『彩雲国物語 暗き黄昏の宮』

彩雲国物語 暗き黄昏の宮 (角川ビーンズ文庫)
雪乃 紗衣 由羅 カイリ
4044499195



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読了。


女の子が立派な官吏になりたいと頑張る、中華風異世界を舞台にしたロマンティック陰謀ファンタジー。シリーズ……何冊目ですか?(汗。

つねにはりつめた雰囲気を漂わせているこのシリーズ、今回はさらに弓をきりきりとひきしぼるような展開で、読んでいるとなんだかこちらまで緊張してくる始末。

監察御史として貴陽を離れた秀麗ちゃんが行方不明となり、そこから王様とその側近につぎからつぎへとあきらかになった陰謀の根深いこと周到なこと。これで一冊ぶん吹き飛んでしまいそうな勢いでした。

王には失敗が許されないと認識する厳しい一派は、王の決断に甘さはけして許されない、これくらいで失脚するならば王に値する器ではない、さっさと去ね。くらいの勢いなんでしょうねえ。

すべておのれのまいた種だとわかる程度には聡明な王様の、すっかりへこたれてしまった姿には憐れみすら覚えます。たしかに王様の責任なんですが、うまれてからずっと放置されていたかれにいままで誰がそのことを教えてきたでしょうか。かれは今、ようやく王であることの意味する重たい責任に初めてめざめておののいている、そんな気がします。

王様を見まもってきた年上の人々は、みんなスパルタ式だったんだなあと今更ながらに感じています。
自分の地位は自分で守るか自分で勝ち取れ、なスタンスですよね。劉輝の人格に深い傷があることを心得ながら王位に就けた霄太師をはじめ、いろいろとかってな思惑ありすぎです。この話の登場人物たちは(苦笑。

で王様が黄昏れている間、危機に陥っていた秀麗ちゃんは、はじめこそボロボロでしたがやはり根っからのしっかりものであるなあ……。

それにしても、具体的な事実ははっきり言わないのにいろいろと察している十三姫とか、出番はほとんど無いのに今回のヒーロー役をはってしまった蘇芳くんとか、メインキャラにならないほうが賢いままでいられるような気がします、この話。

王様は最初からヘタレでしたが、最近の藍楸瑛くんのわがままだだっこぶりにはちょっと呆れる……クールな女好きだった過去の姿はいずこへ(苦笑。

いままで思わせぶりにいろいろと匂わせてきた事柄が次第にはっきりとしてきて、だんだん話が具体的になってきたのでだいぶ読みやすくなってきました。
縹家の実態があきらかになったのはかなりスッキリした。

羽羽様と瑠花さんのつながりが最後に何かものをいうのかなあとかおぼろにかんじつつ、最終章に入ったらしい物語のつづきをお待ちしています。

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