『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う 英国パラソル奇譚』

アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)
ゲイル・キャリガー sime
4150205329


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読了。

吸血鬼や人狼が異界人として人間と共存する十九世紀のイギリスを舞台に、強気のオールド・ミスが好奇心で周囲を振り回す、人外時代ロマンス小説。シリーズ開幕編。


アレクシア・タラボッティは二十四歳のオールドミス。ある夜、退屈な舞踏会でいつもどおりひとり図書室に逃げ込んでいた彼女に様子のおかしい吸血鬼が近づいてきた。結果としてアレクシアは襲ってきた吸血鬼を殺害してしまい、死体を目にして卒倒した淑女を演じなければならなくなってしまった。死んだ吸血鬼は群に属さないはぐれものだった。背景の不明な事件の解決に乗り出したのは異界管理局BURに属する人狼団のボス・マコン卿。過去の不幸ないきさつからマコン卿に嫌がられているアレクシアだったが、持ち前の知識と好奇心から行動をやめずに次第に事件の渦中にのみこまれていく。




評判が良かったので読んでみました。
ファンタジー的ヴィクトリア朝を舞台にした時代物ロマンスコメディーです。

しかし、のっけから漂う“これは何かが違う”感に驚きます。
まず、オールドミスのミス・アレクシア・タラボッティ。オールドミスといってもまだ二十四歳の彼女は、なんと、襲いかかってきた吸血鬼の鼻の穴をつかんで投げ飛ばします。

鼻の穴!
よくそんなところが掴めるな!

そして愛用の特注パラソルで吸血鬼の脳天を金的をバシンバシンと叩きまくります。

なに、この迫力!
しかも、容赦ない仕置き!!www

頭脳は明晰で淑女にあるまじき豊富な知識を誇り好奇心はひとの十倍、意見は誰彼かまわず遠慮会釈なしに言いたい放題。
婚期を逃したのは母親の思惑のせいですが、そうとうなじゃじゃ馬であることは確かです;

そんな彼女のお相手は、人狼団のアルファ(ボス)のマコン卿。
スコットランド出身のワイルドな魅力をぷんぷんさせるマコン卿は、どうやら気の強く頑固な女がお好み。過去の遺恨が尾を引いてますが、ことあるごとにアレクシアの吸引力から眼をそらそうとする様がwwwwなのです。

物語ははぐれ吸血鬼の出身を巡る謎をめぐり、純粋に聡明な会話からアレクシアに興味を抱いた若いアメリカ人科学者(小太り)、伝統ある吸血群の女王との会見、ロンドンに出来た科学者を対象とした新しいクラブなどが絡み合い、サスペンス調で進みます。

異界人と人間の違いは魂の数とか、ワイルドな人狼社会と貴族的な吸血鬼社会の違い、とくに吸血鬼の召使いたちのありよう、それからイングランド社会と異界人の関係などの設定がとても巧妙でしっくりとまとまってるのが楽しいです。

しかし、なんといってもわたしはアレクシアとマコン卿のラブコメとして大いに楽しみました。
それほどロマンス小説を読んでるわけではないのですけど、寸止めのホットシーンがこれほど笑いを誘うロマンス物は初めてw

しかも笑いの対象が、淑女たらんとしているのに結局ぜんぜんそうじゃないアレクシアなのが可笑しいですw

少女めいた感傷などみじんも感じさせない(のは生まれつきアレだからか?)アレクシアの大活躍に、笑いが止まりませんでした。

あー、面白かった!

個人的にはマコン卿の毛嫌いする最高齢の吸血鬼アケルダマ卿がお気に入りです。
派手派手な親戚のおじいさんみたい、吸血鬼だから外見は若いはずだけどなんとなく雰囲気がおじいさんなのw

シリーズはすでに続きが出ている模様です。
タイトルからすると、もしかしてマコン卿の故郷にでも行くのかな?

アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う (英国パラソル奇譚)
ゲイル・キャリガー sime
4150205345

20110826の購入

新刊を手に入れるために二日連続で本屋に行ってしまいました。

アバタールチューナーⅣ (クォンタムデビルサーガ)
五代 ゆう 前田浩孝
4150310440


以上、購入。

発売日の午前中には、まだ入荷してなかったのです。
首都圏とは名ばかりの田舎、いえ郊外の中小規模書店なんてこんなものさ;

とりあえず、各店に一冊ずつしか入荷してなかった本の一冊を無事にゲットして参りました。
(なぜか手に入れた後もほかの書店の状況を確かめにまわっていたりする←おばか)

これでとりあえず読む本を一冊確保。
積ん読がすべてはける前に図書館予約本が届いてくれるとよいのですが;

『マジで危ない九死に一生? フルメタル・パニック!』

フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生?
賀東 招二 四季 童子
4829136685


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読了。

SFミリタリーアクションコメディー、「フルメタル・パニック!」シリーズの学校生活もの短編集、第九弾。

昨年完結した「フルメタル・パニック!」の本編終了前に雑誌掲載された短編二作、終了後の二作(うち書き下ろし一作)を収録した短編集です。

収録作品は以下の通り。


与太者のルール(前編)
与太者のルール(後編)
ご近所のサーベイヤー
つぶらなテルモピュライ
テッサのお墓参り

あとがき




サバイバルゲームでかなめと宗介が対決する「与太者のルール」。
かなめの住むマンションのゴミ管理人を巡る人情話「ご近所のサーベイヤー」。
ボン太君大活躍のふもふもどたばたコメディー「つぶらなテルモピュライ」。

どれも以前のままのおばかテイストにあふれていて、なおかつしんみりとさせてくれたり(ご近所)、元気の出るお話でした。


異色なのは、「テッサのお墓参り」。

タイトルのまんま、テッサがアルを作った友人バニのお墓参りをする話です。
本編終了後、どれくらいの期間が経っているのかは不明ですが、三ヶ月くらいは経過しているのかなとなんとなく。

マオやクルツ、そのほかの仲間の消息がほんの少しわかったりします。
というか、マオ姐さん! いつのまにそんなことに!w

バニは本編ではほとんど「アルを作った天才」としか説明されてなかったのですが、この話でひととなりがわかって、本編にももう少し出てきても良かったんじゃないかと思ったりもしました。

なにしろ、アルはフルメタの副主人公ですからw

でも、そのアルの誕生にまつわる人物のエピソードがテッサの成長した姿とともに描かれるこの話、シリーズの掉尾を飾る話としてはとてもよかったなあと思いました。

正直、主役二人の後日譚も読みたかったですけど、たしかにわかりきってることでもありますしねえ……w

これを読んでついまた本編最終巻を読み返したりしてしまいました。
で、グルーゾーさんは秋葉原に住んでるのかなあ、とか想像したりしてましたw

陣代高校を舞台にした短編集はこれで終わりだそうですが、あとがきによるとまだサイドアームズとしての話は書く気はあるそうなので、それを楽しみにしたいと思います。

それから、本編終了十年後を舞台にした、作者監修のスピンオフシリーズが開始されています。

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫 か 3-4-1)
大黒 尚人 四季 童子
4829136693

主人公は陣代高校の男子校生。ASを駆るのが女の子? という本編とは逆のキャラクター配置のお話みたいです。

長編シリーズの開幕編はこちら。
戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
賀東 招二 四季 童子
4829128399


短編集の第一集はこちら。
放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)? (富士見ファンタジア文庫―フルメタル・パニック!)
賀東 招二 四季 童子
4829128577

『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー II』

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅡ (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう 前田浩孝
4150310297


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読了。

ゲームソフト「アバタールチューナー」の原案小説。シリーズ第二巻。
近未来風異世界SF、かな?

ジャンクヤードを舞台に血みどろの抗争が繰り広げられるPart 1煉獄の完結編です。

質感あふれる言葉遣いにリズムのある文章で、雰囲気のある世界が描かれています。

一巻冒頭で突然自意識をもたされた主役たち。
いままで感じることのなかった過去や人間関係に関する感情にとまどい、自らの変化と罪の意識に怯え、予告なく変化していく状況にジャンクヤードを支配するカルマ教会への不審を抱きはじめて、理由を求めて楽園への扉をめざしていく過程が熱いです。

一巻からひきつづくトライブ同士の抗争を背景にした戦闘シーンが圧巻。
変身するキャラクターたちの個性が強烈で、その武器や得意技、つぎからつぎへとスピーディーに変化する状況の描写にしびれます。

基本的に主役のサーフをはじめとした〈エンブリオン〉メンバーに、有力キャラクターが加わっての展開で、このあたり、ゲームがもとであることが推測されるシーンがぞくぞく。
パーティーを組んでの戦闘や、廃墟を元にした基地でのダンジョン攻略など、ああ、このゲームやってみたいーと強く思わされました。

戦闘シーンがぶつぎれになるのではなく、物語全体の進行と連動してどんどんテンションがあがっていくのにぐわーときます。

ジャンクヤードの秘密が次第に明らかになるのに、セラの謎はぜんぜん明らかにならないあたり、撒かれた餌を拾い食いして飢えをだまくらかされているような、作者の罠にまんまとはまってるな感がひしひしと。

サーフとヒートの文字通り氷と炎のふたりの危ういバランスや、かれらとルーパ親父との関係や、アルジラとジナーナの百合っぽい関係など、キャラクター小説としても楽しめますが、一本通った筋によって全体に漂う緊張感がたまりません。

ジャンクヤードの全貌が見えたときの驚きと、何故?という疑問への答えをもとめて、ひきつづき三巻へと進みたいと思います。

とにかく、面白いです!

