『カルトローレ』

カルトローレ
長野 まゆみ
4103068116


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読了。

遠未来SFファンタジー?


数百年前に地上を離れた《船》の住人は「奇妙なる人びと」と呼ばれてきたが、《船》が航行不能になったためにかかわりを避けてきた地上に降りることになった。《船》で少年期まで過ごした私・タフィは、救済委員会による地上への予備適応化プログラムを終え、製本組合の奨学金で《船》から回収された日誌・カルトローレの調査を任されて渇いた土地にやってきた。用意された家で私を迎えたのは、土地の役人で自分も《船》の出身だという長身の男コリドー。そして、タッシル語を母語とする人びとでワタと呼ばれる先住民の小柄な少年だ。ワタは渇いた土地で水のありかを探る術を持っている。ゴシキ鳥を率い、腕に占術の紋様を描いた少年が水を探し当てると、コリドーの指揮によりすみやかに給水塔がつくられた。そうして私のあらたな日々がはじまった。




作者さんの作品を読むのはずいぶんとお久しぶりです。
最後に読んだのがいつだったかは定かではありませんがそうとう以前なのは確か。
だから記憶が薄れているのかもしれませんが、以前読んだものとはかなり印象の違うお話でした。

陽光に晒された乾いた沙漠が舞台だからでしょうか。
なんとなく世界全体がひらけていてしろっぽくて、穏やかでちょっと距離のある感じです。
逆に言うと、かつてよく用いられた暗く冷たい水のイメージがなく、神経質といってもいいような棘のある、ヒリヒリした感じもない。

文章は細やかにディテールを追い、一人称なので登場人物に寄り添っているはずなのに視点に距離があって体温や体臭とかを感じない、清潔でかわいた日常が穏やかに流れていくような、そんな感じ。

私に託されたカルトローレと呼ばれる不思議な日誌にかかわる謎。
《船》に関する曖昧な私の記憶。
コリドーの謎。
紋様や暗号の謎。
先住民であるワタたちの風習と精神世界の謎。
私の能力の謎。

話には初めからいくつもの謎が提示されていきますが、物語がそれに完全に支配されていくことはないようで、日誌に引き寄せられて起きるように思われる事件もどこからどこまでが虚構で現実なのかわからず、きび色をした砂と地続きに日常に埋もれていきます。

それは台詞がカギ括弧でくくられずに、地の文章と地つづきであることからも、また登場人物が皆いくつもの顔をもって現れることからも感じられます。

謎は増えていくばかりなのに、主人公は謎解きに拘泥しません、というと語弊があるか、すくなくとも謎解きに必死になっているようには書かれてません。

そして、物語も謎解きに奉仕することをせず、あくまでも私の物語として話が進むのでした。

そのために次第に話はどこへ行くのかわからないようになっていくのですが、この感覚がわたしはすごく好きだなあ。

人の人生は謎解きのためにあるのではないのですよね。
解けないままに終わる謎はたくさんあるし、それでもつづいていくのです人生は。

解けない謎は地下の伏流水のように人知れずひそやかに冷たく流れつづけて、何十年も何百年も経った後、あるとき地上に現れたりするのをまた人間が発見したりするのですよ。

そんな謎のひとつが《船》なんじゃないかなー、とか。ぼんやりと思ったりしたのでした。

局所的に好きなところは、日誌の手触りやなにやらや、少年のワタが身にまとう衣服のこまやかな描写とか。
沙漠の旅の描写とか。
まとう衣装によって自分の性を他者に示すワタたちの、匿名希望で年齢不詳で両性具有な感じとか。
このあたりは以前からの作者さんの感じがひき継がれてますね。

小さいワタと私とコリドーの、なにげない日常のやりとりのまとう、昼下がりのようなゆるい空気が好きです。

以前の作者さんならこの関係に耽美な月の光を落としたろうと思うのですが、白日の下、乾いた風に吹きさらされた砂の上での出来事はいたってふつうの話で(秘め事は地下の伏流水になったのかもしれませんが)、とても楽に読むことが出来ました。

事件が解決してすべての謎が解けてと、お話がきれいに終わる方が好きな方はもやっとするかもしれませんが、わたしはこの雰囲気がとても気に入りました。

不思議や謎が日常と共存しているというのが、わたしの最近の好みなのかもなー、と今気づきました。

それとなんといっても、食べ物がとっっっても美味しそうなのがたまりませんw
とくにレモネードが飲みたくなること請け合いですw

わたしが読んだのは単行本ですが、すでに文庫になっています。

カルトローレ (新潮文庫)
長野 まゆみ
4101139520

『扇舞う 1』

扇舞う〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
駒崎 優 高山 しのぶ
4344816897


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読了。


架空戦国歴史小説。シリーズ開幕編。

架空がどこにつくのかはよくわかりません。
とりあえず、出てくる国と人物は日本風ながら架空であることはたしか。
舞台が日本なのかもよくわかりません。時代も特定されていません。
ただ、風物や人びとの暮らしぶりからなんとなくそれっぽい文化背景がつたわってくるのと、国同士がいろんな駆け引きをしてすごしているので、なんとなく戦国時代のような気がするとわたしが感じただけです。

ようは面白い時代劇、一話完結じゃない大河風な、てかんじかな。

いきなり襲いかかってきた隣国に父親と兄たちを殺されて、突然当主になってしまった少年・応義祥三郎くんが主人公。
かれを支えて国の再興を目指す男たちの物語です。

ポイントは隠居していたかつての重臣・長坂藤兵衛が軍師として復活するというところ。ストーリー的にはこちらの軍師のほうが重要な人物かもしれません。隠居といってもまだ若いうちにしたらしいので、まだたいそう魅力的なおじさんのようですw

藤兵衛さんの下で働く九郎左右衛門さんははっきりとハンサムさんで、ちょっとシャリース隊長に似ていますw

作者さんはそれまでイギリスが舞台の時代小説や、ヨーロッパ風架空傭兵小説などを書かれていた方なので、和風な今作には多少とまどいましたが、どうしてどうしてなかなか説得力のあるお話でほううと思いました。

面白いですw

物語世界の文化よりも、これまの話があまり成長しない主役たちの歴史の周辺的ストーリーという印象だったのが、今回は歴史の動くど真ん中が書かれてるというところに大きな違いを感じました。

主人公が十二歳(数えだろうから、満ならもっと幼いでしょう)でいかにもこれから成長しますよ的なオーラが漂ってるあたりも、これまでとはあきらかに異なります。

それと、今回は敵役にも味方にもどうしようもない無能がいないような気配です。
あれはちょっと興ざめなので、これはかなり喜ばしいことです。

応義の重臣で小言担当の利右衛門さん、利右衛門さんの息子で祥三郎の幼なじみ利助くん、人当たりのよい馬番のくせに料理もこなす何でも屋平八郎さんと登場人物は定番ながらも存在感あり。

