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『黄金の魔女が棲む森』

黄金の魔女が棲む森 (トクマ・ノベルズ)
麻木 未穂
4198507120


[Amazon]


読了。

ローマ帝国が東西に分割されようとしていた時代。追放されて魔女の棲む森で暮らしていた小国の王女の、戦乱と神々に翻弄されながらも意志強く前進する姿を描く、異世界ファンタジー。

と、要約した雰囲気と本文のもつそれとの乖離に頭を抱えてしまう一冊。

冒頭の描写から荘厳で深い物語かとおもいつつ読んでみると意外にあかるい話です。基本的にキャラクター小説ぽいからかな。ヒロインのあけひろげな性格も大きいのだと思います。

舞台は周辺の異民族の反乱に求心力を失いつつあるローマ帝国とその周辺の地中海北部沿岸。

ヒロインは異民族の侵攻に振りまわされていた小国アエスティの王女だったシフ。とある罪により追放され、十八年間、神狩りの森と呼ばれる魔女の棲む森に当の魔女と一緒に暮らしてきた姿だけ十三歳のままの少女です。

シフが歳をとらない理由は死と嵐の神ヴォータンが彼女をつけねらっていることと関係があります。

そんな彼女の元にある日、ローマ帝国皇帝から“赤毛の魔女”を保護し首都に連行せよという命を携えてやってきたのが美形の近衛騎兵隊長レギウス。
レギウスに捕らえられたシフのコンスタンティノポリスへの道中がストーリーのメインです。

反乱分子や異民族が入れかわり立ち替わり現れる物騒な展開に、シフのぶっ飛んだもくろみが重なり合って、なんだか奇妙な雰囲気を醸し出すお話でした。

外見十三歳でも中身はぷらす十八年。下品な魔女との暮らしで恥も慎みも消え失せたシフの言動に、若き近衛隊長レギウスのおたつく様が楽しかったです。

ただ同時にえがかれる当時のローマ帝国の不安定な情勢とのバランスが微妙で、うーん、ストーリー全体としてはまとまってはいるのですが、漫才と描写と説明とシリアスなやりとりがでこぼこしてうまく溶け合っていない感じだったのが残念でした。

シフの謎がとける最後のカタルシスは見事でしたが、そこで生まれた疑問に最後まで? となったまま終わってしまったのもむー。

同時代を描いたサトクリフの作品を読んでいたので知識を補完しつつ読みましたが、それがさらに余計なことだったような(汗。

面白かったのですが、個人的にいろいろと躓いてしまう要素の多い読書でした。申し訳ない気がする……。

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