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅢ (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう 前田浩孝
4150310386

20110820の購入

いきなり涼しくなったので身体が楽になりました。そのぶん張りつめていた気がすこんと抜けていて、全体的にはへなへなな感じです。
根性入れ直すために本屋へ突撃。

フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生?
賀東 招二 四季 童子
4829136685


以上、購入。

同時にこんなのも出ていてかなり迷いました。

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫 か 3-4-1)
大黒 尚人 四季 童子
4829136693


本編終了十年後の世界を舞台にした、作者監修による二次創作だそうです。
挿画が本編とおなじなのでぱっと見はほとんど続編みたいなんですけど……。
気になるー。

20110816の購入

酷暑の毎日、すっかり引きこもりなわたしはクーラー病でダウン寸前です。
発売日を口実にしてようやく外に出ました。
外は超絶に暑かったです。

エロイカより愛をこめて 38 (プリンセスコミックス)
青池 保子
4253194583


アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)
ゲイル・キャリガー sime
4150205329


以上、購入。

目当ては「エロイカ」。
でも棚に見つけた「アレクシア女史」がどーしても読みたくなってしまい、図書館に予約を入れているにもかかわらず、「もう何ヶ月もたってるのに未だに届かないんだから、これからもまだ何ヶ月も待たされるに違いない」と言い訳して買ってしまいました。

最近、ストレスのせいかやたらに散財していて自分で困ってます。
ひとつひとつはささやかだけど、塵も積もればなんとやらなのですね……。

はやく夏が終わればいいのに、といってもまだ終わりそうもないですが。せめてこの酷暑だけは終わってほしい。一日中三十度以上なんて地獄です……(涙

『別冊 図書館戦争 I』

別冊 図書館戦争〈1〉
有川 浩
4048670298


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読了。


言論統制が厳しくなって本狩りが現実になった近未来。武装した図書館で戦闘職として頑張る女の子の恋と成長を描いたシリーズの、番外編その一です。

タイトルの「別冊」は少女マンガ雑誌によくある「別コミ」「別マ」とおんなじ意味だそうです。
中身はこれ全編少女マンガ的なラブストーリー。しかも、本編でラストは約束済みなので、これでもかこれでもかと砂糖攻めのようなラブラブ展開。

これは……男性には読めるのでしょうか……;

時系列的には、第四巻で本編からいきなり時間がすっとんだエピローグまでになにが起きていたのか、という部分です。

つまり郁が堂上教官とつきあいはじめてから結婚に至るまでの、爆笑経過観察。
ちゃんと図書隊で事件を解決してますが、あくまでメインはふたりのラブラブです。
二十六歳・純粋培養乙女・茨城県産の郁の、ひとの想定の斜め上をいく脊髄反射な行為に大笑いさせてもらえます。

職場の仲間は愉快だし、堂上教官の家族は楽しいし、郁は相変わらず猪突猛進だし、いやーおかしかったです。

スポーツブラの顛末には笑い転げました。

いっぽうで、わたしは柴崎と手塚の、本人たちは言われたくないだろうのろのろ恋愛経過を興味深く見守っておりましたw

郁と堂上はお互いに「相手が自分を好きなはずがない」と思ってて進まなかったのですが、柴崎と手塚はお互いに「自分が相手を好きなはずがない」と思ってるようなので、さらにひねくれた面倒くさいことをしまくってて、そこが笑えます。このふたりは主役ふたりを笑えないと思うぞw

あと、手塚の犬ぽい性格もツボ。
女の子のエスコートの仕方に文句を付けられた後で、ひそかに「よし、覚えた」wとか思ってるとこがかわいいー。

対して、柴崎は猫ですねー。
自分の気分でなでてみたり突き放してみたり。
ときに自分が予想外のことをしてることに気づいて、慌ててみたりw

別冊の二冊目はこのふたりがメインらしいので、いまからものすごく楽しみにしています。
手塚兄がもっと出てきてくれたりするといいなー。
柴崎に気があるようなそぶりをして、弟を大混乱に陥れたりとかw

