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『ドラゴンと愚者』

ドラゴンと愚者 (ハヤカワ文庫FT)
Patricia Briggs 月岡 小穂
4150204462


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いただいて読了。

代々ドラゴンの守護者を名乗っていたヒューログ一族。現ヒューログ城主である父親からの虐待を逃れるため愚かなふりをしていた主人公ワードウィックが父の死をきっかけに変わっていく、骨太な異世界ファンタジー。

かなり面白かった。
最初は文体に苦労させられてなかなか進まなかったんです。
会話が多いのはいいのだけどリズムかなにかが私の感覚に合わないらしく、あちらこちらで躓いちゃって。

でも、物語の中に踏み込むにつれてそれはだんだん解消されていきました。
物語世界の精緻な設定や、主人公ワードウィックの生い立ちによって生まれた特異な性格。さらにそれぞれ個性的な登場人物達。緊密なストーリー展開。

ワードウィックが療養所に幽閉される運命から逃れるために戦功を立てようと始めた旅が、隣国の陰謀のど真ん中へと到達してからは、さらに目が離せなくなりました。

虐待されて傷ついたものがどのようにして生きのびていくか、がワードウィックのテーマですが、何故虐待はなされたのかという理由は物語の謎の中に埋め込まれていました。とても説得力があったと思います。

それから、ワードウィックと同様、深く傷ついている少年オレグの存在が物語の大きな魅力でした。

抑圧からの解放と過去に受けた大きな傷からの回復、というじつにファンタジー的なテーマに真正面から取り組んだお話だったなと思います。


 ヒューログとはドラゴンのこと。



冒頭に置かれたこの一文が深い感慨とともによみがえる読後でした。

だからこそ、ワードウィックの台詞のあとの体言止めがなければなーと残念に思います。

続編があるらしいですがこれできっちりと完結しているので別に読まなくても……と感じました。

こちらは同著者のアーバン・ファンタジー。
裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)
Patricia Briggs 原島 文世
4150204667

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