『魔女と犬 カメリア・カタルシス』

カメリア・カタルシス 魔女と犬 (トクマ・ノベルズEdge)
西魚 リツコ
4198506914



[Amazon]


読了。


現代日本を舞台にした、ちょっと風変わりな青春サイコサスペンス?


進学校に通う準子は植え込みの影で転がっている若い男を見つけた。死体かと思ったが、どうやら寝ているだけのようだ。それにしてもこんなところで一晩寝込むとは、浮浪者なのだろうか。そのまま通りすぎたかったが、準子は男の寝ている植え込みに用事があってきたのだ。準子の目的だった捨て子犬は男が抱えこんでいた。しかたがない。準子は目覚めた犬井という男に、子犬を飼いたがっている知り合いに自分が飼うつもりだからと説明してあきらめさせてくれと言った。植物採集に来たという犬井はなんの疑問も持たず、準子について四辻家までついてきた。これからされることも知らないで。




『暁と黄昏の狭間』シリーズの続きが読めないので、おなじ作者さんの別シリーズを借りてみました。

面白かった!

意外な発端からどんどん意外な方向にころがっていくストーリー、謎めいた設定がどんどんあきらかになる展開、つづきが気になるというレベルではなく、あっという間に読み切ってしまいました。これはここ最近はほとんど無かったことです。

多少、小説としてこなれていない部分がありますが、それは書き慣れていないからなんでしょう。物語としての完成度はかなり高いと思います。書きたいことと書くべきことをわきまえたうえで、なにを提示していくかをきちんとコントロールしているさまがうかがえます。もともとマンガ家さんだったからでしょうか。構成に無駄がない。なのに視覚的にすっと浮かんでくる描写。文章のぎこちなさ、小説ではなくマンガの技法で書いているのではと思われるところなど、わかりにくいところはありますが、作品の作り方は心得ている方だと思いました。

読み終えてみればけっこうドロドロとしたしがらみ設定だったのですが、泥臭い湿っぽさをそれほど感じなかったのは、拉致監禁される犬井君のどこか他人事な雰囲気と、かれの雇い主の“魔女”の存在(と態度)が大きいですね。

どうしてこういうタイトルなんだと疑問だったのですが、なんだそういうことなんだと、たいそう腑に落ちました(苦笑。

お話の雰囲気的には既存の作家さんでいうと昔の図子慧さんあたりと似ているかなと思いました。

よし、つづきも借りるのだ。
お願いだから借りさせて~。

オリザ・ハーモニウス 魔女と犬 (トクマ・ノベルズ)
西魚 リツコ
4198507163

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)