。
若だんなはおばあさんの血を受け継いであやかし達とも仲良しこよしで、かれらもどうやら若だんなのことを保護対象としてみている模様。
そんな純粋培養で世間知らずの可愛らしい若だんながじつはたいそう賢い頭の持ち主で、さまざまな事件をあやかし達の助けを借りながら解決してゆく、というシリーズです。

人情時代物にあやかしテイストが加わった、やさしいけれどときに切ないお話やほのぼのとした可愛らしいお話がふんだんにつまっております。

読んでいてここちよいシリーズだなーと思います。

前にも書いたかもしれませんが、私は若だんなにいつもまとわりついている鳴家たちがかわいくて大好きです。

きゅわきゅわ、きゃわきゃわと騒いでいるのを読んでいるとほのぼのするんですよね。鳴き声にどことなく紫堂恭子『辺境警備』の兵隊さん達を思い出してしまうからでしょうか。

兵隊さん達もかわいかったんですよねえ。いつもモブみたいだけどちゃんと名前も特技もそれぞれにあったんだよなあ……。

だから「おまけのこ」がとても好きです。

ま、それはともかく、ふたりの兄やたちの頼もしさ、過保護さにも磨きがかかって、若だんなはよりいっそうかいぐりかいぐりされている模様です。

私、全然気づかなかったんですが、このあたりの空気はどうやら腐女子の方々を刺激するらしいです。
あまりに真正面からツボ過ぎて、かえって恥ずかしいという意見も眼にしました。
ドラマ化されたものも、そちら方面で受けていたらしい……。

と、いきなり話を振ったのは、解説がドラマで兄やの片割れを演じていたらしい俳優さんだからです。

私はドラマは見ていないのでなんともコメントしがたいですが……。何で毎回、見るのを忘れてしまうんだろうかとは思います。

つぎの巻もすでに文庫化されている模様。(でもってこちらが最近ドラマ化されたもののはず。)

うそうそ (新潮文庫 は 37-5) (新潮文庫)
畠中 恵
4101461252



ついでなのでこちらもご紹介。
辺境警備 1 (1) (HMB S 4-1)
紫堂 恭子
4834273784


文庫版で全四巻発売中です。

『邪眼の王子 夢語りの詩2』

邪眼の王子 (花丸ノベルズ―夢語りの詩)
妹尾 ゆふ子
4592860438



読了。


薫り高い文章でうたびとのものがたる異世界ファンタジー「夢語りの詩」シリーズの二冊目。ですが、お話としてはつづきではなく、シリーズの開幕編といった趣。



南方の覇王と呼ばれる人物のもと、発展をつづける都市ラングール。〈百の塔の都〉の異名を持つ街の聖なる避難場所〈沈黙の庭〉に、逃げ込んできた少年がいた。かれの名はヴァタール。覇王の庶子のひとりであるかれは、生まれついて両の眸の色が異なるという異相のために、邪眼として忌まれていた。母親からも見捨てられ政争から距離を置いて暮らすラウラ妃のもとで育ったかれにとって、心を許せるのは乳兄弟のバールとうたびとのパッラーダのみ。異母兄弟達からつねに蔑まれ、暴力をふるわれるたびに、かれは〈沈黙の庭〉に居場所を求めてきたのだった。そのときも、いつもの災難から逃れようとしたヴァタールは、そこで鋭いまなざしをした少女と出会った。持ち込み禁止の剣――しかも抜き身の――をたずさえた彼女は、兄弟達に追いつかれたかれにその剣を与えて去っていった。





ふー。
以前読んでいた時の私はほんとうに何も考えてなかったんだなーと、あらすじを書きながらつくづくと思い知りました。
はい、これも再読です。

何も考えてなかったというか、何も考えずに読むのが私のスタイルだったといった方が近いでしょうか。
主人公没入型で、読んでる時の出来事が読み終えた時にはぜんぜん残らなかったりすることもしばしばでした。面白いと感じる本ほどそうなのですが、この本もその典型だった模様。いまでもかなりそういう部分が残っていて、そういう本ほど感想が書きにくかったりします。

で、このお話ですが。
あらためて読み返してみて、私の好みはまったく変わっていないんだなとわかりました。

うたびとの美しい言葉の語るものがたり。
悲劇の姫君から生まれた薄幸の王子。
男勝りの少女戦士。
不幸を予言する巫女。
強い生命の力をもち周囲に良くも悪くも影響を及ぼしてしまう覇王。

小さなエピソードを積みかさねた上に起きる劇的な展開。

それから歌。詩。うた。

はあ……ためいきです。

なんでこの本、絶版なんでしょう。しかも、物語ははじまったばかりだというのに、つづきも書かれていないのです。

まあなんとなくね、売れなかった理由は推察できます。
語りが中心なのでキャラクターの個性が弱いんですよ。その美麗な語りも、ラノベ読者にはとっつきにくいと受けとられたかと思う。

でも、そこがいいのです。私にとってはそれがこの話の美点なんです。
この語りのつくりあげる雰囲気が大好きなんです。
だから大切に保管していたんです。

また読み直せて幸せでした。
捨てられない女にもたまにはいいことがありますね(笑。

本当はこのつづきがどうなるのか、あとがきに書かれていた本来の主人公のこともふくめて、いろいろと知りたいなあと思うのですが、いやいや無理は申しません。

でもいつか、シリーズ名《覇者の砦》が書かれる日がきたらいいなあと、思うだけならいいですよね!