漁民の村に身を寄せることになってからの、男だらけの集団生活ではいつもの作者さんの持ち味が楽しめます。
海賊の頭・鬼丸さんもなかなか魅力的であります。

いっぽうで藤兵衛さんのめぐらす策がどんどん進んでいくのが読み応えあり。
ラスト直前の小さなほころびがあっというまに急転直下にむすびつくあたり、うわーと思いながら読みました。

しかも、何という終わり方なのか。

つづきを、はやくつづきを読みたい~と叫びましたが、あれ、まだ出ていないのですね?
出ない理由は知りませんが、とても気になるのではやく出して欲しいです。

ところで、扇を襲った今居家当主雅楽助さんですが、ちょっと誰かに似ているような気がする。
だれだろう……。

『中世のアウトサイダーたち』

中世のアウトサイダーたち
F. イルジーグラー A. ラゾッタ Franz Irsigler
4560028656


1984年にドイツで刊行された『乞食と大道芸人、娼婦と刑吏』の全訳。
中世ヨーロッパにおいてアウトサイダーとされた者たちの実態が、おもにケルンの記録に基づいて表されています。

目次は以下の通り。


まえがき

第一章 周辺集団とアウトサイダー

第二章 乞食とならず者、浮浪者とのらくら者
 一 物乞いは天下御免の生き方
 二 中世後期の社会的なネット
 三 恥を知る者、知らぬ者、地元の貧者、よそ者の乞食
 四 「王さま」対乞食
 五 猫と鼠
 六 さげすまれた小路
 七 物乞いの技術
 八 兄弟団の乞食
 九 望みなき若者たち
 十 終わりに絞首台ありき

第三章 ハンセン病患者
 一 市壁のはずれの病人たち
 二 ハンセン病の検査
 三 生ける死者
 四 物乞いは鈴とガラガラをもって

第四章 心と頭を病む人びと
 一 狂人のつまった箱
 二 限りある同情
 三 奇蹟を期待する

第五章 風呂屋と床屋、医者といかさま医者
 一 浴場という名の待ち合わせ場所
 二 快楽と不安のはざま
 三 有名な医者――惨めないかさま医者
 四 不名誉から夢の職業へ

第六章 大道芸人と楽士
 一 野次馬根性、生活の基本的な欲求
 二 熊使い、芸人、そして化け物
 三 笛吹き、太鼓叩き、リュート奏者
 四 役者の時代

第七章 魔法使い、占い女、狼男
 一 ケルンの井戸端会議
 二 火をもてあそぶ
 三 魔法の書
 四 狼男
 五 子兎の魔術
 六 恋の魔術
 七 水晶とふるいで――未来を占う
 八 「カシサ、ハシサ、メシサ・メダントル」――失せ物探しの魔術
 九 嵐と火事の呪文
 十 薬草の煮出し汁と病気平癒のお呪い
 十一 女予言者たちの貧苦

第八章 ジプシー
 一 果てしなきさすらい
 二 ケルンの異教徒
 三 異教徒ペーターの「カルメン」

第九章 娼婦
 一 より小さな悪
 二 「美女の館」から「卑しい家」へ
 三 ベアリヒから足を洗えない
 四 赤いヴェール着用のこと
 五 口外できぬ黙せる罪
 六 取り持ち女の商売
 七 俗物人間、ヘルマン・ワインスベルク
 八 娼婦の悲惨――悲惨な娼婦
 九 娼婦と死刑執行人
 十 稼ぎ場所のトポグラフィー
 十一 傭兵の娼婦
 十二 娼婦の類型
 十三 暮らしを支える売春代
 十四 その世界から抜け出す道
 十五 自力による出世、ユダヤ女ウルズラ

第十章 刑吏とその仲間
 一 畏怖から恐怖へ
 二 ケルンの刑吏の権力
 三 「死の見せ物」
 四 すぱっと斬り落とす技
 五 拷問台から刑場へ、ケルンの拷問
 六 罰は語る。処刑の象徴的な意味
 七 刑吏の仲間、獄丁
 八 刑吏風情の人びと――皮剝ぎ人、犬殺し、糞さらい

第十一章 結論でなく、いかがわしい人びととまともな人びと

あとがき


資料および参考文献目録 




「十四世紀から三十年戦争(一六一八~四八)前夜までの社会の下層階級の実態をケルン市において鋭くえぐり出そうとする」本です。

名誉があるかないかが普通の市民でいられるか否かに繋がるという、その名誉のあるなしの基準が興味深かったです。

これだけいろんなヨーロッパの被差別民の実態を網羅している本は初めてなのでけっこう面白く読みました。
目当ては大道芸人でしたが、流しの医者とか刑吏とかはへええでした。
刑吏のところでは「新しい太陽の書」を読み返したくなったりして(たしか首切り役人が主人公だったので)。

刑吏が被差別民を監督する(上前をはねる)立場にあったなんて、眼から鱗おちまくり。
拷問は刑吏じゃなくて陪審員の取り調べ中で、しかもその後の処刑にかかる費用は刑吏の負担ってなんなの;

あと、これはケルン市だけの特別みたいですが、公娼宿の娼婦より街娼のほうが地位が高いってどうなんだ;

そのほかにもいろいろと驚かされることがありましたが、ちょっとおぼえ切れてません;

かれらにたいする差別意識がどのようにして生まれていったのかといったあたりは、もう少し突っ込んだことが知りたかったかな。日本における被差別民の成立過程とくらべると、キリスト教の果たした役割がかなり大きいんじゃないかなと思うのだけど、そのへんは自明の理みたいに適当に流されてしまったような。刊行された年を考えると仕方がないかなとも思いますが。

それと、訳文は大変に読みにくいです。
プロの翻訳者のお仕事ではないのでこれも仕方がないかなと……思うけどやはり読みにくいものは読みにくい。
対象読者が大学生みたいで、途中で原語が訳されずにごろごろと転がされてるのがまた一般人の読み手には困ったことでした。巻末の参考文献も全部原書でした。

あとがきに、類書として『ある首斬り役人の日記』がすでに刊行されており、その後本書中にもとりあげられていた『ワインスベルクの書』が刊行予定と記されているので、たぶんもうとっくに出ているのでしょう。

かなり読んでみたい気持ちですが、読みにくさがブレーキをかけています。
どうしようかなーと迷い中。


多分同じ内容の本の新版がこちらです。

中世のアウトサイダー
フランツ イルジーグラー アルノルト ラゾッタ Franz Irsigler
4560026033

20110122の購入

毎日出来るだけつづけようとしている散歩ですが、サボりたい時というのはあるものです。
しかし、目の前にニンジンがぶら下がった途端に腰は軽くなる。


夢の上 2 (C・NovelsFantasia た 3-7)
多崎 礼
4125011389


以上、購入。

公称発売日より早めなのでどうかなと思ってたけど、店頭にありました。わーい。
もしかしてこれが2011年の初購入。

一緒にどうかなーとおもっていたマキリップの新刊は、予想通り入荷してませんでしたが。
この本屋、創元推理文庫は発売月には確実に入荷してないのに二ヶ月後とか三ヶ月後とかにはあったりするので油断が出来ません。今月の新刊はないけど三ヶ月前のならあるよって……。
というわけで『女魔法使いと白鳥のひな』とか『白鳥のひなと火の鳥』とかは棚差しでありました。

