『送り人の娘』

送り人の娘 (カドカワ銀のさじシリーズ)
廣嶋 玲子
4048739964


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読了。


古代日本を舞台に、死人の魂を黄泉に送る能力を持つ送り人の少女の出会う運命と神々の因縁をえがく、生と死のファンタジー。


額に第三の目を刻み、一生を死人の魂を黄泉へと送り出す送り人であることを使命としてきた真由良は、おのれの生涯の終わりが近いことに気づいた。猛日王によって滅ぼされた火具地の女王・大火美姫は女の赤子を生み落として息をひきとる。真由良は送り人の力を持つものを探していてみつけた赤子を、猛日王のもとからひきとり、みずからの後継者として育てた。伊予と名づけられた赤子はすくすくと育ち、送り人になるための修練を順調につづけてきた。だが、額に送り人のしるしである目の刺青を入れられた途端、村人からむけられるようになった忌避のまなざしにふかく傷ついていた。そんなおり、伊予は無惨に傷つけられた狼の死に際に出会い、思いもよらなかったことをしでかしてしまう。




死に真正面から向かいあい、受け入れる姿勢の印象的なファンタジーでした。
私にとってファンタジーの王道はこれだ、といいたいようなファンタジーです。


物語は、ともすると迷ってしまう死魂を黄泉へとすみやかに送り出すことを使命とする送り人の在り方と、死を忌み嫌い永遠に生きることに執着する人間の対決という構図で描かれます。

ここにあるのは、死は厭うものではない、黄泉の女神のもとにゆき抱かれる、新たな生を得るための一段階に過ぎない、という考え方です。

生と死は分断されているものではなく、それぞれが生命の一形態であるということでしょうか。

ただ、この視点は高く俯瞰的なもので、ふだん日常でそのことをつねに意識しているのは送り人だけです。
なので、一般人にとっての送り人とは死の象徴であり、親しい人との別離を意味する不吉な存在になってしまうのですね。

そしてその極端な例が、永遠の生を求める猛日王なのだと思いました。

かれの行為は残酷で自己中心的ですが、その背景にあるかれの過去も過酷なものでした。
かれの不幸は、側に送り人か、それにかわるような視点をもつ宗教者の不在だなと思う。

怒りに心を縛られた不自由なひと、というのが私の猛日王のイメージでした。

……と話の構造にばかり言及しておりますが、古代日本を舞台にしたひとりの少女の成長物語として、きちんとまとまったお話だなというのが第一の印象なので、こうなってしまいます。

序盤の自然や文化のディテール豊かな雰囲気はとても好きです。

伊予の出生や猛日王の登場シーンも迫力があって心ときめきました。

なので、次第に話を進めることが優先というか、駆け足というか、だんだん語りがせわしなくなっていくのがとても残念。

妖狼の闇真や、けなげな少年・狭霧など、個性的なキャラクターが配してあるのに、活躍度がいまいちなのももったいないです。

もっとも印象的なのは猛日王と側近の呪術師・名護のコンビで、これに匹敵するパワーを持った存在がいなかったのがものたりない原因かなーと思いました。

それと、最後にいきなりスケールが大きくなったのも違和感になったような気がします。

話としては変なところはないと思うのですが、うーむ、なにかが足りないと思ってしまう。
やはり後半急ぎすぎた気がしますねえ。
もうすこし紙幅を費やして、じっくりと描いて欲しかった。
しかしそうすると本が分厚く、お値段も高くなってしまうわけで。

悩ましいところであります。

『巨石 イギリス・アイルランドの古代を歩く』

巨石―イギリス・アイルランドの古代を歩く
山田 英春
4152087404


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読了。


イギリス、アイルランドにある巨石遺跡群の写真がとってもすばらしい、エッセイつき写真集。

こ、れ、は、!

なんと素晴らしい本でしょう。
ストーン・ヘンジに代表されるイギリス、アイルランドの巨石遺構の写真満載の単行本です。
写真はオールカラー。
地図やイラストも豊富で、それぞれの遺跡について添えられているエッセイは著者自身の体験談をエッセンスとして読みやすく、ためになる情報(たぶんかなり新しい)もふんだんです。

でもやっぱり、主役はこの巨石の写真。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドと区分されてあらわれる、その威容、かむさびた風情、周囲の野趣あふれる風景に目を奪われます。

巨石の群れがなにものにも邪魔されることなく、すっくと浮かびあがるこのたいらな荒れ地に、太陽や風や霧やなにやらの自然現象の及ぼす効果の見事なこと。

足もとに繁茂するハリエニシダ。(ハリエニシダってこういう草&花だったのね!)

のんびりと草をはむ羊たち。(ショーンがいる!)

眺めていると、巨石のある空間にダイブして風の匂いをかいでいるような、素敵な気分になれました。

巨石文明の担い手は謎に包まれています。
巨石にまつわる伝説は、ほぼすべて後世の人々が勝手に生みだしていったものらしいですが、その伝説が当時の時代背景を如実に反映しているというくだりには、なるほどーと納得しました。

著者は古代史や考古学の専門家ではないようですが、1990年代から趣味で古代遺跡の写真を撮り歩いているそうです。
趣味と侮ることなかれ。
こんなにたくさんの巨石写真をものするためには、そうとうな労力と時間が費やされたはず。

好きだから骨身を惜しまずになんでもできる。

その集大成がこの本なのではないかと、私はそう思いました。

いま、ここではない、どこかに思いを馳せるのにもってこいの本だと思います。

『のだめカンタービレ 24』

のだめカンタービレ(24) (KC KISS)
二ノ宮 知子
4063407950


読了。


クラシック音楽コメディーマンガの、本編終了後の番外「アンコールオペラ編」の開幕編。

番外編っていったいどんなものだろうと思っていたら、まるで連載開始当初に戻ったかのようなテイストの、おバカコメディーになってました。
笑って笑って、ちょっとタメになる感じ。

ストーリーはつねづねオペラを振りたいと勉強していた千秋に、R☆Sオーケストラからオペラ指揮のオファーが舞い込んだところから出発。

日本で初めての仕事がR☆Sということに感慨を抱きつつ、向かった仕事場で出会った市民オペラがなんと、桃ヶ丘音大の知り合いブー子こと菅沼沙也主宰の「白い薔薇歌劇団」。

もちろん普通に事が進むはずもなく、はちゃめちゃながら細部にリアリティーのある展開、心を鷲づかみにされました。

R☆Sオケの懐かしい面々に多士済々のオーディションによってえらばれたキャストたち、ちょい役で現れる桃ヶ丘音大の先生たち、みんなこれまで培ってきた個性全開。

もちろんのだめも、のだめらしく飛びまわってますが、今回は菅沼さんに押され気味です。
千秋って態度は俺様だけど世話焼きだよね、ほんとうに。
菅沼さんと千秋先輩とのからみにのだめが既視感を覚えるのは当然かと思います。いや、笑えます。

