『バガボンド 5』

バガボンド(5)(モーニングKC)
井上 雄彦 吉川 英治
406328672X



借りて読了。


江戸時代初期に生きた剣豪宮本武蔵の若き日を描く、時代コミック。シリーズ第五巻。


すげー。すげーよ、このマンガ!

のっけからお下品でスミマセン。
丁寧語では受けた衝撃が伝わらないような気がして、つい。

ストーリーラインを辿れば強くなりたい、自分がどれくらい強いのか知りたい、という欲求に突き動かされた若者が、強敵と次々に相まみえ、挑み、戦うというありふれたお話なのに、このど迫力。

それは武蔵の強さへの希求がおのれの存在すべてをかけた血を吐くような問いかけだからなのかなと思いました。

そして武蔵に相対する敵方も、やはり自分の強さのみを頼みとして生きている人々。

戦が終わった時代になおも強さのみをもとめるこの人たちは、生きる意味を求める手段として、戦いを選んだ人々なのでしょう。

もっと生産的な人生を送れないものかなと現実的な私は思ってしまうわけですが、そのほかの道に目を向けられないひとびとというのはじつは不器用なのかもしれないですな。

文化の洗礼を受けず、社会化されず、時代の流れにも乗れず、ただひたすら強さを求めて獣のように(とはいえ獣はこんなに強さを求めたりはしないですが)生きていく男たち。

その不器用な人々のなかでも武芸を生業として派閥を持つ者たちは、それなりに世渡りを始めているといえなくもないけれど、武蔵のような愚直な生き方にまだ未練があるのでしょうねえ。

たとえば宝蔵院胤舜も、その手のひとなのだろうと思います。

そしてこのマンガの迫力とは、自分自身の存在意義を命をかけて問い続ける武蔵と、かれの在りようにひきこまれるかのごとく命のやりとりをしてしまう武芸者たち、かれらの戦いがそれぞれの生の激突である、というところからきているのかなあ、などと思ってみたり。

そんなことを考えずとも、戦闘シーンは本気で血反吐をはくような臨場感たっぷりで、この画面を見ているだけでもうわーと感嘆してしまいます。

この感嘆がどこまでどんなふうにつづいていくのか、興味津々で続きも読むことにいたします。


バガボンド(6)(モーニングKC)
井上 雄彦 吉川 英治
4063286851

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