『神様が用意してくれた場所』

神様が用意してくれた場所 (GA文庫)
矢崎存美 Fuzzy
479733715X


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読了。

女の子が主人公のちょっぴり苦いけれどハートフルで不思議テイストな連作短編集。

私の大好きな「ぶたぶた」シリーズの作者さんの、ラノベレーベル作品。
存在は知っていたのですがあのスロー刊行な「ぶたぶた」にも追いついていないのに、と手を出してませんでいた。

読んでみて、ああ、この方の作品はみんな地に足がついているなーと思いました。
どこか一点で大きく現実離れしているんだけど、それを除くととても日常的なシーンの連続なのです。

日常だから大冒険というのはなく、事件といっても本人にとってのみの一大事が多いです。個人的な一大事をこぢんまりと丁寧にひとつの話に仕立てるのが上手いなあと関心。そのまとめかたがとても人情的で、と書くとやや土臭いですが、ひとの心の温かさをかんじられるテイストなのが心地よいのですね。


第一話 まぼろしの十字路
第二話 脆い女
第三話 すれちがいの気配
第四話 湖の秘密
第五話 神様が用意してくれた場所



今回のシリーズは主人公が香絵ちゃんという高校を卒業したばかりで探偵事務所に勤める女の子に固定されていることと、彼女が奇妙な事件に出逢いやすい不思議体質である、というところがぶたぶたと違うところ。

ぶたぶたはそれこそぶたぶた以外は現実そのものでしたが、香絵ちゃんの体質のおかげで起きる事件がほんのりと不思議テイストになっています。

ミステリ風味もあれば、ファンタジー風味もありますが、全体を通してみるとお伽噺っぽい雰囲気だなあと思われました。

そしてすこし感傷的かなと。

この雰囲気も好きですがもうすこし早く、そう、このレーベルの対象読者年齢の頃に読めたらもっと好きになったかも。

今の私には、ぶたぶたの現実的で奥ゆかしい懐の深さの方が読んでいて安心できるなと感じる。
それだけ歳を食ったということでしょうか、ははは。

このシリーズ、けっこう好評みたいで続刊が二冊、出ています。

神様が用意してくれた場所2 明日をほんの少し (GA文庫 や 1-2) (GA文庫)
矢崎存美 Fuzzy
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神様が用意してくれた場所 3 いつかの少年 (GA文庫)
矢崎存美 Fuzzy
4797348666


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