ほかにもネタはいろいろあって、買ってからもう何回読み返したかわかりません(苦笑。

のだめがクラシックライフのふたりに「NODAMEさん」と呼ばれていたのは、もしかしてのだめは「のだめ」名義でピアノ演奏活動をしているのでしょうか。

なぜか演出家になっている峰君の活躍や、黒木君とターニャのその後も楽しかったです。

番外編だから単発読み切りの連作みたいなのかと想像していたのですが、オペラのできるまでのストーリーなんですね。

クラシックは素人ですがオペラのことはさらに知らなかったのでかなりお勉強になりました。

そして、「わたしはプロのティンパニー奏者よ!!」と叫ぶ真澄ちゃんがたいへんにお気の毒でしたww

つづきがとっても楽しみデス。

20100427の購入

体力増進のために外出しました。ただの散歩とも言う。


伯爵と妖精 愛しき人へ十二夜の祈りを (コバルト文庫) (伯爵と妖精シリーズ)
谷 瑞恵 高星 麻子
4086014025


以上、購入。

『伯爵と妖精』新刊は短篇集みたいです。

私にとっての散歩は本屋に行くというのと同意義であります。
本屋に行けないのなら外出に意味はない、とも言う。

20100426の購入

図書館本を受けとるついでに本屋に行きました。

のだめカンタービレ(24) (KC KISS)
二ノ宮 知子
4063407950


以上、購入。

番外編の「アンコールオペラ編」のスタートです。


雨降りと体調不良がつづき、ものすごく久しぶりの外出となりました。
四月の初めには毎日散歩するとか宣言していたのはいつのまにか雲散霧消。
こんなに体調が悪かったのって、去年の原因不明の発熱事件以来じゃないでしょうか。

すっかり体が鈍ってしまったので試運転と称してちょっとだけ歩いてきましたが、もう脚が張ってるし。

これは体力を取り戻すのに時間がかかりそうだなー。
しかも既に紫外線がびしばしの季節ですよ。

まあ、あせらずぼちぼちすることにします。(いつものように)

『われら濁流を遡る バンダル・アード=ケナード』

われら濁流を遡る―バンダル・アード=ケナード (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
4125011060



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読了。


戦乱の続くヨーロッパ風異世界を舞台に傭兵たちの活躍を皮肉まじりの陽気さとともに描く、戦争冒険小説「バンダル・アード=ケナード」シリーズ、第四作。


エンレイズとガルヴォの二大国の争いは長期間にわたって続いていた。エンレイズに雇われている腕利きと評判の傭兵部隊バンダル・アード=ケナードは、正規軍に押しやられて歓楽街にようやくの休憩を得ていた。ところが、そこで休憩する変わりにと娼婦街の顔役に妊娠した元娼婦の故郷までの護衛を要請される。バンダル・アード=ケナード隊長ジア・シャリースは、昔なじみのエンレイズ将校ハヴィから届いた雇用要請とを鑑み、そこに向かうついでならばと契約を交わした。バンダルは元娼婦ヴェルマと付き添いの娘サリアをつれて行軍を開始する。




おっさんばかりの話に花が二輪くわわりました。
けど、結果的にはそれほど潤ったとはいえないかも。
いや、たしかにほのかな恋の予感はあったけれども。
読みどころはやはりおっさんたちの活躍にあります。

そもそもこの作家さんの持ち味は恋愛描写にはないのですよねえ。

おっさんばかり、というあたりは雰囲気的に『エロイカより愛をこめて』と通じるものがあるかもしれません。
しかし、こちらはより人情話っぽさを感じます。スケールはそれほど大きくないです。だいたい、事件の発端となるのがたいていエンレイズ軍の無能さなんで……。無能な正規軍の尻ぬぐいをさせられる傭兵部隊の苦労多く実り少ない顛末を描く戦記物です。

時代的には、中世末期から近世への過渡期くらいなのかな。
騎士階級は出てこないけど、火薬や銃も出てこないし。

シャリースの生い立ちには、大国に併呑されて故郷を失った民族の哀しみがあります。
かれの民族がやたらと傭兵をしているらしいことから、この辺はなんとなくスイスみたいな気がする。

と、設定などをいろいろと推測などしなくても、腕利きの男たちのプロフェッショナルな活躍を読んでスカッとしたいけど、リアリティーもちょっとほしいな、的な需要を満してくれるシリーズです。

バンダル・アード=ケナードの隊員たちの個性あふれる掛け合いも楽しいです。

白狼エルディルちゃんとその母親(笑)も、今回は徹底的に脇でしたが、ちゃんと活躍してくれてます。

個人的には、イラストレーターによる巻末ページに大いに受けました。

つづきも出て欲しいシリーズです。


シリーズ開幕編はこちら。

運命は剣を差し出す―バンダル・アード=ケナード〈1〉 (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
4125008337

『世界画廊の住人 地下迷宮の物語』

世界画廊の住人―地下迷宮の物語 (幻狼ファンタジアノベルス)
栗原 ちひろ 石据 カチル
4344818407


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いただいて読了。


みずからの存在意義に苦悩する青年と、かれを利用する騒がせ屋と名乗る男とのかかわりあいを、理知的かつシニカルに描く、画に描かれた世界をめぐる物語の第二弾。



元錬金術師で、悪しき言葉による世界の変革を目指した『深淵派』の幹部だった青年カルヴァスは、いまや『深淵派』に追われる身となった。カルヴァスは故郷の港町《カサネ》にひそかに戻ってきたが、自分の記憶と過去が乖離しているようで落ち着かない。商売を営む裕福な一家の御曹司としての自分にもなじめなかった。昔の名前で自分を呼ぶ女との約束も記憶になかった。しかしかれは否応なく何者かの罠に陥れられ、街のお尋ね者になってしまう。そんなかれをなぜかかくまってくれたのは、馬車で行き会っただけのオドと名乗る男だった。かれはみずからを騒がせ屋だといい、自分は面白いことが大好きだから面白いことをするのだと笑った。




微妙に意訳が入ってしまった気がしますが、だいたいはこんなお話です。

言葉選びと文章に独特のセンスがあり、小道具や舞台の雰囲気がとてもすてきでした。

自分と世界との間に距離を感じ、生きていることに意味を見いだせなくなっているカルヴァスが、世界を思い通りにしてやろうとするオドと出会い、地下迷宮に連れていかれて出会った「女王」レムナに心をうごかされる。

キャラクターとの距離のある熱の少ない文章が、じつはかなり熱いことを語っているというギャップが、この作者さんの特徴かなと思います。

それがわたしに物語を全体としてうけとめさせ、最後まで平静に読ませるのかなあと思いました。

だからクライマックスにおこる怒濤のカタストロフがこんなにも腑に落ちるのかな。
でも、それが意外に感じられないのもこの距離感のせいかもしれないなとも思ったり。

物語がどのように構成されているかとともに、物語世界がどのように成り立っているかを同時に考えさせてくれる、とても理知的な小説ですね。

でもって、そこがだれかが恣意的に創った世界であっても、生きているものの使命は精一杯生きることなのだ、といっているような気がしたお話でした。

いつもながら、作品としてきちんとつくりあげられてあるお話でした。
なかなか核心に切り込んでこない遠回しな描き方はとても技巧的で上品。

残念だったのは、そのせいかなかなか物語世界に入り込めないという状態が、今回もけっこう長くつづいたことでした。

カルヴァスが現実からわざと意識を遠ざけていたからかもしれないけど、かれが本気になるまでは私も世界が勝手に通りすぎていくような心地でいたので、ぼやーんと読んでしまった(汗。

