『魔使いの戦い 下』

魔使いの戦い〈下〉 (sogen bookland)
Joseph Delaney 金原 瑞人 田中 亜希子
4488019668



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読了。

中世イングランド?な世界を舞台に、魔使いに弟子入りした少年の苦闘と成長を描くファンタジー。シリーズ第四巻の下巻。『魔使いの戦い 上』のつづき。

七番目の息子の七番目の息子トム君の魔使い修行ファンタジーも第四巻の完結となりました。
修行といってもその内実はかなりのスパルタ実践式。
徒弟なのにほぼ片腕としての働きを求められているといっても過言ではないと私には思われます。

またトム君がこの要求に応えてしまうんですよね。
なんだかだと回り道して転んだり足を挫いたり(比喩です)してますが、最終的には魔使いも思ってもみない成果を得ているのではないかと感じます。

それもこれも性格もふくめて生まれ持った資質のおかげなんですけど。
それもこれもどうやらトム君のお母さんの関与が大みたいなんですけど。

それでも実際に魔女と最前線で戦って傷ついているのはトム君であることに変わりないし、魔女なりかけのアリスと親しくなっているのもトム君なんですから、やっぱりどんな条件を与えられても最終的には自分の意志が物を言うのだなと思ったりしました。

今回は、ペンドルの魔女達が一時的に内部の反目を棚上げして結束した集会の邪悪な目的を阻止できるのか、という一点に向かって収束していくスリリングなお話。

トムの家族達も巻き込まれてのつらい戦いですが、そのつらさも厳しさもきちんと描いてあるところがいいなあと思います。

それにこのシリーズに出てくる魔女達は本当に不気味。
魔女ってイコール大自然と人間の仲立ちをする者、なんじゃないかと思うんだけど。
どうもこの世界では徹底的に悪なんですよねえ。

よいラミア魔女ってのも出てくるんだけど、それが例外的な存在として位置づけられていることが、この世界の謎だと私は感じてます。

それと、この作品はキリスト教圏で書かれたにしてはキリスト教臭が薄いですね。
教会の神父さんも出てくるんですが、なんかあんまり役に立っていないし(苦笑。

いろいろと考える要素がある作品って、思い出しては楽しむことが出来るので私は好きです。

ものすごいクライマックスだったので、もしやこの巻で完結かと思ったのですが、まだ続きますようで。

つづきは『魔使いの過ち(仮題)』となるそうな。
ギリシアに行っちゃったままのトムママの行方も気になるし、刊行が楽しみです。

魔使いの戦い〈上〉 (sogen bookland)
Joseph Delaney 金原 瑞人 田中 亜希子
448801965X


Comment

No title

金原訳で装画は佐竹美保と来れば、内容は知らなくても気になる組み合わせ。
でも、シリーズものってコトになると、手に取るのは短巻ものに比べるとチョット躊躇われます。
完結まで訳出されたら読もうと思っているのですが・・・

ハードカバーですから躊躇われるのも致し方ないかと。
私も図書館で借りられなかったら多分手を出していませんから。
でも、シリーズ、本国でもまだ続いているみたいですよw

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