『夏目友人帳 9』(追記あり)

夏目友人帳 9 (花とゆめCOMICS)
緑川 ゆき
4592186699



読了。


人ならぬモノが見えるために孤独に育った少年夏目の、不器用ながらも周囲とのかかわりをつくっていく姿を描く、日常ファンタジーコミック。第九巻。

祖母レイコさんの形見であるあやかしの名を記した友人帳を手に入れたせいでつねに人ならぬモノが近づいてくる夏目少年に起きる、小さな災難の数々を描くシリーズ。

安定した面白さでした。

前巻ではわりと人間寄りの生活をしていた夏目ですが、今回はまたぐいっとあやかし寄りの展開でした。

異種ゆえになかなか相互理解の難しいあやかしに対する夏目の態度には、少々あやういかなと思う場面があったりもしますが、あやかしよりも敵意の強い同種つまり的場一門のおかげで人間に対しても警戒が高まってしまうあたり、なかなか複雑な感じです。

夏目の立場はあやかしと人間の中間で、どちらにもシンパシーを感じていてどちらとも仲良くしたい拒絶したくないというのは、寂しさを抱えた少年としてはごく自然な態度なのかもしれませんが。

おそらく人間としての一般的な態度は的場一門が象徴していると思うのですよね。

人間もあやかしも等価であつかう夏目の存在は現代の人間社会ではかなり異端だと思われます。
異界のものと人間を区別しないということは、死と生を区別していないということ。
つまり、夏目の意識は死者も生者もそのまんまここにいるという、古代のひとびとの意識とおんなじなのかなーと思ったりしました。

そうか。夏目の意識は先祖返りの意識なのですね。

それにしても、レイコさんというのはいったいひとだったのか。
夏目の親はレイコさんの娘なのか息子なのかもぜんぜん出てこないし、レイコさんのお相手なんか謎そのものです。

レイコさんはつねに女子高生の格好で出てくるわけですが、それってそのお年頃で亡くなったということなのかなー?

夏目ですら意識にものぼらせないということは、よほど一族でタブー視されていたのかなと想像してしまいます。

この話のなかでそんな年代記的な事実が明らかになるとはあんまり思えないわけですが、いろいろと考えとしまう今日この頃です。

ところで、ニャンコ先生がイカにこだわっていたような気がするけど、猫ってイカを食べても大丈夫なのでしょうか。


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追記。

レイコさんは夏目の母方の祖母です。
九巻にちゃんと書いてありました。

拍手コメントで情報をくださった方、どうもありがとうございます。

興味があるくせに何故読み飛ばすのだ、自分よ。


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