今回もアマゾンでの取り扱いはなしで、書影は自分でスキャンして取り込んでみました。
デジカメはいろいろとヘンだったので……。スキャナを使ったのが久しぶりでしかももらい物を初めて使ったのでやっぱりうまくいってないところがあるのが哀しいです。

ところで、この本が出た時に「花丸ノベルズ創刊」だったのですね。
そういえば、「夢語りの詩1」にはレーベル名がなかった。そして紙質もぜんぜん違っている。この本、白泉社のコミックスと紙が同じなので経年劣化が心配です。

『犬夜叉 16』

犬夜叉 (16) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
4091255868



読了。

戦国時代へとトリップした現代の女子中学生日暮かごめ。彼女が半妖の少年犬夜叉とともに四魂の玉の欠片を求めて旅をする、伝奇冒険アクションロマンスファンタジーの第十六巻。

何度もおんなじことを書いているような気がしますが、この記事だけを見る方のためにと思ってやっています。自分が物語をどのように把握しているかを確認するのにも便利ですしね。

というわけで十六巻です。
この巻の表紙絵はちょっと凄いよ、犬夜叉の眼がとんでもないことになってるよ。

収録されているのは十五巻からひきつづいてのエピソード、奈落の分身である神楽と神無の罠にはまったかごめちゃんたち。絶体絶命のピンチで現れた奈落が自分の力の強大さを見せつけ、その理由が桔梗のもたらした四魂の玉であることを告げるお話。

瀕死の重傷を負った犬夜叉に桔梗が奈落に四魂の玉をあたえたことを認めるエピソード。

そして奈落の新たなる分身・悟心鬼に鉄砕牙がかみ砕かれて犬夜叉がとんでもないことになってしまうエピソード。

鉄砕牙の存在理由があきらかになり、さらに殺生丸があらたな刀を手に入れようとするところで、次巻に続くとなっています。

と、めずらしく(?)一巻丸ごと話がつながっています。

面白かった~。
他に感想はないのかと言われそうですが、とにかく面白かったので、それだけは書き残しておきたいと。

今回はラブとバトル両方の要素がてんこ盛りで、どちらが好きな人も満足できるんじゃないかなと思いました。

犬夜叉と桔梗のシーンはほんとうにシリアスでせつなくて、ギャグの入り込む余地がないくらいメロドラマしていますな。

桔梗の真摯な想いに触れて痺れたようになっている犬夜叉の顔がなんともいえず可愛いです。そのあとにかごめちゃんと会ってうろたえている姿も可愛いです。

こうしてみると私にとっては犬夜叉は弟的キャラクターなのですねえ。むしろ、年齢的には息子? いやいや、犬夜叉はすくなくとも五十は超えているんだから息子というわけにはいかないでしょう。やはりここは弟ということにしておきます。

だから殺生丸に関しては兄かというとやはり弟なんだな、これが。
桔梗だけは愛でるという雰囲気になりませんが、あとはみんな年下感覚。

少年マンガなんだから当然といえば当然。
なのだろうけどすこしばかり寂しさを感じてしまうひとときでした。

気をとりなおして次巻を待ちます。

犬夜叉 (17) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
4091255876


五枚で千円キャンペーン

上野洋子さんのCDを探しにレンタル屋にいったら「期間限定CD五枚で千円キャンペーン」というのをやっていた。
五枚も? と思っていたけれど三枚持ってレジにいったら「もったいないです」と言われて確かにそうかなと思ったので二枚追加してしまいました。

なにかしてやられた気分。

pearl~The Best Collection~
KOKIA Glenn Frey Don Henley
B000CNDI5E


ウクレレ栗コーダー
栗コーダーカルテット
B000FI8TZK


グレイテスト・ヒッツ
ビョーク
B0016JD768


ビリー・ザ・ベスト
ビリー・ジョエル
B0000CD87J


ブルー・タートルの夢
スティング
B000J234UC


上野さんがないじゃん!
そうなのです、そもそもは上野洋子さんのを借りようと思っていたのですがどこにもなかった。その他の候補に挙げていたもの(一十三十一とかNiyazとかNHKのクインテットとか)もないしで、やっぱり私の趣味はマイナーなのかなあと思わざるを得ませんでした。

