20130329の購入

予約本を受け取りにいったのでついでにリアル書店に寄りました。

魔女と猫の話 (ねこぱんちコミックス)
四宮 しの
4785950072


以上、購入。

ネットで見かけて読んでみたいなーと思ってて、でも見たことのないレーベルなので扱ってるかなあと思いながら本屋をフラフラして三軒目に見つけました。

一軒目でねこぱんちコミックスは大きな判なのだな、と了解したはずが、ほかの本屋にはそのねこぱんちコミックスそのものもなくて、やはりないのか、と諦めてぼんやりと新刊平積みコーナーを見たら、あれ? このタイトル……? でも判は大きくないけど? ねこぱんちコミックスって背表紙にもないんだけど? でも合ってるよね?

とおそるおそる手に取ってみましたが、どうやら合ってるみたいなので買ってみました。

大丈夫でした。

レーベルがきちんと店頭に揃ってることってけっこう大事なんだなあ、とぼんやり思いました。

平積みしてた本屋は、いつもマイナーなのかメジャーなのかわからない、謎の品揃えをしています;

『ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る 英国空中学園譚』

ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る (英国空中学園譚)
ゲイル キャリガー sime
4150205515


[Amazon]

読了。

人狼や吸血鬼が共存するヴィクトリア朝を舞台に、おてんばな女の子のスパイと暗殺を教える花嫁学校での騒動を描く、スチームパンクファンタジーシリーズ開幕編。


中流階級のテミニック家の末娘ソフロニアは、あまりのおてんばぶりに手を焼いた母親によって花嫁学校(フィニシングスクール)に送り込まれることになった。ところが、知り合いから推薦されたという〈良家の子女のためのマドモアゼル・ジェラルディン・フィニシング・アカデミー〉に向かう途中、ソフロニアの乗った馬車は空賊の攻撃を受ける。同乗した少女ディミティとその弟の助けを借りてなんとかその場を逃げきったソフロニアの前に現れたのは案内係で教官の人狼で、学校はなんと空に浮いた大きな飛行船の中にあった。しかも、そこで教えているのは行儀作法という名を借りた、情報収集や毒薬などの知識。じつは女スパイ養成所に秘密候補生として迎えられたソフロニアの、波乱の日々が始まった。



アレクシア女史の「英国パラソル奇譚」と同一世界を舞台にした、パラノーマルスチームパンクファンタジーです。

型破りな淑女アレクシアと比べると、いくらおてんばでもまだ十四歳の女の子ソフロニアでは、インパクトの点で少々劣ります。

そのかわり、彼女の行く花嫁学校の奇想天外さが秀逸でした。
巨大な芋虫みたいな外観の飛行船の中に開設された寄宿学校は、なんと、スパイと暗殺者の養成学校。
教師陣はいずれもくせ者ぞろいで、吸血鬼や人狼といった異界人もまじっています。

さらに、落第して同級生になったいじわるな上級生モニクに、縁故で入学した新入生たち。

ソフロニアは唯一の縁故なしの秘密候補生として、なにもかもが目新しい環境にほうりこまれます。

ちょっと、ハリー・ポッターを彷彿とさせるようなシチュエーション?

しかし、ソフロニアはもちまえの並外れた好奇心と無鉄砲さで、あらゆる出来事に首を突っ込んていきます。

おかげで、お話はつねにドタバタです。

この出たとこ任せのようなつねに話があらぬ方向に転がっていくかんじ、ちょっとダイアナ・ウィン・ジョーンズに似ているような。

ありとあらゆる場所に施された機械仕掛けのちょっとまぬけな感じも、スチームパンクぽさですね。
ひろった子犬のメカアニマルがあんなふうに活用されるとは!w

学園で出会ういろんな人々の中には前シリーズのおなじみさんが含まれていて、ちゃんと活躍してくれますのでその点も楽しかったです。

付属の男子校の生徒たちがにぎやかしに出てきますが、かれらはこれからも出番があるのでしょうかw

ロマンスもののパロディーで始まったアレクシアとはまた違う、元気いっぱいの少女小説として、なかなか楽しめそうなシリーズと期待させられる一冊でした。

二十五年後のあのひとたちが出てくる前シリーズの開幕編はこちら。
アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)
ゲイル・キャリガー sime
4150205329

