『幻影博覧會 1』

幻影博覧会(1) (バーズコミックス)
冬目 景
4344805070



借りて読了。

大正時代の日本を舞台に私立探偵とその助手である少女が事件に挑む。時代ミステリ短編集。

どこか冴えない青年探偵松之宮のもとに、知人の紹介によりやってきた少女真夜。洋装で断髪姿の彼女は助手としてもちこまれる事件の解決に異才を発揮するようになる――帝都東京を舞台にどことなくきな臭い時代の雰囲気の中で営まれる日常と非日常を、淡々とした筆致で描く探偵ものです。

この作者さんの作品を読むのははじめてです。
雰囲気のある絵というか、キャラクターを描く方ですねー。
第壱話の線が多少細かすぎというか多すぎというか、ペン先を使いこなせてないような感じを受けたのですが、第弐話あたりから線ががらっと変わりました。もしかして、鉛筆線のままの原稿なのでしょうか。

キャラクターのシルエットがなんとなく柴田昌弘っぽいような。
手の描き方がぜんぜん違うので、たんなる個人的な印象ですが。
そういえば、手ゆびのつめがとても長くて整ってるのが印象的だ。

お話は『夢幻紳士』よりはるかに現実的で地に足が付いてます。
事件そのものよりも、真夜ちゃんの謎がどんなふうにあきらかになるのかに興味がありますね。

彼女のキャラクターは明らかに特異。
この時代におかっぱ頭でこんな薄い洋服でしかもこんなミニスカートをはいて、さらに一人歩きしている女の子なんて、ぜったいに普通じゃありません。普通の人は奇人変人だと感じるに違いない。

ということをこのマンガを読んでいる人のどれくらいが気づいているのかなーと、いまちょっと考えてしまいました。

その奇異さがこの作品の中ではあんまり際だってこないんですよね。
大正時代の背後にあった不穏な空気はひしひしと感じられますが、表向きの明るくて開かれていた部分がほとんど眼に見えてこないというか。
真夜ちゃんが文明開化を体現するような装いをしているのに暗い印象の存在だからかな。

私が大正時代の事物に初めて接したのは大和和紀『はいからさんが通る』だったから、あのにぎやかな雰囲気がまったくないこのマンガには少々とまどってしまいました。

まあ、大正時代といってもいろんな側面があるわけで、みんながみんな浮かれていたわけではないでしょうから、こういう話があってもいいんだよなと、そういう結論に達しました。

お話そのものはちょっと薄味かなとは思いましたが、それなりに楽しかったです。
二巻もあるみたいなので借りてみようと。

以下は目次。


第壱話 探偵、助手ヲ雇フ
第弐話 大陸骨董奇談
第参話 掛軸ノ行方
第四話 蝙蝠猫
第五話 鳴動スル洋館 其之壱
           其之弐
           其之参
第六話 遠来ノ客 其之壱
         其之弐
番外編 無限回廊



えーと、目次は旧字体を使ったり略字体をつかったりしてありましたが、パソコンでは入力できなかったり出すのが面倒だったりしたので適当に入れてあります。ごめんなさい。

幻影博覧会 2 (2) (バーズコミックス)
冬目 景
4344809394


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