ところで、別冊1は待ちきれなくてハードカバーを借りて読みましたが、世間的には文庫がもうでています。

別冊2文庫ももうじき出ると思います。わたしは予約順がくるのを首を長くして待ってますw

別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) (角川文庫 あ)
有川 浩 徒花 スクモ
4043898096


別冊図書館戦争II 図書館戦争シリーズ(6)
有川 浩 徒花 スクモ
404389810X

『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー I』

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーI (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう 前田浩孝
415031022X


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読了。

文明崩壊後の近未来的世界で、生存のためにただひたすら戦ってきた主人公たちがある出来事を機に自我を得て、戸惑いつつも楽園へと至るために進んでいく姿を、世界の謎とともに描くSFファンタジー。シリーズ開幕編。
ゲームソフト『アバタールチューナー』の原案小説。


荒廃した世界でジャンクヤードに生を受けた者たちは、それぞれが属するトライブのリーダーの元に武力闘争を続けていた。殺さなければ殺される。荒んだ世界で生き延びるためにはジャンクヤードすべてを制圧し、勝利者としてカルマ教会に認められて楽園への扉を開かせなければならないのだ。新興トライブ〈エンブリオン〉の若きリーダー・サーフは、隣接するトライブ〈アサインメンツ〉との境界にあらわれた正体不明の大きな異物を巡っての抗争中に、思いがけない出来事に襲われる。一度は死を感じたサーフだったが、そこで何かが起きた。意識を取り戻したサーフは謎の異物のあった場所に眠るしろい少女を発見する。



ゲームはまったく知らないのですが、五代ゆうさんの新作ということで購入。
完結まで待とうと思っていたのですが待ちきれずに読み出してしまいました。

面白かったあ。

五感に響いてくるような描写、文章の畳み掛けるようなリズムがカッコイイです。
読んでいて久しぶりにこんな文章を書きたいわーと思いました。
三人称単視点の文章で、基本的に主役サーフの視線からみた世界が描かれているのですが、それほどかれの心情どっぷりというわけでもなく、とりまく世界を細部まで画像的・感覚的に描き出しているところがたまりません。

アクションシーンもスピード感があって快感。
冒頭のミリタリーぽいのも楽しいけど、あとの怪物同士の対決も血肉がたぎる感じでいいですね。

個人的に印象に残ったのは、水銀にたとえた描写です。
どろっとした粘性と、ぎらりとする反射と、毒なのになおかつ美しい、メタリックなのに変化する存在感。

変化する、というのはこの話の重要な部分かも知れません。

ゲームをしていないので物語世界の仕組みがいまいちわかってないままに読んでますが、楽園の名前がニルヴァーナだったり、ジャングヤードの人間たちがアスラと呼ばれたりするので、仏教の曼荼羅とか解脱とかが頭でぐるぐるとまわっています。

あのマントラも、見覚えのあるものだったのでびっくり。
意味までは知らなかったので、分かってちょっと嬉しいです。

でも、用語はべつにサンスクリットだけじゃないし、ここの文化はどうなってるんだろうというのも多いに興味があるところです。

各章の冒頭にかかげられた引用をねぶねぶ読んでみたり(わたしには理解不能なところ多数;)、蓮の花から生まれた(といっていいのか;)しろい女の子セラの役割をいろいろ想像してみたりしています。

大きな謎のなか、登場人物たちの混乱と葛藤がダイレクトに響いてくるやりとりもおもしろい。ただ存在していたものたちが突然自分を意識しはじめたらどうなるか。これって『ハーモニー』の逆バージョン?

主人公のサーフと、副官ヒートの関係は読む人が読んだらいろいろと想像できるんだろうなー。と今気がつきましたw

ところで、わたしはなぜか途中からサーフが島村ジョーに読めてきてしまって、自分で困惑しているところです。何故でしょう、自分でも理由がわからない;

ストーリーはトライブ同士の関係変化に、教会内での暗闘を暗示して、緊張感を維持したまますすみ、ラストは思いっきりええっ、なんですか? とひっぱったまま次巻につづいています。
たぶん、このひとはあのひとだと思うんですが、間違っていたら恥ずかしいので明言は避けときます。

問題なのはゲームをやってみたくなってきちゃってること。
ド下手なんで最近はあんまり手を出さないようにしてるんですが(進まないので嫌んになってしまう)、女神転生ならわたしにもできたからもしかして……などと色気が頭をもたげてきた。

