『西洋服飾史 図説編』

西洋服飾史 図説編
丹野 郁
4490205058


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読了。

西ヨーロッパの服飾の歴史を、古代から現代へと豊富な図版と写真とともにたどる、「図説編」。

じつは資料として借りました。
なんといっても著者自身が収集、撮影した図と写真がたくさんあるのが素晴らしい。
服飾関係って、いくら言葉を尽くしてみても百聞は一見にしかず、というところが多大なのでこれはとても嬉しいです。
古代はさすがに実物は残っていないけど彫刻や絵画の写真が載ってますし、現代に近づくにつれて遺品として残された服がとても実際的な写真として掲載されていて、おおう、と感動しました。

というわけで、やはりこの本のメインはロココ以降のフランスモードにあるかなあと。
著者が留学した先がパリだし、やはりファッションの中心はフランスだったのでしょう。
用語もほとんどフランス語読みで書かれているような気がしましたが、そもそもファッション用語はフランス語が中心なのかもしれない。

ちょうど「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」を並行読みしていたのでたいそう楽しかったです。
多分、ヴィクトリア朝は後期バッスル調の時代なんじゃないかなーとか思ったり。
クリノリンの実物やら、たたんだところやら、バッスルの絵とか、いろいろと興味深かった。

それからギャルソンヌやボーイッシュ・スタイルあたりは「名探偵ポアロ」だー、とか。
それとセイヤーズのウィムジー卿シリーズもそうだったなあ、とか。

映像として体験したことのあるものは理解がはやいなーと思います。

ただし、私が本命としていた古代から中世の部分は、やはり資料が少ないためでしょう、かなり物足りなかったですが。

そもそもそんなことを目的に借りる人はあまりいない本だと思われます(汗。

以下、おおまかな内容がわかればと思い、目次を記しておきます。


序――衣服の基本形態

古代
 エジプト
 西アジア
 ギリシア
 クレタ・エトルリア
 ローマ
 ゲルマン民族

中世
 ビザンティン
 サラセンとフランク
 ロマネスク
  甲冑とファッション
 ゴシック
 ルネサンス初期
 ルネサンス最盛期
  ラフ
  ビロード

近世
 バロック
  オランダ様式の台頭

近代
 近代I
  ロココ《18世紀の服飾》
   産業革命の影響
   ワトー・プリーツ ―ロココの粋―
   コルセットとパニエ ―細胴と太腰の下ごしらえ―
   青鞜クラブ ―市民の台頭と簡素化の波―
   芸術美を競う宮廷衣装 ―しのび寄る革命の足音―
   ロココの男装
   ロココの女装
  フランス革命期《1789年~1795年》
  総裁政府時代《1795年~1799年》
  執政政府~第一帝政時代《1799年~1817年》
   男性の服飾
   女性の服飾

 近代II
  王政復古調とロマンティック衣装《1818年~1830年》
   女性の服飾
   男性の服飾
  ルイ・フィリップ時代《1830年~1848年》
   男性の服飾
   女性の服飾

 近代III
  ロマンティック調・クリノリン衣装《1848年~1870年》
   クリノリン衣装の形成と発展
   女性の服飾
   男性の服飾

現代
 近代から現代へ
  末期バッスル調《1871年~1900年》
   半クリノリン衣装
   バッスル衣装
   女性の服飾
   男性の服飾

 現代
  アール・ヌーヴォーとナチュラル・スタイル《1890年~1910年》
  第一次大戦と婦人服の成立《1914年~1920代初期》
   ボーイッシュ・スタイルとギャルソンヌ・スタイル
  大恐慌~第二次世界大戦《1920代後半~1945年》
   フェミニン・スタイルの復活
  戦後のファッション《1947年~ 》
   ファッションの大衆化
   プレタポルテの発展

 あとがき

 索引




蛇足。

西ヨーロッパ史をつづろうとすると必ず古代エジプトとオリエントが基点となるんだけど、途中からそちらとは無関係です、みたいな書き方になっていくあたりになにか作為のようなものを感じてしまいます。ヨーロッパ人は意識してやっていることかもしれないけれど、日本人がそれを無邪気に受け継いでしまうのはいかがなものかと。

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