『天使のゲーム 下』

天使のゲーム (下) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン 木村 裕美
4087606473


[Amazon]

読了。

二十世紀初頭のバルセロナを舞台に、謎めいた編集者と契約をした作家が出会う、死と愛と裏切りに彩られた運命を描く、本とそれを書き記す作家の関係が興味深い時代ミステリー。「忘れられた本の墓場」シリーズの第二部下巻。

先が知りたくて飛ばし気味に読んでしまいました;
おかげですこし消化不良気味で読み終えたのですが、再読してみてもやはり、とても幻想的で悲劇的でなおかつ形而上的なおはなしでありました。

作家である主人公ダビッドはとても不公平な契約のもとに娯楽小説を書いていたのですが、体を壊して死を目前にするところまできてしまいます。

そこにあらわれた謎の編集者アンドレアス・コレッリ。

コレッリはダビッドが拘束されている出版社との契約を恐ろしいやりかたで無効にしてみせると、ダビッドの病を消去し、ひきかえに一冊の本の執筆を迫ります。

これまでに書かれたことのない本を、と迫るコレッリの存在に常ならぬものを嗅ぎ取ったダビッドは、依頼をうけたものの、コレッリの正体と意図を探りはじめます。

というのが上巻までのお話。

下巻は、ダビッドが暮らす塔の館のかつての住人ディエゴ・マルラスカが、どうやらコレッリに同じ依頼を受けていたことがわかり、それから闇に葬られていた過去と現在の類似性がこれでもかと浮かび上がってきます。

さらに、ダビッドが契約していた出版社の事件で警察がかれの周辺をうろつくようになり、いっきにきな臭いことに。

はたして、マルラスカはなぜどのようにして死んだのか、警察はなぜ捜査をやめたのか。

ダビッドが過去を調べていることを知ったコレッリは幾度も警告を発し、その存在はまさに変幻自在。

ますます警戒をつのらせていくダビッドの周囲で、かれの大切な人々が危険に晒されるようになり、そして……。

恐怖とサスペンスとにいろどられつつ、たたみかけるように進むドラマは、終いにはアクションもの顔負けの展開になって、読んでるわたしがびっくり。

コレッリ関係の暗くあいまいで謎めいた脅威と、警察という現実的物理的な脅威とがかりたてる緊張状態に、ひいひいいいながら読みました。

たどりついた終着点では、うわーーーーーーー。
言葉がありませんでした。

疑問は山ほど残りましたが、そうだったんだーと腑に落ちたところもたくさんありまして、プラスマイナス……ぜろにはなってないような気もしますが、その部分は多分第三部、第四部で明かされるのでしょう、きっと!

「センペーレと息子書店」は、やはり『風の影』のものと同一でした。下町にある人情味あふれる古本屋さんです。ここで『風の影』につながっていくラストに、涙がにじみました。

とっても生意気で、自分勝手で、でもかわいかったダビッドの押し掛け助手イサベッラちゃん。

彼女はこの話のオアシスでした。

個人的にはコレッリとダビッドがかわす、宗教や信仰についての会話が興味深かったです。
たしかに、教理問答などより宗教物語の方が、わかりやすいし、浸透しやすいよなあ。

「忘れられた本の墓場」第一部はこちらです。
風の影 (上) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン 木村 裕美
4087605086

風の影 (下) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン 木村 裕美
4087605094


時代的には『天使のゲーム』のほうが先なので、どちらから読んでも大丈夫と思います。

『ミレニアムの翼 1 〜320階の守護者と三人の家出人〜』

ミレニアムの翼 (1) ~320階の守護者と三人の家出人~ (ウィングス文庫)
縞田 理理 THORES 柴本
4403541887


[Amazon]