いや、しかし、ゲームをしたらネタバレになるんじゃないの……?
葛藤しつつ、まずつづきを読むべきよねと自分に言い聞かせます。
それにいまは節電だしね……

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅡ (ハヤカワ文庫JA)
五代ゆう 前田浩孝
4150310297

Apple Wireless Keyboad

机が狭くてなんとかもうすこし身動きしやすい環境にしたいなーとつねづね思っておりました。
そこでふと、思いついたのが「ワイヤレスにすればいいんじゃない?」。
そしてまたアップルストアを見ているときに「あれ、ワイヤレスキーボードってテンキーがないからいまのUSBキーボードより小さいんだ」。

というわけで、懐と相談しながらしばらく考えておりましたが(だいたい三、四ヶ月)、このたびえいっと買ってしまいましたw

Bluetooth接続のキーボードです。
コンパクトです。かわいいです。机の上にちんまりとして存在を主張しません。
うふふ。これは良い買い物をしたv

ちょっと困ったのはこれまでキーボードのUSBポートに差していたマウスのつなぎ口。
ケーブルがぎりぎりなのでーいまはタブレットのバンブーをマウス代わりとして使用してみることにしました。

それと、このワイヤレスキーボードはiPhoneやiPadにも接続できます、もちろんわたしのiPod touchにも。

ということで試しに繋いでみました。ちゃんと接続できました。
しかし、問題がひとつ。
日本語入力はローマ字入力のみなのです。
一般の方にはそれがどうした、なことでしょうが、わたしはかな入力が染み付いているので非常に困惑しました。
ローマ字入力はキータッチが増えるので手が疲れるのですよ……。
これを機会にローマ字入力を覚えればいいんだろうけど、たぶん、そこまでの意欲はないです。ヘタレなのです。

まあ、touchではそんなに必要ないと思うからいいかー。

iBookでちゃんと使えてるのでいまのところそれで満足です。


Apple Wireless Keyboard (JIS) MC184J/A
B002TOJH9K


ところで、Mac関連では少し前にSnow Leopardも買いました。
新OS、Lionリリース間近に駆け込み購入です。
親族には「いまごろ」と失笑されましたが、結果的にこの時点で買っておいてよかった。
Lion購入は、SnowLeopardが必須条件になったのです。さらにオンラインでのみ購入できる……らしい。

しかも、新しいMacのラインナップにはどれもこれも、メディアドライブが付いてないんですよね。
件の親族は「外付けを買ってつければいい」とこともなげに言い放ちましたが、いつものことながら思い切りよすぎるだろう、アップル! と思いました。

そんなわけでSnowLeopardを導入しましたが、どこがLeopardと違うのかあまりわかっていないわたしです。
理解できたのは、いろんなアプリケーションをバージョンアップする必要ができたこと。
ことに、ATOK2007が使えなくなったということです。
いまのところ、ことえりでしのいでますが、なにか真面目に書きたいと思ったらちょっと微妙だなーと……しかし絶対に困るというわけでもないので、書く気になったら考えることにしよう。

MAC OS X 10.6.3 SNOW LEOPARD
B003HGH99O


『はなひらく ―淵国五皇子伝―』

はなひらく 淵国五皇子伝 (一迅社文庫 アイリス こ 03-02)
古戸 マチコ 鳴海 ゆき
4758041563


[Amazon]

読了。

植物を異常に発育させてしまう異能を持つ女の子と、東の大国・淵の呪われた五人の皇子とのいろいろを、ギャグをちりばめて明るく描く、異世界メルヘン。シリーズ開幕編。



少女カナンは、感情を爆発させると植物を異常繁茂させてしまう力のせいで、生まれ故郷を離れ、王立大学の植物学舎の片隅で小間使いのようなことをして暮らしていた。そんなある日、東の国・淵からやってきた善という若い茶商人が、カナンにある植物の種を見せ、あるひとの病を治すためにこの種を育てて実を付けさせてほしいという。故郷で人々から憎まれ、植物の檻の中で死にかけていたカナンを救ってくれたのは淵の国のひとだった。カナンがその種に触れると種の言葉が聞こえてあっという間に種から伸びた緑のツタや葉に全身を取りつかれており、そのてっぺんにはまだ咲いていない堅いつぼみまでがあった。かくしてカナンは善の導きにより淵の国へと旅立つことになったのだが――




お初の一迅社文庫アイリスでございます。
このレーベルは新刊がちょぴっと入荷するかまったくしないかで、たいていの場合リアルでみることなく過ぎ去ってしまうのですが、めずらしく発見したので買ってみました。

