『嘘つきは姫君のはじまり 秘密の乳姉妹』

嘘つきは姫君のはじまり―平安ロマンティック・ミステリー ひみつの乳姉妹 (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ
4086011662



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読了。

「平安ロマンティック・ミステリー」のシリーズ開幕編。


落ちぶれ貴族の姫君・薫子と乳姉妹宮子のふたりは、荒れ果てた屋敷で暮らしていた。現実的な薫子は生活の一助としてまた人生を謳歌するためにも恋多き日々を送っており、いまでは父親候補が三人もいる子どもを妊娠している。貧乏だけれど賑やかな日々。そんなおり、宮子は従兄弟で幼なじみの真幸ととうとう結婚の約束をした。婚約者の帰りを待つ夜、宮子は薫子と間違えられて盗賊に襲われる。窮地に陥った宮子を救ったのは、腹違いの妹の行方を捜していたという藤原兼通。なんと薫子は名門貴族九条家の隠し子だったのだ。ところが薫子は兼通の誤解を解こうとしない。宮子を自分の身代わりにたてて兼通の思惑を探ろうというのだ。



評判がよいようなので借りてみました。
うん、面白かったです。
文章はしっかりしているし、登場人物もきちんと書けている。ストーリーも、ミステリ部分は私にはわかりませんがまとまってると思います。

かつて氷室冴子を愛読した身であるので、こういう物語世界もあったのよねえ、と懐かしかった。
もちろん、現代に合わせてはっちゃけ度も高くなってますがね。

とくに現実的な上に合理的で、頭の回転も弁舌の巧みさも人並み以上の薫子姫の存在感が図抜けてます。
彼女の周りの人びと特に宮子は、美しい姫君の口八丁にだまくらかされて、何か魂胆があるとわかっていながらその通りの行動を取らざるを得なくなる。

こういうひとは黒幕というのでしょうか(苦笑。

性格があかるくてさばけているのでちっとも色っぽくはありませんが、薫子姫の活躍は爽快でした。

いっぽう、ヒロインである宮子ちゃんは、まだ夢見る乙女。
なのに薫子姫のおかげであっちこっちで魅力あふれる男性と出会い、そのたびにどきどきフラフラしています。
彼女は薫子姫の犠牲者なわけですが、かなりの役得もある模様。

というわけで、宮子と婚約したはずの真幸くんが一番の貧乏くじひきだろうという結論に達しました。
いと哀れなり。

たいそう楽しかったのでつづきも読んでみたいです。
予約がかなり混んでるので相当先になりそうですが。

嘘つきは姫君のはじまり―見習い姫の災難 平安ロマンティック・ミステリー (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ
4086012103


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