『文車館来訪記』

文車館来訪記 (KCデラックス)
冬目 景
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借りて読了。

多分大正時代の日本が舞台。浅草?の裏通りの細い路地をぬけたところにあるもうひとつの“町”にあるちょっと変わった写真館とそこに集うひとならぬ者たちを描く、ノスタルジーあふれる短編連作コミック。

現実のとなりにある異界。
ひとの世界から逃げ出してきた主人の営む写真館。
そこで撮られた写真に映りだす思い出。
それはひとならぬ者たちにまつわる、愛おしくも哀しいエピソード。

なんだか最近の私の読書傾向のど真ん中を行くような作品でありました(汗。

冬目景の作品はじわじわと雰囲気で攻めてくるものが多いですが、これもまさしく。
一編ごとのページ数は少ない(だいたい八ページくらい?)のにきわめて印象的な部分を切り取ってつくられた話ばかりで、鮮烈なイメージとそれがすでに過去のものであるという距離感がないまぜで、とてもいいなあと感じる作品集でした。

しかも、連載作品はオールカラー。
最後につけ加えられた一編だけがモノクロですが、どちらも冬目景ならではのあじわいがあり、冬目景入門には最適な一冊ではなかったかと思います。

ちなみに私は最後の猫の話が一番好きです。
ひと形よりも猫のまんまのほうがより好きです。
さらに正確に言うと、猫のからだのしなやかな感じがつたわる絵が好きです。

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