なかでこれをと思っていたのは栗コーダーカルテットとビョークですか。ビョークはLast.fmを聴いてよいなあと思ったので。
KOKIAは響子さんお薦め『VOICE』を探してたんだけど誰かが借りていた。くすん。

あとは懐メロ的選択です(苦笑。

『竜の夢見る街で 1』

竜の夢見る街で 1 (ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫)
縞田 理理 樹 要
440354133X


[Amazon]


読了。


現代ロンドンを舞台にした、ミステリ風人外ファンタジー。開幕編。


コリン・アトキンスは人通りの多い午後のケンジントン・ガーデンをぶらぶらとしていた。かれは大衆向けのスキャンダルが売り物のタブロイド《デイリー・ムーンシャイン》紙の臨時契約記者。童顔だが写真の腕はあるつもり。専門は空飛ぶ円盤だけれど編集からはとにかく有名人のスキャンダルを求められている。そんなおり、コリンの眼に、子どもばかりに声をかけている男の姿が映った。怪しいと踏んだコリンは男の様子を観察した。男は若くて長身でスタイルがよく金持ちの装いをしており、さらにモデルか有名スターかと見まごう極めつけの美形だった。見ているうちになおも男の子に近づいていく男は相手にこう囁いていた。「坊や。わたしと一緒にお空を飛ばないかい?」




人外をこよなく愛するファンタジー作家、縞田理理さんの新刊。
これはとっっっても、面白かったです。
久々に一気読みしましたです。楽しかった~。

今回の舞台は『霧の日にはラノンが視える』以来のロンドン。
主人公は成人に見えないタブロイド紙のカメラマン、コリン。
そしてかれが“もしかすると誘拐犯かもしれない”と探りを入れ始める、世間の常識からは逸脱している超絶美形キャスパー・ランプトン。

このふたりの出会いと接近が、児童誘拐事件と絡み合いつつ愉快にほのぼのと展開されるのがこの巻です。

なんといっても可笑しいのはキャスパーのおおざっぱな性格と常軌を逸した食欲。もう、これは読んでいただかないと、とおもうのでこれ以上は書きませんが読んでいてニヤニヤニヤニヤしまくりでした。

コリントともに謎の存在キャスパーの正体を推理してゆくのが楽しかったです。じつは……とわかるといろいろと納得できるあたりが、素晴らしいなーと思いました。

それとは別に誘拐事件は誘拐事件でそれはシビアーな出来事として描かれているのが、たんなるほのぼの話に終わらせない作者のお話らしくて好感が持てました。こういう雰囲気はちょっと帯の「コージーミステリ」にはそぐわない気がしましたが……。ま、いいか。

コリンが間借りしている母親の従姉妹ドロシーの館の住人達も個性的で、それぞれにそれぞれの背景があるようで、そんな隠されたいろいろが明るみになる話なども期待できそう。このへんはちょっと壁井ユカコ『鳥籠荘の今日も眠たい住人達』っぽいかな。どちらもわたしは大好きです。

今回はコリンのシェアメイト、カッサンドラの存在感が秀逸でした。悲劇の王女の名前を持ちながら本人が先鋭的に前向きなのがステキです。

締めくくりの爽快感に「ああ、ファンタジーって素晴らしい!」と思いました。

おまけ短篇のとある住人の話は、ウッドハウスに似たようなエピソードがあったような気がしましたが、いかにも! な感じで楽しかった~。

そういえば、キャスパー・ランプトンの名前の由来がとても気になります。
私的にいうとランプトンは萩尾望都『ポーの一族』でキャスパーは「お化けのキャスパー」なんだけど、イギリス人には通じないよね、ハハハ。

収録作品は以下の通りです。


その男キャスパー
隣は何をする人ぞ

あとがき



お話は『季刊 小説ウィングス』にて連載中だそうです。
つづきが楽しみ!

『竜の哭く谷 夢語りの詩1』

竜の哭く谷 (夢語りの詩 (1))
妹尾 ゆふ子
4592860225


[Amazon]


読了。

詩人の語る遠い日の伝説の物語。異世界ファンタジーシリーズの一作目。



広大な沙漠によって世界が二つに分かれていた頃のこと。沙漠のほとりにある小国カララクは交易路の要として栄えていたが、東方山中からやってくるツェクタハンの毛鳥使いによる掠奪と南方の覇王をいただく王国の噂に不安を覚えていた。そのカララクにひとつの予言を持って生まれた姫がいた。14の年を迎える時、国が滅びるといわれた姫君は幼い頃から塔に幽閉されて育った。父王とターン神殿の長は、その滅びの運命を宿敵ツェクタハンに向かわせんとし、ツェクタハンの蒼竜王に姫との婚儀を申し出る。



再読です。
初読は1992年7月14日。

また読んでみようと思ったのは、同著者による『翼の帰る処』を読んだ折、どこかの感想で
(すみませんどこだか忘れました)、化鳥の騎士団が既刊で既出であるという事を読んだため。
不覚にも私は『翼の帰る処』を読んでいる間、そんなことは全然思い出さなかったのでした。既刊だって読んでたはずなのに、私のバカ!