いまさらあってもなあ、というのがわたしの感想。

いや、このまま我慢してたら三ヶ月後にはここで手に入るかもしれないってことか。
ネットで頼まなくとも。
我慢できるかどうかが問題ですが。

『ミストスピリット 霧のうつし身 3 秘められし言葉』

ミストスピリット 3 (ハヤカワ文庫FT)
ブランドン サンダースン 駒田 絹
4150205159


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読了。

緻密につくりあげられた物語世界で繰り広げられる変革期のドラマを、スピード感あふれるアクションと個性的な登場人物たちの活躍で劇的に描く、異世界アクションファンタジー三部作の第二部完結編。


セイズド!!!
ずっとわたしが気にしつづけていた、世界の記録を記憶しつづける種族〈たもちびと〉のセイズドが!!!
頭脳派で、穏やかで、職業執事でずっと生きてきて、最近ではヒロインの父親的相談役だったはずのセイズドが、こんなことに!!!

のっけから錯乱状態でスミマセン。
今回は第二部完結編らしく怒濤の展開つづきでしたが、なによりもわたしを驚愕させたのがセイズドのおっどろきの活躍だったので;

そもそも、この話そのものに〈終の帝国〉や支配王が誕生した謎を解明していく謎解きの側面があり、その担当をしていたのが主にセイズドだったので、めのまえのあれこれ以外に興味を持つと必然的に気になってしまうセイズドだったのだけど、まさかまさか、こんな畑違いのところで獅子奮迅のはたらきをすることになろうとは。

あー、びっくりしたあ………。

この話のヒロインはヴィンで、ヒーローはエレンドですが、セイズドはもうひとりの主人公といってもいいのかもしれない、と思ったことでした。

ティンドウィルとのエピソードからしても、すっかりヒーローめいちゃってるし……。
うわー、なんということだ……。

……気をとりなおして。

わたしがセイズドがセイズドがとうわごとを言ってる合間にも、疑い捨て鉢になったヴィンのとんでもない行動や、ヴィンをそそのかしてエレンドとの亀裂を煽るもうひとりの〈霧の落とし子〉ゼインとの関係や、仲間内に潜んでいた間諜の正体があきらかになったり、ルサデルを包囲する三陣営の内情やらと、ストーリーは起伏に富んだ展開でクライマックスへと突き進みます。

そこに挿入されるエレンドの父・ストラフと〈西領〉の王セトの、どことなく戯画めいた顛末も面白かったです。
ストラフのエピソードはあまりの救いようのなさにかえって嗤えましたが、セト卿と娘のアルリアンヌのやりとりは微笑ましさすらかんじられる可笑しさでしたw
アルリアンヌは自分の見せ方で他人を操るエキスパート。まさに貴族の令嬢で一見鼻持ちならないですが、意外な真情に思わず応援したくなりました。

ルサデルが戦場になってからは、セイズド関連を抜かしても、興奮の連続でした。

カンドラとコロスというふたつの特殊な種族の秘密や、〈昇位の泉〉の謎、時代の勇者の謎などが、ここでこんなふうにからんでこようとは。うはー、すごいなこの構成力は。

しかも、最後の最後で驚天動地の完結編へつづく!

これでつづきを読まずにおれましょうか。
否、否、否。

というわけでさっそく予約いたしました。はやく到着しないかなー。

そういえば、唯一おや? だったのがコロス軍を率いていた人間がいたことと、それがエレンドの旧友だったこと。そんな展開、ありましたっけ。すっかり忘れてたのでぽかーんとなってしまった; わたしにしてはけっこう記憶しているなと思ってたのに、やっぱりいろいろ忘れてるなー。だからはやいところ続きを読みたいんだ……。


ミストクローク ―霧の羽衣― 1 新たな救い手 (ハヤカワ文庫 FT サ 1-9)
ブランドン・サンダースン 竹井
4150205213

『恋のドレスと湖の恋人 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと湖の恋人 (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086014645


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いただいて読了。

ヴィクトリア女王時代のイギリスを舞台に、仕立屋の少女と公爵の跡継ぎの恋の行方をえがく、心理サスペンスロマンス。シリーズ二十一冊目。

地に足のついた細やかな文章で心理サスペンスな事件のからんだ恋愛を描く、時代ロマンスです。

この巻はハードなアクションから一転して、前作まですれ違っていたクリスとシャーロックの、再会後の湖畔の宿でのあれこれなロマンス最高潮な一冊でした。

でも、わたし的なメインは、ジャレッドにかくまわれていたアイリスが、審判者の前で演ずるひとり舞台だったかなあと思います。
これまでクリス視点からしかわからなかった闇のドレス側の物語が、首謀者のひとりコルベールの娘アイリスの視点で語られるシーン。というか、独白ですね。

生まれついての女優のアイリスの話なので、すべてが事実ではないにしろ、彼女の心理的な旅路については真実を語っていたのではないかと思われました。

といっても、わたしにはそれがどうもとってつけたもののようにしか感じられなかったのですが。

ここでいきなり内幕を明かされてもなあ、というのが一番近いかなー。
特にリコの話は中途半端に感じられたので、どうせわからないならわからないままにしてしまった方がよかったのではと思ってしまいました。

そして、クリスとシャーロックの、というよりかはシャーロックののぞむ未来にも、リアリティーがあんまりないような。

ここまでつきあってきたのだから、それはふたりにはしあわせになってもらいたいですが、現実問題としてそれが可能なのかには疑問符がついてしまうのです。

天地がひっくり返るような起死回生策があったりするのでしょうか。あればいいんですけどね。
米国に移住するとか?

