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『カラクリ荘の異人たち ~もしくは賽河原町奇談~』

カラクリ荘の異人たち~もしくは賽河原町奇談~ (GA文庫 し 3-1)
霜島 ケイ ミギー
4797342986



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読了。

少年が住むことになった父親の友人の下宿。そこはひとならぬものが行き交う異界との接点にあった。恐怖を感じなくなった少年と一風変わった住人達との、あやかし頻出の超日常をあかるく描く、現代ファンタジー。

『封殺鬼』シリーズの作者さんの、ほのぼの物騒な日常ストーリーです。
いいなあ、この雰囲気。

もともと簡潔でいてどこかしっとりとした文章を書かれる作家さんで、私は大好きな方なのですが、今回のお話は日常に隠れている生と死のあわいをあつかって明るく、なおかつ哀しく、しみじみとした味わいの佳品に仕上がっています。

描かれているのは『封殺鬼』のスケール感はもたない小市民的な日常なんですが、誕生したときから死に向かって旅をしているのだ、ということは術者であろうが凡人であろうが誰でもおなじ。

主人公の太一君は母親との関係で心に深い傷を負った少年。
たぶんそのせいでかれは生へのエネルギーが減少し、死の方向にかなり近づいているのだと思われます。

そのことに無自覚だったかれが、異界とふれあうことで生の哀しさとすばらしさを感じ、麻痺していた感情をすこしずつでも取り戻していく。

これはファンタジーの常道。というか正しいファンタジーのひとつのあり方ではないかと私には思われるのですが、そんな小難しいことは置いておいて。

登場人物の賑やかさがとっても楽しいです。
老若男女取りそろえ、生者も死者もあやかしもなにもかもがごたまぜで、どれかが軽んじられることがない。

生も死も等価にあつかわれて、でもきちんと分けられた世界。

そんな賽河原町の存在そのものが愛おしいようなここちになる、楽しい一冊でした。

続編もあるようなので機会が巡ってきたら読んでみたいと思います。

カラクリ荘の異人たち 2 ~お月さんいくつ、十三ななつ~ (GA文庫)
霜島 ケイ ミギー
479734914X


封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈1〉 (ルルル文庫)
霜島 ケイ
4094520082

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