『復讐の誓い クロニクル千古の闇5』

復讐の誓い (クロニクル千古の闇 5)
酒井 駒子 Michelle Paver さくま ゆみこ
4566024156



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読了。

石器時代のヨーロッパを舞台に、宿命を負わされた少年の成長を描く古代ファンタジー。シリーズ第五巻。

厳しい自然のなかでシリアスハードな展開をみせる、リアルな雰囲気たっぷりの古代ファンタジーの最新刊です。

今回のトラクは親友を自分の過失をきっかけに殺されることになり、復讐の誓いを立てて猪突猛進することになります。仇は魂喰らいのひとり、オーク族の魔導師シアジ。

怒りで誰の助言も受け付けなくなったトラクに、なんとか理性を取り戻させようと奮闘するレンが、とてもつらそうで可哀想なお話でした。

いままで極寒の雪平原、北の海、とうつしてきた舞台は、今度は深い森へと移動。
開けた森にすんでいたワタリガラス族とは異なり、閉鎖的で余所者を歓迎しない人びとは、シアジの歪んだ罠にかかり内部抗争を始めています。

もっとも深い絆で結ばれていたウルフとの関係も微妙になり、父親とも感じるワタリガラス族の族長フィン=ケディンやレンの気遣いを無視し、感情のままに突っ走るトラク。

この話ははじめてかれが加害者になるかも知れない危機を描いたものなのかなー、と思いました。

そういえば、トラクもだいぶ大人になってておそらく思春期に入ってきたのですね。
直接の事件のきっかけとなった出来事も、それを示唆していたんだろう。
感情の起伏が激しくなり、攻撃的になるのも無理はないか。

にしてもふりまわされるレンにしてみれば理不尽このうえない展開でした。
私だったらトラクなんか見捨てて帰ります。
それをしないということは、レンはトラクを大切な人物と認識しているんだよなー。

深い森の中に分け入ったことでトラクの母親のことがあきらかになり、このシリーズも終盤にさしかかったことが感じられました。

ラストはほのぼのとしてあたたかい、こうなればいいなあという未来を象徴している素敵なシーンでした。

今回印象的だったのは、森の木々。
すべてが繋がっていてとてつもなく永いスパンで生きている、木々の感性です。
この本はここを読んだだけで元が取れたなあと思いました。
……って図書館本なんですけどね(汗。

あとがきを読むとこの次で完結なのかなーという雰囲気。
最後の魂喰らいとの対決が待ち望まれます。

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