というわけで、図書館本もなかなか到着せずちょうど暇だったので手にとって読み始めました。

うわー、ホントに何にも覚えてない。私ったら、ホントにバカだ!

ということはこの話には関係ないのでとりあえず置いておく。

お話は詩人による語りという体裁で進んでゆく、遠い昔に思いを馳せるというような雰囲気の格調高いファンタジーです。
雰囲気的にはタニス・リーに似ているかな。
語り手と登場人物との間に距離があり、過去の出来事を語っているという感じかとても濃厚で、物語ってこういう物をいうんだよなあ、うっとり、という作品でした。

『翼の帰る処』と比べると直接話法と間接話法くらいの違いがあり、技術的にはおんなじ三人称でも多視点と単視点の違いから来る臨場感の差があります。
たぶん、感情移入するという点では『翼の帰る処』のほうが楽だろうと思われますが、華麗な文章でつづるにはこの作品のほうが適しているかと。

それで、夢のような伝説のような不思議な雰囲気を濃厚に暗示する話にするのが楽なんだろうと私は感じました。

ただし、読み手は限られてくるだろうなー。
私はとても好きですが。
いま読むとタニス・リーっぽさがちと濃いような気もしますが、美しい文章だと思います。

なにより、『翼の帰る処』の前日譚がよーくわかりました。
多分、このふたりが皇女達の祖先なんだな、ふむふむ。
ということで読んで幸せな気持ちになりました。

時間があったら続きも読もうっと。

この本自体は絶版でアマゾンでも扱っていないようなので、あまりお薦めできないのが辛いです。
どうしても手に入れたい方は古本屋を回っていただくしかないですね。
アマゾンに書影がなかったのでデジカメで撮ってみました。下が切れているのはキーボードで支えて撮ったので後で削除したためです。


翼の帰る処(ところ)〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
妹尾 ゆふ子
4344814665


翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)
妹尾 ゆふ子
4344814932


ところで、これは本当に個人的な感想ですが、この話をすぽんと忘れてしまった理由について。

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『子産 下』

子産〈下〉 (講談社文庫)
宮城谷 昌光
4062738732


[Amazon]


読了。

中国春秋時代の小国・鄭で、礼を知る知識人として情意ある恵人として孔子に敬われた子産とその時代を描く歴史小説の下巻。

国を動かす権力が王から貴族のものへと変化していく時代。
政治を私欲のためではなく国のため民のためのものへと改革していったといわれる子産が主人公のお話です。

宮城谷作品では武人よりも文人に重きが置かれることが多いように感じてますが、この作品もまさにそのタイプ。

子産は行動の人でもありますが、まずもって言葉の人です。
真を持って人びとの心に届く言葉を発することのできる人。
中国史で初めてそういうことのできた政治家だということです。
こういうひとは現代にもなかなかいないよなー、というより、どこかの国にもこんな政治家がいないかいな、としみじみ感じました。うーむ。奥深いぜ、中国。

晋と楚という大国に挟まれ、その場凌ぎに組みする相手を変えてきた鄭にあって、子産の存在はたいそうな幸運だったのだなと思いました。

誰にとっても正しい明確な規範を持って国の態度を決定するということが、どれほどその国の信用に大きく関わってくるのか。さらにいえば、その国の国民に誇りを持たせることになるのか。

国という存在に依って生きていくうえで、それは人間として非常に大切なことなのですね。

深い内容を丁寧に淡々と端正につづってゆく文章にひたりつつ読みました。
あまりのここちよさに何度も読みながら寝たりして(苦笑。

ようするに、この小説、とても血湧き肉躍るというようなドラマチックな話とは言えないのでありまして、ストーリーに鼻面とられてひきずられるようなスリルと興奮とは無縁なのです。

あくまで、子産の人となりとかれをとりまく人間関係をたんたんと受けとめていくお話だと思し召し下さい。

個人的には、子産の父親である子国が中心だった上巻のほうが、展開的に劇的で面白かった。
子産てどこか受け身の人なんですよね、自分からはほとんど行動しない。父親の危機に素早く立ったところが端から見た彼の人生の最大の見せ場だったようで、あとは地道に君主を支える裏方でありつづけようとした人でした。

これでは後世に偉人として語り継がれなかったのもむべなるかなという気がします。
ただ、子産のことを大変に尊敬していた孔子が、子産が亡くなった時に嘆いたということで伝わっているだけの模様。ということは孔子と子産はほぼ同時代の人なんだな。

