『墨攻』

墨攻 [DVD]
ジェイコブ・チャン 森秀樹
B001MC02TE



久しぶりに見た映画です。といっても借りたDVDなんですが。

ちょっと前から宮城谷作品読みたい気分が盛りあがってまして、でも買う余裕がないので、しかし図書館で借りて読むのはせかせかするから嫌だなー、もういいや中国ものなら何でも!

という感じで見てみた。

暗い映画だった。

大元原作の酒見賢一『墨攻』はこんなに暗くなかった気がするんですが、あれは作風がかろやかなせいかしら。

それと導入部がちょっと。原作読んでるといっても設定の大方は忘れ去っているので、主人公の革離が墨家の一員であってもその意向を反映した人物ではない、というあたりがなかなかのみこめず。

墨家の教えに忠実な革離が専守防衛によって梁国を守り抜くというのが本筋のお話だということはわかっていても、それでも混乱するあたり、ちょっとわかりにくいなーと。

それ以外を除けば、映画そのものはわりあいと面白く見ました。
古代中国の風俗などはやはり映像で見るのが一番。王族の豪華絢爛な暮らしなんか、いくら小説読んでも推測不能なあたりが感覚として理解できるのがよかったです。

それでも画面の暗さが非常に目立つ映画でしたが。
とにかく荒野にたつ城砦そのものが暗いんですよね。
大国の軍隊にかこまれて絶体絶命の危機つづきなんで、緊迫感の解けない二時間でした。

中国古代の戦争シーンは、迫力があって興味深かったです。
なりふりかまわない墨家の戦い方がすごい。
これって紀元前の話なんですよね。日本なんて影も形もない時代。
その時代にこれだけの攻城戦をしているとは……やはり中国はすごいなあと思いましたことです。

原作には出てこない革離のロマンスは、まあ、べつにあってもいいんじゃないかなー。なにしろ彼女がいないと暗いばかりの画面ですから。

最後まで「理想を実現するのはむずかしいけれど追い求めることには価値がある」というようなシビアーな展開で、ぜんぜんハッピーエンドじゃないけれど希望の光が残されたような印象が残りました。

映画は漫画化された方をもとにしている模様ですが、残念ながら私は読んでいません。
原作小説はこちら。

墨攻 (新潮文庫)
酒見 賢一
4101281122



しかし、当然のことながら宮城谷昌光禁断症状は癒されませんでした。
ああ、『晏子』読みたいよ、『晏子』。

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