いまだに出番がとぎれず、なにかと世話をしてくれるジャレッドさんが暗躍してくれたら面白いんだけどなー、と前巻よりすっかり騎士様ファンのわたしは勝手に妄想を繰り広げておりますw

そんな泥沼な展開の中は、シャーロックの従僕のアントニー君の一生懸命な姿が一服の清涼剤。
パメラを想う自分をシャーロックに重ね見ているのかなとも思うのですが、アントニー君の言動にはいちいち身も蓋もないシャーロックの姿が反映されてるので、いちいちプッと吹きだしてしまいます。

今回はクリスへのこの台詞が極めつけ。

シャーロック様を捨てないでください。



たしかに、これまでも主導権を握ってるのはクリスだったのかも……と思えて笑いがとまりませんでした。

物語も終盤にさしかかってきたようですが、できれば期待を裏切らない程度にリアリティーを保ったまま、ハッピーエンドも迎えて欲しいと、欲張りなことを思う読み手のひとりでした。


シリーズ開幕編はこちら。

恋のドレスとつぼみの淑女 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086007169

『コルセットに翼』2~7

コルセットに翼 2 (プリンセスコミックス)
もと なおこ
4253196128


いただいて読了。

十九世紀から二十世紀へとうつりかわるイギリスを舞台に、出生に秘密を持つ孤独な少女が周囲の理解と助けに支えられて意志的にみずからの人生を選び取っていくさまを描く、ミステリアスな時代ロマンシリーズ。

母親を失い、育ての父を失って、寄宿学校に放り込まれた少女・クリス。
校長ミス・デズデモーナのサディスティックなまでに厳格な縛られた生活の中で出会った、少女たちと固い絆でむすばれ、支え合い、まなぶ努力をしてひそかに力を蓄えていく。

寄宿学校に向かう途中の駅でゆき出会った、車いすに乗った片眼の青年をミスター・バードと呼んでこころの支えするクリス。

虐げられての寄宿舎生活の間に偶然出会った病弱な画家ラファエルや、八百屋の少年リアム、小間使いアニーとの交流。

世紀をまたいで展開するこの話は女性たちの生き方の話だなーと思います。
クリスたち寄宿舎の女生徒たちはいうまでもなく、ラファエルの従姉妹で主治医のメアリ・ルースや、寄宿舎を卒業して貴族令嬢という地位を目的のために利用するジェシカ、みんな女性を差別する保守的な社会で生きていくためにさまざまな困難に立ち向かっている。

自分を強くすることで目的を遂げようとする少女たちはまだ未来があるからしあわせです。
他のものを利用することを覚えてしまったものたちが自立するのは容易ではないでしょう。
敵役ですがミス・デズデモーナも、女ひとりで女学校を経営するために苦労をしたに違いありません。彼女はその過程でかなり精神衛生を損なって病んでしまったようで、その所業は許されることではないのですけども、無条件で味方と呼べるような存在がみあたらないので相当孤独だったんだろうなーとは思う。

救いは、女性たちを利用し、食い物にしていく男たちばかりでなく、彼女たちをひとりの人間と認め、尊重し、ときには戦友ともすることのできる男性たちが登場することですね。

この話はそんな少女たちの前向きで意志的な姿勢が鮮烈な、すぐれた成長物語であると同時に、クリスの母親の素性と残された鍵にひめられた謎が謎を呼ぶ、スリリングなミステリーでもあります。

寄宿学校でのミス・デズデモーナとの戦いの日々のうち、最高学年になったクリスのまわりはまた急展開を始めます。

ミスター・バードとクリスの、本人たちがまだ知らない謎めいた繋がりや、ラファエルとクリスの養父の隠された繋がりや、母親の残した鍵の謎などなど、これでもか、とたたみかけてくる悲劇がらみの伏線となかなか全貌が見えてこないドラマに、スケールの大きさと人生の深淵みたいなものを予感させて、ドキドキです。

七巻までにはラファエルとミスター・バードことエリック・ローズデールに、何かの繋がりがあるらしいってところまでやってきましたが、なんとこの巻のラストに衝撃が。

すごーくつづきが気になるのですが!
八巻は二月に発売だそうですよ、ど……どうしよう。

コルセットに翼 3 (プリンセスコミックス)
もと なおこ
4253196136


コルセットに翼 4 (プリンセスコミックス)
もと なおこ
4253196144


コルセットに翼 5 (プリンセスコミックス)
もと なおこ
4253196152


コルセットに翼 6 (プリンセスコミックス)
もと なおこ
4253196160


コルセットに翼 (7) (プリンセス・コミックス)
もと なおこ
4253196179

『恋のドレスと月の降る城 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと月の降る城 (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086014130


[Amazon]

いただいて読了。

ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に仕立屋の少女と公爵の跡継ぎの恋を描く、時代ミステリロマンス。シリーズ二十冊目。

シャーロックへの想いを振りきり、母親リンダのもとに走ったクリス。母親の愛人ヒューバート・クラインのマクダフ城に連れてゆかれたクリスは、ドレス作りのために軟禁された。母親がなぜ闇のドレス“夜想”を作り続けていたかを知ったクリスは、母のためにコルベールのドレスをつくろうと決意する。だがクラインの腹心ギルレイはクリスにヒューバートとコルベールの娘リコのドレスをつくるように命じるのだった。いっぽう、クリスを連れ去られたシャーロックは、かねて闇のドレスの調査を依頼していた友人ケネスと父親に使われていたジャレッドとともにクリス救出のために動きだしていた。




闇のドレス一味の正体があきらかになる一冊。
これまでの心理サスペンスに派手なアクションがつけ加わって、うわ、これが恋ドレなんですか、という感じの展開になりました。

えーと、結論から言うとちょっと肩透かしだったかも。
闇のドレス一味の正体と目的が現実的に思えなかった。そのことをほのめかす伏線がいままでにあったのかもしれませんが、わたしの記憶には残ってなかったんで;

闇のドレス一味の頭って、クライン卿じゃなかったのね。クライン卿に忠誠を誓うギルレイがクライン卿のために強引に行動してたってほうが近いような気がしました。クライン卿の受け身体質はリンダとコルベールの関係ではありそうだけど、陰謀の黒幕には存在感がちょっと。
というわけで、わたしの興味は自然とギルレイのほうに。
ギルレイはどのようにしてさまざまな体術や射撃の技を身につけたのだろう。どんな人生を送ってきたんだろう、といろいろ妄想しそうになりました。

クリスとクリスの母親とコルベールの関係は納得でした。
が、ドンパチのせいですこしはしょり気味だったような。
コルベールの娘アイリスとリコの存在がちょっと唐突だったかなと。とくにリコ。彼女はいったいどういうひとだったのでしょうか。

クリスとシャーロックは劇的再会のほかにはあんまり印象に残りませんでした。
あ、シャーロックがようやく、クリスがかれの世話になりたくない理由を理解したところは、遅いんだよ! とどつきたくなりましたが(苦笑。

というわけで、今回のわたしのヒーローだったで賞は自称騎士のジャレッドさんに差し上げますw

読み終えて、この話、ケネス視点でジャレッドと協力し、シャーロックに助力するとみせかけてじつは公権力の隠れ蓑としてこき使うアクションサスペンスとして読みたかったなあと思ったのでした。

そしたらシャーロックの従僕のアントニー君の出番も増えそうだしねw

ジャレッドさんとギルレイの対峙シーンは、燃えました。ロマンスなのにバイオレンスで燃えたわ!

