『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』
RDG レッドデータガール はじめてのお使い (銀のさじ)
荻原 規子


[Amazon]
いただいて読了。
祖父が宮司を務める神社で暮らす引っ込み思案の中学三年生の少女が、自分の特異性と宿命に直面する、現代ファンタジー……なのかな。シリーズ開幕編。
レッドデータガール、というタイトルに「絶滅危惧種少女ってなに?」と疑問を抱いた私は内容を読んで、あーそういうことなのかと納得しました。
お山の神社で祖父と暮らし、交通手段がないために毎日運転指月の自家用車で送り迎えをされ、しめ縄と陰口をたたかれるような長い三つ編みお下げの髪型をつづける、何の取り柄もないばかりか超人見知りで引っ込み思案の中学生、鈴原泉水子が主人公。ここらへんでもうかなり「絶滅危惧種」っぽいですが。
高校進学を前にして、そういえばもうすぐ自分もお山を離れるのだから普通の生活ができるようになるのだ……と気づいた時から物語が急展開を始めます。
はじまりの雰囲気はなんとなく『町でうわさの天狗の子』っぽいかなーと思ったのですが、その後のほのぼのとはほど遠い展開にあっけにとられました。親にかってに進路をきめられるというあたりとかちょっと樹なつみ『花咲ける青少年』ぽいかも(花婿探しはないけど)。
突然やってきた父の親友相良雪政にとんでもない進路予定を聞かされるは、かれが連れてきた息子の深行にとことん目の敵にされるわで、毎日が悲惨な状況に陥った泉水子はなんとか現状を打破しようとついに自分とっては途方もないと思われる行動を取る決意をします。
読んでいて、なんとなくそうなんだろうなーと推測したとおり、このあたりから泉水子は特別な少女であることを周囲に露呈してゆきます。
平凡であるはずで平凡であろうとする彼女が、平凡であるための努力をすればするほど平凡さが剥がれ落ちていくという展開に、うーむと思ってしまうのは多分私だけだとは思うけど。
思春期には、たしかにこういう話は心に響くんだよなー。
で、とにかく今回は開幕編なので、泉水子が自分の特別さとその意味を知る話。
父親の決定で泉水子と運命をともにすることになった深行くんが、その任務に納得するまでの話でもあります。
このふたりの最初の関係があまりにもひどいので、途中なんどもハラハラしてしまいました。ハードに敵対しているふたりがなにかしらの信頼関係を築きあげるまでのお話でもあるな。話的にはこのあたりが一番面白かったです。
こういうのもツンデレにはいるのだろうか。
というわけでストーリーは大変楽しく読めました。
ただ、やっぱり荻原作品、ちょっと油断したとたんに足もとをすくう罠が(苦笑。
この話の根本的な設定で私はまたしても違和感を覚えてしまいました。
うーん、この展開でそうだったら、それは私のルールではファンタジーではなくSFなのだけど。
でも、お山の清浄な空気とか泉水子の○○○とかの存在はファンタジーだしなあ。
もしかして『風神秘抄』の世界と似た設定なのかな。あるいは繋がっているのかも。
相良雪政みたいな存在もそういえば出てきたような気もするし。
まー、深く悩むのは止めておきます。まだつづきもあるらしいことだし。
ところで、個人的なことですが。
陰謀の元締めみたいに出てくる相良雪政氏。
相良、相良といわれるとどうしても私の脳裏には相良軍曹が登場するので非常に困りました。性格が全然違うんですけど……条件反射みたいです(汗。
風神秘抄
荻原 規子


荻原 規子

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いただいて読了。
祖父が宮司を務める神社で暮らす引っ込み思案の中学三年生の少女が、自分の特異性と宿命に直面する、現代ファンタジー……なのかな。シリーズ開幕編。
レッドデータガール、というタイトルに「絶滅危惧種少女ってなに?」と疑問を抱いた私は内容を読んで、あーそういうことなのかと納得しました。
お山の神社で祖父と暮らし、交通手段がないために毎日運転指月の自家用車で送り迎えをされ、しめ縄と陰口をたたかれるような長い三つ編みお下げの髪型をつづける、何の取り柄もないばかりか超人見知りで引っ込み思案の中学生、鈴原泉水子が主人公。ここらへんでもうかなり「絶滅危惧種」っぽいですが。
高校進学を前にして、そういえばもうすぐ自分もお山を離れるのだから普通の生活ができるようになるのだ……と気づいた時から物語が急展開を始めます。
はじまりの雰囲気はなんとなく『町でうわさの天狗の子』っぽいかなーと思ったのですが、その後のほのぼのとはほど遠い展開にあっけにとられました。親にかってに進路をきめられるというあたりとかちょっと樹なつみ『花咲ける青少年』ぽいかも(花婿探しはないけど)。
突然やってきた父の親友相良雪政にとんでもない進路予定を聞かされるは、かれが連れてきた息子の深行にとことん目の敵にされるわで、毎日が悲惨な状況に陥った泉水子はなんとか現状を打破しようとついに自分とっては途方もないと思われる行動を取る決意をします。
読んでいて、なんとなくそうなんだろうなーと推測したとおり、このあたりから泉水子は特別な少女であることを周囲に露呈してゆきます。
平凡であるはずで平凡であろうとする彼女が、平凡であるための努力をすればするほど平凡さが剥がれ落ちていくという展開に、うーむと思ってしまうのは多分私だけだとは思うけど。
思春期には、たしかにこういう話は心に響くんだよなー。
で、とにかく今回は開幕編なので、泉水子が自分の特別さとその意味を知る話。
父親の決定で泉水子と運命をともにすることになった深行くんが、その任務に納得するまでの話でもあります。
このふたりの最初の関係があまりにもひどいので、途中なんどもハラハラしてしまいました。ハードに敵対しているふたりがなにかしらの信頼関係を築きあげるまでのお話でもあるな。話的にはこのあたりが一番面白かったです。
こういうのもツンデレにはいるのだろうか。
というわけでストーリーは大変楽しく読めました。
ただ、やっぱり荻原作品、ちょっと油断したとたんに足もとをすくう罠が(苦笑。
この話の根本的な設定で私はまたしても違和感を覚えてしまいました。
うーん、この展開でそうだったら、それは私のルールではファンタジーではなくSFなのだけど。
でも、お山の清浄な空気とか泉水子の○○○とかの存在はファンタジーだしなあ。
もしかして『風神秘抄』の世界と似た設定なのかな。あるいは繋がっているのかも。
相良雪政みたいな存在もそういえば出てきたような気もするし。
まー、深く悩むのは止めておきます。まだつづきもあるらしいことだし。
ところで、個人的なことですが。
陰謀の元締めみたいに出てくる相良雪政氏。
相良、相良といわれるとどうしても私の脳裏には相良軍曹が登場するので非常に困りました。性格が全然違うんですけど……条件反射みたいです(汗。
風神秘抄
荻原 規子

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