読了。

やもめの兄貴分と訳ありの若者たちの、ヴィクトリア朝風異世界スチームファンタジー、シリーズ開幕編。

環境汚染が進んだためにほとんどの人類が塔に囲い込まれて生活している世界。
女王を文字通り頂点に頂くアングリア王国のタワー・オブ・リンデン。
その320階に住むよろず屋サイラスが、酔っ払いの家出少年ジョニーをいきつけのパブ(?とは書いてなかったような)で拾ったのが始まり。

機械の扱いが天才的に上手いジョニーはなしくずしに同居人となり、いろんな仕事をこなすうちに事件に巻き込まれたりして、本の最後には居候が三人になっていました。

というお話。

外見も振る舞いも上流階級の出身とまるわかり、機械に明るく、美貌に恥じないしゃれ者の少年ジョニー。
荘園主のもちもの田園の出身でどうみても田舎者で、純朴な冒険者ナッシュ。
さらに、もっととんでもない背景を持つ、無表情な女の子、ラモーナ。

三人三様の少年少女たちと、大きなガタイとひとのよさと懐の広さをあわせもつサイラスのやりとりで進んでいく日常に、塔を象徴とする中央権力とそれにまつわる歴史や抵抗勢力がからんでくる、のちの波乱の展開を予想させつつも、今回は顔見せとストーリーの種まきという雰囲気の一冊でした。

個性的なキャラクターたちがあつまって、疑似家族ができ上がるまで、というのは、なんとなくほのぼのしますね。

父親役をさせられてしまうサイラスも、なんだかんだいいつつそれほど負担には思っていないのは、たぶんかれも人恋しい気持ちをもっていたからだと推測します。

若者の訳ありな背景はふんだんに明示されてますが、じつはサイラスの過去こそ、物語の核心に関係あるんじゃないかと勝手に推測中。

それから、この物語世界ですが、少女むけにはめずらしいスチームパンク風です。
ジョニーの機械いじりとあわせて描かれる、機械仕掛けというのがぴったりな塔の生活風景が楽しい。
少女むけのせいか描写はちょっとうすめですが、らしさはだいたい伝わってきました。
(個人的に飛行艇のくだりはもうすこしくわしく書いて欲しかったですが。)

ジョニーの家族問題の行方は、ラモーナの身分詐称はどこまでつづけられるのか、ナッシュの夢はいったいなんなのか。個人的にはナッシュの謎が一番知りたい!

これからの展開に期待しています。

20130319の購入

予約本を受け取るために出かけたので、ついでにリアル書店に突撃しました。

ひきだしにテラリウム
九井諒子
4781609481

ちはやふる(10) (Be・Loveコミックス)
末次 由紀
4063192946

ぶたぶた【徳間文庫】
矢崎存美
4198935238


以上、購入。

姪っ子にと二冊手にとってから店内をめぐっていたとき、ふと視線を持っていかれたのでもう一冊。

しばらくぶりにたくさん買ったぞー。

うち二冊はすぐに手元から無くなる予定なのですがw

『影の王国』上下巻

影の王国 上 (創元推理文庫)
ロイス・マクマスター・ビジョルド 鍛治 靖子
4488587062


読了。

陰謀と魔術と人びとの因縁を描く、濃密な異世界ファンタジー。


森の国ウィールドで第三王子が殺された。犯人は王子に手込めにされそうになった侍女だという。国璽尚書ヘトワルの命令で事態を収めにきたイングレイは、第三王子ボレソが王位を簒奪するために禁止された魔術に手を染め、その儀式の最中に事が起きたと知る。被害者であり、加害者である娘イジャダは目を見張る美貌と正義を信じる無垢な魂の持ち主だった。イングレイは王子の遺体と囚人を連れて国璽尚書のいる東都をめざすが、その道中、意に反してイジャダの命を無きものと試みる自分に驚愕する。



面白かったあ!!