いろいろと考えさせられて興味深い話でしたが、小説の面白さとしてはもう少しだった気がします。
締めくくりの子産による礼の解説がかなり難しかったです(苦笑。


子産〈上〉 (講談社文庫)
宮城谷 昌光
4062738724


最近撮った写真

デジカメ購入後、外にでるときにカメラ持参のことが多くなり、いろいろと写真を撮ってました。

撮ってるのはほとんど近所ですが、近所とわからないように撮るのが快感です。

青空に雲
これは雲が面白かったので撮ってみた。
電線を入れないようにといろいろ体勢を変えてみましたが、けっきょく入ってるのがなんとも。

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『プリンセスハーツ ~麗しの仮面夫婦の巻~』

プリンセスハーツ―麗しの仮面夫婦の巻 (ルルル文庫)
高殿 円
4094520090


[Amazon]


読了。

ラブあり陰謀ありの近世王宮風異世界ファンタジー。シリーズの第一巻。


アジェンセン大公国の嗣子ルシードは幼い頃大パルメニアに人質として生活していた。故国に帰る時、かれはパルメニアの王女メリルローズと幼い約束を交わした。必ず、彼女を迎えに来ると。故国に帰還したルシードは対立していた父親他の肉親を排除してアジェンセンの大公となった。そして約束通り、メリルローズを妃に迎えたのだったが、実際に輿入れしてきた彼女は、顔が似ているだけの替え玉ジルだった。



うーむ、高殿さんだなあ……と感心してしまう、キャラクターはじけっぱなしのストーリーでした。
あらすじ書いてるだけだと悲劇の匂いプンプンなんだけど、キャラクターのバイタリティーがそれを許さないというか、どうしてここまで明るく元気なんだろうというか。

まずもって制約を果たそうと頑張ったヒーローのルシードが、まるでガキ大将みたいにアホっぽい。一国のあるじとしてどうなのかと思うくらいに子どもっぽい。でも締める時は締めるというキャラクター。

そしてヒロインである替え玉王妃ジルは、沈着冷静を通りこした知的かつ合理主義の鉄面皮女。感情が顔にまったく出ないため他人に不気味がられて魔女とも噂されているけれど、じつは心ではいろいろいろいろと感じまくっている、プリンセスハーツの持ち主。

このふたりに時間厳守が生きてる証の主席秘書官マシアスやら、前王妹の不義の子でガラス細工づくりが趣味のアヴィセンナ(イブン・シーナーかと思ったがどうやら音だけ借りてきたらしい)、パルメニアの陰険使者キーマ=パパラギ(どういう名前だ)などがからみあって、元気に陰謀劇が展開するという案配です。

うーん、楽しい。

楽しいんだけど、なにかがしっくりとこない。
楽しいのですが、なぜかどこかで物語世界に距離を感じてしまうんですよね。少年向けレーベルの作者さんの作品にはあんまり感じないのに少女向けだといつもつきまとうこの違和感の正体はなんなのでしょう。うーむ。

キャラクターを見ている書き手の視点が理屈っぽいからかな?
説明部分もはっきりきっぱりとしてて直球勝負とばかりにどんどんあきらかになるからか?

このあたり、どこまでも遠回しに匂わせていく『彩雲国物語』などとは正反対だなあと感じます。

少女向けというよりやっぱり少年向けと感じるんですよね、読んでいて。でも頭がこれは少女向けだと前提しているのでそこで違和感が生じるのかも。

だから面白いんだけども『銃姫』のほうがもっと面白いんだと感じてしまう私は、作者さんには少年向けを書いて欲しいみたいです。

ところで、この話、以前に出版されたパルメニアを舞台にした物語群と繋がっている模様です。歴史がもっと下っているけれども。

それから、どうやら『銃姫』の世界とも繋がっているみたい。ゲルマリックが出てきた。

つづきは気が向いたら読んでみます。

プリンセスハーツ―両手の花には棘がある、の巻 (ルルル文庫)
高殿 円
4094520368


20081211の購入

記事は作ってあったのにアップするのを忘れてました。

竜の夢見る街で 1 (ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫)
縞田 理理 樹 要
440354133X



e-honで購入。

発売日に買いに行けなくて結局買えてない本があるのですが、もうあきらめようかななどと考えてしまったり。一年も経てば図書館で読めるしな。

『乱鴉の饗宴 下 氷と炎の歌4』

乱鴉の饗宴 下 氷と炎の歌 4
ジョージ・R・R・マーティン酒井昭伸
4152089407


[Amazon]


読了。

分厚い世界設定と非情なストーリー展開で読ませる、怒濤の異世界ファンタジー巨編。シリーズ第四作の下巻。

読んだ、読み終えた、やっとやっと読み終えたー!!!

