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『スプライトシュピーゲル I Butterfly&Dragonfly&Honeybee』

スプライトシュピーゲル I Butterfly&Dragonfly&Honeybee (1) (富士見ファンタジア文庫 136-8)
冲方 丁 はいむら きよたか
4829118970


[Amazon]


借りて読了。

近未来のウィーンを舞台にサイボーグ少女《焱の妖精(フォイエルスプライト)》達がテロ組織と戦う、SFアクション小説。開幕編。


 蒼い空を翔ける三色のライン。
 紫の少女――鳳/アゲハ。
 蒼の少女――乙/ツバメ。
 黄の少女――雛/ヒビナ。

 機械化された身体を持ち、最新の官給品として、敵を貫く弾丸(バレット)。《焱の妖精(フォイエルスプライト)》たち。



正直言って非常にとっつきにくかったお話ですが、読み終えるとけっこう心がゆさぶられたような、妙な気分の読後感が残りました。

殺伐とした現実によって回復困難な傷を負った少女達。
彼女たちは失われた身体を機械化=武器化によって補われ、その代償として社会機構を脅かす敵対組織との戦闘に投入される。
心に負った傷は癒されないまま、なおも危険な前線へと赴かされる彼女たちの苛酷な日々はいつまで続くのか――。

作者は話の見てくれにたいそう趣向を凝らしたデコレーションを施しているため、これだけのことを読みとるのに丸々一冊費やしてしまいました。

ここまで技巧を凝らした話に魂は入っているのだろうか。疑問に思いつつ読みましたが、どうやら杞憂だった模様。

基本的には『マルドゥック・スクランブル』の路線で、さらに過激に、さらにわかりやすく、キャッチーな方向をめざしているんだろうなーという感触を得ました。

しかし私にはどうしても「わかりやすい」とは思えなかった。
この数式みたいな文章、読んでてぜんぜん脳裏に映像が浮かばないんだもの(汗。
かっこいいとは思うけど。

ところで、このスプライト達は義体化はしてるけど電脳化はしてないみたいです。
いきなり「転送を開封」して変身しちゃうあたりは、仮面ライダーのノリではないかと私などには思われたり。
昆虫の羽根を模倣した翼も、そんなイメージを増幅させます。

敵方の人間の脳を利用した兵器については、マキャフリイの『歌う船』とか山田ミネコの『最終戦争』とかを思い出したり。

いずれにしろ、先達のアイデアが非常に殺伐とした方法で使用されている(仮面ライダーは戦ってるけど改造したのは敵だ)ところが現代的にリアルで、そんなふうに感じてしまう現代に生きていると感じることこそが私を暗い気分にさせるのでした。

少女達の戦いの行く末はどうなるのでしょうか。
希望が見いだされることに期待したいです。


ところで、このシリーズには同世界を舞台にした並行シリーズがある模様です。
そのタイトルは『オイレンシュピーゲル』。

オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White (1)(角川スニーカー文庫 200-1)
冲方 丁 白亜 右月
4044729018


あのティル・オイレンシュピーゲルからとったタイトルなんだろうなー。
とするとこちらは悪側の物語だろうか。

機会があれば読んでみたいです。

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