『オイレンシュピーゲル 参 Blue Murder』

オイレンシュピーゲル 参 Blue Murder (3) (角川スニーカー文庫 200-3)
冲方 丁 白亜 右月
4044729050



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借りて読了。

近未来のウィーン=国際都市ミリオポリスで警察組織に所属する機械化された少女たちの活躍を、シャープにクールにヴィヴィッドにえがく、SF陰謀アクション小説。シリーズ第三巻。

面白かったー!

黒犬、涼月。
赤犬、陽炎。
白犬、夕霧。

それぞれの個性とそれぞれの過去を背負って事件の最前線に突撃する三人の特甲児童たち=ケルベルス。
華やかで鋭い切れ味たっぷりのアクションと、深い傷のもたらす影のコントラストが印象的な小説です。

三巻では三者三様のエピソードをつなげてひとつの事件が構成されています。

涼月と、彼女を恋い慕う激烈な運動音痴の接続官吹雪少年の、超にぶい恋愛話。
陽炎の、初出撃の消された記録と消えた記憶に関する探索と、それによって引きおこされた超派手な撃ちあいアクション話。
夕霧と、公演でヴァイオリンを奏でる少年との、儚くも哀しい交流と、その背後で画策されていたプリンチップの陰謀話。

どの話も読み応えがありましたが、さまざまな要素が最後にひとつの結末へとなだれ込んでいくさまがスバラシイと思いました。

軸となるのは、第弐巻で涼月が実現してしまったレベル3の特甲と、三人の初出撃になにが起きたのかという謎。

この謎には『スプライトシュピーゲル』の特甲児童も関わっていて、スプライトの重要な脇役ふたりもすこしだけですが登場します。

こんなに賑やかでこんなに派手でこんなに明るくて悪ふざけばかりなのに、どうしてこんなに哀しいんだろう、この話は。

随所に描かれる人と人とのぬくもりある交流に救われます。
涼月を純真におもっている健気な吹雪くんなんて、かわいくてなりませんw
陽炎の片想い相手の中隊長さんは、ひたすら渋くてカッコイイ。

陽炎が目の敵にしていたモリィ捜査官だって、じつは……だったし。

ただひとつ不安なのは、自身が天然電波ちゃんな夕霧の、皆を明るく照らすが故の深い闇を本当に救ってくれるのはだれなのか、てことかな。

とにかく先を読みたい!
と叫んだところで、すでに借りてきているので続きを読みます!


「なーんか……世界とか救いてえ――……」




オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog (角川スニーカー文庫)
冲方 丁 白亜 右月
4044729085

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