と、歓喜の声をあげたくなるほど緊張と不安と衝撃に振りまわされつづけた一冊でした。

もうシリーズもここまでつづくと何を書いてもネタバレになるんで、何を書いたらよいのか。というか、もう何も書かなくていいじゃん、と投げ捨てたくなるほどものすごいシリーズです。

この密度と緊張でいったいどこまでつづけていくんだろう。読んでるこちらが何度も息切れしそうでした。実際、こんなに先が気になるのに一気読みができません。疲れるんです、ものすっごく。果て果てなんです、疲労困憊。読んでるだけなのに。こんな話、いったいどうやって書いてるんだろう……?

感想ばかり書いていてもどんな話が伝わらないんじゃないかと思うので、アウトラインを。

中世のヨーロッパ、とくにブリテン島みたいな大陸を舞台に、王国分裂によって生じた領土と生存権を巡る権力争いを、おおまかに七つの陣営の人びとを中心に描く、連作短篇を集めてつづる群像劇大作です。

基本ベースが戦乱の非常時ということで、非情な政治劇や権力闘争、殺伐とした戦いに治安状態の悪化による不法状態の凄惨なありさまと、かなりハードな描写が続くので心臓が弱い人は気をつけたほうがいいかも。

しかし、物語世界の厚みや人物造詣の周到さ、徹底的に甘さを廃した展開などなど、重厚な異世界戦記ファンタジーをお望みの方にはぜひぜひ読んでいただきたい一作です。

ただただ殺伐としているだけでなく、そこにさらに深みをもたらす幻想の存在も忘れてはいけません。ファンタジー読みとしても陶酔できるシーンが多々あります。

とはいえ、この第四作はそれほどおおっと思うシーンはなかったかな。
タースの乙女が夢とうつつをさまようあいだに目の当たりにしたなにかが一番それらしかったかも。

それにしても、数えてみれば五日で読み終えてるんだけど、もっと長くかかったような気がしている。緊張に耐えられなくて途中で他の本に逃避したりもしました。しかし、読み終えた時には大きな山を踏破した充実感と「他の人たちはどうなってんだ!」という不満が爆発しました。

作者あとがきによると、この巻はもともとの物語を半分に分けたものらしい。あまりにも長くなるので二冊に分けたんだとか。すでに日本版では二冊に分冊されているわけですが。それでもって多分文庫になる時はさらに冊数が多くなるはずなんだけど。

というわけで、残りの陣営の物語はシリーズ第五作へということらしい。刊行された時点ではまだできあがっていなかったという第五作。

すごく気になる気になる気になる。

乱鴉の饗宴 上 氷と炎の歌 4
ジョージ・R・R・マーティン 酒井昭伸
4152089393


この素晴らしい話にあえて難をつけるとすると、あまりに緊迫感が続くのでそれぞれのラストに来る衝撃シーンのインパクトにだんだん麻痺してきて、知らないうちにそれがフツー状態に陥ることかな。

もっと緩急があればさらにショックが高まるのではと思う。

そんなことを考えたら、本邦にあるではないかと気づきました。最近、緩急の緩ばかりが長いので緊張感が薄れ気味だけど、長さと壮大さと登場人物の多さならけして負けていない大長編が!
あの話をもう少し緊密に書いたらタメ張れるんじゃないかと思うんだけど。

ちょっと離れていたシリーズですが、なんとなく読みたくなってきたぞ……。

『Landreaall 13』

Landreaall 13 (13) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
おがき ちか
4758053758



借りて読了。

異世界ファンタジー、いまのところ学園ものの最新刊。

全巻これクライマックス、って感じの一冊でした。
未知のモンスターに襲われて助けはあてにならない、アカデミーの生徒達だけで精一杯の防御をして生きのびようという、頑張る若人達のお話。

前の巻で唐突にモンスターが現れたのにちょっと違和感を抱いていたのですが、これがあの可愛いものにつながるエピソードになるなんて、う、わ、あ、です。

それぞれに得意技を活かしての防御戦。これまでほのぼのと描かれてきた人間関係やなにやかやはみんなこのためだったのかなあ、などと思いました。

主役のDXがほとんど活躍しない巻でしたが、そんなことは忘れるくらい面白かったです。
とはいえ、完全に忘れられたわけではなく、それは出てくるみんなが「ここに彼がいたら」なんて思ってくれちゃうからでございます。

穴を露呈すまいと必死のティティの姿には感動と呆れが入り交じりました。そんなになるまで頑張らなくても……!

こんなに盛りあがったあとで、この話はいったいどういう方向に進むのだろう?
期待と不安が入り交じりますが、やはり期待のほうが大きいです。

ところで。
アンちゃんって性別どっち?