おおむね楽しい……けど、せわしない……。
ネタがたくさん詰まってるんです。異能を持って生まれたヒロインとか、異文化接触とか、トラウマだらけの皇子様たちとか、植物かわいいとか、トカゲかわいいとか、女装にいさんかっこいいとか。ネタは笑いネタも含みます。その点では前半はネタだらけといっても過言ではないです。

それでなくとも五人皇子という時点でせわしないのに、とてもたくさんの要素を詰め込んだ結果、中途半端になってしまったネタがけっこうあって、それがもったいない。そのあたりはバッサリと切ってほかのところ、たとえば善が来るまでのカナンの大学での立場がいまいちわかりにくい(小間使いのような、と書いたけど実際どうなのかな)ので、そのあたりを書き込んでもらえたら嬉しかったかも。

ヒロインが設定だけでできてるようなあいまいなままだったので、話の核心がなかなかつかめなくて、ラストでようやく、ああと腑に落ちた。ので読後感はよかったです。それまでの流れがあればもっとカタルシスが味わえたと思う。

ネットでずっと拝見していたので、作者さんの文章のセンスのよさは知ってるし、こころのうごきをきちんと書ける事も知ってるので、ちょっと残念。

わたしとしては本当はこんな版で押したようなありふれた設定の異世界ファンタジーではなく、ちょっと変わった味わいの短編を読みたい作者さんなんですが、商業作品では無理なのかな、かな、かな。

シリーズとしては好評らしく、続刊が出ています。

はなうたう-淵国五皇子伝- (一迅社文庫 アイリス こ 3-3)
古戸 マチコ 鳴海 ゆき
4758041911

「でんしょでしょ! vol.2」

なびさん主催のオリジナル小説誌「でんしょでしょ!」の第二号読了。

無料のオリジナルネット小説のアンソロジーです。
ネット小説は基本的に作者ひとりで書き、校正し、公開する物ですが、この雑誌の掲載作品には第三者による校正が入ってます。

短編を六編収録。
わたしの好みは恵陽さんの「来客御礼」かな。コミカルで明るい異世界召還ものです。

ミステリ、ファンタジー、ホラーといろいろなジャンルの作品があり、まさに雑誌だなあと感じました。
一号と比べると肩の力がぬけたような雰囲気があります。

前回と同様、縦書きPDF版をダウンロードさせていただき、iPod touchで読みました。
需要がないとの事でデカ文字版がなくなったのが寂しかったです。

『図書館革命 図書館戦争シリーズ4』

図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
有川 浩 徒花 スクモ
4043898088


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借りて読了。

検閲と称した本狩りが公然と行われるようになった近未来。法的根拠を持って対抗できる唯一の組織図書隊に籍を置き、日々奮闘する新人図書隊員の女の子の、恋と成長を描くアクションラブコメディー。第四巻にしてシリーズ完結編。


組織が次第に変化しつつある図書隊にあって、笠原郁は堂上教官の元、特殊部隊員として日々成長を続け、ぎこちなかった堂上との関係もしだいに落ち着きつつあった。そんなおり、原子力発電所へのテロ事件が発生した。日本中が震撼する中、そのために一時的とはいえ、治安組織に大幅な権限を許す特別措置法が可決され、そのなかにはメディア良化特務機関の名前も含まれていた。テロが著作に酷似しているとしてメディア良化隊は著名な作家・当麻蔵人に標的を定めた。良化委員会の目的は当麻を拘束した上で著作権を剥奪し、言論統制をさらに強力にする事だ。当麻は編集者折口を通じて図書隊に助力を求めてきた。当麻を保護するためには図書隊内の不穏分子の眼もくらまさなければならない。特殊部隊はひそかに極秘の特別任務につくことになる。




うーん、面白かった。
この巻は、骨太のストーリーが一本ずしっと決まっていて良質の冒険アクション物の様相を呈しつつ、しっかりと恋愛要素を絡めて進む、予想外な展開にぐいぐいとひっぱられて読みました。

良化特務機関の暴走にまずぽかーん。
そして、言論の自由の危機にたちあがったメディア関係者の行動にぽかーん。
さらに裁判の結末を受けての特殊部隊の行動目標にぽっかーん。

ええええっ、こんなふうに展開しちゃうの、ありうるのこんなこと! と呆然としながらも作中リアリティーがないとは言えず、折り紙付きのディテールの確かさに支えられて読まされてしまいます。