『チャリオンの影』『影の棲む城』につづく〈五神教シリーズ〉の第三弾です。
が、前作、前々作とは異なり、舞台も登場人物も別の土地・人物となっているため、独立して読めます。

物語は現王の死が間近に迫る王国での第三王子の死から始まり、王位への陰謀が疑われます。

同時に、第三王子ボレソが手を染めていた、いまは禁じられた森の民の魔術がクローズアップされます。

物語の主人公イングレイは、その魔術のために深い傷を負った人物だったため、ボレソの行った儀式がひきおこした状況をひとりだけ認識することになります。

少年のころに起きた事件のために辛酸を舐め、すっかりシニカルになっているイングレイが、過去の出来事をいやでも思い出させる事態とどう向かい合い、つぎつぎに変化する状況にどう対処していくかが、読みどころ。

かれが心の中で悪態をつきつつも、すべてに距離を置いて放り出すことができない理由も、見逃せません。

するうちに、ダルサカに虐殺されたという凄惨なウィールドの過去が浮かび上がり、事件の周辺にたちあらわれる謎また謎が、物語を先へ先へとぐいぐい進ませていきます。

印象的な人物がたくさん出てきますが、まず、飛び抜けて鮮烈なのは、第三王子殺人事件の下手人であるイジャダさん。

まだ十代なのにさんづけしてしまうのは、美貌と気の強さと、まばゆいような正義への信頼のせいでしょう。彼女が意図せずイングレイを振り回して、肉体的疲労に精神的苦労をつけ加えていくさまがたまりませんw

それから、イングレイの従兄弟で王女ファラの夫でもあるウェンセル。
身体に障害があり、気の弱い少年だったというウェンセルは、イジャダさんがファラ王女の侍女だったというつながり以上にこの件に関わっている模様です。

登場するたびに意味深なほのめかしをしてイングレイをいらだたり、驚愕させたり、人の悪さも一級品w

イジャダさんの知り合いのハラナさんは、医師神官にして魔術師神官という希有な立場である以上に周囲を呆然とさせる強烈な個性の持ち主。

庶子神教団のレウコ神官は、穏やかさの下に隠されてますが、なかなかしたたかなお方の模様。

イングレイの仕官する国璽尚書ヘトワルさんの威厳ある有能っぷりが渋い。
ビアスト元帥王子は生真面目かつ、誠実そうなお人柄で、ちょっと気の毒な感じ。

動物たちも出番は少しですが、生き生きと描かれていて楽しいです。

そして熊の飼い主、ジョコル王子はたいそう愉快な優雅な野蛮人でした。

物語の要所要所でたちあらわれる、魔術的な視界の濃密さも堪能しました。

聖王と精霊戦士と巫師という、古代ウィールドの魔術的な関係が生み出したおそろしい袋小路と、それを背負わされてきたひとびとの歴史が痛々しく、すべてを清算するためにすべてを犠牲にしてつきすすむ非情な決意の切迫感に圧倒されました。

深い闇、暗い夜、そして訪れる朝。

これこそドラマティック。

ビジョルドのお話はつねにドラマティックですね〜。

ところで、主人公のイングレイは、前作までの主人公に比べると若い(二十五歳だそうです)ですが、過去の辛い経験のため斜めな性格。しかし、やっぱりまだ若いなと思わされるのは、かれの動機付けが保護欲や忠誠心ではないあたりでしょうか。

笑顔を褒められて、たぶん心の中では赤面してたんではないかと思うイングレイ君は、わたしにとっては可愛いヒーローでした。苦労する姿を眺めて楽しめるヒーローでもあったw

ドツボだったのは、ホースリヴァ氏伯ウェンセルです。
かれの慇懃かつ横柄なせりふ回しが好きで好きでたまらず、そこだけ何度も読み返しておりました。

魅力的な悪役っていいなあ、と久しぶりに熱くなっておりますw

影の王国 下 (創元推理文庫)
ロイス・マクマスター・ビジョルド 鍛治 靖子
4488587070

『世界樹の影の都』

世界樹の影の都 (ハヤカワ文庫FT)
N.K. ジェミシン N.K. Jemisin
4150205507


[Amazon]