いままで読んだ作品も大体こんな感じだったので、これが作者さんの仕様なのかもしれませんが、すこし損をしているんじゃないかなと気になりました。


世界画廊の住人 (幻狼ファンタジアノベルス)
栗原 ちひろ 石据 カチル
4344816323

『「エロイカより愛をこめて」の創りかた』

「エロイカより愛をこめて」の創りかた (マガジンハウス文庫)
青池 保子
4838770405


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読了。


最近になってマンガ『エロイカより愛をこめて』を読み始めた友人がいて、話をしているうちについ読み返したりしてにわかにマイブームと化し、つのるストレスの後押しもあって、つい購入してしまいました。

マンガ家青池保子先生のエッセイです。

すごく楽しかった!!!

これはファンの人は必読。
これまであまり露出してこなかったせいもありますが、著者の創作に対する並々ならぬ熱意と心構えがひしひしと伝わってくる裏話には、興味ぶかいをこえて圧倒されました。

緻密に組まれた構成に、軽妙な会話。
個性的すぎるキャラクターを十分に生かし切った展開。

それにくわえて、現地の人が見ても「まさにそのとおり」だという正確な情報を再現する美しい画面。

日本人が見てもわからないような細部にまで本物にこだわった創作には本当に頭が下がります。

読んでいていろんなところでプロフェッショナルであるということについて考えさせられました。
「自分ならこの題材をもっとおもしろく描ける」という自信は、積み重ねてきた経験とプロとしての自負から自然に湧いてくるものなんだろうなあ。

目次は以下の通りです。


★『エロイカ』アルバム イラスト名作、取材旅行秘蔵写真、海外の『エロイカ』、作家ポートレイト

はじめに

PartI 人気キャラクターたちの誕生と成長

第1章●少佐の筋肉&制服は、作者の幼児体験から
第2章●伯爵の原型は『レッド・ツェッペリン』のロバート・プラント
第3章●恐るべきおやじコンビ「仔熊のミーシャ」と「白クマ」
第4章●少佐の部下たち、ABDEG、そしてZ
第5章●おちゃらけ大魔王ロレンス、純情マフィアのボロボロンテ

PartII アイデアから完成まで、制作のプロセス

第6章●ビザンチン遺跡の資料
第7章●『皇帝円舞曲』とオーストリアの読者たち
第8章●物語を考え、ネームを組み立てるまでのプロセス
第9章●アシスタントたちとの仕事の現場
第10章●カラー原稿の構想から、仕上がりまで
第11章●仕事場には怪しいモノも、やってくる
第12章●スペイン取材旅行で出会った、不思議な犬
第13章●雑談、本、映画……すべてがアイデアのヒント

PartIII 青池保子の創りかた

第14章●たまには伯爵の楽しい美術講座
第15章●青池保子の創りかた
第16章●番外編・ドイツ軍の雑誌に載った『エロイカ』の記事が大反響

幻の合作★蔵出し★前口上
『いまごろなぜか真夜中のカレーライス・パーティー』(79年)大島弓子、おおやちき、青池保子
『はえかぶり姫』(80年)大島弓子、おおやちき、樹村みのり、青池保子、豪華絢爛・夢の競演!

☆青池保子 年譜
☆『エロイカより愛をこめて』本編と番外編のリスト
☆作品リスト
☆口絵・『エロイカ』アルバム解説
☆本文・注index

あとがき
文庫版あとがき●『アルカサル』完成、宝塚、展覧会、そして『エロイカ』再開
解説●三浦しをん●青池保子さんに愛をこめて




青池先生ももう還暦を迎えられたとのこと。
作家生命の残りを見すえての覚悟をあとがきに記しておいでですが、いつまでもお元気でおじさんたちの活躍を書いていてほしいなあと、中学時代から読んでいる一ファンとしては願うばかりです。
作風からしてたいへんだろうなーとは思うのですが。


ところで文庫版は巻頭のカラーページがすべてモノクロになってますので、余裕がおありなら単行本を買うことをお薦めいたします。


単行本はこちら。

「エロイカより愛をこめて」の創りかた
4838715633

『鷹姫さま お鳥見女房』

鷹姫さま―お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194262


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読了。


江戸時代、お江戸の郊外で代々将軍家の御鳥見役としてすごしてきた一家の苦あれば楽もある日常を、妻であり母親であり祖母である四十の女性を中心に季節感ゆたかに描く、時代家族小説シリーズの第三巻。

面白かった!
これまで読んできてこの巻が一番面白かったです。

御家人ではあるけれども薄給でかなりの貧乏暮らしの中、たくさんの居候を抱えての日々が続いていた矢島家でしたが、この巻では源太夫と多津が夫婦となって子どもたちとともに出ていってます。といっても場所は目と鼻の先でしょっちゅう行き来しているようですが。

無事に帰還したあるじの伴之助がまだ任務で負った心の傷に苦しむさまを、そっとみまもる珠世さん。

彼女の見守るのは夫だけではありません。

次女の君江は御徒目付の嫡男隼人と奥ゆかしく恋愛中。
次男の久之助にも新たな出会いが。
そして、長男の久太郎には、降ってわいたような縁談話が。

この久太郎君のはなしがとても楽しかった。
御鳥見役の見習いとしてつとめるうちに鷹に魅せられつつあるかれのまえに現れるのが、タイトルロールの「鷹姫さま」なのです。

どのはなしも、珠世さんの見守るすがたをあらわすように適度に距離を置いて描かれて、ときにもどかしくなることもありますが、必要以上に踏み込まないということは想像する余地がたくさんあるってことでもあるなあと、ちょっと感動したりも。

若者たちの恋愛エピソードも、ラノベなら必須であるような部分が簡単に略されてますが、それらはべつにわざわざ書かれなくとも想像で補える範囲のことだったんだと目から鱗が落ちました。

というわけで、ほんのちょっとほのめかされる端々でしか事実はわからないながら、その名が表すとおりの強烈なツンデレらしい鷹姫さまと久太郎君のこれからがすごく楽しみになっているところです。

