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『賤民の異神と芸能 山人・浮浪人・非人』

賤民の異神と芸能
谷川 健一
4309225128


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読了。

歴史的に差別されてきた山人・浮浪者(うかれびと)・非人にまつわる民俗学的な論考についてのいろいろ。
『季刊東北学』『東北学』に掲載された記事に大幅に加筆した物。

この本、読むのにとても苦労しました。対象が素人ではないんだろうと思います。ある程度民俗学を学んでその学術的な変遷も頭に入れている人が読む本なのではなかろうか。

取りあげている題材はとても興味深い物でしたが、題材に関する直接的な言及が少なく、二重三重にフィルターをかけられているようなもどかしさを感じました。読むのに要した労力に見合った実を得るにはもっと読み手に経験がないとダメなんだと思った。とほほ。

とりあえず、目次を記しておきます。


 序章 永久歩行者

第I章 山の原始
 御窟考 三輪山と天皇霊
 山部と二王子逃亡の物語
 役の優婆塞
 山の神の原像

第II章 山からの贈り物
 山人と寄生木
 海彼の巫医
 山の民と川の民 ワタリ・タイシ・井上鋭夫批判

第III章 終わりなき漂泊
 山聖と市聖
 白の放浪者 白比丘尼・大白神・白大夫
 巫女と巫娼

第IV章 四宮河原の非人と芸能
 海の翁から山の翁へ
 宿と宿神
 摩多羅神 障ぎと祝福の地主神
 地神盲僧と平曲琵琶
 逆髪考 地獄の女王

終章 ケガレとキヨメ



私が一番面白かったのは終章でした。他の学者の論に対する記述が少なく、著者の言葉がダイレクトに伝わってきたので。

逆にいえば、他の部分は他人の論考についての論評ばかりのような印象を受けたわけです。一時資料の引用はともかくそういう二次、三次の文章の引用を長々と読まされていると対象のイメージがどんどん薄れていって、けっきょく何がテーマの話だったかあんまり印象に残らないという感じになってしまったと。

そういう論評を取りのけて対象を読みとる力が私になかったというだけの話ですが、出版社がわりと一般的なところだったのでここまで専門家向けの本だとは思わなかったんですよー。

だから力のある人には面白いんじゃないかと思います。
私にはツカレタというイメージばかりが残りました。無念。

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