『夢見る水の王国 下』

夢見る水の王国 下 (カドカワ銀のさじシリーズ)
寮 美千子
4048739514



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読了。

生と死とその狭間にたゆたう夢の世界で愛の裏と表を描く、幻想的なファンタジー。下巻。

言葉の選び方と情景描写の美しい、詩情あふれるお話でした。
徹頭徹尾、静かな夢の世界だとわかる書き方でリアリティーはないのですが、だからこそ普段は見えない真実がくっきりと浮かびあがる。ファンタジーの特性を最大限に生かした物語。

お話は夢ですが、夢は少女やおじいさんのこころを鮮やかに映し出して、これまでともに過ごした時間につもりつもった愛と憎しみを暴き立てていくものでした。

現実では一瞬のうちに過ぎ去った時間であっても、生から死へとうつりゆくものを心が認識し受けとめきるにはこれだけの間が必要なんだなーと、読み終えて思った。

移ろいゆく月とその光、流れる水、たゆたう水の冷たいイメージ、循環する生命と宇宙のひろがりが、美しくもあり切なくもある物語でした。

二人に分かれたヒロインそれぞれにつきそう、黒猫のヌバタマ、子馬のヨミのぬくもりが愛おしかったです。

ところで、本のこの作品はとある別作品の作中作、なのだそうです。
泉鏡花文学賞受賞のその本はこちら。

楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―
寮 美千子
4062124394


読んでみようかなーと思ったのですが、アマゾンの評が賛否真っ二つに割れていてちょっと怖い(汗。

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