『結晶物語 1』

結晶物語 (1) (新書館ウィングス文庫―Wings novel)
前田 栄
4403540872


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読了。

あやかしの父親のために質屋を営む半妖の少年・凍雨と、かれに振りまわされる人間の若者・黄龍を中心に描かれる、お伽噺をベースにした短編連作。シリーズ第一巻。

一度読んでみたかった作家さんの、もっともてっとりばやく届きそうだったシリーズ。
どんな話だかまったく知らずに読みました。

収録作品は以下の通り。


幸福な人魚
竜神の花嫁

あとがき



主役の凍雨はようするに半妖の少年で、齢は百を超えるものの精神的にはまだ外見相応の子供。時間を糧として生きる父親のために骨董などを集めているうちに質屋を営むことになってしまったという。

黄龍は国籍も家族もわからないはぐれもので、愛する妹の遺品を凍雨ににぎられているために使い走りをさせられている、いまもまったく堅気でない若者。

凍雨の営む質屋には人間とあやかしの両方が客として訪れて、それから事件に巻き込まれることもしばしば――。

という感じの枠組みで、よく知られたお伽噺をテーマにした再話が語られます。

それなりに面白かったです。
が、私には元となるエピソードの文化的背景のつながりのうすさが気になりまして、なんとなくもやもやとしてしまい、結局解決されずに終わったので、読後感がいまいちでした。

人魚姫がいかにもキリスト教ベースの話だったのに(とくにあやかしには魂がない云々あたり)、そのつぎの話が竜宮城って……。この飛躍に私の頑迷な頭はついて行けなかったです。

私には魂と魄の関係がまだよくわからないから、そのせいかもしれないと思います。

それと、枠組みの説明がすこし煩雑で遠回りだったので、物語の前提を呑みこむのにひといき時間がかかりました。

凍雨の父親・白夜と母親の関係がとおまわしに描かれる所などは、なんとなく好きだなーと感じます。

短編って長さの関係でどうしても説明部分が多くなるわけですが、私は説明部分を読むのが苦手なのでそういうところがちょっと面倒だったのかな。

むー。つづきを読むかどうかは保留します。

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