読了。

神々と人間が共存する世界を舞台に、ひとりの娘の半生を自伝風の語りで描く、異世界ファンタジー。

三神の一柱〈輝けるイテンパス〉が唯一神の地位から転落して十年後。
天を衝く〈世界樹〉をいただく都シャドーのウェシャでアクセサリーを売り、かつかつの暮らしを営む、芸術家の娘オリー・ショース。
〈夜の君〉が解き放たれた十年前に父親が死に、故郷ニマロから出てきたオリーは、盲目だが魔法の存在が見える。
堆肥の中で倒れているのをオリーが拾った男は、無愛想で口をきかず、何度も死に、何度も生き返った。明け方のほんの一時だけ輝きを放つ男にオリーはシャイニーと名づけた。

ある日、彼女は路上で子神ローラの殺死体を発見する。
不死の子神をだれが、どのようにして殺したのか。
イテンパス教団は、元恋人である子神マディングとともにオリーに疑いを持つ。教団守に乱暴に捉えられそうになったオリーを救ったシャイニーは魔法の輝きを放っていた。



面白かったです!!

紹介文がやたらと長くなってしまいましたが、本文はこんなに七面倒くさくはありません。一人称で語られるお話って、時系列が融通無碍なので、それを三人称で簡素にあらわす技術がなくて苦労したというだけです;

『空の都の神々は』の続編です。
単独で読めますが、続けて読めば分かりやすいと思います。
前作では捕らわれの身だった夜の君と専制君主だった輝ける君の関係が反対になって、今回は輝ける神が人間としてうける苦難とそこからの解放がえがかれてます。

しかし、この話の魅力はヒロインのオリーです。
盲目でありながら自立していて、束縛されることを嫌い、そのために子神の恋人と別れることすら納得してしまう、つよい女性です。

状況の変化に対しては受け身でしか動けないようなのに、いざその場に置かれるとおどろくほどに強い意志で粘りあらがいつづける、まるで根性のカタマリです。

いったい、なにがそんなに彼女を強くしているのか。
やはり、父親の存在かなー?
父親ははじめ、死んだとだけ書かれているのですが、その死はオリーに大きな影響を与えていて、話そのものにも深く関わっています。

しかも、殺人事件ですよね、これw

オリーと関わるうちに、不変であることが身上の神が変化を余儀なくされていく過程が萌えでした。輝ける君ってツンデレだったのねw

そうして、オリーとシャイニーの話でありながら、神々の歴史の話でもあることがわかってくるあたり、とても興味深く、面白かったです。

枠だけみれば神話のように壮大な話を、あくまでひとりの女性視点で、地に足のついたお話に仕立てた手際が見事でした。

ラストの急展開と、語りの仕掛けにも舌を巻きました。

訳者あとがきによれば、このシリーズは三部作だそうで、最後の一作はまだ未訳ですが、きっと出してくれると期待しています。待ってます。

それと、同じ作者さんのアフリカや中東に似た異世界のシリーズというのがあるらしいのですよ。それ、ものすごく読んでみたいです!

シリーズ第一作はこちら。
空の都の神々は (ハヤカワ文庫FT)
N・K・ジェミシン 佐田 千織
415020537X

『天使のゲーム 上』

天使のゲーム (上) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン 木村 裕美
4087606465


[Amazon]

読了。

二十世紀初頭のバルセロナを舞台に、若くして作家となった男の波乱の人生と謎の館と編集者にまつわる物語。“忘れられた本の墓場”の登場する時代めいたミステリロマン第二弾。


1917年、バルセロナ。新聞社の雑用係だった十七歳のダビッドは、突然副編集長に呼び出され、穴埋めの短編を書くように命じられる。ダビッドの短編は採用され、その後は連載を持つようになるが、その人気が編集部員の嫉みを買って解雇された。独立したダビッドはかねてより憧れの旧市街にある“塔の館”に“目をつけた。いわく付きの物件だった“塔の館”を不動産屋の忠告にも関わらず借りることにしたダビッドは、別人名義の執筆を申し出る出版社と契約を結び、本格的に作家活動を開始したが——。



面白かったです。

じつのところ、読み始めはちょっとひいてたのです。
主人公ダビッドの境遇があまりにも悲惨なので。
貧乏であることはもとより、清潔になることすらできない。
周囲の感情むき出しの下品なやりとりにも辟易しました。むかしはこういうのはお勉強するつもりで読んでたんですが、年を食うと許容範囲が狭くなるのでしょうか。