いまは珠世さんの見守りモードがとても心地よいです。

若者たちだけでなく、珠世さんのお父上も、珠世さんの従姉のうるさ型おばさん登美さんも、生き生きとしています。

個人的にはしゃぼん玉売りの藤助さんが好きですねえ。
かれの存在感は吟遊詩人や道化のそれに似ていると思うの。

というわけで、とても楽しくなってしまったのですぐさまつづきを予約しました。
はやく届くといいなあ。

狐狸の恋―お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194289

20100421の購入

ストレスの勢いでついぽちりしてしまいました。

「エロイカより愛をこめて」の創りかた (マガジンハウス文庫)
青池 保子
4838770405



お金がないので文庫を買ったけどカラーページがモノクロ化していた。
予算のある方は単行本を買ったほうがいいと思います。

つい読みふけって体調が悪いのに寝不足を追加してしまいました(汗。

『ピアノの森 17』

ピアノの森(17) (モーニングKC)
一色 まこと
4063728811



恵まれない環境に育った天才児・一ノ瀬海とかれの周囲に居合わせたひとびとのピアノへの情熱を描く、音楽コミック。シリーズ第十七巻。

海くんが衝撃的な公式デビューを果たしたショパンコンクール一次選考を終え、この巻は二次選考の開始までが収録されています。

今回印象的だったのは、地元で圧倒的に遊里と思われていながら一次を通過できなかったアダムスキと雨宮君の邂逅と、阿字野先生の圧倒的な演奏を再現するパン・ウェイの壮絶な過去話。

アダムスキの選曲の意図は選考委員にまったくつたわらなかったわけですが、かれとかれのお師匠様のゆるがぬ信頼関係に安堵いたしました。

絶望のどん底にいるのにアダムスキの雨宮君へかける言葉の思いやりに満ちていることにも。
懐の深い、よい男ですねえ。

パン・ウェイの子供時代のあまりの凄惨さには言葉を失いましたが、このときのかれの姿が愛らしくて画面を救ってくれました。
阿字野先生の演奏は、かれの大きな希望になったんですね。
この小僧が、このパン・ウェイに成長するだろうかという疑問も芽生えましたが、驚くほど変化するのが人間だと思うことにいたしますw

二次選考は始まったばかり。
雨宮君を見守る雨宮父の葛藤をも呑みこんで、おのれの最高の演奏を披露するための舞台は続きます。

選考側の様々な思惑までがドラマに波乱をもたらしていく、コンクールとは壮大なドラマなんだなあと感じ入りながらつづきを待ちたいと思います。

海くんの演奏が待ち遠しいです。

『黄金の狩人 3 道化の使命』

黄金の狩人3 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562094


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読了。


王家の暗殺者として育てられた男がふたたび王家を巡る陰謀とその危機に立ち向かう、人間味と幻想ともに豊かな異世界ファンタジーシリーズ「道化の使命」第一部『黄金の狩人』完結編。


あらすじを書くとネタバレになるので遠慮しておきます。

読み終えて虚脱状態に陥ってしまいました。
なんと深く痛みにみちていながら鮮烈で瑞々しい世界の物語なんだろう。

主人公フィッツの苦難の連続の人生に、五感に訴える彩りあふれた世界の描写が深い影と眩い光で陰影をあたえている。

生き物たちの息づかいを感じとりながら、ひらけていく美しい光景。
大きな代償とひきかえにえられる魔法の感覚。
策謀と暴力の根源にある強烈な人間の感情。

ゆたかな物語世界のありさまが、語り手であるフィッツを通して読み手に伝わってくる。

そしてフィッツの孤独と痛み。
それはかれがかれというひととしてあるがゆえのものなのだなと、しみじみと感じてしまいました。

生きていくことは失っていくことなんだなと。
しかし裏返すと、生きていくからこそ獲得していけるのだなと。

その繰り返しが人生なんだなと、読後にじんわりと思いました。

「道化の使命」は三部作でその第一部が終わっただけなのに、こんなに腑抜けてしまうなんて。
このシリーズはものすごいものであると、あらためて感服いたしました。
私はこのシリーズがとても好きです。近年ではこれほど愛しているシリーズは他にないです。と、思います。断言ではないのは私が鳥頭だからです(汗。とにかくすごく好き。このことは真実。


傷心の私はまじない師ジンナの愛猫フェンネルに癒されました。
あくまで猫の俺様流で、ですけどねw

つづきがはやく読みたいです。
今後は〈気〉のひとびととのかかわりが増えるだろうし、外諸島のひとびとも本格的に登場するでしょう。
そして、フィッツはこれからバックキープで道化の従者として暮らすのか、それとも……?

すみやかな刊行をお待ちしています。


黄金の狩人1 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562078

『町でうわさの天狗の子 6』

町でうわさの天狗の子 6 (フラワーコミックス)
岩本 ナオ
4091331785



読了。


天狗の父親を持ってるけどごく普通の女の子の、ゆれうごく女心とちょっと不思議な日常をだいたいはまったりと、ときどきドキドキに描く、ファンタジーコミック。シリーズ第六巻。

この巻は京都での修行から戻ってきた瞬ちゃんとの再会と、クリスマス、年始の行事が立て続きます。

離れていた間に瞬ちゃんとの距離のとり方がわからなくなってしまった秋姫ちゃんの狼狽が楽しかったです、て、楽しんでいいのか?

秋姫ちゃん曰く「ツン98%」の瞬ちゃんですが、かれも内心は相当焦っているのではないかと想像いたします。わはは。

秋姫ちゃんの妄想大暴走! なところも可笑しかった~。

このふたりに石鎚山の五郎坊がからんでのエピソードはあちこちがすれちがいやかけちがいばかり。笑いました。

タケルくんの出番がかなり減ってしまったけど、瞬ちゃんのお友達としてかれは日々を楽しんでいるようなのでよかったです。

じれじれラブのいっぽうでストーリーには不穏な影も射してきて、ますます話が面白くなって参りました。

ワタシ的にはお山で修行中のメンバーがさりげなく人型で活躍してるのが嬉しいです。
タレ目のタヌキ・四郎坊の出番がなにげに増えていますが、今回の目玉は三郎坊でしょうか。
いつのまにか、赤沢ちゃんとハイレベルの恋を演じてるし!
キツネのくせにかっこいいし!

彼と彼女はこれからどうなるのなかあ……。
あ、でも、天狗と人のカップルがいるんだからいいんだよねこの世界では。
ていうか、これもパラノーマルロマンスの部類にはいるのでしょうか、もしかして。

心配なのはやはり秋姫ちゃんですな。
ダメだよ、義理チョコにそんなに手間をかけたらいけないよ、誤解のもとだよ!
と誰も言ってくれないのね、高校生女子たち……(苦笑。

『黄金の狩人 2 道化の使命』

黄金の狩人2 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562086


[Amazon]


読了。

深い心理描写と臨場感にあふれる物語世界が魅力的な異世界ファンタジーシリーズ「ファーシーアの一族」の第二シリーズの二冊目。


死を偽って別人として暮らしていたフィッツが養い子の将来を考えはじめた時、恩師シェイドからの急使が使わされた。口のきけない使者による懇願あるいは命令に逆らうことができず、フィッツは懐かしいバックキープへの道を辿る。すっかり変貌を遂げてしまった思い出の場所で、フィッツは驚愕の事実を告げられる。今はゴールデン卿を名のるかつての道化の従者として、フィッツは道化と王妃の女狩人とともに三人で行く先不明の探索の旅に出る。




