『あたしをとらえた光』

あたしをとらえた光 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-2)
ジャスティーン・ラーバレスティア 結布 大谷 真弓
4150204837



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読了。


オーストラリア出身作家による、魔女の家系に生まれた少女がヒロインの現代ファンタジー。三部作の第二巻。『あたしと魔女の扉』のつづき。

前巻で母親から教え込まれたことが真実のすべてではない、と気がついた十五歳の少女リーズン。
この巻では、魔法を受け継いだ者にどんな運命がもたらされるかを理解した上での展開となります。

この話の中で、魔法は一種の遺伝病みたいなものとして描かれています。
しかも、使うたびに命を削るうえ、使わずにいても破滅が待っている。

その具体的な例をふたつとも目の当たりにしつつ、リーズンは葛藤するのですが、そのわりに目先のことにとらわれがちなのが、のんきだなあと時に感じる。

でも段々、これって彼女の中の魔法の血があらたな生け贄を求めてうごめいているみたいじゃないかと思いつき、なんだかファンタジーじゃなくてホラーみたいだなあと、感じたりしました。

魔法のドアも、たんに行き先がニューヨークに固定されたどこでもドアじゃないみたいだし、異様な臭いを放つ化け物がそこから侵入しようとしてきたりと、サスペンス風味が増しています。

魔法を受け継いだ仲間として友人になった、J.Tとトムも、リーズンとはべつにそれぞれの問題に直面していきます。
それは青少年達の指導者として登場した、リーズンの祖母エズメラルダもおなじこと。

この話は勧善懲悪ではない、それぞれに悩みや苦しみを抱えた人々の物語なのだ、ということがわかってきて、俄然面白くなってきました。

ファンタジーでもホラーでももうかまわないので、つづきがはやく読みたいです。

ところで。

この本、シリーズものなのに表紙を見ただけでそれとわからないのは、ちょっと不親切なのではないかと思う。装画はとっても綺麗で大好きなんですが。

さらに、この本の解説は絶対に最後まで読んじゃダメです。
途中で好奇心をおこして巻末解説を読んだ私は、たいそう痛い目にあいました。警告も注意もぼかしもなく、あっけらかんと核心部分をネタバレしているので。

とある作家の方の書かれたものなんですが、きっとこの方は巻末から読んでみるなんて事をしたことがない、そんな人間の存在は思いもつかない方なんだろうなあ。

そら、巻末から読むのは邪道だと言われればそれまでだな。しかし、ホントにびっくりしましたよ。口がぽかんと開きそうになったくらい(苦笑。

この次はぜったいに解説を先に読んだりはしないぞと肝に銘じつつ、粛々とつづきを予約したいと思います。

あたしのなかの魔法 (ハヤカワ文庫FT)
Justine Larbalestier 大谷 真弓
4150204888


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