しかし、名家の息子でなにかとダビッドを応援してくれるビダルとの複雑な関係や、ビダルの運転手の娘クリスティーナへの思いや、別名での執筆を強要したあこぎな出版社との関係など、ダイナミックなドラマ展開にいつのまにかひきこまれていきました。

とくに、ビダルをはさんでのクリスティーナとの関係にハラハラドキドキ。

それと、作家であるダビッドの物語であるということは、必然的にダビッドはどのようにして小説を書いているか、という話にもなるわけで、そのあたりのいろいろなものの考え方、技術、などはわたしには大変に興味深かったです。

それから、話のメインになる謎の編集者とのやりとりも。

宗教についてのさまざまな考え方も、なるほどー確かにそうだよなーと思いながら読みました。

バルセロナ旧市街の人々の暮らしの描写も楽しかったです。
記憶力がないので悲しいのですが、センペーレ書店て『風の影』に出てきましたっけ?

そして登場する“忘れられた本の墓場”!
個人的には、こんな湿気ぽいところに本を保管してて大丈夫なのかーと思うのですが。
謎めいてて神秘的で穴蔵っぽくて、あいかわらず本好きの興をそそるところです。

波乱万丈の第一部のあとにひたひたと襲いかかる第二部、という展開で、これから謎を探りはじめるぞ〜、というところで上巻が終わったときには「うわあん!」と叫びました。


「この話を、ほんとうに、おききになりたい?」
「どうか、お願いします」



お願いします、わたしにはやく続きを読ませてー! ←図書館で借りて読んでます。

個人的に、押しかけ助手のイサベッラちゃんの鼻持ちならなさがたまらなくて、愛おしくてなりません。
昔なら、何この女! って払いのけてただろうに、こんなところでも歳食ったなあと思いますw

天使のゲーム (下) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン 木村 裕美
4087606473

『鈴の神さま』

鈴の神さま (一般書)
知野 みさき
4591130053


[Amazon]

読了。

愛媛の山村を舞台に、住人と不思議な男の子との交流を時代を超えて描く、連作短編集。


鈴の神さま
引き出しのビー玉
ジッポと煙管
秋桜
十四年目の夏休み



面白かったです。
ほんのりとした温もりを感じる、和菓子のようなまったりとした味わいの物語でした。

マイナス感情とあやかし要素の少ない『夏目友人帳』と『おじゃる丸』を足して二で割ったような感じでしょうか。
それとコロボックル物語のようなところもあるような。

導入部の現代パートはちょっと淡泊かなと思ったけど、読んでいくにつれて、ひとつの土地のいろんな目に映るいろんな光景が興味深く、時によって変わっていったところと、それでもかわらずに残っていくところがあるのもわかって、それにはあからさまにはならないけれど、土地のみんなが大切にしているなにかが関わってるんだ、というのがつたわってきて、しみじみいいなあと思える読後感でした。

視点人物は最初と最後をのぞき、すべて別人で、しかも、みんな自分の体験をそっと心にしまっていて、そんなかれらが物語の片隅で交差していくのも、素敵でした。

それぞれに、日常のちょっとした謎と思ってるひと、夢のような出来事と受けとめてるひと、完全にひとならぬものと交流をしている意識のあるひと、と様々な受け止め方をしているのもおもしろかったです。

20130301の購入

ネットで予約してた本が来ました。

翼の帰る処 4 ―時の階梯― 上
妹尾 ゆふ子 ことき
4344827465


以上、購入。

待望のシリーズ新刊を、なんと発売日の翌日にゲット。
e-honを利用しはじめて初の快挙です。
発売日の一週間後とかがデフォルトだったのに、なんかすごい。

基本、購入してもすぐには読めないわたしには即日配送など必要ないのですけど、予約して一ヶ月後に来たこともあるので、ちょっと感動してしまいました。

さて、まずは既刊を読み返しましょうか。