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『古代の声 増補版 うた・踊り・市・ことば・神話』

古代の声―うた・踊り・市・ことば・神話 (朝日選書)
西郷 信綱
4022596325


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やっとこさ読了。

おおむね日本とすこし沖縄の古代の精神世界を、歴史的な資料の言葉の意味から読み解いていく、興味深い本。

『古代人と夢』『古代人と死』が面白かったのでふたたび同著者の本を借りてみました。

面白かったけど難しかった。

難しいのは私が古文を読み下せないことによるのが大半なので、日本人としては恥ずかしいかぎりです。字面見てなんとなくわかったような気になるけれどけっきょく意味わからん、てな感じで読んでいくので、解説されていることの半分も理解できていない気がするのです。

ああ、もったいない。英語でもフランス語でもアラビア語でもペルシャ語でもない、日本語の文献なのにさー。日本人なのにさー………。

持てなかった能力を嘆いても仕方ないので、読める限り読みました。途中で何度も眠りましたが(汗。

内容は以下の通りです。


市と歌垣
 資料 市と境 市と歌垣の相関 筑波 山のカガヒ 歌垣から踊り念仏へ

御霊会の意味
 資料と疫神 御霊会と民衆 恐怖への勝利

アヅマとは何か
 地名起源譚としての「アヅマはや」 妻と端の連動 二つの辺境 アヅマとサツマ 坂・境・峠 宮廷と辺境

古事記の行間を読む
 ヤマトタケル東征譚をめぐって 鹿島と蝦夷のこと 科野の坂と諏訪の神 神話と歴史と

枕詞の詩学
 枕詞の謎 枕詞をどう定義するか 口承言語の力学 「大和」にかかる三つの枕詞 「八雲立つ」と「やつめさす」の対立 韻律単位の問題 古代歌謡における枕詞 柿本人麿と枕詞 再び枕詞の不思議さについて

オモロの世界
 オモロと未詳語 詩形の問題 歌と舞踊 祭式歌謡としてのオモロ オモロの本義 オモロにおける宗教思想

古代研究の罠
 固定観念 誤読の歴史のなかで 観念による上空飛行 構造的連関の発見


あとがき
朝日選書版あとがき
初出一覧
索引




アヅマとサツマが連動しているとか、枕詞の不思議とか、市の様子とか、今回もなるほどねえとうなずかされることが多うございましたが、今回もっとも興味深かったのは、沖縄の「オモロ」について書かれた項でした。

これってまんま池上永一『テンペスト』の世界です。
下巻を待ちつづけて数ヶ月、もうどうなって上巻が終わったかを忘れ果てている『テンペスト』の、ファンタジー的側面を支える根幹部分がここに解説されていますよ、お姉さん!

読んでいてそういえばそうだったと思いあたること数しれず、しかし読んでいてあれでいいのかなというかなんというかそうとう不謹慎な描き方されてないか『テンペスト』の聞得大君、という気分にも(苦笑。もともとがああいう作風だし、断然面白いから許すけど。

それに『テンペスト』があったからこの項がとくに理解しやすかった気もするし。

というわけで、内容を受けとるのにたいそう苦労しましたが、読めてよかったです。
ファンタジーを夢想するのに便利な道具をいくつかもらった気分。←結局そこにつきる。

それにしても私はいつになったら『テンペスト 下巻』を読めるのでしょうか。るるる。

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