『幻月楼奇譚 2』

幻月楼奇譚 (2) (キャラコミックス)
今 市子
4199603557



借りて読了。

かぎりなく昭和初期に近い日本を舞台にした、時代もの人情連作コミック。BL風味。

吉原の料亭での出来事を老舗味噌屋の変わり者の若だんなと幇間(たいこもち)の関係を絡めて描くシリーズ。二冊目です。

一巻についての記事で「妓楼」の幇間と書いてしまったのですが、明治時代には遊郭はすでに無くなってるんでしたよね、すみません、間違えました。

かつて遊郭が果たしていた役割は場所と人間とで分裂し、料亭と芸者さんが登場したのかなあ……というのは調べたわけではなく私の勝手な推測です。

芸者さんは場所から自由になったので、注文を受ければ自由に赴くことが出来るようになったのかも。幇間というのはたいこもちと呼ばれるから伴奏や裏方作業をするひとなんだろうと思うのだけど、マネージャーみたいなこともしているのかなあ……。こういうことにはまるで知識がない私は日本のことをもっと知るべきだと思われます(汗。

マンガの方はそんな堅苦しいことを考えずとも楽しく読めます。
作者さんが資料を当たっていないということで時代物と呼ばれることに不安を感じていらっしゃるようですが、これが時代物でなければ他のなんなのか(苦笑。

どのエピソードも人間の情と業の深さみたいなものをさらりと描いていて洒脱。

若だんなのボケにもいっそう年季が入ってきた模様です。

『百鬼夜行抄』もどこか古めかしい雰囲気のするお話ですが、こちらはよりいっそうノスタルジーを感じさせてくれるシリーズだと思います。

ところで、日本の文化には二回の大転換期があって、それは応仁の乱と第二次世界大戦なんだとか。
室町時代から戦前までは文化的にずっと繋がっているそうなんです。
なので第二次大戦のまえに生まれた人はそのまま室町時代にスリップしても戸惑わずに生きてゆけるらしい。

であるからして、この話の登場人物達は、その連綿と続いた日本文化の最後の時代を生きているんだなーと思ってちょっと感慨深かったです。

シリーズ、まだ続いているなら第三巻の刊行をお待ちしています。

幻月楼奇譚(キャラコミックス)
今 市子
4199602615


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