『鉄のエルフ 1 炎が鍛えた闇』

鉄のエルフ 1炎が鍛えた闇 (ハヤカワ文庫FT)
クリス・エヴァンズ
4150204926



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読了。

ナポレオン戦争時のイギリスを彷彿とさせる異世界を舞台にいにしえの魔法が甦る、軍隊ファンタジー。開幕編。


エルフと人間、エルフキナの住む世界は、ひとしれず〈影の女王〉の脅威にさらされていた。
エルフでありながら狼樫との絆を結べずに故郷を離れ、人間の帝国カラルの軍隊に身を投じたコノワは、みずからに負の刻印を与えた〈影の女王〉の陰謀を阻止したために追放され、かれが隊長だった〈鉄のエルフ隊〉は解散させられた。辺境の森で髭虎(ベンガー)のジアのみを友として孤独に暮らしていたコノワだったが、ある日、とうに絶滅したはずの獣人・怪猩(ラッケ)に襲われる。命からがら怪猩を倒したコノワは捕らわれていた若い女性を救うことになった。彼女はエルフよりひとに近いエルフキナ種族のヴィジーナ。コノワの軍復帰命令を携えてやってきたのだった。



近代ふうの異世界――植民地主義による帝国と植民地の関係をも含む――を舞台にした、かなり変わり種のファンタジーです。

モデルは大英帝国とインドかなあと思います。作者がインスピレーションを受けた作家にキプリングが含まれているから。

近代の世界情勢はすでに各国を単独で語るというわけにはいかなくなっているので、それを下敷きに話を書こうとするとそうとうにさまざまな知識が要求されるのではなかろうか。資料もたくさんあるわけですし。

異世界にしてしまえば宗主国と植民地と単純化した図式で話が進められるので、楽と言えば楽かもしれません。でも、ファンタジーを軸にする場合は、やっぱりそれなりの苦労がついてくるだろうなとも思います。

まず、馴染みがない世界なので読み手に理解させるのに手間暇がかかります。現に私もこの話の舞台を把握するのにかなり時間がかかりました。ナポレオン時代の予備知識というと、私の場合はホーンブロワーしかないわけです。しかもあれは海戦もので植民地なんてほとんど出てこないしね……(汗。

世界情勢よりも大事なファンタジー的な軸もなかなか見えてこず、ぼんやりしたまま読んでいたのもいけなかったかな。

絶滅したはずのいにしえの化け物たちが復活して暴れまくる展開も、近代戦で使用武器がマスケット銃だったりサーベルだったりするし、化け物たちもかなり独特なので
、雰囲気に慣れるのに時間がかかりました。

そのためようやくなんとなくわかってきたかなーというところで終わり。
まだ、なにもかもが始まったばかり、という感じです。

いまのところ、特徴的なのは雰囲気がかなり泥臭く、軍隊的である、というところかな。
ファンタジー的な要素は幻想的というより魔的で不吉な感じです。

エルフなのに森が大嫌いで鉄に触れても何ともない、生い立ちのせいでかなりひねくれた感じのヒーロー、コノワ氏は、まだどんな野郎だか私にはよくわかりません(汗。

エルフでもないのに鉄のエルフ隊に組み込まれてしまった、ドワーフの古参兵イムトが出てくるところが楽しみです。

それとベンガーのジア!
髭虎という漢字が当ててありますが、どう考えてもベンガルトラですよね。
でもベンガルトラって人に馴れるのかな。いや、ここ異世界だし、コノワは人じゃないし。だからいいのです(?)。

余談。

トールサイズになったハヤカワ文庫を初めて読みました。
字が大きく、字間も行間もそれにあわせて広がっていて、全体的にページが白っぽい印象です。

これ、ふつーに昼間に読んでる分にはなんともないんですが、寝る前に眼鏡を外して読んでると印象が非常に散漫になっていけません。私、超近眼なのでたぶんページをものすごく近づけて見てるんだと思う。すると視野が狭いので把握できる字の量も減るんだと思う。すると……というわけです。気がついたのですが訳文の漢字の量もけっこう少ないんですよね。

だからなのか、読み始めるとすぐに寝ちゃって全然進まなくて困りました。

でも字がたくさん詰まってると眠くならないかというとそれもまた違うんですよね……。字も漢字もたくさん詰まってるけど読んでると寝ちゃう本で未だに読みつづけてるのがあるし。


鉄のエルフ〈2〉赤い星 (ハヤカワ文庫FT)
Chris Evans
4150204934

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