『アヤンナの美しい鳥』

アヤンナの美しい鳥 (メディアワークス文庫)
マサト真希
404866333X


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読了。

インカ帝国末期を舞台にした、孤独な少女と奴隷の異人の若者の、せつないふれあいを描く物語。


アヤンナは雷神イリャパの呪い子と呼ばれる醜い傷を持つ少女。インカ帝国の片隅にあるワカの国の高地の村で、うとまれ蔑まれつつようやく暮らしていた。ある日、低地の市場に出かけたアヤンナは、売りに出されたひとりの奴隷に吸いよせられていた。かれは明るい髪の毛と白い肌、高地の空のような青い眼の異人の若者で、アヤンナの視線をまっすぐにうけとめた。美しいかれの脚は故意に傷つけられており、愛玩用であることが明らかな奴隷に買い手はつかない。そのうち周囲に呪いの傷を見とがめられて侮蔑の言葉と暴力を振るわれたアヤンナは、憤りのあまり魔法を使ってひとびとに強風の渦をさしむけていた。ちりぢりになった群衆のあとに残されたのはリリエンという名の奴隷。祖母にみだりにつかうなと戒められていた魔法を使ってしまったアヤンナは、かれの身柄を引き受けなければならなくなっていた。



ネットで推されていたのをみたあとで、ちょうどリアル書店で見つけたので読んでみました。

面白かった、そして素敵でした。

虐げられて育ち、硬く強張っていたふたつの魂の出会いと、不器用な接近からしだいに生まれてくるふれあいとぬくもり。

餓えてひび割れていた心にひびき、しみてくる、ひとつの言葉、つながる会話。

リリエンの語るふしぎで意外なおとぎ話が、ふたりの関係に宝物のようなきらめきを添えています。

そのおかげか、話そのものも、どこかおとぎ話のような趣をたたえているような。

アヤンナの一人称による語りという形式も、その趣に貢献しているようです。

読み終えて、まさなタイトル通りの物語だったなあと、吐息をつきました。
哀しいけれど、せつなくて苦しいけれど、前向きな終わり方が、余韻があってよかったです。

というわけで、わたしはこの話をおとぎ話として読みました。

あくまで私見ですが、ファンタジーというには、まとまりがなめらかできれいにすぎるかな。
さらにいうなら死生観が物足りない。
ひとびとの精神生活がよくわからない。
あえてインカを舞台にした意味はそれほどないような気がしました。

もちろん、わたしがファンタジーであると思うかどうかは作品の面白さとはまったく関係のない、べつのことなので、わたしはこの物語をとても楽しみました。

とくに、ちりばめられた挿話がすてきで、それが物語そのものに深く貢献しているという形式にも憧れます。

すてきな作品を紹介くださった某様に感謝です。

20140127の購入

図書館本を返却するついでにリアル書店に寄ってみました。

アヤンナの美しい鳥 (メディアワークス文庫)
マサト真希
404866333X


以上、購入。

ネットで推されてたのをみて、さらに表紙買い。
初めて読む作家さんだわー。

20140110の購入

久しぶりに発売日にリアル書店へ突撃。

かみのすまうところ。(3)<完> (KCデラックス)
有永 イネ
4063769283

町でうわさの天狗の子 12 (フラワーコミックスアルファ)
岩本 ナオ
4091357385


以上、購入。

どちらも完結編。

「天狗の子」はとってもすてきな終わり方でした。
期待を裏切らず、予想どおりでもなく、ひとつひとつの台詞が生き生きしていました。
読めてよかったー。
つづきが心待ちなシリーズが終わっちゃったのは寂しいけど、むりやり続けるといろいろあれなので、この辺で区切りがついたのもよかったなと思います。

20140106の購入

2014年の初リアル書店では予定通りの行動をしました。

夏目友人帳 17 (花とゆめCOMICS)
緑川ゆき
4592193679


以上、購入。

このシリーズも長くなりましたね。
続けば続くほど、決着をどうつけるか難しくなる気がするんですが、それは読み手の心配することではない。
楽しんで読みたいと思います。

ごく個人的な2013年ベスト

2013年に読んだ中から個人的に面白かった&好きな本です。2013年に読んだというだけで、刊行されたのは違う年のものも多いです。というかほとんど違います。順番はたぶん読んだ順で他に意味はありません。