これまで公然とした敵ではないにしても、図書隊にとってはさんざん煮え湯を飲まされてきた手塚兄の大活躍にも注目です。
クールでやり手そのものの姿を日本中に植え付けながらも、弟への内心や柴崎への微妙な心情が垣間見えるあたりにニヤニヤ。柴崎の評「ブラコン兄弟」に深く深くうなずくわたし。

そして相変わらず手塚は柴崎にいいようにあそばれてますなあw

情報戦を一手に引き受ける柴崎とはべつに、実戦での特殊部隊は八面六臂の活躍です。稲嶺指令いや、稲嶺顧問の薫陶が効いてるんでしょうか。顧問もいい味出してますよね。
これで郁が熱くならないわけがなく、郁の熱気に煽られたか堂上教官まで一緒に突っ走ってくのでもうもうもう……。手塚じゃないけど、どこで止まるんだよ。

でも、どこまでも最良の結果を求めて職務を尽くす姿は、一途でけなげで清々しく、熱い血潮を感じてうおおおお、と内心雄叫びそうになったりして;

本屋のバックヤードでのシーンは、別の意味で悶絶しそうでしたが;
堂上きょうかーん……w

最後はラストめがけて一直線と思いきや、予想外のお遊びがあって笑いました。大阪のおばちゃんたち、ナイスです。

娯楽に徹した作風も健在です。エピローグでは後日譚も堪能できます。
あまりにも親切な書きように、え、ここまで書いちゃうの、と思う事もしばしばあるのですが、そういうところは、この作者さんは本当に読み手を楽しませたいんだなーと感じさせて、嫌いではないです。

ただ、文章が突然短縮されるのには最後まで慣れなかった。話し言葉ではありだけど、書き言葉ではあんまり言葉を省略しないでほしい。文章が理論的に破綻してる時があるので、気になりました。

ともあれ、恋愛がらみの冒険小説として大変に楽しく血湧き肉踊るお話でした。

シリーズはこれで完結ですが、別冊と称して短編集が出ています。
情報によると、1が郁×堂上編で2が手塚×柴崎編なんだとか。
わたしとしては2がものすごく楽しみです。うわー、早く読みたいわーwwww

別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) (角川文庫 あ)
有川 浩 徒花 スクモ
4043898096

『図書館危機 図書館戦争シリーズ3』

図書館危機 図書館戦争シリーズ3 (角川文庫)
有川 浩 徒花 スクモ
404389807X


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借りて読了。

検閲がまかり通るようになった近未来。唯一の対抗組織として武装化した図書館で戦闘職種として頑張る女の子の、お仕事と恋のミリタリーアクションラブコメディー。シリーズ第三巻。


メディア良化委員会の横暴から本を守ったあこがれの王子様が堂上教官だった――事実を知って混乱する郁だったが、上官としての堂上をすなおに見てゆこうとようやく決意する。入隊して二年弱、図書隊は昇進試験の季節を迎えた。すべての業務に精通しなければならない特殊部隊は、通常の図書館員とおなじ課題を課せられる。今期のそれは子供への読み聞かせだ。特殊部隊で合格が不安視されていたのはもちろん郁だが、影でひそかに苦悩を味わっていたのがエリートとして名高い手塚だった。子供が苦手な手塚は悩んだ挙げ句に柴崎に相談を持ちかける。




面白かったー!!

郁の恋は仕切り直し。
その後の昇進試験で手塚と柴崎が接近。
検閲を逃れるための自主的な言葉狩りエピソード。
そして郁が故郷で錦を飾る? この巻のクライマックスは茨城県での美術展で勃発するメディア良化隊との激突エピソードです。

話としては言葉狩りの話から美術展への流れが緊張感があってたいへんに惹きつけられます。
武力での対決はいまのところまだ非現実ですが、メディアが自主的に行う言葉狩りはもうすでに現実なのではなかろうか。
“万が一”のときのために不必要に言葉を制限し、自己保身をはかる。
表現の自由を捨てることは、だれかにおもねる事にほかなりません。むろん、差別用語とされる言葉がそう規定された事の経緯や意味は考えなければなりませんが、だれかの意向によってそう規定されたのかも知れないと考える事は、けして無意味ではないと思います。

と、テーマに沿った縦糸もとても面白かったのですが、からんでくる人間関係がどんどん楽しくなっていくのがこの巻です。
玄田隊長と折口さんの長年のつきあいは練れてるなあと感心します。
が、わたしがもっとも楽しんだのは手塚・柴崎コンビ!