はー、面白かったー。

一巻のゆっくりと淡々と過去を懐かしみつつ流れる日々から一転して、いきなり身分詐称と極秘任務をいっぺんにこなさなければならないという急展開。

フィッツが隠しているのは身分だけではないのでふたたび故郷を訪れるというそのことだけで危険です。
しかもファーシーア王家に起きた事件はシビアなもので、物語はしごく深刻に緊迫感を持って進みますが、同時に進むフィッツと道化との主従ごっこがおかしくてなりません。

それから馬や猫の動物たち。
狼ナイトアイズの老いはフィッツに重苦しい影を落としますが、新しい愛馬マイブラックのきかん気ぶりはいままで従順な馬たちばかりしか出てこなかったのでとても新鮮です。

新鮮といえば猫の〈気〉を感じるシーンはとても楽しく興味深かった。
猫ってほんとうに俺様なんですねえ。そしてなぜかやたらに人にのぼりたがるの(苦笑。

物語としては、前シリーズではただ忌まれていた〈気〉を持つひとびとの存在がクローズアップされ、かれらとのかかわりあいがフィッツにさらなる試練を運んでくるような案配です。

〈気〉をつがゆえに処刑され、表向きは死亡しているのにいまだに王家との関わりが絶てず〈技〉を扱うフィッツ。
どっちつかずの姿勢を糾弾する言葉に傷つく姿が痛々しくてなりませんが、そのあたりがこの話の読みどころなので避けて通るわけにはいかないのがジレンマですね。

はやく決着がついて欲しいのと、いつまでもこの世界を味わっていたいのとがごっちゃになり、ああもう、先を早く読みたいのーという心地でこれを書いております。ナイトアイズの体調がとても心配です。


つづきはこちら。

黄金の狩人3 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562094



少年時代のフィッツを描くシリーズ第一巻はこちら。

騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族> (創元推理文庫)
ロビン・ホブ
4488562019

20100417の購入

訃報にふれた先日、衝動的に注文してました。


天界の城 (ハヤカワ文庫 JA (664))
佐藤 史生
4150306648


以上、購入。

これは一度も買ったことがなかったものだったので迷いませんでした。
とはいえ、中身的にはけっこう既読でした。
「阿呆船」はハードカバーで持ってたんだよねえ……遠い目。

ほかの持ってたのに処分しちゃったものは、たいていオンデマンドで手に入るらしいのですが……。
ああ、返す返すも自分が呪わしい!

『暗黒神のくちづけ 処女戦士ジレル』

暗黒神のくちづけ (ハヤカワ文庫 SF 139 処女戦士ジレル)
C.L.ムーア 仁賀 克雄
4150101396


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読了。


十四世紀フランス西部の架空の小国、ジョイリーの女領主ジレルの異界への彷徨を描く、中短編集。

アメリカのSF作家C.L.ムーアが1930年代に書いた暗い色調の幻想譚。再読です。
先日、時間SF短篇集で久しぶりにムーアの作品を読んで急に読み返したくなりました。

収録作品は以下の通り。


暗黒神のくちづけ
暗黒神の幻影
魔法の国
暗黒の国
ヘルズガルド城(団精二訳)

訳者あとがき



長身のうえにしなやかかつすこやかな肉体を持ち、烈火のような気性をそなえた女戦士ジレル。
苦難に挑戦するかのごとく敢然と運命に向かって突き進んだ末にたどりつく、地下や異界での旅路とそこで出会う驚異がメインのストーリー。

ヒロインが強烈なわりに物語は受動的で、わけのわからない異界の法則に流されたあげくになんとか危機を乗り越えるという感じの話が多いです。

ここで描かれる異界は「魔法の国」をのぞいてすべて死の国ですね。
死臭のただよう陰鬱な世界。

延々とつづく異様な世界の描写は不可解であり不快でもあります。
十字架を持っていては入っていけないということは、そこはキリスト教徒の正しい世界ではありえない。

訳者あとがきにもあるようにこれは地獄のみちゆきであるなあと、いまさらに気づきました。
初読の時には異世界の異様さにのまれてそれどころじゃなかったんです。

この異界のありようは悪夢のようです。
というか、たぶん悪夢なんでしょう。

とらえどころのない心理的な抑圧感のつづく文章で描き出されるこの作品は、読み手をかなり選ぶもののように思われます。

好きで読んでる私にしてから、一編につき二、三回は途中で眠ってしまったという、そういう雰囲気の話なわけです。

夢幻の荒野を夢遊病者のごとくさまよい歩くような読書をしたい時に最適だと思いました。
まさにそういうのをのぞんでいた私は、思う存分堪能いたしました。

ところで、このサブタイトルは今みてもやっぱりどうかと思いますねえ(苦笑。
たしかに嘘ではないんですが、タイトルから想像するようなエロスはあんまりというかほとんどないんですよね。

恋愛らしきものもあるにはあるけど、究極のツンデレによって「なんということでしょう」になっちゃいますしねえ。

……すでに絶版ですが、書かれた年代的にしかたないことながら差別的な表現がわずかに見うけられるため、再版は難しいかもしれないなと、読みながら感じました。

『封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 5』

封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈5〉 (ルルル文庫)
霜島 ケイ 也
4094521216


[Amazon]


読了。


軍国化へと傾斜する昭和初期の日本を舞台に、軍部を利用して暗躍する魔人と、陰陽師の一族を率いる少女、彼女の使役する鬼たちの戦いを、人の心の哀しみとともに描く、伝奇アクションシリーズ。「鵺子ドリ鳴イタ」完結編。



昭和五年。真術会の鵺による襲撃を受けた神島家の若き当主・桐子が上京した東京は、人喰い事件が世間を騒がせる不穏な時代を迎えていた。真術会主宰の大山は軍の一部と結託し、人体実験を行っていた。その要は、大山の庇護下にある鵺と乙夜のという碧の目を持つふたりの人物だった。軍部による悪事と、日本を憎むが故に神島を憎む乙夜の悪意に対抗すべく、大山の本拠を襲撃した桐子たちだったが。




あらすじがなんだかわやくちゃ……すみません。

「鵺子ドリ鳴イタ」も完結です。
この話は世界から孤立し軍国化していく昭和初期の日本をからめて、日本で生まれ育った異人の疎外感と孤独による憎悪と復讐と対峙するお話でありました。

すっきりとしたシンプルな文章ながら叙情的、かつリズムのある、強くときに太さを感じさせる、しなやかな文章がいつもながらとても好きです。

そして敵対しつつも抱える孤独に共鳴してしまう、共鳴しつつも相手を滅ぼさずにはおれない、ぬきさしならない状況とそこに至るまでのシビアな展開に痺れました。

さりげなく配された伏線の数々に、おおー、そうであったかと膝を打つラスト。

とても面白かったです。

時代が時代だけに物騒きわまりない不穏な雰囲気が横溢していて、爽快とはいいがたい話ではありますが、そんな時代にもひとびとは日常を生きていたということを感じさせてくれる話でもありました。

ま、登場人物たちはまったく普通とはかけ離れたユニークな人たちばかりでしたけどね(苦笑。
稀代の陰陽師だったり、鬼だったり、産女の子だったりするかれらにも日常があるというのは、救いのような気がします。