そういえばジャレッドさんの過去も謎ですよね。
恋人たちの再会シーンなんか忘れて、すっかり謎めいた男たちが夜の古城で演ずる死闘に酔ってしまいました。

うーん。
わたしはどうもとことんロマンス小説にむいてない質のようです(汗。

闇のドレス事件が収束したら、このシリーズはどこにむかうんだろう。
ギルレイの行方がすごく気になります←けっきょくそこかw


つづきはこちらです。

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと湖の恋人 (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086014645


シリーズ開幕編はこちら。

恋のドレスとつぼみの淑女 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086007169



余談。
このタイトル「星の降る城」ってかならず間違えてしまいます。なぜだろうw

『ピアノの森 19』

ピアノの森(19) (モーニングKC)
一色 まこと
4063729540



借りて読了。

恵まれない環境に生まれ育ったピアノの天才少年と、かれをめぐる人びとの音楽人生をえがく、クラシック音楽コミック。シリーズ第十九巻。

森の端とよばれる社会の最底辺に生まれたカイ。
カイと出会い、挫折していた人生を回復した阿字野先生と、ライバルとして生きることになった雨宮君。
カイの音楽に揺り動かされるおおくの人びとの物語です。

ストーリーは現在ポーランドでのショパンコンクールの二次審査真っ最中。
ポーランド人であるショパンを記念して創設されたピアノコンクールでは、ポーランド人の受賞をのぞむ濃厚な意志がながれています。
そこにあらわれたポーランド人のレフ・シマノフスキの素晴らしい演奏に、会場は優勝者がすでに決まったかのような大興奮状態。
休憩をはさんではじまるカイの演奏は、はたしてどこまでこの雰囲気を変えることが出来るのか?

どきどきの展開と、マンガという手段によって流れるように波うつように描かれる音楽の響きが、劇的な作用を生みだしていくさまは、まさに圧巻。

知らない音楽なのに、いまここでその響きを身体に受けているような錯覚すらおぼえる臨場感に、うわーと思いながら読みました。

これで実際ショパンのマズルカだのなんだのを知っていたら、もっとすごい興奮が味わえるのかも。
カイの表現力の凄さを目の前で感じている人びとが羨ましくてなりませんでした。

同時進行で阿字野先生の回想が、カイとふたりでの音楽の旅をふり返ってくれて、それが阿字野先生にどれだけ生きる力を与えてくれたか、阿字野先生がカイにどれだけ豊かなこころを与えてくれたかを教えてくれた。

阿字野先生がカイをこのコンクールに出場させた真情があかされたときには、ああ、ほんとうに先生はカイのことを愛しているんだなとおもって、うるうるしてしまいました。

カイは幼い時は苦労して、いまも苦労は変わらないかもしれないけれど、本当にまわりに愛されて支えられてきたんだな。

ここまできたら、カイの出来る恩返しはカイらしい演奏をすることだなーと思えて、もう、コンクールの他の出場者なんてカイには関係ないんじゃないかとおもったりしました。

阿字野先生の意志を、カイは十分に体現しています。

それに比べて……。
雨宮親子は哀しいというか寂しい。

特に雨宮父は、そんなに阿字野先生のピアノが忘れられないのか。そんなにいまでも負けた気持ちを引きずっているのか。すでに名を遂げたピアニストなのに、そんなに自分に自信がないのかと。
自分のコンプレックスを息子に押しつけるだけでなく、他人に圧力をかける姿にはうーーん。困ったものだなあと。
これじゃあ雨宮君のことを思ってくれてる先生に申し訳ないし、雨宮君のためにもよくない。
雨宮君は父親とは完全に離れた方がいいような気がしました。

コンクールはこれからがクライマックスですが、わたしの興味はカイと阿字野先生のその後にむかっています。
そういえば、カイの手はその後どうなったんでしょうか。気になるわ。

つづきを楽しみに待ってます。


シリーズ開幕編はこちら。
ピアノの森 1 (モーニングKC (1429))
一色 まこと
4063724298

『カラクリ荘の異人たち 3 ~帰り花と忘れ音の時~』

カラクリ荘の異人たち 3 ~帰り花と忘れ音の時~ (GA文庫)
霜島 ケイ ミギー
4797354127


[Amazon]

読了。

心を閉ざした少年が、この世と異界の狭間・賽河原町にある空栗荘で様々な出来事といろんな出会いの後に、次第に感情を取り戻していくさまを絶妙の距離感で日本の四季とともに描いていく、シリーズ第三巻。

夏、秋、ときて今回は冬が舞台。
十二月の行事の立て込む中で、太一がうけとった郵便物は義母からの贈り物の手作りクッキーが入っておりました。
それを食べてみた太一はとてもまずいと感じ、なぜこんなものを送ってきたのだろうと疑問に思います。
ところが、空栗荘のひとびとはこのクッキーを美味しいというのです。
理由がわからない太一は混乱に陥ります。
空栗荘の人たちは太一のことを認めてくれていると思ったのに。
さらに、正月は空栗荘に居残るつもりでいた太一を、なぜかまわりは当然として受けとめてくれないのです。

もやもやとした思いを抱え、太一は頻繁に裏の町に迷い込むようになっていきます。

という感じのお話です。

メインは太一と家族の関係で、そのメインをいざなうように章ごとにエピソードがひとつ完結するようになってます。

父親の書いた本を探して欲しいという老紳士。
身体が溶けてしまった雪女。

ふしぎな出来事の合間に、太一のことを思う女の子・采奈がちょこちょことぬくもりと微笑ましい笑いを届けてくれるのと、空栗荘の面々がそれぞれにそれぞれの暮らしをつづけている風情が楽しいです。

力のコントロールができない乱暴な祓い屋ミヨシくんは、関西弁のせいか別シリーズの世話焼き鬼に似ているようなw

一見クールな公僕・十遠見氏の趣味はスイーツ作りだけではなかった件、何気なく書かれてますがとても印象に残りました。

でも、今回一番印象的だったのはタカハシさんの正体かな。これにはびっくりしましたよ。しかも、落ち武者たちがやってくる理由がまた笑えたw

人間関係では、太一の義母になった鈴子さんのキャラクターにもぶっとびました。
なんなんだこの人のいうことを聞かない無駄にポジティブシンキングな体当たり女は!w

太一のお父さんってじつはとても懐の深いひとだったのかも、とおもった瞬間だった。
そして、太一・父の一回失敗してるからみたいな台詞に太一・母への興味が俄然かきたてられました。

つぎでシリーズは完結みたいですが、そのあたりのことが明らかになるのかなー。
べつにわかんなくてもいいんじゃないか、と思ってましたが、太一の心の傷はそこが原点なので、なんらかのフォローがあっても不思議ではないですね。

