『Tesoro オノ・ナツメ初期短編集 1998*2008』

オノ・ナツメ短編集TESORO~テゾーロ (IKKI COMICS)
オノ ナツメ
4091884180



借りて読了。

タイトルは「テゾーロ」と読む。

イタリア語で
宝、宝物
大切な物(人)
などの意。



だそうです。
十四編の短篇を収録。

初「オノナツメ」です。
ずっと「いいですよー」と言われつづけていたのですがようやくお借りしました。

結論。面白かった!

かなり独特な絵柄のマンガなんですけど、これがまた日常的なのに抽象的というか象徴的というか、人間の感情の綾みたいなものを乾いた感じでやさしく表現した話にぴったりなんですねえ。

そう、描かれているのはほんとに日常的な些細な出来事なんですが、それを切り取って描き出す方法が独特なんだと思います。その独特さの多くは絵柄に負っている部分が多いような。

マンガというよりグラフィックデザインのような雰囲気なんですよね。画面が。

読んでいて、トーベ・ヤンソンのムーミンシリーズのマンガを思い出しました。
絵そのものに飄々とした存在感があって、登場人物をつつむ空気と時間がなんとなく印象に残るような、そんな感触。

舞台になっているのは日本とイタリア。
日本が舞台の物はいかにも現代日本の家族の風景だなと思われるものが多くて、イタリアの場合は日本では描きにくい外国的な風俗? を題材にしているような気がしました。

というか、私はイタリアに統一されたイメージをもってないので、舞台がイタリアである意味はよくわからなかったというのが正直なところ。

あ、でもイタロ・カルヴィーノの雰囲気には少し似ているかもしれない。あのへんてこな発想は抜きにして、比較的ふつうな『マルコヴァルドさんの四季』とか『魔法の庭』の雰囲気。といっても最後に読んだのが1992年だから断言したりはできませんが。

ごちゃごちゃと書きましたが、この作品の魅力はとても私には伝えられません。

大人の、ちょっとシニカルでユーモアありの、すこしウエットでかなりドライなスマートな短編集をお求めの方に。
恋愛成分はほとんどありません。

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