この巻に出てこなかったDXたちの活躍は前巻で↓。
Landreaall 12 (12) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
おがき ちか
4758053537


『エノーラ・ホームズの事件簿 ~消えた公爵家の子息~』

エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)
ナンシー・スプリンガー 杉田 七重
4094520309


[Amazon]


読了。

アメリカ人作家による、シャーロック・ホームズの妹をヒロインとしたミステリ小説。シリーズ一冊目。


母とふたりぐらしのエノーラ。両親の恥かきっ子として生まれた彼女に母がつけた名前はalone(ひとりで)の逆さ読みで「あなたはひとりで、ちゃんとやっていくのよ」と言われつづけて育った。その母がエノーラの十四歳の誕生日に行方不明になってしまった。駆けつけた年の離れた兄二人は、マイクロフトとシャーロック。あの有名な私立探偵、シャーロックだ。二人の話からエノーラは母と自分が置かれていた状況をようやく理解する。母の残した誕生日プレゼントに潜んでいた暗号を解読しながら、みずからも自分の足で歩み出そうと決意する。



少女向けヴィクトリアン冒険ミステリ。
シャーロック・ホームズの妹が主人公というのも興味深いですが、作者がまた驚きの本でした。
ナンシー・スプリンガーといえば、すこしばかり年季の入った翻訳ファンタジー読みならケルト風ファンタジーシリーズ「アイルの書」の作者としてご存じだろうと思います。
その作者が、ファンタジーでなく少女向け時代ミステリ?

疑問は読み進むにつれて解けてゆきましたが、まあ、それはこの本自体にはあまり関係ないので置いておくとして。

最初に感じたのは、やっぱり欧米人の書くヴィクトリア朝を舞台にした小説はリアリティーが違うなあ、というものでした。

昨今、日本では何故かそのあたりのイングランドものが大流行で、それこそ雨後の竹の子のようにあちらでもこちらでも眼にします。それぞれに勉強の跡が見えてなかにはこれは素晴らしいと思うものも複数ありますが、やはり、土台となっている文化を共有していたかどうかというところでこんなに違いが出るんだなと。

欧米文化が想像でしかない日本人の書くものは体感的な部分にファンタジーが入ってしまうのは仕方ないんだなあ。

具体的にこの作品でいえば、とくにコルセットやバッスルの書かれ方にそれを強く感じました。

当時のイングランドを階級社会であることも女性を差別する文化であることも含めてここまでさらりと自然に描いて、さらに前進しようと希望を求める少女をそこにリアリティーを持って描き出すこと。

そのあたりがとても素晴らしいと思いました。

謎解きものとしての質は私にはわかりませんが、シャーロック・ホームズの妹であることもたんなるつけ足しではなく物語としてヒロインの効果的な前提となっているなと感じます。
なにより、この話に出てくるシャーロック・ホームズはとってもカッコイイです。

この話でナンシー・スプリンガーが描きたかったのは、理不尽な社会にあまんじて生きることはない。自分から積極的に打開策を考えて実行すればいいのだ、ということなのかなと思われます。

このシリーズが翻訳されるまえ、最後に刊行された著書『炎の天使』の解説(か、もしくは訳者あとがき)に、スプリンガー自身が抑圧された生活を送っていたことなどが書かれていたように記憶しています。

これは若い読者に向かってのスプリンガーのメッセージなのかも。

読み終えた時にはすがすがしい風が吹き渡っていったような爽やかさが残りました。

ところで、作中にも出てきますが、やっぱりシャーロックという名はどう考えてもイングランド人の普通の名前ではないと思うよ、私は。

シリーズのつづきはこちら↓
エノーラ・ホームズの事件簿―ふたつの顔を持つ令嬢 (ルルル文庫)
ナンシー・スプリンガー 杉田 七重
4094520759


炎の天使 (ハヤカワ文庫FT)
ナンシー・スプリンガー 梶元 靖子
4150202311


「アイルの書」の一冊目。当然絶版ですが。
白い鹿 (ハヤカワ文庫 FT―アイルの書 (68))
ナンシー・スプリンガー
4150200688


『犬夜叉 15』

犬夜叉 (15) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
409125585X



読了。

現代日本から戦国時代へとトリップした中学三年生の日暮かごめ。彼女が半妖の少年犬夜叉や仲間達とともに四魂の玉の欠片を探して旅をする、伝奇アクションメロドラマコメディーファンタジー、シリーズ第十五巻。

だんだんつけてる肩書きが長くなってきたなー、つけてるのは私だけどね(笑。

今回も楽しく読めました。

この巻は、犬夜叉と喧嘩して実家に戻ったかごめちゃんがいろいろと心境に変化があってまた戦国時代に戻ってくるエピソード、風使い・神楽が策略をもちいて妖狼族の若頭鋼牙と犬夜叉を戦わせるエピソード、弥勒様の知り合いの娘・小春が神楽の姉の神無の策略に利用されるエピソードの途中まで、が収録されています。

