『囚われちゃったお姫さま 魔法の森1』

囚われちゃったお姫さま―魔法の森〈1〉 (sogen bookland)
Patricia C. Wrede 田中 亜希子
4488019609



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読了。


お姫さまらしくするのが大嫌いなお姫さまが、結婚を逃れるために自分からドラゴンに囚われの身となって活躍する、異世界ファンタジー。

可愛らしくておてんばでユーモアたっぷりの、童話パロディーファンタジー。

ヒロインは、童話でお約束のお姫さまルールをことごとく嫌って自分らしく生きることを選択したシモリーン姫。

まずここでこの話はお伽噺の世界ルールを破ることによって、現代社会をも風刺するストーリーなのだ、ということがわかります。

既成概念に囚われ、自分の役割を果たすことばかり考えている登場人物達の描かれ方はかなり辛辣。
でもそれなりに愛すべき人物なので、シモリーンの親の決めた結婚相手セランディル王子なんて出てくる度に笑えます。

シモリーンの聡明なキャラクターはこういうお話ではそれほど目新しくはないと感じますが、シモリーンを自分の姫にしたドラゴンのカズールがすごく魅力的!

いいなあ、私もドラゴンの姫になってみたいなーと思わされる威厳と遊び心をそなえたメスドラゴンです。
でもドラゴンは有能な姫を求めているらしいです。
ドラゴンの姫って、もしかしてドラゴンの侍女なのかもしれません。

そういえば、ドラゴンの世界ではキングになるのに雌雄は関係ないそうです。
よってクイーンになるのも雌雄関係なし。
いったいどういう役割分担をしているのか、このはなしではいまひとつ不明ですが、要するに男女平等な世界なんですね。

いろんな童話のアイテムや仕掛けがてんこ盛りの物語世界で、その取り扱いの意表を衝くやり方には何度もニヤリとさせられました。

ネタバレになるので書きませんが、これってあの話のあれだよね。それがこんな風になっちゃうの、キャハハ! な感じで読み進みました。

というわけなので、ヨーロッパの昔話、童話、メルヒェン、などの予備知識のないひとにはあんまり面白くないお話かも知れません。

たとえば私の姪っ子なんかには、なにがなんだかさっぱりであろう。
今の子供は子供向けの新しい媒体がたくさんあるので、昔話の類にあんまり接していないようなんですよ。

だからこの話は、子供の頃に世界昔話なんかに親しんでいた大人向け、なのかもしれません。

「魔法の森」シリーズの1巻と書いてありますが、つづきはまだ刊行されていないようです。

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