『ピアノの森 8』

ピアノの森―The perfect world of KAI (8) (モーニングKC (1445))
一色 まこと
406372445X



借りて読了。


劣悪な環境に生まれたピアノ天才児・一ノ瀬海の音楽人生とかれを取りまく人びとの人間ドラマコミック。シリーズ第八巻。

前巻から五年が経過して、留学先から帰国した雨宮君。
スランプに陥っている彼の視点から海くんの現在を明らかにする、第二部開始編といった趣の一冊でした。

このマンガを読んでいると海の住んでいる俗な世界と音楽の落差に愕然とします。
現実に肉体が存在するのは人間の欲得に彩られた汚い世界。
なのにそこで海の奏でる音楽は汚穢を突きぬけ浄化して、天への光となってつきぬけていくんです。

私は元々このマンガの泥臭い絵柄があまり好きでなく、評判を聞いてもなかなか手が出なかったのもそのせいなのですが、この現実との落差を描くためにはこの絵柄が必要なんだよなあ、と今は思います。

芸をするものは人ではない存在。
聖であったり穢れであったり、そのときどきによって変化したりする。

というような民俗学的な話に思いを飛ばしながら読んだりしてました。

マンガの本筋とはあんまり関係ない感想ですね(汗。

とにかく、海くんは逆境の中でにこにこと笑いながらもかなりの努力を積み重ねている模様。
海くんの存在を壁と認識してスランプになってしまった雨宮君は、どうやってこのコンプレックスを乗り越えていくのでしょう。

まるでモーツァルトとサリエリですねえ。

海くんには阿字野先生が後ろ盾としてついているようですが、このまま万事が上手くいくわけがないよなあ……と校則違反の数々を見ながら思った。

きっとまた海くんは困難にぶちあたるに違いないです。

そういう話、最近とみにヘタレの私にはちょっと辛かったりするのですが。
音楽の表現が好きなのでつづきも借ります。

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