日本の四季折々の情景とそのときどきの祭事をおりまぜつつ、少年のこころのうごきを見守るような視線のぬくもりを感じる、あたたかなお話でした。

読んだあとに残るほっこりとした嬉しさをしばらくのあいだ楽しみました。


つづきはこちら。

カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)
霜島 ケイ ミギー
4797358947



シリーズ開幕編はこちら。

カラクリ荘の異人たち~もしくは賽河原町奇談~ (GA文庫 し 3-1)
霜島 ケイ ミギー
4797342986

『ミストスピリット 霧のうつし身 2 試されし王』

ミストスピリット 2試されし王 (ハヤカワ文庫FT)
ブランドン・ サンダースン Brandon Sanderson 駒田 絹
4150205124


[Amazon]

読了。

緻密な世界構築とユニークな魔術設定に、スピード感あふれるアクションシーンが印象的な異世界陰謀アクションファンタジー、第二部の第二巻。

〈終の帝国〉打倒がかなってからの世界をえがく第二部は、古いシステムが崩壊した後で新たな価値観を反映したシステムの構築がたいへんな労力と困難を伴うものである、ということが若き王への試練として描かれていきます。

ちとネタバレ気味なので未読の方は要注意。

若き王、つまりエレンドなわけですが。
貴族出身で理論派のかれは王という地位を得たくて王になったわけではなかったので、リーダーシップという面において著しく非力でした。
その分、権力の一極集中へのためらいや決断力に欠ける面があり、それが混乱した都市ルサデルにおいてはあまりよい状況をもたらさなかった模様です。

理想を追い求めるエレンドは、父ストラフやセト卿の軍団に包囲されて次第に混乱と恐慌に陥っていく現実に、理想の実現のためにはまず理想を実現できる環境を整えねばならないことを痛感します。それには、かれの最も嫌う力の行使が必要であることにも。

そんな悩める王を愛する〈霧の落とし子〉ヴィンは、エレンドの身辺警護をする過程で身元不明の〈霧の落とし子〉の若者と出会い、絶対の力をもたらすアティウムを使い切ってしまいます。

ヴィンとの対決を楽しむかのような若者ゼインは、ヴィンとエレンドの住む世界の違いを執拗に指摘し、自分の側につくようにと誘ってきます。

ルサデルではエレンドのつくった法により設立された議会が紛糾つづき、敵との探り合いのうちに味方の中に間諜がまぎれ込んでいることが発覚。

さらに、たもち人としての使命を果たすために離れたセイズドが驚愕の真実を携えてルサデルに戻ってきます。

そしてルサデルには獣人族コロスの大軍勢までが迫りつつあったのでした。

というようなところで前巻が終わったのではないかと、読みながら推測(汗。

わたしとしてはセイズドのもたらした情報が一番気になるところなのですが、なかなか明らかにならないのでじりじり。
どうやら霧が関係していて、セイズドがルサデルまでの旅程で見聞きしてきたこととも関連があるようなんだけど、それは物語の背景にながれる底流のようなかんじです。

ヒロインのヴィンの視点からすると、霧の異常さとエレンドとの関係が目下の課題。
彼女はエレンドの求婚を拒絶していたようですが、身辺警護をつづける過程で自分はエレンドの何なのかを悩み続けてます。自己評価が低すぎるのとエレンドとの育ちの違いが大きな障害になってるようです。

さらに、エレンドは忙しくてヴィンの悩みに気づく余裕もない。
お坊ちゃま育ちゆえの鈍感さも拍車をかけていて、ときどき肩をつかんで揺さぶってやりたくなりましたが、もうこれはどうしようもないかなー。

そんなかんじでゆれるヴィンをつつきまくる〈霧の落とし子〉ゼインの存在がものすごく興味深いです。
ゼインとヴィンとの打ち合いシーンのアクションは、いつもながらのスピード感と臨場感でわくわくでした。

前作からひきつづき出演のみなさんたちもそれぞれに活躍中。

あらためてご出演のエレンド父、ストラフ・ヴェンチャーは、あまりにもな傲慢おやじっぷりに嗤ってしまいました。人間としては最低だけど、キャラクターとしては大変楽しい人物です。
ストラフの対抗馬のセト卿もつかみどころがない海千山千ぶりだし、三陣営の駆け引きはかなり面白かったです。

あとは犬になってしまったカンドラのオレ=スール。
あちらもこちらも混迷状態のなかで、かれとヴィンとの会話シーンが一番話の核心に近づいてる気のするところでした。

いやはや。
ほんとうに五里霧中な展開です。
ストーリーはどんどん進んでいるのにこれからどうなるのか、どこへ行き着くのか、皆目見当がつきません。

ようやく王としてすべきことを自覚したエレンド。
エレンドとの関係にある決着を見いだしたヴィン。
唯一、セイズドだけが同志ティンドウィルとしあわせみたいなのがうらやましいw

迫り来るコロス軍の足音を聞きながら、ストラフ軍・セト軍と対峙しているルサデルのひとびととともに戦の予感に怯えつつ、はやく続きを読みたいーと心の中で叫んでおります。

世間的にはもう第三部が刊行されているというのに。
地団駄踏み踏み……


つづきはこちら。

ミストスピリット 3 (ハヤカワ文庫FT)
ブランドン サンダースン 駒田 絹
4150205159


シリーズ開幕編はこちら。

ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)
ブランドン サンダースン Brandon Sanderson
4150204950

ごく個人的な2010年ベスト

2010年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2010年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番はたぶん読んだ順で他に意味はありません。

ちなみに2010年に読んだ本は再読を含めて161冊でした。


・ブランドン・サンダースン『ミストボーン 霧の落とし子』全三巻。ハヤカワ文庫FT。

若き盗賊の頭に見いだされた奴隷の少女が、ぬきんでた合金使いとして帝国の打倒に関わっていくという、異世界冒険活劇ファンタジーのシリーズ開幕編。
アクションあり、陰謀あり、恋愛ありの盛りだくさんの内容を個性的なキャラクターたちの活躍によってスピーディーに描いていく、日本のラノベに近い雰囲気のある作品です。
他の作品なら魔法使いに当たる合金使いという存在の設定がとてもユニークで面白いです。システムとかいろいろ考えられていて、このままゲームになりそうな感じ。
そのゲームならば画面で見ることしかできない合金使いの感覚を、文章によって追体験できるのが魅力です。もちろん、それには文字による表現を感覚として消化する想像力が不可欠なわけですが。

物語の展開としても読み手の意表を衝く展開の連続。それがとてもスピーディーに進んでいくので飽きる暇がありません。
たいそう面白く、楽しく、どきどきしながら読みました。

被支配民のスカーと貴族の関係や心理的な距離、終の帝国の不死の皇帝の謎など、異世界ものとして必要充分以上に緻密に織りあげられた物語世界の質感をも楽しめて、これはとてもお得なシリーズだなと思いました。

ただ、合金術のシステムがあまりにも合理的に出来ているせいか、ファンタジー的な雰囲気にはちょっと欠けてる感があるような。

といっても、ファンタジーだろうとなかろうと、この作品がとても面白いことは確か。

今は第二部の『ミストスピリット』を読んでる途中です。
世間的には第三部にして完結編の『ミストクローク』が刊行中です。←つまり、わたしは相当に遅れています(汗。

ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT) ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT) ミストボーン―霧の落とし子〈3〉白き海の踊り手 (ハヤカワ文庫FT)