あやかしの愛らしさも素敵でした。

ひとり戦闘ではまったく役に立たずでありながら、重要な時に力の抜けるような活躍をしてくれる、ほのぼのまったりな武見くんの存在には癒されました。たぶん桐子にとってのそういう存在として登場して役目をきちんと果たしたうえで、なおかつ読者に愛されるようになるのも、けっこう難しいのではとおもうのですが、かれは本当に見事に大役を果たしてくれてよかった。

おかげで桐子のツンデレっぷりがとてもいじらしくて可愛いのですw

シリーズの今後は未定とあとがきに書かれていましたが、ぜひぜひもっとつづけて欲しいなあと願います。


余談。
図書館で借りたのに特典のドラマCDがついてきてびっくり。
いそいそと聴いてみました。

収録されていたのは本編の後日譚。
聖の「桐子を乙女にしてやろう計画」の顛末でした。
あいかわらずアホだな、聖……w

昭和の初めには新宿はすでに盛り場になっていたのか。
でもたぶんこれは東口の話だよね。三越かあ。


シリーズのつづきは未刊行のようですが、この話の前日譚はこちらです。

封殺鬼―花闇を抱きしもの〈上〉 (ルルル文庫)
霜島 ケイ 也
409452035X


封殺鬼 花闇を抱きしもの〈下〉 (ルルル文庫)
霜島 ケイ 也
4094520414

20100415の購入

リアル書店で手に入らなかったので、ネットで注文していた本が届きました。


バジリスクの魔法の歌 (創元推理文庫) (創元推理文庫 F マ 9-5)
パトリシア・A・マキリップ 原島 文世
4488520111



以上、購入。
装画が美しい……。


近況。

寒暖の差が激しい毎日に、ヘタレなからだがついていけてません。
五月頃になったり真冬になったり、一体最近の気候はどうなってるんだか。

このところ外出日に真冬の気温がつづき、ぶるぶる震えながら出かけています。
ただ、春の服をほとんど持っていない身としては、服装を考えずに済むのが楽ではあります。
暖かい日になるととたんに困りますが。。

しかしこう寒いと春服を買う気がぜんぜんしません。

「雪の焔 風の聲」

土岐百哩さん作「雪の焔 風の聲」読了。

異世界ファンタジー長編。完結済み。

知的な文章で大きな世界を俯瞰的に描き出す、爽やかに吹きぬける風を思わせるような作品。
ラノベの装いににじみ出る作者さんならではの雰囲気が大好きです。
ひさしぶりに一気読みしました。

「日蝕の王」

汐崎雪野さん作「日蝕の王」読了。

「レンシェの鳩」より始まる詩情あふれる異世界ロマン連作の完結編。
吟遊詩人の歌う英雄譚のようなたたずまいにうっとりしました。

トップページの「完結済物語」よりどうぞ。

『蛍の行方 お鳥見女房』

蛍の行方―お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194254


[Amazon]


読了。


江戸時代、将軍の鷹狩りのためのお役目・御鳥見役を代々受け継ぐ御家人の一家の日常を、母親・珠世の視点でたおやかに描く、ゆたかな四季とひとびとの営みの印象的な連作。シリーズ第二作。

貧乏御家人の家に転がり込んできた居候たちと、かれらをやさしく穏やかに受けとめる珠世さんと矢島家のひとびと、そしてかれらの住まう雑司ヶ谷の自然。

なにげない光景にひそんだささいなきっかけからはじまる出来事は、この時代においては不穏ではあっても日常の範囲内。けれどどれだけ日常であっても胸を波立たせずにはおかず、さまざまに不安をかきたてるさまが繊細に描かれて、とてもせつなく哀しいことになることも。

だからこそ、穏やかな日々のいとおしさが心に迫ります。

前巻で、御鳥見役の裏任務に旅立っていった夫の身を案じつつ、珠世さんの日々は不安を抱えたままですが、彼女はつとめておだやかににこやかにふるまいます。

どの話も季節感たっぷり。
当時の風物や行事をおりまぜつつの、短篇集です。
矢島家の人々の平穏にすぎていくようで変化の絶えないありさまに、まるで近所に住む一家を見守っているような気持ちになりました。

珠世さんを中心に、引退した父親から、年頃の男女、居候の幼い子どもたちまでの老若男女さまざまな喜怒哀楽に、ゆたかなお話だなーと感じました。

けして楽しいばかりではない、貧富の差だったり、上下関係があったり、身分差別があったりといろいろあるのですが、みんな懸命に自分の生を生きている。いまこのときをせいいっぱい感じている。

そんな様々な要素を含むお話をひとつにまとめあげる存在が、えくぼの珠世さんなんだなとしみじみと理解いたしました。

珠世さんの夫・伴之介さんのエピソードが落着して、ほっとしたところでこの巻は終わりです。

でも、まだ話にはいろいろと伏線がはられている模様。
つづきも借りようと思いますw

鷹姫さま―お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194262

『黄金の狩人 1 道化の使命』

黄金の狩人1 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562078


[Amazon]


読了。

世界と心の両方に繊細で深い共感を感じさせてくれる、異世界ファンタジー。「ファーシーアの一族」の続編シリーズ、開幕編。



六公国の存亡の危機がヴェリティ王の犠牲のもとに回避されて十五年。フィッツは忌み嫌われる〈気〉の術者として知れ渡ったみずからの過去を断ち切るために死を偽り、トム・バジャロックを名乗って、人里から離れた小屋で狼ナイトアイズ、孤児の少年ハップとともに静かな日常を送っていた。ときおり訪れる吟遊詩人スターリングのみがバックキープを知るよすがだ。だが、ハップは成長し、徒弟として弟子入りする希望を持ち始めた。旅立つハップを見送ったフィッツのもとに、かつての師であるシェイドが訪れる。




深い描写に心の底まで洗われるような感覚を味わいつつ読みました。
フィッツが〈気〉によって感じる世界の描写がとても繊細で鮮やかで、痛々しくて切なくなってしまった。
豊かな世界を感じる能力である〈気〉を人々が蔑視するようになったのは、その能力が文明化とともに失われてしまう性質のものだからなのかな。

反対に、私にはいまだに〈技〉というものがよくわかりません。
これは他人の思考に、より強固に鋭角的に作用する能力みたい。支配するかされるかの関係を抜きには使えないものなのでしょうか。〈技〉にある中毒性はどこから来ているものなのかも、よくわかりません。いずれにしろ、いびつで不自然な力のように思えます。

そこに今回新たな力の存在があらわれました。
まじない師ジンナのもちいる〈俗〉です。

〈俗〉の性質があきらかになったら〈技〉の意味がわかるようになるかしら、と勝手に期待しております。

それから、このシリーズの通しタイトル「道化の使命」。
どうやら今回は道化がかなり重要な役割で活躍しそうです。前作でも重要ではありましたがあくまで裏で動いていたかれが、前面にでて自分の言葉で自分を語ってくれるのがとても面白かった。

