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『アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋』

アンゲルゼ―ひびわれた世界と少年の恋 (コバルト文庫)
須賀 しのぶ
4086012073


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読了。

ウィルスによって非人類化したアンゲルゼとの戦争をつづけている近未来を舞台に、中学生達の苛酷な運命を日常的に描く、SFシリーズ。三冊目。

自分の日常がどんどん他の人の非日常化していく現実に傷つきながらも、笑顔で前へ進もうと決めた陽菜。そんな陽菜の変化とかかえた秘密を知りたいと願ってまっすぐに突き進もうとする幼なじみのもーちゃん。陽菜と秘密を共有しながら自分も苛酷な日々を送る湊。人生をあきらめて信じる人のために自分を捧げることだけを目的としている有紗。

そんなかれらに次々とつきつけられる非情な現実。

つらくて苦しい展開ながら、陽菜ちゃんが確実に成長していく姿が印象に残る巻でした。
そして感情表現が苦手なもーちゃんの奮闘ぶりが痛々しいというかかわいいなあと思ったり。作者作サブタイトルが「もーちゃんかんばれ」だそうです。うむ、言い得て妙だ。

かれの悲劇はコミュニケーション能力の欠如ですね。
相手に対する思いやり、あなたに欠けているのはそれです!
陽菜ちゃんの態度に苛立って自分のことしか考えてないって、そりゃああんたもおんなじじゃ!
とお説教してやりたくなりましたが、まだ中坊だもんな。しかたないか。

そんなかれらを見守る敷島少佐が遊んでやりたくなる気持ちはわからないでもありません。
どうやら敷島君の娯楽はそれだけの模様だし(苦笑。
大人としてどうなのかとは思いますけどね。
あそこまで延々と遊びつづけるのは。

中学生達の胸キュンな青春描写と、現実のおそろしいまでの残酷さのコントラストが対照的な話ですね。

非日常が苛酷であればあるほどに、日常のさりげないぬくもり、平凡な繰り返しのかけがえのなさが際だつという構成。

ところで、アンゲルゼってなんだろうとずっと考えていたのですが、どうやら吸血鬼の変形みたいですね。
血液で感染するとか、身体に合わないもの、変態が急激なものは耐えきれずに絶命してしまうとか、ほとんどもとの人格が破壊されて別人になってしまうとか、周期的に渇望期がやって来るとか。

貴種がいたり、アンゲルゼの血を飲むアンゲルゼがいたり。

生きのびたアンゲルゼが自分たちの集落を作って生きているということは、思考能力があるということですよね。

アンゲルゼの集落ってどういうところなのだろう、とか考えてしまった。
たぶんこの話はそんなところまでは描かないとは思うけど。

というのも、シリーズは次巻で完結だからですが。
ここまでひろがった物語をどうやって収束させるのか、興味津々です。

そして巻末の敷島君の爆弾発言の余波がたいそう気になります。

さあ、これで続きが読めるーv

アンゲルゼ―永遠の君に誓う (コバルト文庫)
須賀 しのぶ
4086012391


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