・リリ・タール『ミムス 宮廷道化師』小峰書店。

中世から近世にかけてのおそらくドイツ近辺にある小国を舞台にした、敗戦によって道化師の身分に落とされた王子の苛酷な境遇とそれによって成長していく姿を描く、架空時代小説。児童向け。

幻想も魔法も存在しないお話ですが、ファンタジーといってもいいかもしれないと思ってしまうのは、この物語における道化師の存在が特別だからかなーと思います。

道化師は身分外の存在です。
王の側に侍り、王を楽しませるためにいるけれど、王を批判しても罰されることのない存在。
もちろん、その道化師がどれほど道化師としてすぐれているか、王に必要とされているかによって、道化師の持つ力は増減するのですが、平民よりも下なのに、ときに王よりもつよい発言権を持つ、特異な存在であることの意味が、主人公の少年の目をひらかせ、ひいてはおのれの境遇を変化させていくことに繋がっていく。

身分外といえばすぐに吟遊詩人が思い浮かびますが、この話では一見尊敬されることのなさそうな道化師であることが必要だったのだなーー。

初めはまったくの架空ものかと思われたのですが、あとのほうで十字軍らしきものの影が出てきたりして、そうではないことがなんとなくわかるようになっています。

史実と繋がっていてもいなくても話そのものには関係ないような気もするのですが、そうと知ればこの物語に描かれてるあれやこれやの細々したことはリアルなんだなという気持ちにはなれるかな。

ミムス―宮廷道化師 (Y.A.Books)


・ロビン・ホブ『黄金の狩人』全三巻。創元推理文庫。

重厚で物語的にも精神的にも趣深い異世界ファンタジー三部作「ファーシーアの一族」のつづきです。
ので、さきに「ファーシーア」を読んでからお読みください。

面白おかしい話ではなく、むしろ重苦しく辛い話なので、そういうのでもいいよーという方にお薦めします。
少年の成長とひとつの時代の終焉を描いた前作から云年(すみませんもう忘れてます)、中年になった主人公のあらたな物語が始まります。

広大な世界と複雑怪奇な人間模様。
得体の知れない力と力のせめぎ合い。
人間ドラマでありつつも、異界や魔法の匂いが非常に濃厚な物語です。
この世界に存在するすべての生き物たちがここに関わっていると感じられる、そんな奥行きとひろがりのある世界の描かれ方が素敵で大好きなのです。

なによりも今回はこれにつきます。
狼ラヴ!

黄金の狩人1 (道化の使命) (創元推理文庫) 黄金の狩人2 (道化の使命) (創元推理文庫) 黄金の狩人3 (道化の使命) (創元推理文庫)


・ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』上下巻。草思社。

小説ではありませんが、読んで大きな衝撃というかなるほど! と膝を打った人類史への考察。
文明の進化のスピードの違いは人種ではなく環境にあると解いた点で、非常に客観的に納得の出来る考察でした。
新聞読書欄の「ゼロ年代の一冊」的な企画で多くの方から支持されたという記事を見て読んでみたのですが、その評価も納得。
そして、この考え方はすでにスタンダードになっているような気配も感じました。

それぞれに異なる環境によって育まれたそれぞれに異なる歴史をもつ人びとの歴史が、土地や機構という環境を通してみると理路整然とおなじように理解できていくのが快感。

おなじ方程式をつぎつぎにいろいろな土地に当てはめていくので、下巻にいくと先が読めるようになってしまうのですが、それはもう読み手がこの考え方を受け入れたという証拠なのではないでしょうか。

それに、大きな流れはおなじでもそれぞれに異なる環境がどのように文明に作用していったかの過程は違うわけですし、これまであまり知ることのなかった地域の歴史も学べて、個人的にはとても有意義な時間を過ごせたと思います。

ひさしぶりに知的な興奮をかんじる本でした。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎


・賀東招二『ずっとスタンド・バイ・ミー フルメタルパニック!』上下巻。富士見ファンタジア文庫。

長くつづいていた+待っていた、SFミリタリーアクションコメディーシリーズの、遂に完結編。
読み始める前に既刊を再読しておさらいしておいてよかった。
おかげで細部まで満喫することが出来ました。
すべての伏線を回収して大きなストーリーの流れを収束させつつ、それぞれのキャラクターに見せ場をつくり、ニヤリとさせるシーンが続出。

最後の戦いへと突入してからはどんどん盛りあがって、ゆきついたクライマックス。
非日常の極地から垣間見せられた日常のいとおしさに、涙が出そうでした。

すべてがきれいにおさまって最後は「大丈夫だ。問題ない」。

前向きで爽やかな見事な若者向け娯楽作品でした。
拍手!

フルメタル・パニック!11  ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫) フルメタル・パニック!12  ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)


・伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワ文庫JA。

SFミリタリーアクションミステリ。

こちらはおなじミリタリー物でも「フルメタ」とは似て非なる作品でした。
アメリカ軍内部の隠密部隊に所属する主人公の、やわらかな心が傷だらけになって蝕まれていく過程が、情報戦と格闘戦のクールな描写とともに叙情的に描かれていくさまが圧巻。
現代的な問題提起と、現実社会に生きるつらさのリアリティーが、たんなる娯楽作品の枠には収まりきらない読後感に繋がってるような気がしました。

読んでる途中はひりひりとしましたが、読み終えたあとは茫然。
しばらく頭から物語世界が離れませんでした。

作者さんは夭逝されましたが、こういうかたにこそもっともっといろんな話を書いて欲しかったなと思います。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)


・清家未森「身代わり伯爵シリーズ」角川ビーンズ文庫。

とっても可愛くて楽しい異世界宮廷コメディーシリーズ。

じつは隣国の公爵の隠し子だったパン屋の娘が、父親の元で貴族として育った双子の弟の身代わりとして伯爵を演ずることに。その過程で弟の副官に恋をして、その副官にも恋されて、なのになかなか思いを伝えあえないままにいろんな騒動に巻き込まれる、めちゃくちゃ笑えるお話です。

まず、ヒロイン・ミレーユのまっすぐで猪突猛進する性格がとんでもない状況を作り出していくさまと、彼女を取りまく変人たちの奇天烈な言動がおかしいです。

さらに生い立ちのせいで無意識に恋をしたくないと思っているミレーユの、恋愛関係の言動を斜め上に解釈して誤解する能力に、ミレーユに想いを寄せる人びとが翻弄されて散っていく姿が非常におかしいです。

そんなミレーユの恋のお相手は、兄の副官リヒャルト。

穏やかで礼儀正しく余裕ある態度の貴公子然とした好青年なのに、無意識に相手を口説くような危険な天然言動とか、おそろしいまでの味音痴とか、寝起き最悪で手近な人物を抱き枕にする癖ありとかの実態があきらかになっていくたびにヘタレ度がアップw

シリーズの焦点は、ミレーユがいつ自分の思いを自覚するか、さらにリヒャルトがいつヘタレを返上するか。

そんな甘甘のロマンス要素が、王位継承権争いに端を発した陰謀劇とともに怒濤の勢いで進行するのですが、その要所要所でふたりの間の“これぞ王道”なシーンがいちいち決まってるのが憎い!