ちなみに2013年に読んだ本はのべ115冊でした。

・N.K.ジェミシン『空の都の神々は』『世界樹の影の都』(ハヤカワ文庫FT)
空の都の神々は (ハヤカワ文庫FT) 世界樹の影の都 (ハヤカワ文庫FT)

・乾石智子『魔道師の月』(東京創元社)
魔道師の月

・ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の王国』上下巻(創元推理文庫)
影の王国 上 (創元推理文庫) 影の王国 下 (創元推理文庫)

・月村了衛『機龍警察 自爆条項』(早川書房)
機龍警察 自爆条項 (上) (ハヤカワ文庫JA) 機龍警察 自爆条項 (下) (ハヤカワ文庫JA)

・小瀬木麻美『ラブオールプレー』『風の生まれる場所』『夢をつなぐ風になれ』(ポプラ社)
ラブオールプレー (ポプラ文庫ピュアフル) (P[こ]4-2)ラブオールプレー 風の生まれる場所 (ポプラ文庫ピュアフル) (P[こ]4-3)ラブオールプレー 夢をつなぐ風になれ (ポプラ文庫ピュアフル)

・小野不由美『丕緒の鳥 十二国記』(新潮社)
丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫)

・タニス・リー『薔薇の血潮』上下巻(創元推理文庫)
薔薇の血潮 上 (創元推理文庫) 薔薇の血潮 下 (創元推理文庫)

・辻村深月『スロウハイツの神様』上下巻(講談社ノベルス)
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

・森晶麿「黒猫」シリーズ(早川書房)
黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA) 黒猫の接吻あるいは最終講義 黒猫の薔薇あるいは時間飛行 黒猫の刹那あるいは卒論指導 (ハヤカワ文庫JA)

・皆川博子『開かせていただき光栄です』(早川書房)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)

読了数が年々落ちてますね〜。集中力の欠如に寄る年波を感じてしまいます。
そんなこんなで感想の方も滞りがちでしたが、これは書かなきゃあかんかったと後悔しきりなのが『薔薇の血潮』でございます。

読み終えたことすらあまり公言しなかった気がしますが、珍しく断言します。
『薔薇の血潮』がわたしの今年の、じゃないや去年のベストワンです。
ずっと記事にしなくてはとおもいつつ、思い入れの大きさゆえに文章にすることが出来ずにいるうちに年が明けてしまいましたよ……とほほ。

夢とうつつのはざまを描くようにつむがれるどっぷり濃厚なファンタジーで、冒頭は状況がつかみにくく、ラノベ読みにはわけわからんと匙を投げられそうな読みにくさなのですが、金枝篇を好んで読むようなひとなら大興奮すると思います。すくなくともわたしは上巻の終わりくらいからびっくりしどおしで息が止まるかと思うような濃密な時間を過ごしました。

ちょっとでも内容に触れようとするとすぐにネタバレしてしまいそうなんで(そのせいで感想が書けなかった)、このへんで切りあげときますね。


その他の印象に残った本を以下にあげておきます。
嬉野君『金星特急 外伝』
宮内悠介『盤上の夜』
本村凌二『馬の世界史』
上田早夕里『リリエンタールの末裔』
梨木香歩『雪と珊瑚と』
多崎礼『八百万の神に問う』1〜2
籐真千歳『スワロウテイル人工少女販売処』
壁井ユカコ『五龍世界 WOOLONG WORLD III 天鏡に映る龍』
スティーグ・ラーソン『ミレニアム 1 ドラゴン・タトゥーの女』上下巻
ジョゼフ・ディレイニー『魔使いの運命』




ごく個人的な年間ベスト一覧

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

今年の抱負は、面白い本を読みたい。
これにつきます。

できるだけたくさんの、素敵な本に出会いたい。

そのためには、もうすこしフットワークを鍛えなければなあと、思います。
昨年は脚を痛めてからしばらく行きたかったところにもいけず、がっかりして、体力も落ちて、なにごともすっかり億劫になってしまいましたからね。

そんなわけでとりあえずの目標はスタミナと脚力アップのために散歩を続けることです。

更新速度が亀の歩み以下になりつつあるブログですが、今のところまだやめる予定はありません。
読書速度が落ちているので、感想もまたそれにあわせた速度になっているというだけです。
だからといって、これ以上速度が上がることもないような気がいたしますが;

とほほな感じの管理人ですが、今年もどうぞよろしくお願いします。

(そして、できれば放置中のあれのめどを何とか立ててみたいです)