『あたしのなかの魔法』

あたしのなかの魔法 (ハヤカワ文庫FT)
Justine Larbalestier 大谷 真弓
4150204888



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読了。

オーストラリア出身作家の現代ファンタジー三部作の完結編。

魔法なんか存在しないと母親に躾けられた女の子が、突然襲ってきた苦難のためにじつは自分も母親も祖母も魔女だったと知らされて、疑心暗鬼のなかで奮闘するお話。

面白かったです。

前巻では絶体絶命、阿鼻叫喚、なところで終わっていた……ような気がするんですが、鳥頭の私はすでにそのあたりの事情を忘れ去っていた……。まだ読み終えてからひと月経っていなかったみたいなのに。

記憶を掘り起こしてみると、たしか遠い祖先と出会ってヒロインのリーズンがなにか操作をされたんですよね。それでリーズンはとんでもない力を身につけるにいたった……ような気がする。

ま、それはとにかく、この巻ではリーズンが世界中、というと語弊がありますが、とにかく地球上のあちこちへと行ったり来たりして、泣きながらお母さんのサラフィナを探す話でした。

不思議なのは話の地理的スケールはどんどん大きくなっていくのに、話そのものはどんどん家族内の出来事に集約されていくところ。

つまるところ、この話は家族内のいろんな感情や関係の話なんだなーと思いました。魔法というものが介在していなければ、フツーに家族とのもめ事を抱えた少女の成長物語になったんじゃないかと。

魔法の設定がかなりユニークなのでそのあたりが不思議好きとしては読みどころかな。
こんな魔法が描けるのは科学の発達した現代ならではないかと思います。
そのぶん、魔法の神秘性が薄れて、どことなくSFっぽい雰囲気が漂ってるような気がしましたが。

なので神秘的なファンタジーを期待して読むとすこし肩すかしを食らうかもしれません。
というか、私がそうだった。

物語的には、こんな極限状態をどうやって収拾するんだ、的なところをすごく綺麗にまとめてあるなーと感心しました。
ハード好きな私の場合、この結末はきれいすぎる気がしないでもないのですが。
でも、最後の最後の出来事のせいで帳消しになりました。

まとめていうと、面白かったんだけどちょっと明るすぎな結末。しかし最後にどんでん返しが、というところでしょうか。

もうこれ以上書くと本気でネタバレになるから書きません。

ところで、現代ファンタジーってホラーっぽい話が多い気がする。

あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)
ジャスティーン・ラーバレスティア 大谷 真弓
4150204799


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4150204837


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