クールなエリートと思いきや、じつは生真面目な朴念仁だった手塚君が、口八丁手八丁の柴崎に翻弄されてるようすがもう、かわいくてかわいくてw

柴崎の、

予想外の事態に投げ込まれたときの反応は意外とバカでかわいい



という分析が吹き出すほどに的確で、もうたまりませんw

郁と堂上教官のほうはじれじれを楽しむ展開になってるので、よけいにこの二人が面白いんですよねー。

本筋とあまり関係ないところだからこそ、くわしくつっこまれずにさらりと書かれているあたりも、わたしの好みです。

茨城の図書隊に応援に行く話は、図書隊内部での混乱がメディア良化隊との闘争が困難になりそうな予感をもたらすのと、ミリタリー物の本領発揮なアクションシーンが目白押しな派手なエピソードですが、あいまに郁の肉親関係がからんで情の部分での進展があったりもし、小憎らしいまでに盛り上がってしまいました。

かなり物騒な結末になってますが、ラストへ向かっての緊張と興味をぐぐっとひきよせてます。
これはすぐに続きを読まねば、という気持ちになりました。

同時収録短編は「ドッグ・ラン」です。

最期に一言。
玄田隊長、かっこよすぎ!


図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
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『図書館内乱 図書館戦争シリーズ2』

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借りて読了。

検閲がほぼ合法化された近未来。言論と表現の自由を守るために敢然と立ち向かう図書館に所属し、戦闘職として頑張る女の子の恋と成長を描く、ミリタリーアクションラブコメディー。シリーズ第二作。


メディア良化法によって事前検閲が合法化され、メディア良化委員会の武力による超法規的検閲が公然とまかり通るようになった近未来。対抗する法的根拠を持つ唯一の機関となった図書館も武装化し、その図書隊の防衛隊員のなかのエリート部隊・図書特殊部隊に配属された笠原郁は失敗を重ねて教官にしかられながらも日々を着実に過ごしていた。そんなある日、茨城の両親が職場を訪ねるという連絡を受けて郁は大慌て。保守的な両親に防衛隊員として採用された事を伝えられずにいた郁は、両親に自分の職種を隠し通すため上司や同僚に頼み込み、当日は館内業務につくことになった。そして当日。




第二巻はよりキャラクターの個性がわかってくる展開です。

ヒロインの熱血図書士・笠原郁と、保守的な両親とのエピソード。
小牧教官の意外な歳の差恋愛エピソード。
郁のルームメイトで美人の情報屋・柴崎麻子に近づく謎めいた男のエピソード。
郁のライバル?エリート手塚図書士の兄弟間確執が垣間見えるエピソード。

それにさまざまな方向から言論を統制しようとする良化委員会が絡んできて、事はすぐにきな臭くなるのですが、それがないとミリタリー物の意味がないので、まあ当然か。

登場人物は郁を中心に、特殊部隊とそれをとりまくあたりで構成されてます。

郁の上司で、郁より背の低い、郁に振り回されてるけど振り回してもいる堂上教官。
堂上の補佐の人当たりの良い小牧教官。
郁の同期の生真面目エリート手塚。
郁の同期で親友の美人情報屋・柴崎。

特殊部隊の豪快でやったもん勝ちな隊長・玄田。

かれらに玄田の古い知り合いの雑誌編集者や、小牧の幼なじみ、郁の両親、手塚の兄を加えたあたりがシリーズの中心メンバーかな。

あまり詳しくは書かれませんが、図書館の上層部には注意ですw

読んでいて、うわあ嫌だなと思うのは査問会のシーンです。
小牧が受けたのは言いがかりをつけられての拷問そのものだし、郁のも卑怯な手段で陥れられてのものだったので、よけいに嫌な気分でしたが、郁くらいのは現実にもありそうでそれも嫌でした。でもこの辺がリアリティーに繋がってるのかもなあとも思ったり。

そういう、図書館が武装化してドンパチする、という基本設定以外の部分での細部はきめこまやかに現実に即していて、図書館業務のあれこれなど興味深いです。

あと、恋とアクションと様々なかけひきを楽しく読んでいるうちに、言論の自由がなぜたいせつなのかということが飲み込めてくるのもいいなと思います。

本を読んだり、書いたりするひとだけでなく、社会全体のありように関わってくる重大なことなので、他人事ですまさないでほしいなとわたしも思っているので。

うれしいことに作者さんの熱はまだまだ上昇中です。

そして、堂上教官の正体wにようやく気づいた郁の運命やいかに(笑。

書き下ろし短編「ロマンシング・エイジ」が併録されてます。


図書館危機 図書館戦争シリーズ3 (角川文庫)
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