『薄妃の恋 僕僕先生』

薄妃の恋―僕僕先生
仁木 英之
4103030526



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読了。

唐の時代を舞台にした中華ほのぼのファンタジー連作短篇。萌え風味? 「僕僕先生」の二冊目。

かわいい少女仙人・僕僕と彼女を慕う弟子・王弁が目的もなく各地を訪れ、そこで怪異や神様がらみの奇天烈な事件に巻き込まれるシリーズです。一作目は日本ファンタジー小説大賞の受賞作でした。

このシリーズの魅力は、飄飄として軽やかな文章でつづられる、僕僕と王弁の漫才風な道中かなーと思います。

王弁は僕僕について修行を(たしか仙人になるための)しているのですが、心の中は僕僕に対して恋の妄想ばかりを育てていて、それを僕僕にいちいちからかわれて真っ赤になる、という素朴な青年です。

僕僕はふだんはほとんど色気がないのですが、ここぞというところでふんわりとした少女の甘酸っぱさをまき散らし、王弁の懊悩をかきたてて止みません。

でも、品よくまとめられているのでいやらしさがなく、大変に読みやすいです。

それから毎回出てくるゲストキャラも、個性豊かで楽しいのです。

今回秀逸だったのは、やっぱりタイトルにもなっている薄妃。
どんなキャラか書いてしまうとまるごとネタバレになるので避けますが、こんなに奇天烈な恋愛もののヒロインってみたことありません。元ネタがあるのでしょうか、あるのならぜひ読んでみたいです。

収録作品は以下の通り。


羊羹比賽 王弁、料理勝負に出る
陽児雷児 雷神の子、友を得る
飄飄薄妃 王弁、熱愛現場を目撃する
健忘収支 王弁、女神の厠で妙薬を探す
黒髪黒卵 僕僕、異界の剣を仇討ちに貸し出す
奪心之歌 僕僕、歌姫にはまる



お話のひとつひとつが綺麗にまとまっているのですが、それぞれになんとなく繋がりが感じられて、順番に読んでいくことに楽しみがあります。

人物同士もそうですが、人物と語りの距離感が好きだなーと思います。
固定視点でもなく、神視点でもない、なんとなくふわふわ漂っている感じ。
でも読んでいて混乱しない。いいなあ、こういうの。最近の私の憧れです。

前巻はきれいに完結していたのですが、今回はまだ続きそうな雰囲気で終わっています。
でもまだ刊行されてはいないんですよね。

シリーズ第一巻はこちら。

僕僕先生
仁木 英之
4103030518

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