そして前回最大の災厄であった“赤い船団”の背後がわかってきそうな気配に、俄然興味津々です。

フィッツにはとても大切な人々との交流とそれにともなう複雑なしがらみがまとわりついていました。
その絆を断ち切って、断ち切らざるを得なくなってそうしたわけですが、それで一時の平和を得たもののけっきょくフィッツはフィッツのままで、ファーシーアの庶子で〈気〉のもちぬしで、最後の〈技〉の継承者で、〈白の予言者〉の触媒であることに変わりはなかった。

「生よりもやすらかな死」「すべての最終選択である死」を迎えるまではフィッツでありつづけるのだということを示されたフィッツがこれからどういう運命に巻き込まれていくのか。

これだけの人間関係と感情とさまざまな設定がどのように展開されていくのかと、つづきを読むのが楽しみです。

個人的にはナイトアイズがだんだん年老いているのが寂しかった。
どんどん賢く、まるでフィッツの父親みたいになってるのが救いでしょうか。
〈遠吠えをするメス〉呼ばわりが健在だったのが笑えましたw


黄金の狩人2 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562086

20100409の購入

発売日なので本屋に突撃しました。


町でうわさの天狗の子 6 (フラワーコミックス)
岩本 ナオ
4091331785



以上、購入。


こうして無事にゲットできるとしばらく満足感にひたれます。

でも創元推理文庫の新刊はまだ出てませんでした。
ここで手にはいるかどうかも不明なのですが、今日も行ってみるかなー。
手に入らないとしょんぼりなんですが、運動不足解消のためとわりきって外出すべきと、最近心の声が言うもので(汗。

日によって出る足の痛みができるだけなければいいなあと願いつつ、たぶん探索の旅に出かけます。

『ミムス 宮廷道化師』

ミムス―宮廷道化師 (Y.A.Books)
Lilli Thal
4338144319



[Amazon]


読了。


ドイツの作家による、中世ヨーロッパの架空の国(と思う)を舞台にした、道化師に師事することになった王子様の成長物語。ヤングアダルト向け。



モンフィール王国の世継ぎの王子フロリーンは、王の騎士学校の仲間たちとともに楽しく有意義に日々を過ごしていた。ある日、第三国へ赴いていた父王フィリップから使者が到着した。使者は、評判芳しからぬティロ伯爵で、長年戦争状態にあったヴィンランド王国との和平がなり、ヴィンランド王がもよおす祝宴にフロリーンも招待されたので、いそぎヴィンランドへ向かうようにという。かれの言葉を裏書きする手紙は王の手によるものに間違いはなかった。フロリーンはティロ伯爵に全幅の信頼を置けぬままにヴィンランドへと向かったが、かれを待ち受けていたのはヴィンランド王テオドの、手ひどい裏切りだった。王と重臣たちを捕らえたテオドは、フロリーンを自分のお抱え道化師ミムスの弟子にと命じたのだ。




これはすごい。面白かった!

王子から道化へと転落したフロリーンの苦難つづきの日々が、父親を人質にされていて処刑が近づいているという緊迫感のなかで、シビアに現実的に、ときどきは辛辣なユーモアとともに、巧みに描かれていきます。

道化師という存在の特殊性が物語のポイントだと思う。
人間以下、馬以下、慰みの動物並みの扱いを受けながらも、ときには国王をこきおろしても罰されることはない。
人間に非ず、つまり道化師とはふだんは人以下でも、状況によっては人以上の存在になれる、法に縛られない存在なんですね。

フロリーンの師匠になったミムスは、なかでもとびきりのプロフェッショナルな道化師です。
辛辣な舌鋒で人をあざ笑うだけでなく、曲芸もいかさまも、およそ道化師に求められる技に関してたぐいまれな才能をもち努力と研鑽を惜しまない姿に、初めは見下していたフロリーンが次第に抱いていく尊敬の念が、読み手にも次第につたわってくるのが圧巻。

ミムスの存在、そしてミムスを通して道化師という存在の可能性を描いたおかげで、この作品はただの歴史ものとはことなる存在感を放つことになったと思います。

さらに、中世ヨーロッパの日常生活が事細かに、まるで手に取れるように描写されていて、その情報量に圧倒されます。

道化という最底辺の身分から見あげる王によって築かれた世界は、とても不平等で、猥雑で不潔で暴力的で、なおかつ豊かで情にみちた懐の深い世界でした。

この本、中世ヨーロッパの資料としても使えそうだなと思いました。

舞台はたぶん著者の出身のドイツ、フランスあたりでしょうか。
初めは異世界かと思っていたのですが、キリスト教の司祭や箴言が当たり前のように出てきますし、サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者があらわれたりするので、異世界ではないと思います。

なにより、ファンタジーではぜんぜんないですしね。

とてつもなくシビアな状況からはじまった物事が、予想された未来からひとつの存在によって大きく転換するさまはまるで魔法のようですが、実際にもあり得た話なのではないかと思います。
あ、史実だと言っているわけではありません。
魔法が無くてもありうる話だと言いたいのです。

そして、そんなことを可能とする道化師という存在は、私にはこのうえなく魅力的なものに見えました。
吟遊詩人と地位的には似ていますよね。
でも、道化師の方が大変な気がします。

現代ならばお笑い芸人が近いのかなと思いますが、お笑い芸人は曲芸や奇術までは求められませんからねえ。

とにかく、とても興味深く、とても楽しめたお話でした。


ドイツの作品はファンタジーじゃない方が面白い気がします。私にとっては。

訃報 佐藤史生

マンガ家の佐藤史生さんが亡くなられたそうです。

ついったー経由で知りました。
詳しいことはご友人のマンガ家坂田靖子さんが書いておられます。

サカタBOX・佐藤史生先生の読者の方へ

知ってからずっと混乱していて、なにも手につきません。
それほど佐藤史生は私にとって大きな存在だったのだと、これまで自分でも意識していませんでした。

学生時代に読んだ作品の数々に多大な影響を受けてきて、それがあまりにも自分の一部になってしまっていたので、認識することもできない状態になっていたものらしいです。

どうしようもなくて、手元にある作品を読んでいました。

『死せる王女のための孔雀舞(パヴァーヌ)』
『金星樹』
『夢みる惑星』

読み終えては茫然とし、何もできなくてまた読む。

そして、『ワン・ゼロ』以降の作品が手元にないことに気づいてさらに茫然。
なんで私はあれらの本を処分してしまったんでしょうか。

たしか、あまりに痛んでしまったので持っていることが苦痛になったことを記憶していますが、それでもとっておけばよかった。

痛むような状況にほったらかしにしておいた自分と、処分する決断をした自分を呪います。

理性と理知とがまさった描写に、染み渡る叙情性。
世界のひろがりと人間の孤独。
機知に富んだ台詞まわし。
緻密なSFでありながら深くファンタジー。

佐藤史生の作品は佐藤史生にしかかけない。

いまだに混乱から抜け出せません。

ご冥福をお祈りいたします。

『彩雲国物語 蒼き迷宮の巫女』

彩雲国物語 蒼き迷宮の巫女 (角川ビーンズ文庫)
雪乃 紗衣 由羅 カイリ
4044499209



[Amazon]