話がクライマックスに向かうにつれて、その王道度がどんどんアップしていくのが快感でしたv

もう、おかしくて楽しくて、にやにやしっぱなしw

なんにも考えずにひたすら笑ってよめる、じつに愛らしいシリーズだったなあと……あ、まだ終わってないんですが、とにかく満喫しました。

ヘタレ男がブチ切れたら面白いよー、ということがすごくよくわかったので、何かの参考にしたいなあとか思ってしまいましたw

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の結婚 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の挑戦 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の決闘 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の求婚 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵と伝説の勇者 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の失恋 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の告白 (角川ビーンズ文庫) 身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)


・須賀しのぶ『神の棘』全二巻。早川書房。

これまで少女向けライトノベル方面で活躍されてきた作家さんが早川書房から本を出すと聞いて、まずSF? と思ったのですが、なんと実際は第二次世界大戦前後のドイツを中心としたヨーロッパを舞台にした、重厚な歴史ミステリでした。

主人公はナチスの幼なじみのふたり、若きエリート将校とカトリックの修道僧。

ふたりの生きていく道はときに重なり、ときに離れてそれぞれにつづいていきますが、時代の嵐のなかで生きていく姿と、その道のりの苛酷さに息を呑む展開でした。

読んでいくうちに、ドイツ人がヒットラーのナチに政権を委ねたのはなぜなのかが理解されてくると、どんどん怖くなってきました。

それはその時代のドイツの置かれたような国際情勢、国内状況に疲弊しきった人間ならだれでもが犯してしまうようなあやまちだったのだということが、とてもよくわかったので。

そして、それが今の日本にとてもよく似ているようだったので。

ナチスの戦争犯罪は残虐の一言に尽きますが、なかでもユダヤ人差別のひどさは吐きそうになるくらい酷かったです。こんなことをされたら、それはトラウマになるだろうなと思います。でも、だからといって自分たちがおんなじことをしていいということにはならないとも思う。

何の罪もない被害者と比べたらいけない気もしますが、現場の兵士たちがどんどん疲弊していく姿も辛かった。こんな行為をつづければ精神的に病んでいくのが当然。戦場にでない党の幹部たちが憎くてたまりませんでした。

ナチスを止めようにも止められない、カトリック教会の人びとの苦悶と、その弱腰に幾度も失望しつつ期待してしまう信者たちの苦闘は初めて知りました。
なすすべのない絶望の中で最後には信仰にすがって死んでいく者の姿と、勝利のためには信仰をもないがしろにする人間の姿の対称には、言葉を失った。

あまりの悲惨さに、これがミステリであることをほとんど忘れました。
圧倒されました。

でも、ちゃんとミステリだったのですよね。
ちょっと事実の迫力に物語としての枠がかすんだような気がしましたが、さいごをまとめるにはこの枠は必要だったんだなーと思います。
けど、わたしにとってはこの話は小説じゃなかったなー。
この話のことを考えるといまも戦場の光景が眼に浮かんできます。
実際には見たこともないのに。

神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド) 神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)


2010年はそんなにたくさんは読んでないと思ってたけど、語り出すとけっこう濃かった。
シリーズ物を再読含めて一気読み、というパターンがふたつありましたね。
一気読みは伏線忘れやディテール忘却がなくてよいのですが、体力的には結構キツイです。
ラノベならできるかも。←じっさいそれしかやってなかった。
フルメタは家族が手術を受けてる待ち時間に読んでいました。
おかげで思い出すと待合室の光景が浮かんできます。

今年は他人様のおかげで積ん読がけっこうできているので、うれしたのしくそれらをまず消化していきたいと思います。

以下はその他の印象に残った本です。

恒川光太郎『南の子供が夜いくところ』、賀東招二『コップクラフト』、メアリ・ホフマン『聖人と悪魔 呪われた修道院』、杉井光『さよならピアノソナタ』シリーズ、森谷明子『深山に棲む声』『葛野盛衰記』、荻原規子『RDG3 夏休みの過ごしかた』。




ごく個人的な年間ベスト一覧

新年あけましておめでとうございます

寒波の中で2011年も明けました。

年末にばたばたとしていたのでいまいち新しい年という気分が湧かないんですが。
とにかく明けてしまったのでしようがなく、今年の抱負をあげてみたいと思います。

ここで去年の抱負をちらりと。

本を読む。感想を書く。量はそれなりに。そのために面白い本を見つける。

創作サイトを更新する。そのために更新材料をつくる。つまりお話を書く。できるだけたくさん。(できるだけ、というのがミソ;)

居間の片付けをする!

体脂肪を減らす! そのためにできるだけ毎日散歩をする!




えーー、本は読みましたねそれなりに。
本よりマンガのほうが多かったような気もしますが気にしない。
集中力が持続しなくなって一冊読み切るのに昔では考えられなかったような時間を費やしています。はう。

創作サイトは……一度だけ更新しました。しかしそれは一昨年書いたものの焼き直しでした。
新しい物はまったく書けませんでした。反省しています。
構想だけは練ってます。

居間の片付けは、したんだけどしたあとで元に戻ったorz
これはわたしのせいじゃないです。すべては家族のせいです。
混沌に戻っていくありさまを見ながらきいーと怒りの声を押し殺していました。

体脂肪は元に戻りませんでした。
散歩も、夏はまったく出来ませんでした。
去年の夏は地獄でしたよね。生きているだけで苦労するような日々でしたので、すっかりバテてしまい、散歩どころではありませんでした。

今年はそんな気候にならなければいいなあと思いますが、こればかりは人間にはどうしようもないので、夏が来るまでに乗り切るための体力をつけたいと思います。

というわけで、今年の抱負。

本を読む。読むったら読む。積ん読を減らす。

創作をする。頭の中だけでなく、少しは形にする。そしてできれば表に出せるようにする。

体力をつける。できるだけ毎日散歩。

そして病院に行く回数を減らす。
定期のは仕方ないけど突発的な病に罹らないように。
去年は内科、整形外科、精神科、消化器内科、眼科、耳鼻科、と病院巡りみたいなことをしてしまったので、それはなくしたいです。

あと、家族のあしをひっぱらないようにできるだけ支えてあげられるようになりたいなと、これは自分に指令。

ずいぶんと低空飛行なサイトになってしまってますが、いまのところやめるつもりはないので、これからもおつきあいいただければ嬉しいです。

今年もよろしくお願いいたします。