『タザリア王国物語2 黒狼の騎士』

黒狼の騎士―タザリア王国物語〈2〉 (電撃文庫)
スズキ ヒサシ
4840236070


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読了。

皇子の影武者とした育てられた少年の出会う苛酷な状況とそこで選び取る波乱の運命。地に足の付いた筆致で描く、疾走する異世界冒険ロマン。シリーズ第二作。

男の子版「流血女神伝」か、いやそこまで深くはないか、みたいな雰囲気になってきた波瀾万丈のストーリー。
展開が大変に速いですが、一巻のじっくりとした書き込みが土壌となって、それも納得のできるお話となっています。

主人公のジクリットは貧民の出ながらタザリア王国皇子とうりたつという容姿を買われ、王宮で皇子とともに教育を受けさせられることに。
そこで皇女の執拗ないじめを受けながらも次第に周囲の信頼を勝ち取っていく……というのが一巻のあらすじでした。そして衝撃の展開が。

二巻はその衝撃の出来事を受けてのお話なのであらすじを書くと必然的に一巻のネタをバラしてしまうことになります……どうしよう。

と、とにかくジグリットはさらに困難な生活を送ることになり、身の安全を図るためにさらにさまざまなことに挑戦していかなければならなくなったのでした。

今回のタイトルは、影を背負った美形騎士ファン・ダルタの不幸な過去とジグリットとの友情から来ているものと思われます。

このエピソード、ちょっと友情を超えてある方向にやばいんじゃ……(苦笑。

ま、それはともかく、シリアスハードでユーモア感覚もちとぎこちないながら、苛酷な中にあたたかみある瞬間瞬間が描かれていくことで黒いだけの話に終わらず、まさに手に汗握る陰謀冒険モノ、という雰囲気です。

ところどころ文章が不安定だし、設定的に疑問符が付くところもなきにしもあらずですが、物語の放つ力の前には不問に付してもいいかと思えるくらいに面白いです。

タザリア王国の王の息子が皇子なのはどうしてって、やっぱり思ってしまうんだけれども(苦笑。

本の内容とは関係ありませんが、個人的には図書館で借りてる本の口絵がどうやら一巻も二巻も切り取られているらしい、ということに失望を覚えています。

たぶん、イラストが魅力的だったんだろうなーとは思うんだけど、だからって公共物を損なう言い訳にはなりませんよー。

三巻の口絵は拝みたいなあ……と思いつつ、つづきを予約いたします。

炎虐の皇女―タザリア王国物語〈3〉 (電撃文庫)
4840241481

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