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『恋のドレスと追憶の糸 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

恋のドレスと追憶の糸―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
青木 祐子
4086013185



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読了。

ヴィクトリア朝のイングランドを舞台に、恋のドレスをつくる仕立屋の娘と公爵家の跡取り息子の恋愛、娘の背後に隠された陰謀を描く、ミステリ風ロマンス。シリーズ十七冊目。

もう十七冊目なんですねー。
と感慨に浸っているのは、ゼロだったクリスの恋の経験値がどんどん上がっていることと関係があるかもしれません。思えば遠くに来たものだ……。

ここ数巻はクリスとシャーロックの愛の語らい(笑)が主でしたが、この巻の前半では女伯爵イヴリンの恋人でかつてはシャーロックの馬丁も勤めていたユベール視点での、トレシヴィク伯爵家過去編が描かれます。

そうと知らずに読んでいて、時系列があれ? となりました。いやでも、すごく興味深かったです。イヴリンの絶対語らないだろうユベールとのなれそめもそうですが、悲劇がどのようにして起きたのか。その背後に見え隠れする闇のドレス。ちょっとしたサスペンス展開でした。

そうか。このシリーズの根幹にこの事件があったのか……。いまさら気づいた私です。

いささか、いやかなり暗くて重くて、いままでとはかなりトーンが違いましたが、すごく面白かった~。すこしダフネ・デュ・モーリアみたいだったかも。

なのでそこにシャーロック君がいきなり出てきてちょっと興を削いだかも。
しかも自分で事態をコントロールできると思いこんでいる、はたからみれば迷惑なだけの自負心がさらに鼻持ちならなかったかも。

結局、シャーロックは他人も自分の都合で動かせる、動くはずだ、動かないはずがないとおもっている根っからの貴族なんですね。

そんなシャーロックのことをいろいろと慮って、彼だけじゃなくその他の人たちの立場にも深く共感して、すべてのひとをしあわせにしたいと願うクリスも、やっぱり理想主義なのかも知れませんが。

そんなふたりを待ち受けていた衝撃的な展開に、ちょっと言葉を失いました。


 クリスの心は、熱くなっていた。これまでにないほどに、激しい感情がうずまいている。(p.252)



あのクリスが、自分の巣穴にこもって縫い縫いしていれば幸せだった、小さくて臆病なクリスが、こんな状況に陥るなんて!

クリスの母親、リンダ・パレスやその愛人やその妻等々、これまで背後でうごめいていただけの人びとが次第に姿をあらわし始めて、物語も佳境に入ってきたのだなーと、それがまた感慨深かったです。

ああ、続きがはやく読みたい。文章に断定口調が多くなっているのが気になりますが、この先どうなるのかがとっても知りたいです。

余談。
パメラちゃんはやっぱり男前でした!

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