『天山の巫女ソニン 4 夢の白鷺』

天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺
菅野 雪虫
4062150816


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読了。


あっさり風味ながら懐の深さを感じさせる朝鮮半島風異世界ファンタジーシリーズの第四巻。


半島を三分する三つの国、〈巨山(コザン)〉〈沙維(サイ)〉〈江南(カンナム)〉。
三国のいずれにも属さない聖地〈天山〉から巫女失格の烙印を押された少女ソニンは、ひょんなことから〈沙維〉の末の王子イウォルと出逢う。口のきけない王子のかたわらで王子の言葉をつたえられるものとして側仕えを始めたソニン。彼女は否応なしに国の内外を問わない政治という荒波のなかで生きてゆくことになる。



というのが、シリーズの大枠。
基本的に、ソニンはイウォル王子の側仕えとして、王子を補佐しつつ他の二国を訪れ、自分の目で見、確かめ、触れて得た経験から、王子にとって〈沙維〉にとって最善の道を見いだそうとしていく、というお話です。

文章はかなりあっさりめで展開もスピーディー。
とんとんと話が進んでゆくので大変に読みやすいです。
設定的に三国志のような重厚なものを期待していると肩すかしを食らうかもしれません。
けれども、このお話、ただの子ども向けファンタジーとして侮って欲しくはありません。
簡素な描写のなかにふと心に食い込んでくるようなひとことがある。
一見シンプルなお話だけれど、親子の複雑な情や人間の業のこわさまできちんと描いてある。
ストーリーラインを追いかけるだけでなく、登場人物の心のひだを自分で読みとっていくとあらたな局面が見えてくるお話だと思います。

それぞれの読み方によって子どもも大人も楽しめる、すてきな作品です。

この巻では、これまでになかった三国(の代表)が同時に相対するお話です。
〈沙維〉はイウォル王子とソニン。
〈江南〉は花美男のクワン王子。
〈巨山〉は孤高のイェラ王女。

イウォル王子とソニンが地味で堅実なのに比べて、クワン王子とイェラ王女はそれぞれにかなり個性的な御方達。
以前から彼、彼女のキャラクターのつよさは感じていたんだけど、ふたりそろって出てくるとまるでシリーズが一気にキャラクター小説化したような華やぎがありました。

ストーリー的にはいつも通り地に足がついているのに、出てくる人がちがうだけで雰囲気が変わるんですねえ。

それがお話的にいいのか、悪いのかは私にはわかりませんが、読んでいてたいそう楽しいのは確かです。
じつのところ、私はイェラ王女に萌え萌えです(笑。

さあ、このあと三国の関係はどうなっていくんでしょうか。
つづきがとっても楽しみですv


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