『幻月楼奇譚』

幻月楼奇譚(キャラコミックス)
今 市子
4199602615



借りて読了。

「かぎりなく昭和初期に近いとある時代」の日本。老舗味噌屋の若だんなと妓楼の幇間(たいこもち)のつかずはなれずの関係と人情味あふれるミステリ風味の短編連作集。

『百鬼夜行抄』の今市子のホラーでない作品。
とあるつてからとある話のついでに教えて貰ったところ、とあるところに所有者がいたので、借りて読んでみました(伏せ字だらけでわけがわからないですな)。

面白かったです。
貸してくれた人が「中身がぎゅうぎゅうだからわかりにくいかもデスよ」
と忠告してくれましたが、そういうわかりにくさは『百鬼夜行抄』で経験済みです。

道楽者と名高い若だんなとかれに関わる人びとの関係が、つかずはなれずひょうひょうとしていて、古きよき日本の光景、という感じ。
謎解きめいた事件に巻き込まれて、というのは『百鬼夜行』と似ていますが、あくまで人間達の出来事である点がこのシリーズのポイントなのでしょう。

お話も面白かったけど、近世からめんめんと受け継がれてきた日本の伝統芸能をになう人びとの周辺の空気を垣間見せて貰ったような、そんなところも興味深かったです。

なかに「こんな悪所で」という台詞があって、それに萌えた(笑。
先日から読み続けている旅芸人に関連づけて読んでいることがバレバレです。
そういう絡みで読むつもりではなかったのですが、自然とそうなってしまうのですね。

最初にレーベルを確認しなかったので、受けとった時にはちょっとびびりましたが、大丈夫でした。
今市子というと飯嶋家シリーズの他にはあんまり手を出さずにおりましたが、その理由はBLだからというものでした。
腐女子資質がかぎりなく低い私が読んでも、作者もファンの方もおもしろくなかろうと思ってたのですが、これくらいなら読めます。

でも、ラストシーンに男同士のシルエットとか見せられたりすると、釈然としないのも現実なのでして。

そういう関係だということをどうも私がしっかりと認識できてないからなんだろうなー。
絵に色気が少ないことも理由のひとつかも知れません。
美しくて、でもどこか庶民的なんですよね。日常的というか。
親しみが持てるし、後味がすっきりとして絵柄としては大好きなのですが。
与三郎がそういう対象にはどうしてもみえないんですよ(汗。

でも面白かったので!
二巻も借りているのでひきつづき読みます。

幻月楼奇譚 (2) (キャラコミックス)
今 市子
4199603557


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