読了。


政治的陰謀の中で官吏として頑張る女の子の、中華風異世界ファンタジー、シリーズ二十冊目。


体調を悪化させて縹家に運び込まれた秀麗は、弱者の味方として興った縹家の実態をしり、それを排除しようとする陰謀と孤独に戦う大巫女・瑠花姫の離魂した姿と邂逅する。つぎの瑠花の器として捕らえられた珠翠を追ってきた藍楸瑛、何者かの命により侵入した司馬迅、もともと共にいたリオウとともに、秀麗は国全土を揺るがす蝗害の危機に立ち向かうため縹家の蓄えた知識を得るための行動を開始する。



縹家関連の話は、これでいちおうの決着をみたのでしょうか。
あいかわらずぎゅうぎゅう詰めの一冊でした。

起きていることと出てくる人物の考えていることと言っていることがすべて並列状態で記述される文章、読みやすいのですが微妙にわかりにくいなーと、いつも感じます。いや、とても面白いのですが! 出来事の輪郭がつかみにくいのは現在進行形だからかな。たぶん、現実にも起きていることの意味なんて後からしかわからないのだし。

なにより、こんなに理屈っぽくて小難しいからくりやなにやらをすんなり頭に染みこませる手際は見事だなーと思います。

秀麗ちゃんは一時のふぬけ状態から完全に脱し、ついに縹家の当主との対面も果たし、なんとなくお互いに認め合った模様で、よかったです。

さらに想像を絶する苦難に落とされていた珠翠さんを救うため、体面をかなぐり捨てた楸瑛の必死に頑張る姿がたいそうほほえましかった。そして王様が秀麗ちゃんにあしらわれるたびに鼻で笑っていたのを後悔するところがとても笑えたw

そして珠翠さん関連でこんなに楽しいシーンが読めるとはw

リオウ君はりっぱになったなー。

それにくらべて王様はどん底ですねえ……。

朝廷はすっかり旺季どののもとに掌握されていて、この大災害の時機にそうなってくれてよかったとだれもが感じているなんて、なんて哀れなんだろう。
自業自得とはいえ、王様をきちんと教育しなかったものにも責任があるだろうにと思ってしまいます。

この事態を招いた黒幕はいったいだれなのだろうとかんがえたとき、もしかしたらもしかしてと、王様を王様にした人物を思い浮かべてしまったのですが、いや、そんなまさか。でも最近まったく姿をあらわさないのはどうしてだろうとまた疑心暗鬼です。

ところで、この巻にきて登場人物の平均年齢が一気に上がりましたね。
これまでずっとなんて若者ばかりの朝廷なんだろうとおもっていたのが、すべて雌伏していただけだったとは。
これが普通の姿だよなーと思いつつも、なんとなく反則されたような気分になるのは何故でしょうか(苦笑。

そして私はじいさんたちの繰り広げている会議の柄がえらく悪いのにぎょっとしましたw

さて、次巻まではしばし間が空くとのこと。
個人的にはへこんでいた黎深さんのこれからの活躍が楽しみです。

『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)
ジャック・フィニイ、ロバート・F・ヤング、他 中村 融・編
4488715036


[Amazon]


読了。


タイムトラベルなどの時間をテーマにした翻訳SFのアンソロジー中短篇集です。
収録作品は以下の通り。


チャリティのことづて ウィリアム・M・リー(安野玲訳)
むかしをいまに デーモン・ナイト(浅倉久志訳)
台詞指導 ジャック・フィニイ(中村融訳)
かえりみれば ウィルマー・H・シラス(中村融・井上知訳)
時のいたみ バート・K・ファイラー(中村融訳)
時が新しかったころ ロバート・F・ヤング(市田泉訳)
時の娘 チャールズ・L・ハーネス(浅倉久志訳)
出会いのとき巡りきて C.L.ムーア(安野玲訳)
インキーに詫びる R.M.グリーン・ジュニア(中村融訳)

編者あとがき/中村融




最近の作品ではなく、ある程度評価の定まった定番のなかから日本では知名度の低いものを選んで編まれたアンソロジーのようです。

とはいうものの、私はそれほどSFを読んでいるわけではないので、日本では著名らしいヤングの作品も未読でした(汗。

時間SFというとノスタルジーとかロマンティックとかいうイメージらしい、ということもあまり意識していませんでした。

という読み手である私が読んでの感想だということをまず念頭に置いておいてください(汗。

はじめの三作のうちの二作は、ふーん、こういうのなら前にも読んだことがあるかもーという感じです。
感触としてはSFじゃなくてファンタジーぽいなあと思いました。

読みすすむにつれて次第におおっと思う作品がつづくようになりました。

一番爽快なのはヤングの「時が新しかったころ」。
これはノスタルジーじゃなくとても前向きな話だった。

一番ええっ、これってこんなことになっていいの? と驚いたのはハーネス「時の娘」。
タイムパラドックスにしばらくうんうん唸ってしまいました(苦笑。

一番読み解くのに苦労したのはグリーン・ジュニア「インキーに詫びる」。
すごくテクニカルな話で、話を呑みこむまでに途中で何度も眠りました←おい。
でも、理解できてみるとふえ~という感慨が残りました。

しかし私が一番すきだとおもったのは、C.L.ムーア「出会いのとき巡りきて」。
これってタイムマシンが出てくるだけでファンタジーですよね。
SF的にはどう考えてもおかしいもの。
でも、時空を超えて一瞬だけめぐり逢うというテーマ、すごく萌えます。
解説にあるとおり、たしかにこれだけ壮大だと神話めいた荘厳さすら感じられるなー。


というわけで、読み終えてわかったのは、私はロマンティックやノスタルジーよりもドラマティックが好きで、どこまでもファンタジー好きだということでした(苦笑。

あと、「むかしをいまに」はおなじからくりの時間SFをこれまでにもいくつか読んだことがあるのですが、あれはこれが最初だったのでしょうか。

いずれにしろ、このテーマの話では私はどうしても納得できない点があり、その納得できない点はこの話でもやっぱり納得できなくて、けっきょくすっきりしませんでした。
理解はするんだけど、感覚的に腑に落ちないんですよねー。うむ。

しかし、粒ぞろいの作品集であることに間違いはありません。
フィニイの作品なんて、ほんとうにフィニイだなーという出来で、フィニイ初心者にはお勧めだと思います。

20100331の購入

しばらく発売日に突撃→撃沈、がつづいていたのでどうしようかなと思ったけど、大量に入荷するはずの本まで買えなかったらシャレにならない(しかし一度経験済み)とけっきょく本屋に行きました。


彩雲国物語 蒼き迷宮の巫女 (角川ビーンズ文庫)
雪乃 紗衣 由羅 カイリ
4044499209



以上、無事に購入。

予想通り、平積みで二山ありました。山の高さもほかの四倍くらい高かったです。
人気シリーズは手に入りやすいのでさらに人気が出たりもするのでしょうね。
しかし、同時発売のはずのビーンズ文庫は彩雲国の四分の一の高さの山が一つあるだけで、のこりは入荷しているのかいないのか。

現実って厳しいですね……。