かごめちゃんと犬夜叉の喧嘩の結末に至るまでの話はほのぼのとラブコメで、「めぞん一刻」を彷彿とさせるような楽しさでした。
意地っ張りの犬夜叉が、かごめちゃんの部屋で匂いに浸るシーン、かわいいのとやっぱり犬だなあというのと両方の意味でほほえましかったです。床についたお座り状態の手足の跡が笑えた。

初登場の神楽は……なんと初めは癖っ毛だったのか!
それで描いていくうちにストレートになっていくと。この経過ってかごめちゃんといっしょですね(苦笑。
風使いとしてかなりの強敵であり、性格も男勝りと見うけられた神楽ですが、鉄砕牙の斬撃を受けて半身があらわになった時はドキッとしました。色っぽーい!
これまでの話では見られなかったタイプの女性ですね。これは楽しみです~。

神楽の姉の神無はまだいまいち正体がつかめていないのですが、姉なのに幼く見えるということはおそらく神楽よりも妖力が強いのだと思います。

このふたり、どちらも奈落の分身なんですよね。
奈落の身体がどんどんグロくなっていくのがちょっと快感。

それと弥勒様と珊瑚ちゃんの間柄が徐々にクローズアップされてきたのが嬉しいです。
七宝ちゃんが言わなくてもいいおませなことを言いたい放題なのがまた楽しくて。

今回は爺様キャラがでてきませんでしたが、ほかにいろいろと楽しみができた巻でした。

ひきつづき、つづきを予約したいと思いますv

犬夜叉 (16) (少年サンデーコミックス)
高橋 留美子
4091255868


20081205の購入

VOICES
上野洋子
B00005IIKN


iTunes Cardを買ってきたのでiTunes Storeにて購入。

今、上野洋子さんの歌をとても聴きたいんですが、ほとんどがアニメ関連なので買いにくい(汗。いや、アニメが嫌いな訳じゃないんですが、上野さんのだけ聴きたいので困るんですよ。iTunes Storeでもっとたくさん扱ってくれないかな。ソロアルバムはこれともう一枚しか扱ってないです。アニメのアルバムも入れてくれたら単曲買いが出来るのに。

あとはレンタルか~。

『戦う司書と終章の獣』

戦う司書と終章の獣 (集英社スーパーダッシュ文庫)
山形 石雄
4086304171


[Amazon]


読了。

人が死ぬと「本」となる世界で武装司書と神溺教団の戦いを描く、アクションSFファンタジー。シリーズ第八作。

タイトルからてっきりこれで完結なのかと思っていましたが、まだ終わってません。

のっけから意気阻喪するような文章で申し訳ない。
相変わらず淡々として冷静で距離感があってスピーディーな物語です。

今回は、終章の獣という化け物が暴れ狂うなか、武装司書のとんでもない正体が全体に暴露されて大混乱、という展開。

まだ終わりではないけれどクライマックスに向かってまっしぐら、なのは間違いのないところかと思われます。

うーむ、面白い。
マットアラストさんとハミュッツ=メセタの過去がとても興味深かったです。
いままでは視点人物が別にいて、ハミュッツは不気味で謎で冷酷で好戦的という破天荒なバントーラ図書館館長代行として背景にいたわけですが、今回は彼女がメイン。彼女が、というか彼と彼女ですね。メインといってもハミュッツの謎は解けたような解けてないような微妙な感じなんだけど、それでも今までよりは得体が知れてきた気はします。

それとは別に、私にとってのこの話の面白さはどこにあるんだろうとちと考えてしまったりもしました。

普段の私の読書嗜好からすると、このシリーズの描写は生活感が全くなくてその場の臨場感もほとんどなくて、キャラクターばかりがめだっているというかなりものたりないところなのですが、それを気にすることなくすらすら読めてしまうというのは、何が原因なんでしょうか?

そのあたりが自分でもよくわからなくて、それはいったいどうしてなんだろうかと。

無理矢理ひねり出してきた答えは、叙事詩的だから、かなあというもの。
北欧神話は形容詞がほとんどないのにとても魅力的に感じますが、過去神バントーラのもとで戦う武装司書と神溺教団の戦いが世界成立の根幹に関わっているというあたりの、とても戦闘的かつ殺伐とした雰囲気がすこしばかりそれと似ているのかなーとか。

書いてるうちに大外れのような気もしてきましたが、とにかく、私がこのシリーズに魅せられていることは確かなので、いちいち理由を詮索する必要はないのでしょう。←自分で振っておいてこの態度はないだろう。

とにかく、よくわからないながらもつづきを楽しみにしております。
完結までぜひぜひ刊行してください。

シリーズ第一巻はこちら。
戦う司書と恋する爆弾 (集英社スーパーダッシュ文庫)
山形 石雄
4086302578