『王の書は星を歌う ワンデルリアの女神』

王の書は星を歌う―ワンデルリアの女神 (コバルト文庫)
彩本 和希
4086013134



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読了。

プトレマイオス朝エジプトを中心とした地中海世界を彷彿とさせる異世界を舞台に、いにしえの大王の残した古文書を読み解く能力を持った少女の運命を描く、戦乱ファンタジー。


高い文明を誇るエレオカリス王国の古都、湾岸都市のワンデルリア。レスティリアは世界一の蔵書を誇る王都ワンデルリアの図書館で、ワンデルリウス文書の唯一の解読者として窮屈ではあるが平穏な生活を送っていた。捜書の旅からようやく帰還した幼なじみの捜書官バラノスを迎えた夜、ワンデルリアは隣国ソラヌム王国海軍の急襲を受ける。レスティリアの父親代わりの図書館長の命により、レスティリアはバラノスを隊長とする護衛とともにワンデルリアを脱出する。



異能を持ち、あたえられた役割をまっとうすることのみに懸命だった少女が、広い世界で様々な体験をし、異なる価値観に触れ、みずからの力で道を選択しようとするまでに成長する物語。

たいへんによくまとまったお話で、なおかつ読みやすく、するりと最後まで読めました。
少女を軸としたお話としては、たぶんこれでいいのだと思います。

ただ、舞台とか歴史とか人物とかの設定が、史実に酷似しているので、それがすぐに透けて見えてしまうあたり、ちょっと損をしているなあと感じました。

損をしているというか、うーん、もうすこし、下地が見えないようにお化粧をしてくれてもよかったのではというか。でもこの分量でそこまで求めるのは酷かとも思うし。

読みながら脳内のほかの引き出しから情報を補完してしまう自分というやつに、どんどん嫌気がさしてしまう読書でありました。それをさせない密度が、私は欲しかったのでしょう。多分無い物ねだりです。

レスティリアの持つ異能。大王の文書を読み解く能力が、意外な方向に展開するあたりは、ほほうと感心し、面白いなあと思いました。

なんとなくシャーマンのトランス状態にも似ているなとも思いましたが……。
『クロニクル千古の闇』思い出した。

そんな状態を作り出す文字って、いったいどうやって書くんだろうという、あさっての方向への好奇心が首をもたげましたが、たぶんストーリーには関係ないから出てこないよね。

どうやらシリーズ化してて次巻がある模様ですが、次を読むかどうかは運次第です。
コバルトは予約待ちがすごいからなかなか巡ってこないんです。

そういえば、これってもしかして三角関係ものかもしれない。
お子様すぎてヒロインではキュンキュンはできませんでした。
バラノス視点だとすごくキュンキュンするのではなかろうか。今考えてみると。

とりあえず、私はローマ軍団萌え!
じゃないや、アキレギア軍団萌え?

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