『君の名残を 上』

君の名残を (上) (宝島社文庫 (487))
浅倉 卓弥
479665075X


[Amazon]


いただいて読了。

現代から平安朝末期へとトリップした、少年少女たちの苛酷な運命の物語……かな?
時間SFっぽい歴史小説。上巻。


高校で剣道部の主将を務める幼なじみの二人、白石友恵と原口武蔵は、お互いを意識しつつもその先には進めずにいた。そんなある日、下校途中に雨宿りにとたどり着いた欅の下で、友人の弟・志郎が行方知れずになっていると連絡を受けたとき、ふたりは欅に落ちた落雷で意識を失ってしまう。次に目覚めたとき、友恵は見知らぬ場所で駒王と名乗る少年に介抱されていた。



どことなくぎこちないかなーとおもわれる文章でしたが、読み始めるととても面白かったです!

時代が移った途端に読み手はもちろん登場人物達にすらその後の展開が読めてしまうんですが、それだからこそ流れる無常と哀切というものがありまして、うん、悲劇だと知って読み始める物語をこれだけ臨場感をもって読ませることの出来る作者さんはすごいなーと思いました。

このお話にあっては、歴史上の人物はその時代の価値観と観念を持って生きていてそれは現代とはおよそかけ離れているはずだとか、言葉が何の苦労もなく通じるはずがない、とか考えるだけ野暮というものです。

自分たちの時代から切りはなされて、そこで居場所を求め、得られたものを守るために戦う。それがどれだけ困難なことかは想像するだに恐ろしいくらいですが、運命に真摯に真向かうかれらを見ているとただひたすら、耐えて欲しい、生き抜いて欲しいとおもうのです。

あえて難を言うならば、かれらを手駒のようにあやつって時代の流れを変えようとしているのは何者なのか、ということですが、それこそ物語の最大の理由として最後に明かされるはずだと信じています。

最初は高橋留美子の『炎(ファイヤー)トリッパー』か、と思ったんですが、どうもそうではないらしい。
ここまで読んだ雰囲気だと私としては萩尾望都『銀の三角』を思い浮かべてしまうんだけど、それだけはないだろうと理性は告げている。

ところで、その上位存在の手駒として働かされる阿修羅の物語には個人的にショックを受けました。そのあまりにもな悲劇性だけではなく、なんというか……なんでこのところこんな設定の話ばかり手に取ってしまったんだという、自分の選択の悪魔さに(汗。

同時に三冊並行して読んだりするから、そのシーンを立て続けに読む羽目に陥ったりするんだよと、自分で自分を怒ったりしましたよ。きゅう。

そういうわけで、これからはできるだけ一冊ずつ読んでいこうと思ったのでした。
とか書いてる側から、すでにまた三冊並行してるんですが(汗。

つづきをはやく読みたいので早々に図書館本を片づけることにします。

最後に。
駒王かわいい! かっこいい!w

君の名残を (下) (宝島社文庫 (488))
浅倉 卓弥
4796650776

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)