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『ルチア』

ルチア―クラシカルロマン (ルルル文庫)
華宮 らら
4094520902



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読了。

第一次世界大戦後の地中海風異世界を舞台に、軍部によってクーデターの起きた王国の王女の戦いを描く、少女向け異世界歴史冒険ロマン小説。

あちこちで評判がよいようなので借りてみました。

おお、これは面白いです。
たしかに恋愛成分はかぎりなくゼロに近いですが、歴史の波に巻き込まれながらもひとりの少女がけなげに奮闘するさまをリアリティをもって劇的に描かれています。

一冊のなかできちんと構成された物語展開。
強者と弱者の立場の違いや、政治的信念の違い。
さらには強国の狭間でそれぞれの利害関係にふりまわされる小国の悲哀。などなど。

物語として嘘っぽくない、しっかりと地に足の着いたお話で、王道ながら意表を衝いた展開もありで、一息に読んでしまいました。

読んでいて、なんとなーく国や人物のモデルが見えるかなーと感じるところもありましたが、異世界もののいいところはテーマを抜き出して描くことができるところで、この話はその利点を最大限に生かしていると感じました。

現実のヨーロッパを舞台にしようとしたら、もっと複雑怪奇なしがらみを書かねばならないし、それはこの分量ではとてもまとめきれるものではないし、そもそもそんな話は王道としてまとめられるものではないし、でも書かなければご都合主義のお伽噺になってしまいますからねー。

唯一の甘い要素はというと、それはヒロインを除く登場人物のほとんどが若くて美形な男性であるというところか。でもそれは少女向けのお約束ということで。敵ボスは美形じゃないからよしとします。

魔法もラブもないけれど、シリアスで劇的な物語を読みたい人にお勧めです。

クラシカルロマンってどういうものかと思ったけど、たしかにこれはそうとしか呼びようがないかも知れません。
冒険小説なんて書いたら、誤解を受けるかもです。でも、イサク・ディーネセンの少女たちの話が冒険ものなら、これも冒険だと思います。冒険ロマン……でも誤解を受けるかなー。ロマンスではなく、ロマンなんですが。

どうやらクラシカルロマンはつづき? が出ている模様です。
薔薇の戴冠 クラシカルロマン (ルルル文庫)
華宮 らら
4094521208

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